3 変更された動作

このリリースでは、既存の動作の一部が変更されています。

3.1 「統合タスク・リスト」と「ワークフロー・コンソール」の互換性モード

「統合タスク・リスト」ページと「ワークフロー・コンソール」ページで、拡張された置換文字列が使用されるようになりました。APEXでこれらのページを作成するには、互換性モードを24.2以上に設定する必要があります。

3.2 検索ページ内の検索入力フィールドの改善

「ページの作成ウィザード」で作成された新しい検索ページのデフォルト動作が改善されました。

検索フィールドに次のものが含まれるようになりました:
  • 大きい入力フィールド(largeのかわりにxlarge)
  • mxw80 t-Form-fieldContainer--noPaddingに設定されたアイテムcss class
  • 検索...に設定されたテキスト・プレースホルダ
検索リージョンに次のものが含まれるようになりました:
  • 問合せが入力されていない場合のデフォルト・メッセージ(検索語を入力してください。)
  • 結果が見つからなかった場合のデフォルト・メッセージ(検索語の結果がありません。)

3.3 マップ・ラベルの改善

マップ・リージョンで、右から左(RTL)の言語ラベルが正しく表示されるようになりました。

3.4 リフレッシュ中の対話グリッドのレポート表示に関する変更

以前は、対話グリッドでは、どのようなリフレッシュの間にも(ソートやフィルタの変更時など)レポートがクリアされていました。現在は、対話グリッドでは、新しい結果が取り込まれるまで前のレポートが表示されるようになりました。進捗状況インジケータは同じように動作しますが、データのロードはよりスムーズになりました。

以前の動作に戻すには、リージョンの「初期化JavaScriptファンクション」属性に次のコードを追加します:
function( config ) {
    config.defaultModelOptions = {
        delayClearData: false
    };
    return config;
} 

3.5 ページ・インポートに関する変更

コマンドラインを使用する必要なく、別のアプリケーションまたはワークスペースにページをインポートできるようになりました。これにより、アプリケーション・ビルダーのインタフェースを介したページレベルのインポートがより効率的になり、インポート・プロセスが合理化されます。

3.6 モーダル・ダイアログ・ページのURLに関する変更

APEXでモーダル・ダイアログ・ページのjavascript: URLが生成されなくなりました。これにより、Content-Security-Policy設定のサポートが改善されます。この変更により、次の場合にアプリケーションに影響がある可能性があります:
  • JavaScriptを使用してブラウザでそのURLを操作している
  • コード内でJavaScriptファンクションであるそのURLに依存している
機能しないカスタム・コードの例は、モーダル・ダイアログ・ページを開くためのonclick属性があるボタンです。コード内でonclick=を検索する必要があります:
<button onclick="dialog_url">Click here</button>
回避策は、そのボタンのdata-action属性を使用することです。
<button data-action="dialog_url">Click here</button>
ブラウザでJavaScriptを使用してモーダル・ダイアログ・ページを開くための新しい方法があります。apex.navigation.dialogを使用できます。ダイアログ・ページの場合でも、そのURLをAPEX_PAGE.GET_PAGEの戻り値にできます。次に例を示します。
apex.navigation.dialog(
     apex.items.P1_DIALOG_URL.value,
     {
        height:'480',
        width:'800',
     } );

apex_util.prepare_url APIとapex_page.get_url APIのp_triggering_elementパラメータをJavaScript式にできなくなりました。現在は、その値は文字列セレクタである必要があります。

たとえば、$('#STATIC_ID')のかわりに#STATIC_IDを使用します。
select apex_page.get_url( 
           p_application        => 100, 
           p_page               => 2, -- a modal dialog page
           p_triggering_element => '#STATIC_ID' ) as url
  from dual; 

3.7 「リフレッシュ」動的アクションに関する変更

「リフレッシュ」動的アクションに、「ページ区切りの保持」スイッチが追加されました。このスイッチがOnの場合は、リフレッシュ時にレポートのページ区切りおよびスクロール位置が維持されます。

