『Oracle Spatial GeoRaster開発者ガイド』のこのリリースでの変更点
ここでは、次の項目について説明します。
Oracle AI Database 26aiでの変更点
次に、Oracle AI Database 26aiのOracle Spatial GeoRaster開発者ガイドでの新機能について説明します。
REST API
Oracle AI Database 26aiで有効なGeoRasterには、REST APIが含まれています。このAPIは、ユーザーがWebクライアントを介してGeoRasterデータおよびGeoRaster機能にアクセスできるようにするエンドポイントのフル・セットからなります。それにより、GeoRasterオブジェクトおよび仮想モザイクへのアクセスとそのレンダリングのAPIが提供されます。また、すべてのPL/SQLパッケージとプログラム、およびデータのインポートとエクスポートがサポートされています。GeoRaster REST APIは、Oracle Spatial Webサービス(Webデモも含む)に含まれています。
詳細は、GeoRaster REST APIを参照してください。
Pythonの例
サンプルPythonノートブックは、GeoRasterとともに提供されています。これらのノートブック内の例では、Oracle AI Database用の標準Python API、およびGDAL Python APIを使用してGeoRasterデータベース内のラスター・データを読み取り、書き込み、操作し、処理する方法を示しています。Oracle SpatialでのGDALディストリビューションに、GDAL Python APIが含まれるようになりました。
詳細は、GeoRasterとPythonを参照してください。
PL/SQL APIの拡張
SDO_GEOR_UTL.emptyBlocksプロシージャをパラレル化するためのparallelParamパラメータが追加されています。詳細は、SDO_GEOR_UTL.emptyBlocksを参照してください。
SDO_GEOR_UTL.fillEmptyBlocksプロシージャをパラレル化するためのparallelParamパラメータが追加されています。詳細は、SDO_GEOR_UTL.fillEmptyBlocksを参照してください。
SDO_GEOR_ADMIN.listGeoRasterColumnsおよびSDO_GEOR_ADMIN.listGeoRasterObjectsファンクションにlist_optionおよびtable_nameパラメータが追加されて、複数の大規模なデータベースに対する選択的な問合せが可能になりました。
SDO_GEOR_ADMIN.registerGeoRasterColumnsおよびSDO_GEOR_ADMIN.registerGeoRasterObjectsファンクションにtable_nameパラメータが追加されて、複数の大規模なデータベースにわたる迅速かつ段階的な登録が可能になりました。
SDO_GEOR_GDAL.translateプロシージャの2つの新しい形式が追加され、GeoRasterオブジェクトとラスター間のデータ転送がファイル形式で可能になりますが、BLOBとしてデータベース表に格納されます。
ラスター・タイルの生成
ラスター・タイルは、単純なSQLコールを使用したマップ・ビジュアライゼーションWebクライアントへの空間ラスター・データの効率的なストリーミングをサポートします。タイルは、2Dと3Dの両方のビジュアライゼーションについて、Open Geospatial Consortium (OGC)のWeb Map Tile Service (WMTS)タイル処理方法およびMapBox Terrain-RGBエンコーディング仕様と互換性があります。このタイル処理方法により、様々な詳細レベルでのイメージおよびラスター・データのWebベースの配信が可能になり、Webアプリケーション開発の複雑さも軽減されます。GeoRasterデータベースを使用すると、このタイル処理方法を使用して、イメージおよびその他のラスター・データをWebに提供できます。
SDO_UTIL.GET_RASTERTILEファンクションを使用すると、データベース表のSpatial GeoRasterオブジェクトからラスター・タイルを生成できます。詳細は、「ラスター・タイル」および「Webアプリケーション用のラスター・タイル・サービスの作成と使用」を参照してください。
GeoRasterツールでのウォレットのサポート
GeoRasterビューアおよびETLツールは、Oracle AI Databaseへの接続の作成に、資格証明の有無にかかわらずOracleウォレットを使用するように拡張されています。
SDO_GEOR_ADMINパッケージ内の非推奨になったサブプログラム
SDO_GEOR_ADMINパッケージ内のGeoRasterサブプログラムSDO_GEOR_ADMIN.isUpgradeNeededおよびSDO_GEOR_ADMIN.upgradeGeoRasterは、データベース内のGeoRasterオブジェクトのメンテナンスに使用されるものであり、Oracle AI Database 26aiでは非推奨となっています。
SDO_GEORパッケージ内の非推奨になったサブプログラム
SDO_GEORパッケージ内のGeoRasterサブプログラムSDO_GEOR.importFromおよびSDO_GEOR.exportToは、Oracle AI Database 26aiでは非推奨となっています。
4バンド・ラスター・ブロックのJPEG圧縮
Oracle AI Database 26ai以降、Oracle Spatial GeoRasterオブジェクトでのJPEG圧縮および解凍は、1バンドおよび3バンド・ラスター・ブロックにのみ適用できます。4バンド・ラスター・ブロックを持つGeoRasterオブジェクトは、JPEG圧縮を適用する前に、1バンドまたは3バンド・ラスター・ブロックに再ブロック化する必要があります。