2 新機能

Oracle APEXリリース24.2には、多数の新機能が含まれています。次の新機能は、APEXリリース24.1およびそれ以前のリリースには存在しません。

2.1 JSONソース

APEXでのJSONソースは、データベース表の所有者と名前に関する情報からなります。JSONデータを含む列があるプレーン表、またはJSONコレクション表を使用できます。使用する表と列を選択した後は、APEXによって、実際のデータからデータ・プロファイルが特定されるか、アップロードしたJSONスキーマ・ファイルが使用されます。

JSONソースは、ページ・コンポーネント(レポート、チャート、フォームなど)と共有コンポーネント(値リストや自動化など)で使用できます。JSONソースの使用の詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』JSONソースの管理を参照してください。

JSONソースは、Oracle Database 19c以降で使用できます。

2.2 JSON二面性ビュー

リレーショナル・ストレージを伴うドキュメント(正規化された関係を基盤とするアクティブで更新可能な階層型ドキュメント)のコレクションは、JSONリレーショナル二面性によって支えられています。ローカル・データベースまたはREST対応SQL参照を使用して二面性ビューを定義できます。二面性ビューを選択すると、Oracle APEXにより、そのデータベースからJSONスキーマが取得され、データ・プロファイルが構築されます。データ・プロファイルにより、JSON属性が、APEXコンポーネントで使用可能なデータ型の列にマップされます。

二面性ビューは、ページ・コンポーネント(レポート、チャート、フォームなど)と共有コンポーネント(値リストや自動化など)で使用できます。二面性ビューの使用の詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』二面性ビューの管理を参照してください。

二面性ビューは、Oracle Database 23ai以降で使用できます。

2.3 ベクトル検索

ベクトル検索を、Oracle Database 23aiで実行されているAPEXインスタンスで使用できるようになりました。VECTORデータ型の列がある表の上に検索構成を作成し、詳細(索引の使用状況、距離メトリック、最大ベクトル距離、最大結果数など)を構成します。APEXでは、ベクトル類似度の順に検索結果が返されます。

Oracleベクトル検索を構成するには、検索式をベクトルに変換するようにベクトル・プロバイダを設定する必要があります。ベクトル・プロバイダはワークスペース・レベルで構成され、すべてのアプリケーションで使用できます。詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』ベクトル・プロバイダの管理を参照してください。

2.4 RESTソースの機能強化

簡易HTTP RESTデータソースでのトークンベース・ページ区切りのサポート

簡易HTTP RESTデータソース・タイプでは、トークンベースのページ区切りを使用するRESTサービスがサポートされるようになり、このページ区切りスキームを使用するAPIとの統合が強化されています。

フレキシブル・リモート・サーバー

リモート・サーバーの編集時に、エンドポイントURL内や他の属性内でプレースホルダ(#tenant#など)を使用できるようになりました。実行時に、APEXによって、PL/SQL構成プロシージャを使用してそれらのプレースホルダ値とリモート・サーバー・オブジェクトのベースURL (RESTデータソース、REST対応SQLおよび認証に使用される)を動的に導出できます。これにより、APEXで、現在のアプリケーション、テナントまたは環境の設定に基づいて動的にエンドポイントを呼び出せるようになります。

フレキシブル・リモート・サーバーの詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』フレキシブル・リモート・サーバーについてを参照してください。

2.5 ワークフローの機能強化

新しいアクティビティ: ワークフローの起動

新しい「ワークフローの起動」アクティビティを使用すると、親ワークフローから別のワークフローを起動できます。

ワークフロー・パラメータの方向を「入力」「出力」および「入出力」に指定できるようになりました。「出力」のパラメータを設定できるのは、そのワークフローが別のワークフローの「ワークフローの起動」アクティビティで使用されている場合のみです。そのワークフローがページ・プロセスで使用されている場合、「出力」のパラメータは設定できません。

ワークフロー・パラメータを追加または更新すると、そのワークフロー・ページ・プロセス内のコンポーネント・パラメータが自動的に同期されて変更内容が反映されます。同期が自動的に行われるようになったため、「ページ・プロセス」の「パラメータの同期」メニュー・オプションは削除されました。

既存のワークフローについては、「ページの作成ウィザード」から「ワークフローの詳細」ページを再生成すると、起動されたワークフローの詳細で「親ワークフローへ」ボタンが表示されるようになります。