このスイッチは、現在、対話モード・レポートでのみサポートされています。

3.8 共有コンポーネントのナビゲーションに関する変更

一部の共有コンポーネントが、別の見出しの下に配置されるようになりました:
  • 「マップ背景」「他のコンポーネント」から「ユーザー・インタフェース」に移動されました
  • 「データ・ロード定義」「データ・ソース」から「他のコンポーネント」に移動されました
  • 「REST対応SQLデータベース」「データ・ソース」から「ワークスペース・オブジェクト」に移動されました
  • 「REST同期化」「データ・ソース」から「タスク」に移動されました
生成AI機能が「生成AI」セクションに移動されました:
  • AI属性
  • AI構成
  • AIサービス

3.9 パブリック・ディクショナリ・ビューの変更

次のパブリック・ディクショナリ・ビューでは、列attribute_01...25でNULLが返されるようになりました:
  • apex_application_page_items
  • apex_appl_page_ig_columns
  • apex_appl_page_filters
  • apex_appl_plugin_settings

かわりにJSON属性列を使用します。

3.10 コントロール・ブレークのカスタマイズ(tableModelView)

tableModelViewウィジェットのcontrolBreakTemplateオプションを使用してコントロール・ブレークが実装されているカスタム・コードには、次の変更が必要になりました:
  • 新しいcontrolBreakSelectorオプションを追加します
  • すべてのブレーク列にmodel FieldMetaプロパティcontrolBreakIndexを追加します
  • 新しい#APEX$GROUP_IDENTIFICATION#プレースホルダを使用します
詳細は、JavaScript APIのドキュメントを参照してください。

3.11 ファセット検索での任意のフィルタに関する変更

「表示の切替え」プロパティはファセット検索に含まれなくなりました。かわりに、新しい「表示」プロパティを使用して、ファセットをインラインで表示するか「フィルタの追加」ダイアログで表示するかを選択します。「「フィルタの追加」ダイアログ」を選択した場合、ファセットはモーダル・ダイアログ・ページで表示されます。

ページ・デザイナで「ファセット」を右クリックして「ファセットの同期化」を選択し、新しいファセットを既存のリージョンにすばやく追加できます。

3.12 「AIアシスタントの表示」動的アクション

アシスタントのレスポンスのカスタム処理に使用される「AIアシスタントの表示」動的アクションの「JavaScriptコード」属性でレスポンスの値が異なる方法でバインドされるようになりました。以前は、レスポンスは"this"としてのみ使用できました。現在は、レスポンスには"this.data.response"としてアクセスする必要があります。

3.13 「リストの編集」の簡素化

「共有コンポーネント」「リスト」「リストの編集」で、「リスト・エントリ」が対話モード・レポートとして表示されるようになりました。リスト・エントリを編集するには、リスト・エントリ名を選択して「リスト・エントリの編集」ページに移動する必要があります。

対話グリッドを使用してリスト・エントリを編集するには、リストの編集時に「タスク」リストから「グリッド編集」を選択します。

3.14 テキスト・メッセージの置換文字列

テキスト・メッセージを参照するためにはそのメッセージ名を中カッコで囲むようになりました。たとえば、テキスト・メッセージTEXT.MSGを参照するには、&{TEXT.MSG}を使用します。テキスト・メッセージでの置換でパラメータもサポートされています。閉じカッコの前に、空白で区切ってname=valueペアを追加します。

この構文は、アプリケーションの互換性モードが24.2以上に設定されている場合のみ使用できます。詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』テキスト・メッセージでの置換(24.2以降)を参照してください。

3.15 列切替えレポート、リスト・ビューおよびリフロー・レポートがレガシーに

列切替えレポート、リスト・ビューおよびリフロー・レポートがレガシーとしてマークされました。

3.16 アプリケーション・ビルダーのUIの変更

このリリースでのアプリケーション・ビルダー・ユーザー・インタフェースの変更点を次に示します。

  • 動的アクション「Open AIアシスタント」の名前が「AIアシスタントの表示」に変更されました。
  • モーダル・ダイアログ・ページを宣言的に「サイズ変更可能」に設定できるようになりました。
  • ページ・デザイナでアプリケーションID、ページIDおよびページ名が表示されるようになりました。
  • 「ページ番号」フィールドで、8文字までサポートされるようになりました。
  • 「ポップアップLOV」で、「入力時に検索」属性の名前が「検索時にフェッチ」になりました。「最小文字数」フィールドが「検索」サブエリアに移動されました。

