1 アプリケーション・ロギングおよびWebLogicロギング・サービス

アプリケーション・ロギングにWebLogicロギング・サービスを使用できます。どのユーザーが特定のアプリケーション・コンポーネントを呼び出すかを記録したり、エラー状態を報告したり、アプリケーションを本番環境にリリースする前にデバッグしたりできます。

WebLogicロギング・サービスについて

WebLogicロギング・サービスは、サーバーおよびアプリケーション・イベントに関する情報を提供します。またアプリケーションは、WebLogicロギング・サービスを使用してステータスを伝えたり特定のイベントに応答できます。 Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理WebLogicロギング・サービスについてを参照してください

アプリケーションにとって利点となり得るWebLogicロギング・サービスの2つの特徴は、拡張性と国際化のサポートです。

独自のログ・メッセージ・カタログを作成し、WebLogicユーティリティによって、アプリケーション・コードで使用できるJavaクラスを生成できます。アプリケーションから生成されたログ・メッセージは、サーバーによって生成されたログ・メッセージと統合され、同じように扱われます。WebLogic Serverログへのメッセージの書込みを参照してください。

作成するログ・メッセージ・カタログは、任意の言語で記述でき、これに様々なロケール用の翻訳を付けることができます。WebLogicにおける国際化のサポートにより、WebLogic Serverが実行されている現在のロケール向けの適切な言語で記述されたログ・メッセージが存在できるようになります。WebLogic Serverの国際化およびローカライゼーションを参照してください。

アプリケーション・ロギングを、WebLogicロギング・フレームワークに統合することで得られる主なメリットは、管理がしやすくなることです。WebLogicリモート・コンソールを使用して、すべてのログ・ファイルおよび関連オプションを管理できます。Oracle WebLogic Remote Consoleオンライン・ヘルプログの表示に関する項およびログの構成に関する項を参照してください。

アプリケーション・ロギングとWebLogicロギング・サービスの統合: 主なステップ

アプリケーションをデバッグするには、最初にアプリケーションからログ・メッセージを生成して、WebLogicロギング・サービスに統合します。この操作を行うには、次のいくつかの方法があります。
  • WebLogicツールを使用してカスタム・ログ・メッセージ・カタログおよび関連のJava APIをビルドします。アプリケーションは、これらのインタフェースによって公開されたログ・メソッドを呼び出して、ログ・メッセージを生成できます。メッセージ・カタログは、簡単に国際化できます。「WebLogic Serverでのメッセージ・カタログの使用方法」を参照してください。

  • WebLogicの非カタログ・ロガーを使用して、ログ・メッセージを生成します。カタログからメッセージを呼び出すかわりにNonCatalogLoggerを使用することで、メッセージ・テキストをアプリケーション・コードに直接配置します。「NonCatalogLogger APIの使用」を参照してください。

  • javax.servlet.ServletContextにおいてサーブレットおよびJSPで利用可能なlog()メソッドを使用します。「ServletContextの使用」を参照してください。

WebLogicメッセージ・カタログ、NonCatalogLogger、またはサーブレット・ロギングを使用しないアプリケーション開発者には、以下のことが可能です。

  • Java Logging APIを使用して、メッセージを生成および配信します。

  • Commons APIを使用してメッセージを生成します。

    http://jakarta.apache.org/commons/logging/api/index.htmlorg.apache.commons.loggingを参照してください。

  • Javaロギングの場合、サーバー・ロギング・ブリッジのハンドラを使用します。これにより、アプリケーションのログ・メッセージがWebLogicロギング・サービスにリダイレクトされます。

WebLogic Serverロガーへのアクセス

WebLogicロギング・インフラストラクチャでは、独自のアプリケーションおよびサブシステムによって生成されたログ・イベントを収集するロガーを、各サーバー上でサポートしています。WebLogic Serverは、管理サーバー上のドメイン・ロガーだけでなく、各サーバー上のロガーへの直接アクセスもサポートしています。

デフォルトでは、WebLogicロギング・サービスはJava Logging APIに基づいた実装を使用しています。LoggingHelperクラスを使用すると、サーバー・ロギング用のjava.util.logging.Loggerオブジェクトへのアクセスが可能になります。「LoggingHelper」Javadocを参照してください。

加えて、WebLogicロギング・サービスでは、Jakarta Commons LogFactoryおよびLogインタフェースも提供しているので、Commons APIに対するプログラミングを行って、ログ・メッセージをサーバー・ログ・ファイルまたは登録されている任意の宛先に送ることができます。このAPIにより抽象化が行われ、基底のロギング実装(Javaロギング)に直に触れなくて済みます。

『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』サーバー・ロギング・ブリッジに関する項を参照してください。