3 Oracle PeopleSoftプラグインの構成
この章の構成は、次のとおりです。
ノート:
アダプタ・ソリューションをOracle E-Business Suiteにはインストールしたが、Oracle PeopleSoftにはインストールしていない場合、Oracle E-Business Suiteプラグインの構成で説明しているステップを完了した後はこの章はスキップしてください
3.1 Oracle PeopleSoftプロジェクトのインポート
次のステップに従って、Oracle PeopleSoftプロジェクトをインポートします。このステップでは、AXF関連のOracle PeopleSoft表を作成してこれに値を移入し、Oracle PeopleSoftページでのAXF構成を有効にします。
3.2 Oracle PeopleSoftのアダプタ通信の構成および保護
Oracle PeopleSoftアダプタ・セキュリティは、Integration Brokerを使用して構成します。このとき、ユーザー名トークン認証を選択してから、Oracle PeopleSoftユーザーにAXFアクセスを付与します。
この項の内容は次のとおりです。
3.2.2 AXFと通信するためのIntegration Brokerの構成
Oracle PeopleSoftにAXF_PS_INTEGRATIONプロジェクトをインポートすると、Integration Broker接続情報もインポートされます。これらのコンポーネントには、Oracle PeopleSoftからAXFサーバーへの接続に必要な情報が含まれます。この項では、Oracle PeopleSoft Webクライアントでこの情報にアクセスして、AXFサーバーをポイントするようこの情報を編集する方法を説明します。
管理対象添付Webサービスの通信の構成でIntegration BrokerとAXFの間の通信を構成するためにリストされているステップに従います。
該当するAXFサーバー・バージョンの通信を構成した後、次のステップを完了します。
ノート:
Oracle PeopleSoft外部通信には、Oracle PeopleSoftローカル統合ゲートウェイが必要です。ゲートウェイの設定の詳細は、Oracle PeopleSoft Enterpriseのドキュメントを参照してください。その上で、AXFサーバーと通信するためのOracle PeopleSoftサービス操作の構成に進むことができます。
3.2.2.2 ゲートウェイ・パスワードの暗号化
ノードにpingを実行して「完了」が表示されなかった場合、次のステップで示しているように、ゲートウェイのプロパティのsecureFileKeystorePasswdの値を暗号化します。
- Oracle PeopleSoftサーバーで、PeopleToolsを開き、インテグレーション・ブローカー、「構成」、「ゲートウェイ」の順に選択します。
- LOCALゲートウェイを検索して開き、「ゲートウェイ設定プロパティ」リンクをクリックします。
- integrationGateway.propertiesファイルにアクセスするためにサインオンします。
- 「拡張プロパティ・ページ」リンクをクリックします。
- 「ゲートウェイ・プロパティ」ページのパスワード暗号化ユーティリティを使用して、secureFileKeystorePasswd値を暗号化します。
- 「ゲートウェイ・プロパティ」ページで、暗号化されたパスワードをsecureFileKeystorePasswd=の後に貼り付け、「OK」をクリックします。
3.2.2.4 ドメイン・ステータスの確認
AXFと通信するようIntegration Brokerを構成したら、次のステップに従って、そのステータスを確認します。
- 「PeopleTools」を選択し、「インテグレーション ブローカー」を選択してから、サービス操作モニターを選択して、「サービス操作モニター」ページに移動します。「サービス操作モニター」ページが表示されます。
- 「管理」セクションのドメイン・ステータスをクリックします。「ドメイン・ステータス」ページが表示されます。
- ドメインで、Oracle PeopleSoftサーバーの隣にドメイン・ステータスが「アクティブ」としてリストされていることを確認します。そうなっていない場合は、「ドメイン・ステータス」フィールドから「アクティブ」を選択して、「更新」をクリックします。
3.2.3 Oracle PeopleSoftユーザーのAXFアクセスの構成
次の各項のステップに従って、Oracle PeopleSoftユーザーにAXFアクセス権を付与します。
3.2.3.1 Oracle PeopleSoftユーザーのAXF_ROLEの確認
