6 Oracle User Messaging Serviceの管理

この章では、Oracle User Messaging Service(UMS)の管理方法について説明します。Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlで構成ウィザードを使用して、UMSドライバをデプロイ、アンデプロイおよび登録する方法について説明します。また、UMS DBスキーマで必要なくなったデータベース・レコードのパージに使用するプロシージャについても説明します。

ドライバのデプロイ

Oracle UMSをインストールすると、事前にインストールされているドライバ(電子メール、XMPP、SMPP)が組み込まれます。このようなドライバの中で、WebLogic Serverにデプロイされるドライバは、ドメインの作成時に使用されるテンプレートに応じて1個または2、3個のみです。

追加ドライバをデプロイするには、ドメインの更新時にFusion Middleware構成ウィザードで展開可能なサーバー・グループを使用します。

Fusion Middleware構成ウィザードを使用したドライバのデプロイ

この項の手順に従って、構成ウィザードを使用してドライバをデプロイします。

  • 構成ウィザードの起動
  • 構成タイプの選択
  • 製品テンプレートを使用した既存ドメインの更新
  • 管理対象サーバーへのユーザーが展開可能なサーバー・グループの割当て
  • 構成の完了
タスク1 構成ウィザードの起動

『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』構成ウィザードの起動に関する項の説明に従って、構成ウィザードを起動します。「構成タイプ」画面が表示されます。

タスク2 構成タイプの選択

「構成タイプ」画面で、「既存ドメインの更新」を選択します。

「ドメインの場所」ドロップダウン・リストからドメイン・ディレクトリを選択するか、「参照」をクリックして移動し、ドメイン・ディレクトリを選択します。「次へ」をクリックして続行します。「テンプレート」画面が表示されます。

タスク3 製品テンプレートを使用した既存ドメインの更新

「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを更新」を選択した後、JRFテンプレートのチェック・ボックスを選択してドメインに追加します。

「次へ」をクリックし、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』「WebLogicドメインの更新」の説明に従って、「管理対象サーバー」画面が表示されるまで構成ウィザードの各画面に従います。

タスク4 管理対象サーバーへのユーザーが展開可能なサーバー・グループの割当て

「管理対象サーバー」画面で、管理対象サーバーごとに、その管理対象サーバーにターゲット設定するドライバに対応したサーバー・グループのチェック・ボックスを選択します。複数のドライバを選択できます。

ユーザーが展開可能なサーバー・グループの詳細は、『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』「構成ウィザードの画面」を参照してください。

ノート:

UMSのリリース12.2.1には、GCM (Google Cloud Messaging) ドライバという新しいドライバが含まれています。このドライバは、このリリースのプレビュー機能として含まれており、一般的には使用できません。
タスク5 構成の完了

『Oracle Fusion Middleware構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』「WebLogicドメインの更新」で説明されている構成ウィザードの各画面に従って、構成を完了します。

UMSスキーマ・パージ・スクリプトの使用方法

ums_cleanup.purgeは、UMS DBスキーマで必要なくなったレコードのパージに使用するPL/SQLプロシージャです。このプロシージャは、DBレコードを経過期間に基づいてOracleデータベースからパージします。最初の2、3回は、認定されたDBAがプロシージャを実行することをお薦めします。

警告:

このプロシージャでは、UMS DB表からDBレコードを削除し、即時コミットします。ロールバックはできません。削除されたレコードはリカバリできません。パージ前にこれらの表をバックアップすることをお薦めします。

パージにより、インバウンド・メッセージおよびアウトバウンド・メッセージのエントリがUMSの表から減ります。表6-1に、レコードがパージされる表を示します。

表6-1 UMS DB表のパージされるレコード

表の名前 パージされるレコード

MESSAGE

アウトバウンド/インバウンド・メッセージとその属性

ADDRESS

送信者および受信者のアドレス

DELIVERY_ATTEMPT

配信のレコード

STATUS

メッセージ配信のステータス

DELIVERY_CONTEXT

配信のレコード

UMS DBスキーマ・レコードのパージ

ums_cleanup.purge()は、唯一のパラメータdays_of_retentionを取ります。このパラメータの値は、日数を示す正の整数または浮動小数点です。このプロシージャは、指定の日数より古いレコードをすべてUMS DBスキーマから削除します。たとえば、ums_cleanup.purge(30.5)は、30日と12時間より古いレコードをすべて削除します。

ノート:

days_of_retentionの値は、7日以上にする必要があります。

UMS DBスキーマのレコードをパージするには、次のタスクを実行します。

  1. UMSスキーマを使用している中間層サーバーをすべて停止します。

  2. 次に示すように、SQL Plusのオプションを設定します。

    set serveroutput on
    set autocommit off
    
  3. SQL Plusから適切なdays_of_retentionパラメータを指定してプロシージャを起動し、必要なくなったレコードをパージします。100日より古いエントリを削除するには、次のコマンドを実行します。

    SQL> call ums_cleanup.purge(100);

    ノート:

    UMSスキーマが長期間クリーン・アップされておらず、表に行が大量にある場合は、複数の小さいステップでパージすることをお薦めします。たとえば、インスタンスが6か月間頻繁に使用されており、過去30日間のレコードを保持する場合、170、160、…、30のように少しずつ段階的にスキーマをパージします。
  4. パージ・プロセス時に停止した中間層サーバーをすべて起動します。