変数とパラメータでのCLOBサポート

ワークフロー・パラメータとワークフロー変数で、CLOBデータ型がサポートされるようになりました。

ワークフローの詳細ページにCLOBが表示される場合は、SQLのVARCHAR2制限内に収まるCLOBのセクションのみが表示されています。

CLOBの値がVARCHAR2制限を超えている場合は、ワークフローの詳細ページを使用するのではなく、apex_workflow.update_variablesを使用してその変数を更新します。

他のアプリケーションからワークフローをコピー

「共有コンポーネント」「ワークフローと自動化」「他のアプリケーションからコピー」を使用して、別のアプリケーションからワークフローをコピーできるようになりました。

ワークフローをコピーするときは、次のものもコピーします:
  • ワークフローのバージョン、パラメータ、アクティビティ、参加者および変数
  • そのワークフローで参照されている他の共有コンポーネント(電子メール・テンプレート、タスク、RESTソースなど)
  • 起動されたワークフローすべて(それらが現在のアプリケーションにまだ存在しない場合)

任意のアクティビティでワークフローを再開

API APEX_WORKFLOW.RESUMEを使用することで、一時停止されたワークフローを任意のアクティビティで再開できるようになりました。これを構成する方法の詳細は(ワークフローの詳細ページで関連情報を公開する方法の例など)、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』一時停止されたワークフローの再開を参照してください。

ワークフローおよびヒューマン・タスクのランタイム・インスタンスのエクスポートをサポート

アプリケーションのエクスポート時にワークフローおよびヒューマン・タスクのランタイム・インスタンスをエクスポートできるようになりました。この機能を使用すると、インスタンス・データを環境間で移動できます。詳細は、『Oracle APEX APIリファレンス』APEX_EXPORT.GET_APPLICATIONファンクションを参照してください。

2.6 データベース・オブジェクトの依存性

新しい「データベース・オブジェクトの依存性」レポートにより、ワークスペース内のアプリケーションについてデータベース・オブジェクトの依存性を簡単にスキャンしレポートできるようになります。アプリケーション全体を一度にスキャンするか、一度に1ページをスキャンして、次のものについて依存性を表示します:
  • 表と表列
  • ビュー
  • パッケージ、プロシージャおよびファンクション
  • 各依存性のコンポーネント・プロパティへのリンク
  • システムの依存性(Oracle Database APIおよびAPEXビューへの参照など)
このレポートには、Oracle Database APIとAPEXビューへの参照を含む、「システムの依存性」のセクションもあります。このレポートを使用すると、選択したデータベース・オブジェクトを参照しているアプリケーション・コードを確認できます。
新しい「データベース・オブジェクトの依存性」レポートでは、バグ修正とパフォーマンス向上によって、APEX 24.1で導入されたAPEX_APP_OBJECT_DEPENDENCY APIが改善されています。「データベース・オブジェクトの依存性」レポートで、次のものからの依存性を検出できるようになりました:
  • レポート列にあるSQL式
  • RESTサービスの問合せ(#APEX$SOURCE_DATA#)
  • データ・プロファイルのSQL式
「データベース・オブジェクトの依存性」レポートの詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』データベース・オブジェクトの依存性の表示を参照してください。

2.7 共有コンポーネント使用状況レポート

タスク定義、電子メール・テンプレートおよびRESTデータソースについての共有コンポーネント使用状況レポートが、ワークフローとタスクの使用状況を表示するように拡張されました。

2.8 Fusion統合のサポート

「アプリケーションの作成ウィザード」から、Oracle Fusion Applicationsへの統合が事前構成されているアプリケーションを作成できるようになりました。これにより、APEXとFusionの間のフェデレーテッド認証とアイデンティティ伝播を設定するために必要な手動ステップが自動化されます。

「アプリケーションの作成ウィザード」で「Fusion統合の作成」を選択して次のものを作成します:
  • スタータ・アプリケーション
  • Fusion REST APIエンドポイントのベースURLを参照するように事前構成されたリモート・サーバー
  • 認証スキームとサンプルRESTデータソースのためのWeb資格証明
  • 事前構成された認証スキーム
  • サンプルRESTデータソース

詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』APEXとFusion Applicationsの統合を参照してください。「Fusion統合の作成」オプションを表示するには、OCIデータベース・ツールの接続を構成してある必要があります。

2.9 BOSS RESTサービスのサポート

任意のAPEXリージョンで、/api/bossを含むURLでFusion Apps REST APIを簡単に使用できるようになりました。
  • RESTデータソース作成の間のサポートされている操作と属性をすべて示します。
  • フィルタリングとソートをBOSSサービスAPIに自動的に委任します。
  • 現在のリージョンで使用されている属性の取得と送信のみによってパフォーマンスを最適化します。
  • APEX_EXECを使用してBOSSエンドポイントをプログラムで操作します。
BOSS RESTサービスのサポートの詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』Oracle Cloud Applications BOSS REST Serviceについてを参照してください。

2.10 ドキュメント・ジェネレータの機能強化

ドキュメント・ジェネレータがプリント・サーバーとして構成されている場合は、XLSXファイルのアップロードもできるようになりました。ドキュメント・ジェネレータで、次の出力タイプがさらにサポートされるようになりました:
  • DOCXからDOCX
  • XLSXからPDF
  • XLSXからXLSX

2.11 動的アクション: AIによるテキストの生成

動的アクション「AIによるテキストの生成」を使用して、構成されている生成AIサービスをコールし、ユーザー・コンテンツに基づいて1回かぎりのレスポンスを生成できるようになりました。このアクションは、テキストの要約や翻訳、キーワードの抽出、電子メールのドラフト作成などのタスクに最適です。この動的アクションの使用の詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』AIを使用してテキストを生成する動的アクションの作成を参照してください。

2.12 AIを使用したカスタム・データ・モデルの作成

新しい「SQLワークショップ」ユーティリティである「AIを使用したデータ・モデルの作成」では、独自のスキーマの作成に役立つように、AIが使用されます。APEXアシスタントでは、Oracle SQLまたはクイックSQLで表、トリガーおよび制約を作成するためのスクリプトが生成されます。

この機能を使用する前に、生成AIサービスを作成し、「アプリケーション・ビルダーで使用」設定を有効にする必要があります。詳細は、『Oracle APEX SQLワークショップ・ガイド』AIを使用したデータ・モデルの作成を参照してください。

2.13 AI構成とRAGソース

AI構成は、APEXにおけるすべてのAI対応機能にわたり使用するために主要な生成AI設定(システム・プロンプト、ようこそメッセージ、RAG (検索拡張生成)ソースなど)を一元化する、再利用可能なコンポーネントです。

このリリースでは、RAGソースにより、ユーザー・プロンプトやセキュリティ設定に基づいて包含を制御する柔軟な条件を指定して、アプリケーションで関連データをAIレスポンスに動的に追加できるようになります。『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』AI構成とRAGソースの管理を参照してください。

2.14 テンプレート・コンポーネントのコントロール・ブレーク

APEXでは、テンプレート・コンポーネント・レポートでコントロール・ブレーク(グループ化)がサポートされるようになりました。ページ・デザイナでテンプレート・コンポーネント・レポートのリージョンに対してグループを宣言的に構成できます。

APEXでは、次のグループ化もサポートされています:
  • APEX_EXEC API
  • コンテンツ行テンプレート・コンポーネント

2.15 アイテム・プラグインの無制限の属性

APEX 24.1では、リージョン・プラグインのカスタム属性制限が解除されました。24.2では、これがアイテム・プラグインまで拡張されています。新しいアイテム・プラグインには、自動的に、無制限の属性が備わります。

既存のプラグインの変更

属性が無制限になるように既存のプラグインを変更するには:
  1. アイテム・プラグインを編集し、「APIインタフェース」属性をProcedureに設定します。
  2. カスタム属性を更新します:
    -- old
    l_my_attribute varchar2(32767) := p_item.attribute_01;
    l_my_number    number          := p_item.attribute_02;
    l_my_boolean   boolean         := p_item.attribute_03 = Y; 
    