Oracle PeopleSoftプロジェクトのインポート時に、AXF_ROLEが自動的に構成されます。次のステップに従って、適切なOracle PeopleSoftユーザーがAXF機能へのアクセス権を持っていることを確認します。必要に応じて、示されているステップに従って、Oracle PeopleSoftにAXF_ROLEおよび権限を手動で追加します。
-
Oracle PeopleSoftサーバーで、「PeopleTools」を開き、「セキュリティ」を選択してから、権限とロールを選択します。「権限とロール」メニューが開き、選択可能なオプションが表示されます。
-
「ロール」をクリックします。「ロール」ページが表示されます。
-
「既存の値の検索」タブをクリックし、キーとしてAXFを入力します。
-
「検索」をクリックします。AXF_ROLEが表示されているはずです。表示されていない場合は、次のステップに従って追加します。
3.2.3.1.1 Oracle PeopleSoftへのAXF_ROLEの手動による追加
- 「値の追加」タブをクリックします。
- 「ロール名」フィールドに
AXF_ROLEと入力して、「追加」をクリックします。「ロール名」フィールドがクリアされて、AXF_ROLEが追加されます。必要に応じて説明を入力し、「保存」をクリックします。 - 「ロール」をクリックします。「既存の値の検索」タブをクリックして、使用可能なロールのリストからAXF_ROLEを見つけます。AXF_ROLEをクリックすると、その詳細が表示されます。
- 「権限リスト」タブをクリックして、「権限リスト」フィールドに
AXF_PERMSと入力し、「保存」をクリックします。
3.2.3.2 ユーザーへのAXF_ROLEの割当て
Oracle PeopleSoftにAXF_ROLEを作成したら、次のステップに従って、AXF機能へのアクセスが必要なすべてのユーザーにロールを割り当てます。
ノート:
AXFコールがOracle PeopleSoftから適切に処理されるように、AXF機能へのアクセスが必要なすべてのユーザーにOracle PeopleSoftのAXF_ROLEを割り当てる必要があります。
- Oracle PeopleSoftサーバーで、PeopleToolsを開き、「セキュリティ」を選択してから、「ユーザー・プロファイル」を選択します。「ユーザー・プロファイル」メニューが開き、選択可能なオプションが表示されます。
- 「ユーザー・プロファイル」クリックします。「ユーザー プロファイル」ページが表示されます。
- 検索基準を選択して、それを「検索」フィールドに入力し、「検索」をクリックします。ユーザーのリストが表示されます。
- ロールを割り当てるユーザーをクリックします。ユーザー情報の詳細ページが表示されます。
- 「ロール」タブをクリックします。対象のユーザーに割り当てられているロールのリストが表示されます。
- 空のフィールド(必要に応じて「+」アイコンをクリックして空白行を作成します)に
AXF_ROLEと入力するか、虫眼鏡のアイコンをクリックしてこのロールを検索します。 - 「保存」をクリックします。これでユーザーはOracle PeopleSoftページのAXF機能にアクセスできるようになりました。
3.3 Oracle PeopleSoftページへのAXFコンポーネントの配置
Oracle PeopleSoft Application DesignerおよびOracle PeopleSoft内のAXF表を使用して、Oracle PeopleSoftページにAXFコンポーネントを構成します。
Oracle PeopleSoftページの主キーおよびビジネス・オブジェクトの指定
必要に応じて、次のステップを実行します。
-
Oracle PeopleSoftアプリケーションで、有効にするページに移動します。
-
[Ctrl]キーを押しながら[J]キーを押します。情報ページで、選択したページの「ページ」エントリおよび「コンポーネント」エントリをノートに取ります。
ノート:
最新バージョンのPeopleTools 8.55では、デフォルトで[Alt]+[J]がホット・キーです。 -
Application Designerで、「ファイル」→「開く」を選択して、「定義」フィールドから「ページ」を選択します。
-
「名前」フィールドに、ステップ2でメモに取ったページ名を入力して、「開く」をクリックします。
-
上部にある「オーダー」タブを選択します。
-
表示される一連のフィールドから、一意IDである可能性が一番高い(たとえば、請求書エントリの場合のVOUCHER_ID)フィールドを特定して、レコード名をノートに取ります。
このレコード名は、PS_AXF_CMD_PARAMS表(管理対象添付ソリューション)およびPS_AXF_COMMAND_PARAMS表(イメージング・ソリューション)のビジネス・オブジェクトの値に使用されます。
-
「挿入」メニューから、「プロジェクトの定義」コマンドを選択して、「定義タイプ」フィールドから「レコード」を選択します。
