使用例8: 定期的な管理タスクの実施
1つ以上のデータベースの定期的なメンテナンスを実行するために、ブローカ構成に含まれるデータベースの状態やプロパティの変更が必要になる場合があります。
また、構成に含まれるデータベースのブローカ管理を一時的に無効化する必要が生じる場合もあります。
プロパティと状態の変更
構成の監視中に、データベースやそのプロパティの状態を動的に変更する操作が必要になる場合があります。
次の各トピックで、構成内のデータベースの状態またはプロパティを変更する方法について説明します。
データベース・プロパティの変更
データベース・プロパティの値は、データベースが有効か無効かに関係なくいつでも変更できます。
次の例は、EDIT DATABASEコマンドを使用してNorth_Salesデータベースのデータベース・プロパティLogXptModeを値ASYNCに変更する方法を示しています。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' SET PROPERTY 'LogXptMode'=ASYNC;
DGMGRLは次のメッセージを戻します。このメッセージは、LogXptModeプロパティがData Guard構成ファイル内で正常に更新されたことを示します。
Property "LogXptMode" updated
構成が現在無効の場合は、ENABLE CONFIGURATIONコマンドでブローカ構成を有効化するまで、データベースで新規プロパティ値が使用されません。
デフォルト値へのプロパティのリセット
データベースや構成が有効/無効のいずれの場合も、構成や設定可能なプロパティを、いつでもそのデフォルト値にリセットできます。
次の例は、EDIT DATABASEコマンドを使用してLogXptModeデータベースの設定可能なプロパティをNorth_Salesデータベースのデフォルト値にリセットする方法を示しています。
EDIT DATABASE 'North_Sales' RESET PROPERTY LogXptMode;
次の例は、EDIT CONFIGURATIONコマンドを使用してTraceLevel構成プロパティをデフォルト値にリセットする方法を示しています。
EDIT CONFIGURATION RESET PROPERTY TraceLevel;
スタンバイ・データベースの状態変更
フィジカル・スタンバイのREDO Applyを一時的に停止できます。
スタンバイ・データベースの状態をAPPLY-OFFに変更するには、次の例のようにEDIT DATABASEコマンドを入力します。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET STATE='APPLY-OFF'; Succeeded.
フィジカル・スタンバイ・データベースをAPPLY-OFF状態にしても、REDOデータは引き続き受信されます。
構成とデータベースの無効化
ブローカ構成またはそのデータベースのいずれかを無効化すると、それらのブローカによる管理が無効化されるため、DGMGRLを使用してそれらを管理および監視できなくなります。
ただし、ブローカによるブローカ構成の管理を無効にしても、基礎となるOracle Data Guard構成またはデータベースの実際の操作には影響しません。たとえば、Oracle Data Guard構成内のREDO転送サービスとログ適用サービスは、管理できなくなりますが、そのまま機能し続けます。
構成の無効化
プライマリ・データベースを含むブローカ構成全体の管理を無効化するには、DISABLE CONFIGURATIONコマンドを使用する必要があります。
たとえば:
DGMGRL> DISABLE CONFIGURATION;
プライマリ・データベースのブローカ管理を無効化するには、DISABLE CONFIGURATIONコマンドを使用する必要があります。DISABLE DATABASEコマンドで無効化されるのは、スタンバイ・データベースの管理のみです。同様に、DISABLE FAR_SYNCコマンドは、遠隔同期インスタンスの管理のみを無効にします。
ノート:
スタンバイ・データベースまたは遠隔同期インスタンスへの接続時に構成の管理を無効化する場合、構成を再び有効化するには、プライマリ・データベース(制御ファイルのロールがプライマリであるデータベース)に接続する必要があります。
構成メンバーのブローカの管理を無効にしても、そのメンバーはブローカ構成ファイルから削除されません。該当するENABLE CONFIGURATIONまたはENABLE DATABASE コマンドを入力すると、DGMGRL (またはCloud Control)によるメンバー管理機能を再び有効化できます。
スタンバイ・データベースの無効化
ブローカによるスタンバイ・データベースの管理と監視が一時的に不要になった場合は、DISABLE DATABASEコマンドを使用します。
構成の他の部分が有効な場合は、スタンバイ・データベースが有効化されないようにブローカ管理を明示的に無効化できます。次の例は、スタンバイ・データベースSouth_Salesを無効化する方法を示しています。
DGMGRL> DISABLE DATABASE 'South_Sales'; Disabled.
ノート:
構成内のスタンバイ・データベースを無効にするとき、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、ターゲット・スタンバイ・データベースは無効化できません。
ノート:
スタンバイ・データベースへの接続中にそのスタンバイ・データベースの管理を無効化した場合は、スタンバイ・データベースのブローカ管理を再び有効化するために、プライマリ・データベースまたは別の有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。
警告:
ブローカ構成内のスタンバイ・データベースに関してブローカによる管理を無効化すると、プライマリ・データベースが消失した場合にも、そのスタンバイ・データベースはブローカでフェイルオーバー・ターゲットとして使用できなくなります。
最大保護モードまたは最大可用性モードのいずれかで動作している場合、ブローカでは、保護モードをサポートする最後の1つのスタンバイ・データベースを無効化できません。
遠隔同期インスタンスの無効化
ブローカによる遠隔同期インスタンスの管理と監視が一時的に不要になった場合は、DISABLE FAR_SYNCコマンドを使用します。
構成の他の部分が有効な場合は、遠隔同期インスタンスが有効化されないようにブローカ管理を明示的に無効化できます。次の例は、遠隔同期インスタンスを無効化する方法を示しています。
DGMGRL> DISABLE FAR_SYNC 'FS'; Disabled.