    -- new
    l_my_attribute varchar2(32767) := p_item.attributes.get_varchar2( 'attribute_01');
    l_my_number    number          := p_item.attributes.get_number  ( 'attribute_02');
    l_my_boolean   boolean         := p_item.attributes.get_boolean ( 'attribute_03', true);
  3. 「代替属性値」スイッチは非推奨となっています。プロシージャ・インタフェースに移動すると、このスイッチは表示されなくなります。属性値に対して置換を実行するには、get_varchar2ファンクションで新しいパラメータを使用します:
    • p_do_substitutions
    • p_do_serveronly_substitutions
    • p_substitution_escape_mode
    procedure render (
        p_item   in            apex_plugin.t_item,
        p_plugin in            apex_plugin.t_plugin,
        p_param  in            apex_plugin.t_item_render_param,
        p_result in out nocopy apex_plugin.t_item_render_result )
    as
        -- Old
        l_my_attribute varchar2(32767) := p_item.attribute_01;
     
        -- NEW
        l_my_attribute varchar2(32767) := p_item.attributes.get_varchar2 (
                                          p_static_id                => 'my_static_id',
                                          p_do_substitution          => true,
                                          p_substitution_escape_mode => apex_session_state.c_escape_mode_html );
    begin
    ...
    ...
    end;

APEX 24.2にアップグレードするときは、移行時にカスタム属性に新しい静的IDが提供されます。たとえば、順序1の属性はID "attribute_01"を取得し、順序2の属性はID "attribute_02"を取得するなどです。これにより、コード移行が簡略化されます。

新しい属性の作成

APEX 24.2への移行後に作成した新しい属性には、任意の静的IDを使用します。静的IDは、短くし、小文字にし、目的を説明するようなものにすることをお薦めします。たとえば、"css_classes""page_item_name""plsql_code"などです。

その新しいattributes構成は、アプリケーションスコープ属性を読み取るためにt_pluginで使用することもできます。

パブリック・ディクショナリ・ビュー

パブリック・ディクショナリ・ビューが変更されています。アイテム・プラグイン属性の問合せは、その属性のJSON属性列を読み取ることで行われるようになりました。
select 
i.attributes.my_static_id
  from apex_application_page_items 
i
 where ...
これは、アプリケーションスコープおよび対話グリッドの列属性、ファセット検索フィルタおよびスマート・フィルタのフィルタを読み取るときにも適用されます。

2.16 アプリケーションのエクスポートの機能強化

翻訳済アプリケーションをエクスポートすると、APEXによってそのアプリケーションがチェックされて、翻訳が同期されていることが確認されます。翻訳が同期されていない場合は、「アプリケーションのエクスポート」ページに警告メッセージが表示されます。

「アプリケーション翻訳の表示」を選択して、アプリケーションの翻訳をチェックし、必要に応じてそれらを更新します。アプリケーションの翻訳の詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』メッセージの翻訳を参照してください。

2.17 言語に基づくデフォルトのRTL方向

アプリケーションのグローバリゼーションページと翻訳言語マッピングページの「文書方向」属性のデフォルトが、「左から右」ではなく「言語デフォルト」になりました。「言語デフォルト」に設定されているアプリケーションが実行されたときに、その方向が言語から導出されるようになりました。

既存のアプリケーションについては、機能に変更はありません。

2.18 ビルダー拡張機能の自動サブスクライブ

インスタンス管理者が、「拡張機能のホストを許可」オプションを構成して自動サブスクリプションを許可できるようになりました。ワークスペースが自動サブスクリプション用に設定されている場合は、APEXによって自動的に、すべての拡張機能および拡張機能メニュー・エントリが、インスタンス内の他のすべてのワークスペースに公開されます。個々のワークスペースに、拡張機能に対するサブスクライブと読取りアクセス権の付与を手動で実行する必要がなくなりました。

2.19 テキスト・メッセージの機能強化

コメントとメタデータ

「テキスト・メッセージの作成/編集」ダイアログに「コメント」「メタデータ」が含まれるようになりました。

「コメント」テキスト領域フィールドを使用して、特定のテキスト・メッセージに関連付けられている開発者コメントを取得します。

「メタデータ」リージョンを使用して、次のような、テキスト・メッセージに関する追加データを取得します:
  • 外部の中央文字列リポジトリに関連するテキスト・メッセージについて詳細を識別するための、JSONの名前/値ペアを提供する構造化属性
  • 翻訳に役立つようにそのテキスト・メッセージにさらにコンテキストを提供する非構造化データ
「メタデータ」リージョンは、メタデータがPL/SQL APIを介してロードされた場合のみ表示される、縮小可能リージョンです。それ以外の場合、このリージョンは表示されません。