3.17 互換性モード

アプリケーション属性「互換性モード」により、APEXランタイム・エンジンの互換性モードを制御します。特定のランタイム動作は、リリース間で異なります。互換性モード属性を使用して、特定のアプリケーション動作を取得できます。この項では、互換性モードの変更内容をリリース別に示します。すべてのモードでの変更内容は包括的であること、つまり、古いリリースでのすべての変更内容が新しいリリースに含まれることに注意してください。

互換性モードの変更内容(モード4.1)

Oracle Application Expressリリース4.1では、アイテムのソースの列名が無効である場合、ページのレンダリング時にAutomatic DMLフォームによってエラーが生成されます。Oracle Application Expressリリース4.1以前では、アイテムのソースの列名が無効であっても、ページのレンダリング時にエラーが生成されませんでしたが、アイテムのセッション・ステートも設定されませんでした。

また、Oracle Application Expressリリース4.1では、「キャッシュ」および「フレームへの埋込み」という2つの新しいアプリケーション・セキュリティ属性があり、ブラウザ・セキュリティを制御できます。Cache属性を有効にすると、ブラウザでアプリケーションのページ・コンテンツをメモリー内とディスク上の両方のキャッシュに保存できます。Embed in Frames属性は、ブラウザのフレーム内にアプリケーションのページを表示させるかどうかを制御します。4.1より前の互換性モードで実行中のアプリケーションは、キャッシュが有効化され、「フレームへの埋込み」が許可に設定されているかのように機能します。互換性モード4.1以上で実行中のアプリケーションでは、特定のブラウザ・セキュリティ属性が考慮されます。

また、Oracle Application Expressリリース4.1では、Oracle Bug#12990445のため、行の自動処理(DML)のプロセス・タイプに次の変更が実装されました。列をINSERT文に含める必要があるかどうかを判断するように、INSERTを実行するコードが変更されました。これらは、UPDATEの前のチェックと同じチェックであることに注意してください。新しいチェックは次のとおりです。

  • ソース・タイプは「DB列」であるか。
  • ページ・アイテムはPOSTリクエストに含まれているか。たとえば、ページ・アイテムが条件付きで、ページのレンダリング中に条件がFALSEと評価された場合、POSTリクエストには含まれません。
  • ページ・アイテムは、「状態の保存」が「いいえ」に設定されている「表示のみ」タイプでないか。

これらの動作を有効化するには、「互換性モード」を4.1以上に設定します。前のリリースと一致する動作の場合は、「互換性モード」を「4.1前」に設定します。

互換性モードの変更内容(モード4.2)

Oracle Application Expressリリース4.2では、新規グリッド・レイアウトが変更されたため、ページのレンダリング時、特定の表示ポイントのすべてのリージョンが、その表示ポイントのレンダリング前に評価され、そのリージョンを表示するかどうかが特定されます(このため、グリッド・レイアウトでレンダリングする列数を決定できます)。評価の戻り値がtrueのリージョンは実行および表示されます。ただし、PL/SQLベース・リージョンがセッション・ステートを設定し、それがリージョンを表示するかどうかを決定するために後続のリージョン条件で使用されている場合には、これは機能しません。そのような状況の場合、表示ポイントがレンダリングされる前に、条件はすでにチェックされています。計算またはPL/SQLプロセスを使用して、リージョンが表示される前にセッション・ステートを設定します。前のバージョンでは、各リージョンが表示される直前に条件が評価されていました。

Oracle Application Expressリリース4.2では、プロセス・ポイントが「リージョンの前」の計算およびプロセスは、リージョンがレンダリングされる前に実行されます。プロセス・ポイントが「リージョンの後」の計算およびプロセスは、すべてのリージョンのレンダリング後に実行されます。前のバージョンでは、計算およびプロセスは、リージョン表示ポイントの「ページ・テンプレート・ボディ」(1-3)の前後に実行されていました。

