自動照合ルールでのトランザクションのフィルタ処理およびグループ化

トランザクション照合での自動照合ルールは、ルールでのトランザクションのグループ化およびフィルタ処理をサポートします。このルールはトランザクションを照合するための照合エンジンで使用されます。1つのデータ・ソースまたは2つのデータ・ソースに対して、「ルールの編集」ダイアログにフィルタおよびグループというタブが表示されます。

自動照合ルールでのトランザクションのフィルタ処理

自動照合では、ルールの実行中に、フィルタによって指定されたトランザクションのみが含まれます。その他のトランザクションは照合で除外されます。

トランザクションのフィルタ処理について次の点に注意してください。

  • 各ルールに対するフィルタ処理の定義はオプションです。

  • フィルタは各データ・ソースに対して定義します。

  • 各ルールでは、データ・ソースごとにフィルタを1つのみ選択できます。

様々なタイプのすべてのルールでフィルタ処理を使用できます。

2つのソースの照合プロセス - 2つのソースの照合プロセスでは、ソース・システムに対して1つ、サブシステムに対して1つのフィルタを選択できます。

単一ソースの照合プロセス - 単一ソースの照合プロセスでは、サブシステムに対して選択するフィルタを、ソース・システムに対して選択したフィルタと同じにできます。

自動照合でのトランザクションのグループ化

  • ルールに対するフィルタ処理のグループ化の定義はオプションです。

  • グループ化のための属性を1つ以上選択できます。

  • グループ化は、「多」タイプのルール(1対多、多対1、多対多)でサブセットが使用されていない場合のみ可能です。

1対多

グループ化はサブ・システムのデータ・ソースに対してのみ可能です。

  • 2つのソースの照合プロセスでは、サブ・システムのデータ・ソースとその属性のみが表示されます。

  • 1つのソースの照合プロセスでは、データ・ソースとその属性のみが表示されます。

多対1

グループ化はソース・システムのデータ・ソースに対してのみ可能です。

  • 2つのソースの照合プロセスでは、ソース・システムのデータ・ソースとその属性のみが表示されます。

  • 1つのソースの照合プロセスでは、データ・ソースとその属性のみが表示されます。

多対多

グループ化はソース・システムとサブ・システムの両方のデータ・ソースに対して可能です。

  • 2つのソースの照合プロセスでは、ソース・システムのデータ・ソースとその属性、およびサブ・システムのデータ・ソースとその属性の両方が表示されます。

  • 1つのソースの照合プロセスでは、データ・ソースとその属性が表示されます。

属性

グループ化属性には次の条件が適用されます。
  • グループ化のための属性を1つ以上選択できます。

  • グループ化属性はどのような順序でも指定できます。

  • グループ化属性には計算済属性を含めることができます。

  • 調整属性はグループ化属性として指定できません。

  • 多対多のルールでは、ルール条件で定義されるすべての属性は、調整属性を除き、グループ化基準問合せの一部である必要があります。

ルール条件

「多」タイプのルールに対してグループ化が使用可能になっている場合、ルール作成の際には、グループ化用に選択された属性のみが考慮されます。ルール条件では属性がフィルタされ、グループ化用に選択した属性のみがドロップ・ダウンに表示されます。これらの属性を使用したルール条件の作成はオプションです。

注:

サブセット・ルールを使用する場合、トランザクションのグループ化は1対多および多対1ルールには使用できません。

グループを使用した自動照合の実行方法

グループ化されたトランザクションは1つのトランザクションとして動作します。グループ化は「多」側にのみ適用されます。「1対多」または「多対1」のルールで「多」側にグループ化を適用すると、ルールは、「多」側でも「1対1」のルールとして動作します。そのため、グループ化されたトランザクションは1つのトランザクションとして考慮されます。

「多対多」のルールでは、グループ化を両側または片側のみに適用できます。グループ化を両側に適用した場合は、グループ化されたトランザクションが1つのトランザクションとして動作する、「1対1」のルールとして動作します。ただし、グループ化を片側のみに適用した場合は、グループ化が適用されたソースに応じて、「1対多」または「多対1」のルールとして動作します。

次に示す銀行トランザクションとGLトランザクションの例を使用して、照合の仕組みを説明します。

次の「1対多」のルールの例では、GLトランザクションは、トランザクション日、支払タイプ(PymtType)およびバッチIDでグループ化されています。属性の順序は照合に影響しません。

ルール条件: GLの「金額」が銀行の「金額」完全一致

調整属性: BANKの「金額」およびGLの「金額」

表11-3 GLトランザクションの例

数値 トランザクション日 PymtType バッチID 金額

1

9月18日

銀行為替手形

CS18091802

200

2

9月18日

銀行為替手形

CS18091802

200

3

9月18日

銀行為替手形

CS18091802

600

4

9月20日

銀行為替手形

CS18091802

200

5

9月20日

銀行為替手形

CS18091802

200

表11-4 銀行トランザクションの例

数値 基準日 銀行ID 口座番号 金額

1

9月19日

121000248

4129965265

1000

2

9月22日

121000248

4129965265

400

このルールでは2つの照合が作成されます。

表11-5 照合1 - 銀行トランザクションの照合の例

数値 基準日 銀行ID 口座番号 金額 照合セット番号

1

9月19日

121000248

4129965265

1000

1

表11-6 照合1 - GLトランザクションの照合の例

数値 トランザクション日 PymtType バッチID 金額 照合セット番号

1

9月18日

銀行為替手形

CS18091802

200

1

2

9月18日

銀行為替手形

CS18091802

200

1

3

9月18日

銀行為替手形

CS18091802

600

1

表11-7 照合2 - 銀行トランザクションの照合の例

数値 基準日 銀行ID 口座番号 金額 照合セット番号

1

9月22日

121000248

4129965265

400

2

表11-8 照合2 - GLトランザクションの照合の例

数値 トランザクション日 PymtType バッチID 金額 照合セット番号

4

9月20日

銀行為替手形

CS18091802

200

2

5

9月20日

銀行為替手形

CS18091802

200

2

前述のルールで、「「基準日」「トランザクション日」「完全一致」」というルール条件を追加した場合、照合は作成されません。