-
「名前」フィールドに、ステップ6でメモに取ったレコード名を入力して、「挿入」をクリックします。
-
リストからレコードを選択して、「挿入」をクリックします。レコードが、左のプロジェクト・ツリーに挿入されます。
-
左のレコード・ツリーを開き、追加したレコードを開きます。上部に主キーが、キー名の左にゴールドのキー・アイコンが付いて示されます。これらの主キーをノートに取ります。
主キーのサンプル
表3-1 主キーのサンプル
| ページ | ページ名 | レコード名 | 主キー |
|---|---|---|---|
|
メンテナンス管理→作業指示管理→作業指示 |
WM_WO_HDR |
WM_WO_HDR |
BUSINESS_UNIT |
|
メンテナンス管理→作業指示管理→作業指示 |
WM_WO_HDR |
WM_WO_HDR |
WO_ID |
|
顧客契約→作成と修正→一般情報 |
CA_HDR_PNL |
CA_CONTR_HDR |
BUSINESS_UNIT |
|
顧客契約→作成と修正→一般情報 |
CA_HDR_PNL |
CA_CONTR_HDR |
CONTRACT_NUM |
|
購買→調達依頼→調達依頼の追加/更新 |
REQ_FORM |
REQ_HDR |
BUSINESS_UNIT |
|
購買→調達依頼→調達依頼の追加/更新 |
REQ_FORM |
REQ_HDR |
REQ_ID |
Oracle PeopleSoftページへのAXFコンポーネントの配置
Oracle PeopleSoftページで使用するAXFコンポーネントには次の2つのカテゴリがあります。
-
ユーザー・インタフェース・アイテムは、Oracle PeopleSoftページに配置する、AXFボタン、リンクおよびメニューです。それぞれ5個ずつ用意されています(たとえば、AXF_BUTTON_1から_5)。管理対象添付ソリューションでは、これらのユーザー・インタフェース・アイテムのみが使用されます。
ユーザー・インタフェース・アイテムは、ページに配置されたときにアクティブになります。AXF_BUTTON_1を同一のOracle PeopleSoftコンポーネント内の複数ページに配置する場合、ページ間で同一の構成が共有されます。同一コンポーネント内でページごとに異なるアクションを構成するには、異なるユーザー・インタフェース・アイテムを使用します(たとえば、AXF_BUTTON_2)。別のOracle PeopleSoftコンポーネントでユーザー・インタフェース・アイテムを競合なく再使用できることに留意してください。
-
システム・イベント・コンポーネントは、Oracle PeopleSoftページに配置する、保存前または保存後のシステム・イベントをトリガーする保存前および保存後アイテムです。イメージング・ソリューションでは、ユーザー・インタフェースとシステム・イベント・アイテムの両方が使用されます。
システム・イベントは、ユーザー・インタフェース・アイテムと同様に、Oracle PeopleSoftコンポーネント・レベルで構成されます。ただし、これらはユーザーには表示されないため、配置されているページに関係なく、適宜トリガーされます。たとえば、AXF_POST_SAVE_SBPアイテムおよびAXF_PRE_SAVE_SBPアイテムは特定のページに配置され、保存中のOracle PeopleSoftコンポーネントのページで保存イベントが発生した場合に、構成されているコマンドが実行されます。
-
AXF_POST_SAVE_SBPアイテムは、SAVE_POST_CHANGEシステム・イベントを取得します。このシステム・イベントは、Oracle PeopleSoftコンポーネントの保存後に、構成されているコマンドを実行します。
たとえば、SAVE_POST_CHANGEイベントの発生時に呼び出されるようSaveInvoiceコマンドを構成して、アクションによって新規Oracle PeopleSoftトランザクション・レコードが挿入された場合は常にSaveInvoiceコマンドによって保存が自動的に実行されるようにできます。
-
AXF_PRE_SAVE_SBPアイテムは、SAVE_PRE_CHANGEシステム・イベントを取得します。このシステム・イベントは、Oracle PeopleSoftコンポーネントの保存前に、構成されているコマンドを実行します。
-
Oracle PeopleSoftページへのAXFコンポーネントの配置ステップ
Oracle PeopleSoftページへのAXFコンポーネントの配置ステップを次に示します。
- Oracle PeopleSoft Application Designerで、Oracle PeopleSoftプロジェクトのインポートのステップOracle PeopleSoftプロジェクトのインポートでインポートしたAXF_PS_Integrationプロジェクトを開きます。