ノート:
遠隔同期インスタンスを無効にすると、次の制約が適用されます。
-
他の構成メンバーの
RedoRoutesプロパティで指定されている遠隔同期インスタンスは無効化できません。 -
遠隔同期インスタンスに接続している間にその遠隔同期インスタンスの管理を無効にした場合、遠隔同期インスタンスのブローカ管理を再び有効化するには、プライマリ・データベースまたは別の有効なスタンバイ・データベースに接続する必要があります。
注意:
ブローカ構成で遠隔同期インスタンスのブローカ管理を無効にした場合、他の構成メンバーのRedoRoutesプロパティで、その遠隔同期インスタンスを指定することはできません。
構成、スタンバイ・データベースまたは遠隔同期インスタンスの削除
REMOVE CONFIGURATION、REMOVE DATABASE、またはREMOVE FAR_SYNCコマンドを使用すると、ブローカ構成ファイルから構成、スタンバイ・データベースまたは遠隔同期インスタンスが実質的に削除され、Oracle Data Guard Brokerを使用してそれらを管理できなくなります。
削除操作でPRESERVE DESTINATIONS句を使用した場合、実際のOracle Data Guard構成は削除されず、実際のOracle Data Guard構成とそのデータベースの操作には影響しません。
ノート:
REMOVE CONFIGURATION、REMOVE DATABASEまたはREMOVE FAR_SYNCコマンドを使用した後で、削除したオブジェクトを再作成することに決めた場合、当初発行したコマンドを再び発行する必要があります。必要な場合は「使用例1: 構成の作成」のステップに従って、DGMGRL (またはCloud Control)で管理できるブローカ構成を作成する必要があります。
ノート:
次の制限があります。
-
構成内のスタンバイ・データベースを削除するとき、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、ターゲット・スタンバイ・データベースは削除できません。
-
スタンバイ・データベースまたは遠隔同期インスタンスが、構成に含まれる他のメンバーの
RedoRoutesプロパティで指定されている場合、それらを削除することはできません。
構成からのスタンバイ・データベースの削除
REMOVE DATABASEコマンドを使用すると、ブローカによるデータベースの管理と監視が停止され、データベースがブローカ構成ファイルから削除されます。
South_Salesスタンバイ・データベースを削除する前の構成を示します。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Configuration - DRSolution
Protection Mode: MaxPerformance
Members:
North_Sales - Primary database
FS - Far Sync
South_Sales - Physical standby database
Fast-Start Failover: DISABLED
Configuration Status:
SUCCESS (status updated 32 seconds ago)
データベースSouth_Salesを指定しないように遠隔同期インスタンスFSのRedoRoutesプロパティをリセットしてから、DGMGRL REMOVE DATABASEコマンドを発行してSouth_Salesデータベース情報をData Guard構成ファイルから削除します。
DGMGRL> EDIT FAR_SYNC ‘FS' RESET PROPERTY RedoRoutes; Property "redoroutes" updated for member "FS". DGMGRL> REMOVE DATABASE ‘South_Sales’; Removed database "South_Sales" from the configuration
South_Salesスタンバイ・データベースを削除した後の構成を示します。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Configuration - DRSolution
Protection Mode: MaxPerformance
Members:
North_Sales - Primary database
FS - Far Sync
Fast-Start Failover: DISABLED
Configuration Status:
SUCCESS (status updated 19 seconds ago)
最大保護モードまたは最大可用性モードのいずれかで動作している場合、ブローカでは、保護モードをサポートする最後の1つのスタンバイ・データベースを削除できません。
構成からの遠隔同期インスタンスの削除
Oracle Data Guard構成ファイルから遠隔同期インスタンス情報を削除するには、REMOVE FAR_SYNCコマンドを使用します。
たとえば、次のコマンドを使用してFS遠隔同期インスタンス情報を削除します:
DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' RESET PROPERTY RedoRoutes; Property "redoroutes" updated for member "North_Sales". DGMGRL> REMOVE FAR_SYNC 'FS'; Removed far sync instance "FS" from the configuration
FS遠隔同期インスタンスを削除した後の構成を示します。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: SUCCESS (status updated 44 seconds ago)
ブローカ構成の削除
DGMGRL REMOVE CONFIGURATIONコマンドを使用すると、構成全体がブローカによって管理および監視されなくなります。
たとえば:
DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION; Removed configuration
ノート:
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、構成を削除できません。
DGMGRLは次のメッセージを戻します。このメッセージは、コマンドによりData Guard構成ファイルからすべての構成情報が正常に削除されたことを示します。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Error: ORA-16532: Data Guard broker configuration does not exist Configuration details cannot be determined by DGMGRL