3.6.6 データセットの時空間の有効化

時空間データをビジュアル化およびアニメーション化するには、「データセット」ページでデータセットの「時空間」を有効にする必要があります。

Spatial Studioでは、Cesiumタイムライン・ウィジェットを使用した時空間マップ・レイヤーのビジュアライゼーションとおよびアニメーション化をサポートしています(「Cesiumタイムライン・ウィジェットの概要」を参照)。こうしたマップ・レイヤーは、基礎となるデータセットで「時空間」を有効にした場合にのみ、タイムラインをリスニングできるようになります。

時空間データセットの特性

Spatial Studioでは、データセットが次のいずれかのタイプに属している場合、そのデータセットには時空間データが含まれているとみなします。
  • ライブ時空間データセット:次の特性を満たすデータセットは、ライブ・データセットと呼ばれます:
    • ジオメトリ列または緯度/経度の列ペアが含まれるジオメトリ表またはビューに基づいている。
    • データセットに、いずれかの列によって一意に識別される1つ以上のエンティティ(データセット内のオブジェクトを表すもの)がある。
    • データセットの基礎となる表またはビューに、TIMESTAMPまたはDATE型の列(またはGeoJSONレスポンスの修飾フィールド)が含まれていて、エンティティの監視時と記録時のUTC日時が格納されている。
    • データセットの基礎となる表またはビューには、監視またはモニターの対象となるエンティティの直近に取得した位置データの継続的な挿入が必要です。

    Spatial Studioでは、エンティティIDが同じすべての異なるデータセット行は、そのエンティティを表しているTIMESTAMP値が異なるエントリとみなされます。ただし、位置の座標やジオメトリは異なっていることもあります。そのため、こうしたライブ時空間データセットは、次のように再分類できます:

    • 移動オブジェクト: エンティティごとに、TIMESTAMP値の変更によって場所またはジオメトリが変化する場合、こうしたデータセットは移動オブジェクト・データセットと呼ばれます。この場合、トレイル・レイヤーが追加され(修飾ジオメトリの場合)、そのレイヤーは、最後のN秒(またはそれ以上の時間単位)のデータをフェッチすることで、移動オブジェクトの軌道を線ストリングとして表示します。
    • 非移動オブジェクト: エンティティごとに、TIMESTAMPの変化によって特定のプロパティのみ(場所やジオメトリ以外が)変化する場合、これらは非移動オブジェクト・データセットと呼ばれます。この場合、プロパティのみが時間とともに変化するため、トレイル・レイヤーは追加されません。
  • 非ライブ時空間データセット: 次の特性を満たすデータセットは、非ライブ・データセットと呼ばれます:
    • ジオメトリ列または緯度/経度の列ペアが含まれるジオメトリ表またはビューに基づいている。
    • データセットの基礎となる表またはビューに、履歴時間値を格納するTIMESTAMP型またはDATE型の列が含まれている。
    こうしたデータセットは、次に示すように再分類できます:
    • 移動オブジェクト: ライブ・データセットと同様に、このデータセットにTIMESTAMP値が変化するエンティティ(データセット内のオブジェクトを一意に表す)が含まれている場合は、トレイル・レイヤーが追加されます。トレイル・レイヤーは、直前のN秒(またはそれ以上の時間単位)のデータをフェッチすることで、移動オブジェクトの軌道を線ストリングとして表示します。
    • 非移動オブジェクト: この構成では、データセットは異なるTIMESTAMP値を持つ別々の行を保持するものとして処理されます(エンティティIDごとにグループ化されません)。
  • 時間対応WMSデータセット: WMSサービスがWMSデータセット内で選択されたイメージ・レイヤーの時間ディメンションを提供する場合、そのWMSデータセットを時空間として構成できます。
  • GeoJSON URL (外部)データセット: こうしたタイプのデータセットは、間隔値に基づいて定期的にリフレッシュするように構成できます。

3.6.6.1 ライブ移動オブジェクト・データセットの時空間の構成

次のステップを実行して、移動オブジェクトを含むライブ・データセットの時空間を構成します。この手順では、このようなデータセットがすでにデータベース・スキーマに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 必要な時空間データセットを右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
    データセットのプロパティダイアログが開きます。
  3. 「時空間」タブをクリックします。

    次のダイアログが表示されます。

    図3-36 データセットの時空間の有効化

    図3-36の説明が続く
    「図3-36 データセットの時空間の有効化」の説明
  4. 「時空間の有効化」ONに切り替えます。
  5. 「タイムスタンプ(または日付)列」を選択します。
    • 日付型とタイムスタンプ型の両方の列がサポートされています。
    • タイムスタンプ型の列を使用する場合、Spatial Studioでは、移動オブジェクトのビジュアル化に対してUTC (協定世界時)またはGMT (グリニッジ標準時)タイム・ゾーンのみがサポートされることに注意してください。
  6. 「データはライブです」ONに切り替えます。
  7. 「移動オブジェクト」ONに切り替えます。
  8. 一意のエンティティのセットを識別する「エンティティID列」を選択します。
    「エンティティID列」は一意の列ではありません。これは、各エンティティがその場所の様々な記録を同じ表に保持できるためです。
  9. 表内のライブ・フィード更新のおおよその頻度を指定するには、「データ変更率」を指定します。
  10. 必要に応じて、Cesiumマップ・ビジュアライゼーションについてのみ「高度列」を選択します。
  11. 「適用」をクリックします。
これで、データセットが時空間データ・ビジュアライゼーションに対して有効になります。

