ターゲット・スタンバイ・データベースの選択

スイッチオーバーまたはフェイルオーバー後に次のプライマリ・データベースにするスタンバイ・データベースを選択する際には、いくつかの考慮事項があります。

Oracle Data Guard構成を構築する際には、フィジカル・スタンバイ、ロジカル・スタンバイおよびスナップショット・スタンバイの各特性、スタンバイ・データベース・サイトに対するネットワーク待機時間、将来のプライマリ・データベース・サイトにおけるコンピューティング機能などの要素を含む、すべてのオプションを考慮する必要があります。

ノート:

スナップショット・スタンバイを、スイッチオーバーまたはファスト・スタート・フェイルオーバー操作のターゲットにすることはできません。ただし、スナップショット・スタンバイへの手動フェイルオーバーは実行できます。

遠隔同期インスタンスまたはZero Data Loss Recovery Applianceはデータベースではないため、ロール遷移のターゲットにはできません。

スイッチオーバーについては、すべての要素を理解することで、新規プライマリ・データベースとみなすスタンバイ・データベースを簡単に選択できます。フェイルオーバーが必要な障害が発生した場合、障害のあるプライマリ・データベースのアクティビティを再開するのに最適なスタンバイ・データベースは、スイッチオーバーの場合よりも絞られる可能性があります。「スイッチオーバーでのターゲット・スタンバイ・データベースの選択」「フェイルオーバーでのターゲット・スタンバイ・データベースの選択」に、ターゲット・スタンバイ・データベースの選択に役立つガイドラインを示します。

ノート:

ファスト・スタート・フェイルオーバーの場合、1つ以上のターゲット・スタンバイ・データベースを事前に選択する必要があります。必要に応じて、複数のターゲットを事前に選択することもできますが、相互に指定しあうようにする必要はありません。

データベースのロール変更可能状況の判定

適切なスイッチオーバーまたはフェイルオーバーのターゲットを選択するには、次のようなDGMGRLコマンドを使用してデータベースでチェックを実行し、ロールの変更を完了するための準備状況を確認します。

関連項目:

スイッチオーバーでのターゲット・スタンバイ・データベースの選択

スタンバイ・データベースがすべて同じタイプである(すべてフィジカルまたはすべてロジカル・スタンバイ・データベース)構成内でスイッチオーバーを実行する場合、未適用のREDOの数が最も少ないスタンバイ・データベースを選択します(最も小さい適用ラグ)。

未適用のREDOの数が最も少ないスタンバイ・データベースを選択することで、スイッチオーバー操作が完了するまでの全体の所要時間を最小限にできます。たとえば:

  • DGMGRLを使用し、SHOW CONFIGURATION LAGの出力を調べることによって、これを行うことができます。

  • Cloud Controlを使用する場合は、Oracle Data Guardの概要ページの「スタンバイ・データベース」セクションで、各スタンバイ・データベースのApplyLag列の値を表示できます。

構成にフィジカル・スタンバイ・データベースおよびロジカル・スタンバイ・データベースの両方が含まれる場合、ターゲット・スタンバイ・データベースとして(未適用REDOの数が最も少ない)フィジカル・スタンバイ・データベースを選択することを考慮します。スイッチオーバー操作の完了後は、構成内のすべてのデータベースが新規プライマリ・データベースに対するスタンバイ・データベースとして使用可能になるため、フィジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーをお薦めします。一方、ロジカル・スタンバイ・データベースにスイッチオーバーすると、構成内のフィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースがすべて無効化されます。そのため、フィジカル・スタンバイ・データベースを再有効化するには、新規プライマリ・データベースのコピーからフィジカル・スタンバイ・データベースを再作成する必要があります。または、比較的すぐに元のプライマリにスイッチバックする場合は、無効化されたスタンバイ・データベースをスイッチバック後に再有効化できることがあります。

スナップショット・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーを実行するには、最初にフィジカル・スタンバイ・データベースに戻す必要があります。

ノート:

Oracle Data Guard構成が最大保護モードで動作している場合、ブローカではロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーが許可されません。ロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーを実行するには、構成が最大可用性モードまたは最大パフォーマンス・モードのいずれかで動作している必要があります。

フェイルオーバーでのターゲット・スタンバイ・データベースの選択

フェイルオーバーを実行するとき、構成内のスタンバイがすべて同じタイプである場合は、最も転送ラグの小さいスタンバイ・データベースを選択します。最も転送ラグの小さいスタンバイ・データベースを選択することにより、データの消失量を最小限に抑え、場合によってはデータの消失をゼロにすることができます。

構成にフィジカル・スタンバイ・データベース、スナップショット・スタンバイ・データベースおよびロジカル・スタンバイ・データベースが含まれる場合、ターゲット・スタンバイ・データベースとしてフィジカル・スタンバイ・データベースを選択することを考慮します。フェイルオーバー操作の完了後は、構成内のすべてのスタンバイ・データベースが新規プライマリ・データベースに対するスタンバイ・データベースとして使用可能になる可能性が高いため、フィジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーをお薦めします。

スナップショット・スタンバイ・データベースにフェイルオーバーすることもできます。ただし、スナップショット・スタンバイ・データベースにフェイルオーバーするには、ブローカがこのデータベースを最初にフィジカル・スタンバイ・データベースに戻す必要があるため、時間がかかります。変換した後、ブローカは、プライマリ・ロールへのデータベースのフェイルオーバーを実行する前に、REDO Applyを起動して累積REDOデータを適用します。スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに変換してからフェイルオーバーが実行されるため、フェイルオーバー操作の完了後、構成内のすべてのスタンバイ・データベースを新しいプライマリ・データベースへのスタンバイ・データベースとして使用することが可能になります。

ロジカル・スタンバイ・データベースにフェイルオーバーするには、フェイルオーバーの完了後に、新しいプライマリ・データベースのコピーからすべてのフィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースを再作成する必要があります。さらに、ロジカル・スタンバイ・データベースには、プライマリ・データベースに存在するデータのサブセットのみが含まれる可能性があります。(たとえば、プライマリ・データベース上で実行されるデータベース操作のうちロジカル・スタンバイ・データベースに適用しない操作を指定する際に、DBMS_LOGSTDBY.SKIPプロシージャが使用された場合など。)

ただし、例外として、ターゲット・スタンバイ・データベースとしてフィジカル・スタンバイ・データベースを選択することをお薦めできない場合があります。たとえば、フィジカル・スタンバイ・データベースもすべて利用できない場合は、ロジカル・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが唯一の選択肢となります。