テキスト・メッセージ値の表示

「ページ・デザイナ」では、新しい「テキスト・メッセージ・ピッカー」(「ページ・デザイナ」、「ユーティリティ」、「表示」)によって「テキスト・メッセージ」ダイアログ・ボタン(地球アイコン)の表示を制御します。有効になっている場合は、このボタンによって「テキスト・メッセージ」ダイアログが開き、現在のアプリケーションにおいて使用可能なテキスト・メッセージがすべてリストされます。

これらのプロパティでテキスト・メッセージが使用されている場合は、APEXによって、入力フィールドの下にそのコンテンツのプレビューが表示されます。

また、コード・エディタで&{と入力すると、サジェスチョン・ボックスに、使用可能なテキスト・メッセージが表示されます。

この機能を使用するには、アプリケーションの互換性モードを24.2以上に設定する必要があります。

2.20 新しい置換文字列

新しい置換文字列MAIN_APP_IDでは、現在のアプリケーションが作業用コピーである場合はメイン・アプリケーションIDが示されます。それ以外の場合は、これにより、現在のアプリケーションIDが示されます。
参照タイプ 構文
バインド変数 :MAIN_APP_ID
PL/SQL NV('MAIN_APP_ID')
置換文字列 &MAIN_APP_ID.

2.21 アプリケーションのユーザー・エクスペリエンス・データ(OpenTelemetry)

OpenTelemetryを使用してユーザー・エクスペリエンス・データ(ページ・ロード時間やユーザー操作など)を収集できるようになりました。「ワークスペース・ユーティリティ」を使用してOpenTelemetryを構成してから、それを特定のアプリケーションに追加して、どのようにユーザーがアプリケーションに関与しているかをより簡単に監視および分析できるようにします。

OpenTelemetryには、ユニバーサル・テーマの最新バージョンが必要です。

2.22 「生成AI構成」画面の機能強化

「ワークスペース・ユーティリティ」の生成AIサービスの詳細ページに、生成AIサービスの接続を作成するために使用されている情報を検証する、「接続のテスト」ボタンが含まれるようになりました。「接続のテスト」では、使用しているプロバイダに応じて構成パラメータ(APIキー、URL、モデル識別子など)の事前検証が実行されます。このチェックを実行すると、先に進む前に、不足しているか不適切なフィールドをすばやく識別し編集できます。

詳細は、『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』生成AIサービス・オブジェクトの作成を参照してください。

2.23 Content-Security-Policyのサポートの改善

APEXランタイム・エンジンにより、安全でないインライン・ディレクティブの使用を最小限に抑えることで、Content-Security-Policy (CSP)標準にさらに厳密に準拠します。
  • インラインJavaScript: インライン・イベント・ハンドラは、可能なかぎり外部JavaScriptファイルに移動されます。実行可能でない場合、それらは、ノンスと呼ばれる一意の識別子を使用して安全に発行されます。
  • インラインCSS: インライン・スタイルは、外部CSSファイルに移動されるか、プレースホルダ文字列に置き換えられるか、ノンスを使用して安全に発行されるようになりました。
  • スタイル・タグ: <style>タグは、ノンスを使用して安全に発行されます。
  • スクリプト・タグ: <script>タグは、ノンスを使用して安全に発行されます。
これらの変更点により、インライン・コードに関連するリスクが軽減されて、セキュリティが向上します。

APEXでのCSPの構成の詳細は、『Oracle APEX管理ガイド』「コンテンツ・セキュリティ・ポリシー(CSP)の構成」を参照してください。

2.24 ポップアップLOVの機能の改善

ポップアップLOVの外観と動作が、「1つ選択」、「複数選択」、「コンボボックス」などの検索可能LOVアイテムに類似するようになりました。これにより、検索時に、統一された直感的なユーザー・エクスペリエンスが作成されます。

ポップアップLOVには、「一致タイプ」という新しい属性があります。これは、「次を含む」(デフォルト)または「次で始まる」に設定できます。大/小文字を区別する検索のためのコントロールもあります。

2.25 アクセシビリティの改良

ワークフロー・デザイナのキーボードの改良

ワークフロー・デザイナでキーボード・ショートカットを使用してナビゲートするときに、ダイアグラム・ビューポートがキーボード・フォーカスに従うようになりました。フォーカスしたノードをダイアグラム・ビューポートの外側に配置することはできなくなりました。