- 有効にするOracle PeopleSoftページを開きます。たとえば、VCHR_HEADER_QV2を開きます。
- Pagesフォルダから、ボタンまたはリンク(サブページ)を選択して、それをOracle PeopleSoftページ内の適切な場所にドラッグします。たとえば、AXF_LINK1_SBPというリンクまたはAXF_BTN1_SBPというボタンをドラッグします。このサブページ・リンクまたはボタンは、PS_AXF_COMMANDS TableのAXFイベント設定に対応しています。
- ページを保存します。
3.4 Oracle PeopleSoftロギングの構成
AXF Oracle PeopleSoftアダプタでは、標準のapache log4jロギングが使用されます。log4j.propertiesファイルを使用して、ロギングをアクティブにしたり、管理したりできます。このファイルは、PeopleSoft Installation Directory/appserv/classesディレクトリにあります。次のオプションを設定します。
# A1 is set to be a ConsoleAppender which outputs to System.out. log4j.appender.A1=org.apache.log4j.DailyRollingFileAppender log4j.appender.A1.File=./LOGS/PS_AXF.log # A1 uses PatternLayout. log4j.appender.A1.layout=org.apache.log4j.PatternLayout log4j.appender.A1.DatePattern=.yyyy-MM-dd log4j.appender.A1.layout.ConversionPattern=%{dDATE} [%t] %-5p %c %x - %m%n log4j.category.com.oracle.axf=DEBUG, A1
少なくとも、有効なファイルの場所でアペンダを定義し、レポートするメッセージのレベルを定義します(前述の箇所を参照してください)。有効なレベルは次のとおりです。これは詳細なものから順に並べられており、DEBUGではすべてのメッセージと詳細が表示されます。
-
DEBUG
-
INFO
-
WARN
-
ERROR
-
FATAL
ノート:
log4jの詳細は、log4jのドキュメントを参照してください。
3.5 Oracle PeopleSoftのソリューションの構成
各ソリューションを構成するための追加タスクは、次に示した各項を参照してください。Oracle PeopleSoftページにコンポーネントを配置した後の主要なタスクは、新しく追加したボタン、リンクまたはイベントにコマンドを関連付けるようAXF関連のOracle PeopleSoftの表を構成することです。
イメージング・ソリューションの場合
-
BPELイメージング・ソリューションの構成に説明されているようにイメージング・ソリューションを構成します。BPELイメージング・ソリューションのためのOracle PeopleSoft表で示しているようにAXF関連のOracle PeopleSoftの表を構成するか、AXF表の構成またはソリューション・アクセラレータの適用で示しているようにソリューション・アクセラレータを適用します。
-
PS_AXF_COMMANDS表でOracle PeopleSoftのロールを指定して、指定されたユーザー・インタフェース・アイテムを使用する権限をユーザーに付与するか、または指定されたシステム・イベントをユーザーがトリガーできるようにします。
管理対象添付ソリューションの場合
-
管理対象添付ソリューションの構成に説明されているように管理対象添付ソリューションを構成します。
-
管理対象添付ソリューションのためのOracle PeopleSoftの表にリストされているPeopleSoft AXFの表にエントリを追加するか、変更を加えます。Oracle PeopleSoftのための管理対象添付の有効化で説明しているサンプルのスクリプトを実行することによって、表に変更可能なサンプルの値が移入されます。次の情報を入力する必要があります。
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Oracle PeopleSoftページへのAXFコンポーネントの配置でメモしたページの主キーを入力します。
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PS_AXF_COMMANDS表でOracle PeopleSoftのロールを指定して、指定されたユーザー・インタフェース・アイテムを使用する権限をユーザーに付与します。
-