デバッグ・セッションでのステップ実行方法

ブレークポイントを作成すると、図50-12に示すように、対応するフレームが「構造」ウィンドウに作成されます。このフレームは、サービス・バインディング・コンポーネントのリクエスト/リプライ・エントリ・ポイント用に作成されたものです。

フレームとは場所のことです。フレームのスタックは、現在の場所までの各場所のブレッド・クラム証跡です。これは、スタック・トレースと同じです。自分の場所およびそこに進むための方法を示します。フレームは、ブレークポイントとは関係なく作成されます。ブレークポイントで停止すると、「構造」ウィンドウでそれまでに作成したすべてのフレームが表示されます。スタック・フレームにも、その時点に存在したデータが含まれています。「構造」ペインで別のスタック・フレームをクリックしても、「データ」タブが更新されます。

たとえば、参照用にBPELプロセスに接続されたWebサービスがあるときに、参照にブレークポイントを設定した場合、スタックは多くの場合、次のように表示されます。

  • 参照

  • BPEL起動

  • BPELスコープ

  • Webサービス

「Webサービス」フレームをクリックすると、「データ」タブにSOAPペイロードが表示されます。次に「BPEL起動」フレームをクリックすると、様々なBPEL変数およびその他の詳細が「データ」タブに表示されます。

フレームをステップ実行して、別のロケーション(別のブレークポイントなど)からデバッグを開始できます。この例では、LoanProcess BPELプロセスから開始します。デバッグに進むと、次のフレームが作成されます。フレームは、変数が存在する場所です。

  • 「スコープ」フレーム: スコープ変数が含まれています。

  • 「プロセス」フレーム: グローバル変数が含まれています。

変数は、上のフレームから下のフレームまで、プロセスから参照できます。フレームは、「構造」ウィンドウに表示されます。

図50-12 「構造」ウィンドウのフレーム

図50-12の説明が続きます
「図50-12 「構造」ウィンドウのフレーム」の説明

デバッグ・セッションをステップ実行するには:

  1. Oracle JDeveloperのツールバーに進みます。ステップ・オプションを図50-13に示します。

    図50-13 Oracle JDeveloperのステップ・オプション

    図50-13の説明が続きます
    「図50-13 Oracle JDeveloperのステップ・オプション」の説明

    表50-5に、各オプションを示します。

    表50-5 Oracle JDeveloperメイン・メニューのステップ・オプション

    アイコン 説明
    「終了」または「連結解除」アイコン

    デバッグ・セッションを終了または切断します。

    「ステップ実行」ボタン

    フレームをステップ実行します。

    これにより、次のブレークポイントに進みます(たとえば、図50-9でブレークポイントを設定したBPELプロセス内のreceiveアクティビティ)。ブレークポイントが存在しない場合は、すべてのフレームをステップ実行して最初のフレームに戻ります。

    [F8]を押してフレームをステップ実行することもできます。

    「トレース実行」オプション

    次の有効なロケーションまでトレース実行します。

    このロケーションは、新規フレームまたは同じフレーム(ただし別のロケーションにある)です。

    [F7]を押してフレームでステップ実行することもできます。

    「ステップ・アウト」オプション

    フレームのステップ・アウトを行います。

    このオプションは、BPELスコープまたはシーケンスのアクティビティを処理するためにのみ使用されます。スコープ処理の完了後、プロセス内で次にあるスコープまたはアクティビティで一時停止します。[Shift]キーを押しながら[F7]を押すこともできます。

    ステップの再開

    ステップ操作を再開します。

    [F9]を押して再開することもできます。

  2. 「ステップ実行」オプションを選択した場合は、receiveアクティビティで停止します。
  3. ログ・ウィンドウ内で、「データ」をクリックし、図50-14に示すように内容を展開してBPELプロセスに定義された変数を表示します。デバッグ時にBPELプロセス変数を編集できます。図50-14に示す例では、ペイロードは空です。

    図50-14 空のペイロード

    図50-14の説明が続きます
    「図50-14 空のペイロード」の説明

    これは、図50-15に示すように、receiveアクティビティのブレークポイントがまだ実行されていないためです。

    図50-15 receiveアクティビティのブレークポイント実行前の空のペイロード

    図50-15の説明が続きます
    「図50-15 receiveアクティビティのブレークポイント実行前の空のペイロード」の説明
  4. 表50-5で説明するように、「トレース実行」オプションをクリックします。

    これにより、図50-16に示すreceiveアクティビティが実行されます。

    図50-16 receiveアクティビティのブレークポイント実行後のデータ取込み済ペイロード

    図50-16の説明が続きます
    「図50-16 receiveアクティビティのブレークポイント実行後のデータ取込み済ペイロード」の説明」
  5. ペイロードを展開します。

    「ブレークポイントを設定してデバッグを開始する方法」のステップ6で入力したデータが、ペイロードに取り込まれます。図50-17に詳細を示します。

    図50-17 開いた状態のペイロード

    図50-17の説明が続きます
    「図50-17 開いた状態のペイロード」の説明
  6. 表50-5で説明するように、「ステップ実行」オプションを選択します。デバッガは次のブレークポイントで一時停止します(この例では、図50-7に示したように、Webサービス参照バインディング・コンポーネント)。

    Webサービス・コールへのリクエスト・メッセージの内容を図50-18に示します。

    図50-18 リクエスト・メッセージのペイロードの内容

    図50-18の説明が続きます
    「図50-18 リクエスト・メッセージのペイロードの内容」の説明
  7. 「ステップ実行」オプションを選択します。
  8. ペイロードを展開して、メッセージのリプライを表示します。図50-19に詳細を示します。

    図50-19 リクエスト・メッセージのペイロードの内容

    図50-19の説明が続きます
    「図50-19 リクエスト・メッセージのペイロードの内容」の説明
  9. デバッグを続行します。

    assignアクティビティのコピー・ルールを実行すると、SOAデバッガによって、assignアクティビティにあるコピー・ルールを示すウィンドウが表示されます。ウィンドウには、すべてのコピー・ルールが表示された表があり、コピー・ルールの横にはデバッガを停止する「ブレークポイント」アイコンがあります。

    ノート:

    アダプタ(たとえば、データベース・アダプタ)にブレークポイントを設定した場合、SOAデバッガはBPELプロセス・サービス・コンポーネントのステップ・アウトを行い、SOAコンポジット・エディタに進みます。