3.6.10 Spatial Studioにおけるキャッシュについて
Spatial Studioリリース22.3以降、すべてのデータセットに対して生成されたすべてのベクター・タイルは、デフォルトでファイル・システムにキャッシュされます。
このキャッシュ・プロセスは、マップ・ビジュアライゼーション用のデータセットを初めてロードし、マップのパンを開始したり、マップをズーム・インおよびズーム・アウトすると自動的に開始されます。したがって、同じデータセットを次回ビジュアル化すると、対応するマップ・レイヤーはすべて、関連するタイルがすでに生成されロードする準備ができているため、より速くロードされます。これらの生成されたベクター・タイルはすべて、次の場所に保存されます:
<user_home_folder>/.sgtech/cache/CACHE_<cache_id>
フォルダ名の一部である<cache_id>は整数値で、データセットid
およびベクター・タイルでエンコードされているジオメトリ列に基づいて計算されます。メタデータ・ファイルは、各cache
フォルダ内に保存され、タイルがtiles.json
ファイル内のどこに属するかについて人間が判読できる情報を提供します。メタデータ・ファイルのサンプル構造は、次のとおりです:
{
"DatasetName" : "DATASET NAME",
"DatasetId" : "8da55629d3ca71aa37d859422a847257",
"GeometryColumn" : "GEOM_COL_NAME"
}
各ベクター・タイルはエンコードされ、次のように名前パターンに従ったファイルに保存されます:
<zoom_level>_<x_axis>_<y_axis>.dat
前述の名前パターンの変数はすべて整数で置き換えられ、世界地図の特定のビューポートを見たときにタイルをロードする必要がある世界の位置を示します。
データセットのキャッシュ・オプション(「事前キャッシュ」および「キャッシュのパージ」)には、次のように「データセット」ページからアクセスできます:
- 事前キャッシュ
ビジュアライゼーション用のデータセットとともにマップがロードされる前でも、事前キャッシュ・タスクをトリガーしてベクター・タイルの生成を開始できます。 - キャッシュのパージ
「キャッシュのパージ」オプションをコールすることで、キャッシュされたタイルを消去できます。
親トピック: Spatial Studioの「データセット」ページ
3.6.10.1 事前キャッシュ
ビジュアライゼーション用のデータセットとともにマップがロードされる前でも、事前キャッシュ・タスクをトリガーしてベクター・タイルの生成を開始できます。
「事前キャッシュ」オプションにアクセスするには、図3-45を参照してください。
事前キャッシュでは、データがどこに配置されているかを推測し、キャッシュ用のデータ境界を提示できます。情報が利用できない場合、事前キャッシュ・タスクに含める必要がある世界の一部を対話形式で選択できます。Spatial Studioでは、データに最適なズーム・レベルも提示されます。ただし、いつでもこれをオーバーライドして、「ズーム・レベル」で独自の選択を構成できます。
ノート:
データの複雑度と事前キャッシュするズーム・レベルの数に基づいて、このタスクには数分から数時間かかる場合があります。したがって、このタスクによってデータベース接続およびCPU使用率が大きく影響を受ける可能性があるため、このプロセスに含める選択対象には注意してください。事前キャッシュされたタイルは、前の項で説明した名前パターンに従ってファイル・システムに保存されます。事前キャッシュされた外接矩形およびズーム・レベルに関する追加情報は、次のようにtiles.json
ファイルに含まれています:
{
"DatasetName" : "DATASET NAME",
"DatasetId" : "8da55629d3ca71aa37d859422a847257",
"GeometryColumn" : "GEOM_COL_NAME",
"ZoomLevels" : [ 13, 14, 15 ],
"BoundingBox" : [ -103.455841, 20.708551, -103.421479, 20.73044 ]
}
親トピック: Spatial Studioにおけるキャッシュについて
3.6.10.2 キャッシュのパージ
「キャッシュのパージ」オプションをコールすることで、キャッシュされたタイルを消去できます。
「キャッシュのパージ」オプションにアクセスするには、図3-45を参照してください。
このオプションは、データベース・データが変更され、すでに生成されたベクタ―・タイルが古くなるたびに役立ちます。
あるいは、次のように「アクティブ・プロジェクト」ページのマップ・ビジュアライゼーションに追加される各データセット・レイヤーに対して「レイヤーのリフレッシュ」オプションを選択することもできます:
これにより、ベクター・タイルを再生成する前に、キャッシュのパージ操作が間接的にトリガーされます。
次のいずれかの変更をデータセットに適用する場合は常に、キャッシュ・パージまたはレイヤー・リフレッシュを実行する必要があります:
- データセットのキー列の変更
- データセットの列の有効化または無効化
- データセットのソース表の内容の変更
そうしないと、マップに古いデータが表示され、そのデータとやり取りすることでエラーが発生する可能性もあります。
親トピック: Spatial Studioにおけるキャッシュについて