2.26 アプリケーション・メタデータから分離されたテーマ・メタデータ

ユニバーサル・テーマ24.2以降では、テーマ・メタデータ(テンプレート、テーマ・スタイル、テンプレート・コンポーネントなど)が、アプリケーションから分離された中央ワークスペースに格納されるようになりました。これにより、アプリケーションのエクスポート/インポートがより迅速になり、ファイル・サイズが縮小され、バージョン管理システムでストレージが最適化されて、パフォーマンスが向上します。

関連する更新を次に示します:
  • 「テーマのリフレッシュ」ボタンがアプリケーション・ホームページに配置されるようになり、より見つけやすくなりました。
  • テーマ管理に関連する古いAPEXビルダー・ページが更新または削除されて、インタフェースが簡素化されました。
  • アクティブなテーマ・スタイルの選択がテーマ・スタイル・レベルからテーマ・レベルに移動されました。

重要:

アプリケーションで翻訳が使用されている場合は、それらをテーマの更新後に再公開します。そうしないと、翻訳が適用されません。

2.27 複数選択に関する改善

「値の表示形式」「カンマ区切りリスト」に設定した場合に、アイテムに、現在選択されている値の数を表示するカウンタ・アイコンが表示されるようになりました。そのカウンタをクリックするとドロップダウンが開き、選択した値のみが表示されます。

2.28 ユニバーサル・テーマの機能強化

フォントAPEX 2.4

フォントAPEXに、APEXアプリケーション内で旗を簡単に表示するための244個の国旗アイコンが含まれるようになりました。.fa-flag-##を使用してその新しいアイコンを表示します。ここでの##は国コードです。

『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』フォントAPEXへのアクセスを参照してください。

パスワード・アイテムの機能強化

パスワード・タイプのページ・アイテムに「パスワードの表示」ボタンが含まれるようになりました。「パスワードの表示」を選択すると入力したパスワードを表示でき、「パスワードの非表示」を選択するとパスワードを再度隠すことができます。

このボタンは、ユニバーサル・テーマ24.2以降を使用するすべてのアプリケーションで、デフォルトで有効になっています。このボタンを無効にするには、パスワード・アイテムのテンプレート・オプションを編集し、パスワードの非表示を選択します。

その他の変更点

ユニバーサル・テーマ24.2に関するその他の変更点を次に示します:
  • タイポグラフィ、シャドウ、フレックス・オーダー、パディング、およびマージン用の新しいユーティリティ・クラス
  • コンテンツ行でのグループ化のサポート(タイトルとアイコン)
  • アバター・テンプレート・コンポーネントでの複数のアバターの表示
  • 動的ツールバーによるモバイル・ブラウザのサポートの改善
  • Redwood Lightに関するその他の更新(Vitaと一致するようにページ・パディングを調整するなど)

2.29 PL/SQL APIの更新

APEX_APPLICATION_ADMIN

新しいプロシージャAPEX_APPLICATION_ADMIN.SET_REMOTE_SERVERにより、アプリケーションのデプロイ後にリモート・サーバー・オブジェクトのベースURLを変更します。

APEX_CREDENTIAL

APEX_CREDENTIAL APIは、新しいプロシージャSET_SCOPEで拡張されています。このプロシージャにより、Web資格証明の"scope"属性をプログラムで変更します。

APEX_LANG

既存のプロシージャCREATE_MESSAGEは、次の2つの新しいパラメータで拡張されています:
  • p_comment: アプリケーション・ビルダーでのみ表示される開発者コメントまたはノート
  • p_metadata: メッセージとともに格納されている追加データ

新しいプロシージャUPDATE_MESSAGEにより、テキスト・メッセージのすべての属性を更新できます。

APEX_PAGE

GET_URLプロシージャには、p_absolute_urlという新しいブール・パラメータがあります。FALSEに設定すると、ファンクションにより、絶対URLが必要かどうかが判断されます。TRUEに設定すると、ファンクションにより、常に絶対URLが生成されます。

APEX_REGION

多くのAPEX APIファンクションは、入力としてp_region_idを取ります。新しいファンクションGET_IDは、APEXディクショナリ・ビューからリージョンIDを取得します。

