7.2.6 cp

Exascaleまたはローカル・ファイル・システムに存在するファイルをコピーします。

構文

cp [ -f | --force ] [ --ftype=file-type ] [ --bs=block-size ]
   [ --template=template-name ] [ --content-type=content-type ]
   [ --media-type=media-type ] [ --redundancy=redundancy ]
   [[ -s | --snap ] | [ -c | --clone ]] [ --aio=naio ] 
   [ --status=status-level] [ --sparse ]
   source1 target1 [ sourceN targetN ]...
   [{ -w | --wallet } wallet-location ] 
   [{ -T | --trace } trace-level ] 
   [{ -j | --json } [ --compact ]]

コマンド・オプション

cpコマンドのオプションは、次のとおりです:

  • source1-N: コピーするソース・ファイルを指定します。

  • target1-N: ファイル・コピーの場所を指定します。値には、ディレクトリを指定できません。

  • -f--force: ターゲットが存在する場合は強制的に上書きします。これがデフォルトであり、唯一の動作です。

  • --ftype: オプションで、Oracle Databaseファイル・タイプを指定します。有効な値は、次のとおりです。

    • ctrl - 制御ファイル
    • data - データ・ファイル
    • olog - オンライン・ログ・ファイル
    • alog - アーカイブ・ログ・ファイル
    • temp - 一時ソート・ファイル
    • init - 初期化パラメータ・ファイル
    • pswd - パスワード・ファイル
    • flog - フラッシュバック・ログ・ファイル
    • ctrk - 変更トラッキング・ファイル

    このオプションは、Exascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

  • --bs: オプションで、ファイルのコピーに使用するブロック・サイズ(バイト単位)を指定します。

  • --template: オプションで、新しいファイルをExascaleストレージにコピーする際に使用するExascaleテンプレートの名前を指定します。

    このオプションは、新しいファイルをExascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

  • --content-type: オプションで、Exascaleストレージのファイル作成のコンテンツ・タイプ設定を指定します。

    指定しない場合、値はファイル・タイプおよび関連付けられたテンプレートによって決まります。指定した場合、この設定はテンプレート設定をオーバーライドします。このオプションは、新しいファイルをExascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

    設定できる値は、次のとおりです:

    • DATA: 主にユーザー・データに関連付けられます。

    • RECO: 主に、バックアップおよびリカバリ操作で使用されるデータ用です。

  • --media-type: オプションで、Exascaleストレージのファイル作成のメディア・タイプ設定を指定します。

    指定しない場合、値はファイル・タイプおよび関連付けられたテンプレートによって決まります。指定した場合、この設定はテンプレート設定をオーバーライドします。このオプションは、新しいファイルをExascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

    設定できる値は、次のとおりです:

    • HC: 高パフォーマンスのExadataストレージ・サーバー上のハード・ディスク・ドライブ(HDD)を使用する、大容量ストレージを識別します。

    • EF: 低レイテンシで高スループットのフラッシュ・デバイスを使用するExtreme Flashストレージを識別します。

  • --redundancy: オプションで、Exascaleストレージのファイル作成の冗長性設定を指定します。

    指定しない場合、値はファイル・タイプおよび関連付けられたテンプレートによって決まります。指定した場合、この設定はテンプレート設定をオーバーライドします。このオプションは、新しいファイルをExascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

    設定できる値は、次のとおりです:

    • high: ファイル・データの3つミラー・コピーを示します。

  • -s--snap: 指定されたソース・ファイルの読取り専用スナップショットを作成します。

    このオプションは、ファイルをExascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

  • -c--clone: 指定されたソース・ファイルの書込み可能なシン・クローンを作成します。

    このオプションは、ファイルをExascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

  • --aio: コマンドの処理に使用される非同期I/Oチャネルの数を指定します。非同期I/Oを使用すると、コマンドでI/O操作を開始し、I/Oの完了を待機(ブロック)せずに他のタスクの実行を続行できます。デフォルト値は4で、通常はパフォーマンスとリソースの使用率が最適なバランスになります。

  • --status: 長時間実行操作中に出力されるステータス情報のレベルを指定します。

    設定できる値は、次のとおりです:

    • progress: 進捗状況の統計を定期的に表示します。

    • none: 進捗状況の統計を抑制し、該当するエラー・メッセージのみを表示します。これはデフォルトの設定です。

  • --sparse: スパースを認識した方法で操作を実行します。空のソース・ファイル・ブロック(すべてがゼロのブロック)の読取りおよび書込みI/Oをスキップして、スパース出力ファイルが生成されます。

    このオプションは、ファイルをExascaleストレージにコピーする場合にのみ適用されます。

  • -w--wallet: オプションで、Exascaleウォレット・ディレクトリへのパスを指定します。

  • -T--trace: オプションで、トレースを有効にし、トレース・レベル(trace-level)を1 (最小トレース)、2 (中程度のトレース)または3 (最大トレース)に設定します。トレース・レベルが指定されていない場合は、デフォルトで最小トレースが有効になります。

    トレース・ファイルは、次のリストの最初のアクセス可能な場所に書き込まれます:

    1. $ADR_BASE環境変数が設定されている場合:

      $ADR_BASE/diag/EXC/xsh_<user-name>/<host-name>/trace/xsh_<date>.trc
    2. /var/log/oracle/diag/EXC/xsh_<user-name>/<host-name>/trace/xsh_<date>.trc
    3. /tmp/diag/EXC/xsh_<user-name>/<host-name>/trace/xsh_<date>.trc
  • -j--json: 出力をJSON形式で表示します。

  • --compact: JSON形式の出力を、空白および改行なしのコンパクト形式で表示します。

使用上のノート

このコマンドを使用する際は、次の情報に注意してください:

  • ソースとターゲットの場所がいずれもExascaleストレージに存在する場合、ソースの場所でワイルドカード(%)を使用すると、複数のソース・ファイルを指定できます。その場合は、対応するターゲットの場所にも一致するワイルドカードを含める必要があります。例については、例7-15を参照してください。

例7-13 Exascaleへのファイルのコピー

次の例では、/tmp/file1のローカル・ファイルをExascaleストレージの@my-data/file1.copyにコピーします。

$ xsh cp /tmp/file1 @my-data/file1.copy

例7-14 Exascaleからのファイルのコピー

次の例では、@my-data/file2Exascaleファイルをローカル・ファイル・システムの/tmp/file-2.copyにコピーします。

$ xsh cp @my-data/file2 /tmp/file2.copy

例7-15 Exascaleストレージでの複数のファイルのコピー

次の例では、ワイルドカード文字(%)を使用して、複数のファイルを@my-data/location1/prefix1%から@my-data/location2/anotherlocation/prefix2%にコピーします。例のコマンドを使用すると、@my-data/location1/prefix1mydataという名前のファイルが@my-data/location2/anotherlocation/prefix2mydataにコピーされます。

$ xsh cp @my-data/location1/prefix1% @my-data/location2/anotherlocation/prefix2%