フォルト管理フレームワークを使用したフォルトの処理

Oracle SOA Suiteには、BPELプロセスのフォルトを処理するために一般的なフォルト管理フレームワークが用意されています。プロセスでinvokeアクティビティの実行時にフォルトが発生すると、そのフォルトはフレームワークによって捕捉され、フォルト・ポリシー・ファイルでそのコンポジットまたはコンポーネントに関連付けられているユーザー指定のアクションが実行されます。フォルト・ポリシーは、invokeアクティビティの結果であるフォルトに適用できます。フォルトは、ターゲット・サービスでのアサート前、アサート後、起動または実際のビジネスでの障害で発生する可能性があります。

管理者操作が規定のアクションである状況でフォルトが発生した場合は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlからリカバリ・アクションを実行します。フォルト管理フレームワークによって、scopeアクティビティのcatchアクティビティを使用してBPELプロセスを設計するための代替手段が提供されます。

この項では、フォルト管理フレームワークを構成する複数のコンポーネントの概要について説明します。

  • フォルト管理フレームワークでは、invokeアクティビティのすべてのフォルト(ビジネスおよび実行時)が捕捉されます。

  • フォルト・ポリシー・ファイルには、フォルト条件および対応するフォルト・リカバリ・アクションを定義します。それぞれのフォルト条件で、処理を試みる特定のフォルトまたは一連のフォルトを指定し、それに対応するアクションを指定します。フォルト・ポリシー・ファイルでは一連のアクションがIDで識別されます。

  • 一連の条件によってアクションが起動されます(フォルト・ポリシーとも呼ばれます)。

  • 電子メールまたはJMSにより、条件に関連付けられているエラーをユーザーに通知します。

  • フォルト・ポリシー・バインディング・ファイルは、フォルト・ポリシー・ファイルに定義されているポリシーを次のものに関連付けます。

    • SOAコンポジット・アプリケーション

    • BPELプロセスとOracle Mediatorのサービス・コンポーネント

    • BPELプロセスとOracle Mediatorのサービス・コンポーネントの参照バインディング・コンポーネント

    フォルト管理フレームワークでは、SOAコンポジット・アプリケーションのcomposite.xmlファイルと同じディレクトリ、または設定した2つのプロパティで識別されるリモートの場所で、フォルト・ポリシー・バインディングを検索します。リモートの場所はMDSリポジトリ内です。

    ノート:

    フォルト管理フレームワークで構成されるフォルト・ポリシーは、BPELプロセスのscopeアクティビティのcatchアクティビティに定義されるフォルト処理よりも優先されます。フォルト管理フレームワークは、フォルト処理をcatchアクティビティに再スローするように構成できます。

  • フォルト・ポリシー・ファイル(fault-policies.xml)およびフォルト・ポリシー・バインディング・ファイル(fault-bindings.xml)は、次のいずれかの場所に格納されます。

    • SOAコンポジット・アプリケーションのcomposite.xmlファイルと同じディレクトリ。

    • composite.xmlファイルに追加した2つのプロパティで指定された別の場所。このオプションは、1つのフォルト・ポリシーを複数のSOAコンポジット・アプリケーションで使用する必要がある場合に便利です。このオプションは、composite.xmlファイルと同じディレクトリに格納されているフォルト・ポリシー・ファイルよりも優先されます。次の例は、この2つのプロパティの詳細を示しています。この例では、フォルト・ポリシー・ファイルが、Oracle Metadata Services (MDS)リポジトリの共有領域のSOA部分に配置されます。

      <property
       name="oracle.composite.faultPolicyFile">oramds:/apps/faultpolicyfiles/
       fault-policies.xml
      </property>
      <property
       name="oracle.composite.faultBindingFile">oramds:/apps/faultpolicyfiles/
       fault-bindings.xml
      </property>
      

Oracle Mediatorのフォルト処理機能の詳細は、「エラー処理の使用」を参照してください。

Oracle Business Process Management (BPM) Suiteによるフォルト・ポリシーの作成の詳細は、Oracle Business Process Management Studioを使用したビジネス・プロセスの開発「BPMでのフォルト処理の使用」を参照してください。