APEX_SHARED_COMPONENT

新しいAPEX_SHARED_COMPONENTパッケージには、共有コンポーネントを操作するための2つのAPI (REFRESHPUBLISH)が含まれています。このパッケージは、完全なAPEXインストールでのみ使用でき、テーマのリフレッシュおよび公開には適用されません。

2.30 JavaScript APIの更新

新しいAPIと更新されたAPI

このリリースには、次の新しいAPIと更新されたAPIが含まれています:
  • 新しいapex.messageネームスペース・ファンクション:
    • ariaAlertMessage
    • ariaMessage
  • 新しいactionsインタフェースactionプロパティconvertBindingArguments
  • apex.util.applyTemplateに追加されたテキスト・メッセージ用の新しい構文。この構文には、互換性モード24.2が必要です。
  • インタフェースregion refreshメソッドにより、一部のリージョンで使用されるpKeepPaginationパラメータをドキュメント化します。
  • ウィジェットinteractiveGridでは、新しいプロパティnoParentSelectedを含むtextオプションがドキュメント化されるようになりました。
  • 新しい「ファセット検索」の「フィルタの追加」機能のための、facetsRegionインタフェースに関する変更:
    • 制御プロパティdisplayedを削除し、それを新しいプロパティdisplayAsに置き換えました。
    • メソッドaddCharthideFacetおよびshowFacetは、displayAs"INLINE"の場合のみ機能します。
  • 新しいコンテンツのフェッチ中に古いコンテンツがクリアされることがない、gridまたはtableModelViewウィジェットに基づくレポートに関連する変更点:
    • 新しいmodelオプションdelayClearDataapex.model.createに追加されました。これは、modelメソッドsetOptionでも設定できます。
    • checkメソッドとclearDataメソッドでは、delayClearDataに関連する新しい動作が記述されます。
    • インタフェースmodel refresh通知に、新しいchangesプロパティclearDataPendingがあります。
    • インタフェースmodelメソッドのforEachInPage pCallbackファンクションでは、pErrorパラメータのfalse値を受け取ることができます。
  • コントロール・ブレークについてのネストしたマークアップに関連する変更
    • 新しいmodelインタフェース・メソッドgetControlBreakIdおよびhasControlBreaks
    • インタフェースmodelメソッドinsertNewRecordにより、コントロール・ブレーク・フィールドが初期化されるようになりました。
    • 新しいmodel FieldMetaプロパティcontrolBreakIndex
    • インタフェースmodelメソッドsetSelectionStateには、pActionパラメータに新しい値があります。
    • ウィジェットtableModelViewでは、オプションcontrolBreakAfterTemplatecontrolBreakBeforeTemplateおよびcontrolBreakSelectorが追加されます。オプションcontrolBreakTemplateには、新しい置換が含まれており、controlBreakSelectorオプションの設定が必要になりました。
    • ウィジェットtableModelViewのメソッドgetCurrentItemgetCurrentItemValuesetCurrentItemは、フォーカスがグループ見出し上にある場合に適用されます。

更新された説明、例または誤入力の修正

このリリースには、説明と例に関する様々な改良が含まれています。

2.31 JavaScriptライブラリのアップグレード

  • @opentelemetry/api 1.9.0
  • @opentelemetry/core 1.26.0
  • @opentelemetry/instrumentation 0.53.0
  • @opentelemetry/instrumentation-document-load 0.39.0
  • @opentelemetry/instrumentation-fetch 0.53.0
  • @opentelemetry/instrumentation-xml-http-request 0.53.0
  • @opentelemetry/sdk-trace-base 1.26.0
  • @opentelemetry/sdk-trace-web 1.26.0
  • Cohere API Spec 7.9.5
  • cropperjs 1.6.2
  • DomPurify 3.1.6
  • FullCalendar 6.1.15
  • JavaScript Extension Toolkit (JET) 17.0.2
  • jquery-migrate 3.5.2
  • mapbox-gl-rtl-text 0.3.0
  • MapLibre GL 4.6.0
  • Marked 14.1.0
  • Monaco Editor 0.51.0
  • OpenAI Open AI Spec 2.0.0
  • Oracle Rich Text Library(ORTL) 2.0.1
  • Pako 2.1.0
  • Terser 5.31.3
  • Turndown 7.2.0