Oracle Application Expressパッチ・セット4.2.2では、互換性モード4.2のために2つの新規互換性モード変更が追加されました。

  • テキスト領域が、テキスト入力を制限する「最大幅」属性を常に使用するように変更されました。
  • レポート列リンクに対してセキュリティが拡張され、リンクにJavaScriptと他のレポート列置換への参照の両方が含まれ、次のようになります。
    javascript:alert( 'Delete #NAME#' );

    前述の例で、NAMEはレポート内の列名です。

Oracle Application Expressリリース4.2.1以前では、クロスサイト・スクリプティングの脆弱性から保護するために、レポート・ソースの列値を明示的にエスケープして、JavaScriptリンクで安全に使用できるようにする必要がありました。互換性モード4.2で実行する場合、列が特殊文字をエスケープするように定義されていると、Oracle Application ExpressはJavaScriptリンクで参照されている列名置換をJavaScriptで自動的にエスケープします。

これを修正するために、Oracleでは、JavaScriptで手作業で記述したエスケープをレポート・ソースから削除し、ネイティブ・エスケープを使用することをお薦めします。

互換性モードの変更内容(モード5.0)

Oracle Application Expressリリース5.0では、#WORKSPACE_IMAGES#を使用して静的アプリケーション・ファイルを参照した場合に、アプリケーション・ファイルが返されなくなりました。かわりに、#APP_IMAGES#を使用します。

wwv_flow_custom_auth_std.logoutwwv_flow_custom_auth_std.logout_then_go_to_pagewwv_flow_custom_auth_std.logout_then_go_to_urlおよびapex_custom_auth.logoutのAPIコールはサポートされなくなり、Oracle Application Expressセッションからログアウトするかわりに実行時エラーが生成されます。apex_authentication.logoutエントリ・ポイントをかわりに使用します。

リリース5.0以前では、データのアップロードを使用する開発者には、日付書式を選択するオプションが提供されていませんでした。かわりに、パーサーがユーザーのエントリに最適な書式を選択していたか、エンド・ユーザーがユーザー独自の書式を入力できました。Oracle Application Expressリリース5.0に含められた新しいアイテムにより、ユーザーは、アプリケーションの日付書式か、ユーザーが入力した書式を選択できます。リリース5.0より前に作成されたアプリケーションにはアイテムがないため、5.0の互換性モードでは、ユーザーがデータを入力したかどうかがチェックされます。データが入力されていない場合は、アプリケーションの日付書式が適用されます。

セッション・タイムアウトが発生し、タイムアウトURLが指定されていない場合、Oracle Application Expressはアプリケーションのホームページにリダイレクトするかわりにエラーを生成します。Ajaxリクエストのセッション設定が失敗した場合も、Oracle Application Expressはエラーを生成します。JSONを想定するAjaxリクエストの場合、応答は、エラーについて説明するメンバーを含むJSON文字列となります。他のリクエストの場合、エラーはエラー・ページに表示されます。

属性「使用されるソース」が「セッション・ステートの値がNULLの場合のみ」に設定されているデータベース列に基づくページ・アイテムは、そのページ・アイテムがレンダリングされるとエラーを生成します。複数のレコードを表示および保存する場合、この設定をデータベース列に使用することは非常に危険であり、誤ってデータを上書きする可能性があります。常に「使用されるソース」属性を「セッション・ステートの既存の値を常に置換」に設定してください。

互換性モードの変更内容(モード5.1/18.1/18.2)

Oracle Application Expressリリース18.1では、「検証の実行」属性が「はい」に設定されているボタンをクリックすると、クライアント側の検証(必須アイテム・チェックなど)がいくつか実行され、すべての問題を修正するまでページは送信されません。以前のバージョンでは、このフラグは単にサーバー側の検証を実行するかどうかを決定するために使用されていました。

ヒント:

互換性モードを5.1/18.1/18.2に変更するときには注意してください。「取消」、「前へ」などのボタンで、「検証の実行」フラグが「はい」に誤って設定されており、「送信後」ブランチを使用している場合、このようなボタンをユーザーがクリックしても検証が実行されることはありません。この問題に対処するには、新しいクライアント側の検証を使用するか、「検証の実行」を「いいえ」に設定します。

リリース5.1では、「結果を待機」属性が「はい」に設定されているAjaxベースの動的アクションによって、非同期Ajaxコールが実行されます。5.1より前では、そのようなコールは同期的に行われます。

互換性モードの変更内容(モード19.1)

Oracle Application Express 19.1では、リッチ・テキスト・エディタによって、Max Lengthアイテム属性の検証が強制されます。HTMLマークアップの長さがMax Length値を超えると、エラー・メッセージが生成されます。

互換性モードの変更内容(モード19.2/20.1/20.2/21.1)

Oracle Application Express 19.2の「クラシック・レポート」では、空の列値は、改行なしの空白文字(&nbsp;)を使用するのではなく空のセルとしてレンダリングされます。

互換性モードの変更内容(モード21.2から24.1)

Oracle Application Express 21.2より前では、追加されたエラーに関係なく、現在の処理ポイントのすべてのプロセスが実行されていました。

Oracle Application Express 21.2では、プロセスでAPEX_ERROR.ADD_ERRORをコールすると、それ以降のプロセスの実行が停止し、インライン・エラーが即時に表示されます。

互換性モードの変更内容(モード24.2)

リリース24.2以降、APEXでは、テキスト・メッセージについて、拡張された置換構文&{TEXT.MESSAGE}がサポートされています。

3.18 Oracle Databaseのネットワーク・サービスの有効化

データベース管理者は、Oracle APEXでアウトバウンド・メールの送信、Webサービスの起動、または外部プリント・サーバーによるテンプレートベースのPDFレポートの出力を実行するには、Oracle Databaseでネットワーク・サービスを有効にする必要があります。

詳細は、『Oracle APEXインストレーション・ガイド』「Oracle Databaseのネットワーク・サービスの有効化」を参照してください。

ノート:

ネットワーク・サービスの有効化は、Oracle Autonomous Databaseで実行されているAPEXインスタンスには適用されません。APEXは、追加の構成なしでインターネット経由で外部エンドポイントと通信できます。

3.18.1 ネットワーク・サービスを有効化する場合と理由

ネットワーク・サービスを有効化すると、Oracle APEXでのアウトバウンド・メールの送信、RESTサービス、REST対応SQLまたはその他のWebサービスの使用、レポート印刷用のリモート・サーバーの使用のサポートが有効になります。

デフォルトでは、Oracle Databaseでのネットワーク・サービスとの通信機能は無効化されています。したがって、DBMS_NETWORK_ACL_ADMINパッケージを使用して、APEXスキーマ(APEX_240200)を所有するデータベース・ユーザーにネットワーク接続権限を付与する必要があります。これらの権限の付与に失敗すると、次の場合に問題が発生します。

  • Oracle APEXでアウトバウンド・メールを送信する。

    ユーザーは、APEX_MAILパッケージのメソッドをコールできますが、アウトバウンド電子メールの送信時に問題が発生します。

  • APEXからのRESTサービスおよびその他のWebサービスの使用。
  • APEXからアウトバウンドLDAPコールを実行する。
  • レポート印刷用のリモート印刷サーバーの使用。

付与されたネットワーク接続権限はAPEXインスタンス全体に適用され、これにより、すべてのワークスペースのすべてのアプリケーションがアウトバウンド・ネットワーク・コールを実行できるようになります。アプリケーションでUTL_HTTPUTL_SMTPなどのネイティブ・データベースPL/SQL APIも使用されないかぎり、個々のワークスペース・スキーマにネットワーク接続権限を付与する必要はありません

ノート:

APEXをアップグレードすると、以前のAPEXバージョンの構成に基づいてネットワーク・サービスが自動的に構成されます。

ヒント:

この項で示されている例を実行するには、データベースのcompatible初期化パラメータが11.1.0.0.0以上に設定されている必要があります。パラメータはデフォルトで適切に設定されますが、11gより前のバージョンからアップグレードされたデータベースの場合は、更新が必要なことがあります。データベース初期化パラメータの変更の詳細は、Oracle Multitenant管理者ガイドデータベースの互換性レベルの指定を参照してください。

関連項目:

Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイドレポートの印刷について

3.18.2 接続権限の付与

次の例は、APEXスキーマ(APEX_240200)を所有するデータベース・ユーザーに対して任意のホストへの接続権限を付与する方法を示しています。この例では、Oracle APEXがインストールされているデータベースに、SYSDBAロールが指定されたSYSとして接続していると想定しています。

BEGIN
    DBMS_NETWORK_ACL_ADMIN.APPEND_HOST_ACE(
        host => '*',
        ace => xs$ace_type(privilege_list => xs$name_list('connect'),
                           principal_name => APEX_APPLICATION.g_flow_schema_owner,
                           principal_type => xs_acl.ptype_db));
END;
/

次の例は、ローカル・ネットワーク・リソースへのアクセス権について、より少ない権限を付与する方法を示しています。この例では、電子メールやレポート出力サーバーなど、同じデータベース・ホスト(localhost)で実行されているサーバーへのアクセスのみを有効にします。

BEGIN
    DBMS_NETWORK_ACL_ADMIN.APPEND_HOST_ACE(
        host => 'localhost',
        ace => xs$ace_type(privilege_list => xs$name_list('connect'),
                           principal_name => APEX_APPLICATION.g_flow_schema_owner,
                           principal_type => xs_acl.ptype_db));
END;
/

3.18.3 無効なACLエラーのトラブルシューティング

問合せを実行して、無効なACLエラーがある場合に特定する方法を学習します。

前述のスクリプトを実行した後にORA-44416: 無効なACLのエラーが表示された場合は、次の問合せを使用して、無効なACLを特定します。

REM Show the dangling references to dropped users in the ACL that is assigned
REM to '*'.

SELECT ACL, PRINCIPAL
  FROM DBA_NETWORK_ACLS NACL, XDS_ACE ACE
 WHERE HOST = '*' AND LOWER_PORT IS NULL AND UPPER_PORT IS NULL AND
       NACL.ACLID = ACE.ACLID AND
       NOT EXISTS (SELECT NULL FROM ALL_USERS WHERE USERNAME = PRINCIPAL);

次に、次のコードを実行してACLを修正します。

DECLARE
  ACL_ID   RAW(16);
  CNT      NUMBER;
BEGIN
  -- Look for the object ID of the ACL currently assigned to '*'
  SELECT ACLID INTO ACL_ID FROM DBA_NETWORK_ACLS
   WHERE HOST = '*' AND LOWER_PORT IS NULL AND UPPER_PORT IS NULL;

  -- If just some users referenced in the ACL are invalid, remove just those
  -- users in the ACL. Otherwise, drop the ACL completely.
  SELECT COUNT(PRINCIPAL) INTO CNT FROM XDS_ACE
   WHERE ACLID = ACL_ID AND
         EXISTS (SELECT NULL FROM ALL_USERS WHERE USERNAME = PRINCIPAL);

  IF (CNT > 0) THEN

    FOR R IN (SELECT PRINCIPAL FROM XDS_ACE
               WHERE ACLID = ACL_ID AND
                     NOT EXISTS (SELECT NULL FROM ALL_USERS
                                  WHERE USERNAME = PRINCIPAL)) LOOP
      UPDATE XDB.XDB$ACL
         SET OBJECT_VALUE =
               DELETEXML(OBJECT_VALUE,
                         '/ACL/ACE[PRINCIPAL="'||R.PRINCIPAL||'"]')
       WHERE OBJECT_ID = ACL_ID;
    END LOOP;

  ELSE
    DELETE FROM XDB.XDB$ACL WHERE OBJECT_ID = ACL_ID;
  END IF;

END;
/

REM commit the changes.

COMMIT;

ACLを修正した後は、この項の最初のスクリプトを実行してAPEX_240200ユーザーにそのACLを適用する必要があります。