3.6.6.2 ライブおよび非移動オブジェクト・データセットの時空間の構成

次のステップを実行して、非移動オブジェクトのライブ・リアルタイム・データを含むデータセットの時空間を構成します。異なるエンティティのデータ属性は時間とともに変化する可能性がありますが、エンティティの場所は変わりません。この手順では、このようなデータセットがすでにデータベース・スキーマに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 必要な時空間データセットを右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
    データセットのプロパティダイアログが開きます。
  3. 「時空間」タブをクリックします。
  4. 「時空間の有効化」ONに切り替えます。
  5. 「タイムスタンプ(または日付)列」を選択します。
    • 日付型とタイムスタンプ型の両方の列がサポートされています。
    • タイムスタンプ型の列を使用する場合、Spatial Studioでは、移動オブジェクトのビジュアル化に対してUTC (協定世界時)またはGMT (グリニッジ標準時)タイム・ゾーンのみがサポートされることに注意してください。
  6. 「データはライブです」ONに切り替えます。
  7. 「移動オブジェクト」OFFに切り替えます。
  8. 一意のエンティティのセットを識別する「エンティティID列」を選択します。
    「エンティティID列」は一意の列ではありません。これは、各エンティティがその場所の様々な記録を同じ表に保持できるためです。
  9. 表内のライブ・フィード更新のおおよその頻度を指定するには、「データ変更率」を指定します。
  10. 必要に応じて、Cesiumマップ・ビジュアライゼーションについてのみ「高度列」を選択します。
  11. 「適用」をクリックします。
これで、データセットが時空間データ・ビジュアライゼーションに対して有効になります。

3.6.6.3 非ライブ移動オブジェクト・データセットの時空間の構成

次のステップを実行して、移動オブジェクトの非ライブ・データを含むデータセットの時空間を構成します。この手順では、このようなデータセットがすでにデータベース・スキーマに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 必要な時空間データセットを右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
    データセットのプロパティダイアログが開きます。
  3. 「時空間」タブをクリックします。

    次のダイアログが表示されます。

    図3-37 履歴データの時空間の有効化

    図3-37の説明が続く
    「図3-37 履歴データの時空間の有効化」の説明
  4. 「時空間の有効化」ONに切り替えます。
  5. 「タイムスタンプ(または日付)列」を選択します。
    • 日付型とタイムスタンプ型の両方の列がサポートされています。
    • タイムスタンプ型の列を使用する場合、Spatial Studioでは、移動オブジェクトのビジュアル化に対してUTC (協定世界時)またはGMT (グリニッジ標準時)タイム・ゾーンのみがサポートされることに注意してください。
  6. 「データはライブです」OFFに切り替えます。
  7. 「移動オブジェクト」ONに切り替えます。
  8. 一意のエンティティのセットを識別する「エンティティID列」を選択します。
    「エンティティID列」は一意の列ではありません。これは、各エンティティがその場所の様々な記録を同じ表に保持できるためです。
  9. 「時間単位」を選択します。
  10. 「適用」をクリックします。
これで、データセットが時空間データ・ビジュアライゼーションに対して有効になります。

3.6.6.4 非ライブおよび非移動オブジェクト・データセットの時空間の構成

次のステップを実行して、異なるタイムスタンプ値を持つ非移動オブジェクトを含むデータセットの時空間を構成します。この手順では、このようなデータセットがすでにデータベース・スキーマに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 必要な時空間データセットを右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
    データセットのプロパティダイアログが開きます。
  3. 「時空間」タブをクリックします。

    次のダイアログが表示されます。

    図3-38 標準フィルタリング・データセットの時空間の有効化

    図3-38の説明が続きます
    「図3-38 標準フィルタリング・データセットの時空間の有効化」の説明
  4. 「時空間の有効化」ONに切り替えます。
  5. 「タイムスタンプ(または日付)列」を選択します。
    • 日付型とタイムスタンプ型の両方の列がサポートされています。
    • タイムスタンプ型の列を使用する場合、Spatial Studioでは、移動オブジェクトのビジュアル化に対してUTC (協定世界時)またはGMT (グリニッジ標準時)タイム・ゾーンのみがサポートされることに注意してください。
  6. 「データはライブです」OFFに切り替えます。
  7. 「移動オブジェクト」OFFに切り替えます。
  8. 「時間単位」を選択します。
    データは選択した時間単位に従ってフィルタされます。

    また、フィルタリングはデータセット・レベルで適用されます。これは、このデータセットから作成されたすべてのレイヤーが、タイムラインに追加されたときに同じフィルタリングを持つことを意味します。

  9. 「適用」をクリックします。
これで、データセットが時空間データ・ビジュアライゼーションに対して有効になります。

3.6.6.5 OGC WMSデータセットの時空間の構成

次のステップを実行して、OGC WMSデータセットの時空間を構成します。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 必要なOGC WMSデータセットを右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
    データセットのプロパティダイアログが開きます。
  3. 「時空間」タブをクリックします。

    次のダイアログが表示されます。

    図3-39 OGC WMSデータセットの時空間の有効化

    図3-39の説明が続きます
    「図3-39 OGC WMSデータセットの時空間の有効化」の説明
  4. 「時空間の有効化」ONに切り替えます。
  5. 「適用」をクリックします。
これで、データセットが時空間データ・ビジュアライゼーションに対して有効になります。

3.6.6.6 GeoJSON URLデータセットの時空間の構成

次のステップを実行して、GeoJSON URLベースのデータセットの時空間を構成します。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 必要なGeoJSON URLデータセットを右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
    データセットのプロパティダイアログが開きます。
  3. 「時空間」タブをクリックします。
  4. 「時空間の有効化」ONに切り替えます。
  5. 「適用」をクリックします。
これで、データセットが時空間データ・ビジュアライゼーションに対して有効になります。また、データセットはデフォルトで、ライブとみなされることに注意してください。