計算済属性について

計算済属性は読取り専用です。

管理者は「アクション」ダイアログ・ボックスの属性セクションに計算済属性を追加でき、ワークフロー・ユーザーはその属性をアクション・ダイアログ・ボックスとトランザクションに表示できます。管理者は、アクセス権を「表示しない」に設定することで、特定の役割に対してアクセス権を制限できます。たとえば、管理者が計算済属性XYZに対して「参照者: 表示しない」アクセス権を追加すると、XYZは参照者に表示されません。

どのユーザー役割でも、計算済属性を列としてビューおよびリストに追加できます。「フィルタ・パネル」にフィルタ可能な属性として追加することもできます。

次の表は、「計算」オプションが選択された場合に、属性タイプごとに使用可能な計算タイプを示しています。

Table 4-1 「計算」オプションが選択された場合に、属性タイプごとに使用可能な計算タイプ

属性タイプ 値をリストに割当て 条件 スクリプト リストを値に割当て
日付     X  
日付/時間     X  
整数 X X X  
リスト   X   X
複数行のテキスト X X X  
数値 X X X  
テキスト X X X  
True/False   X    
ユーザー        
はい/いいえ   X    

スクリプト関数の例

すべての数値関数について、入力のnull値は結果の計算時に無視されます。

  • 月の追加: 開始日からの指定した月数の日付オフセットを返します。日付は常に指定した月オフセットに該当します。開始日に、オフセット月を越える日の値がある場合は、オフセット月の最後の日が使用されます。たとえば、EDate (31-Jan-2017, 1)は(28-Feb-2017)を返します。月の場合は、開始日の前または後の月数を入力します。月に対する正の値は将来の日付を生成します。負の値は過去の日付を生成します。

    EDate(<Start Date>, <Months>, <Length>)

    例: EDate(DATE(2017, 2, 15) 3)

  • 過去平均関数: 過去X期間の数量の平均値を算出します。

    AVERAGE_PRIOR(<Value>, <Number of Periods>, <To Currency*>, <Rate Type*>, <Rate Period*>

    例: AVERAGE_PRIOR( {Source System Balance (Reporting)}, '2', 'EUR', 'REC')

    Note:

    アスタリスク(*)の付いたパラメータは、「ソース・システム」など、値が残高タイプ属性の場合に必須です。値が通常の値(数値属性など)の場合、*パラメータは省略する必要があります。

    Note:

    「レート・タイプ」は、システムで有効なレート・タイプであるか、照合に割り当てられたレート・タイプを使用することを意味する値'REC'である必要があります。「レート期間」パラメータは、通貨を換算するときに現在の期間または前の期間のレート・タイプを使用することを意味する'CURRENT'または'PRIOR'である必要があります。
  • 日付: 年、月および日に対して指定された整数値に基づく日付値を返します。たとえば、この関数は日付タイプの値を作成するため、DATE(2018, 5, 31)はMay 31st 2018に変換されます。これを次に「日付差異」関数で使用して、終了日などの日付とこの特定の日付の間の日数の差異を取得できます。

    DATE(<Year>, <Month>, <Day>)

    計算済データ属性を作成する場合は、PERIOD STARTPERIOD ENDまたはPERIOD CLOSEの日付を使用することもできます。たとえば、調整トランザクションの「クローズ日」とPERIOD END日付を比較する場合などです。

  • 日付差異: 2つの日付の差を日、時間、分または秒で戻します。たとえば、Date1とDate 2には、それぞれ現在の日付(時間コンポーネントなし)と日時を表すTODAYおよびNOWの値を使用できます。

    有効なタイプはDAYS、HOURS、MINUTES、SECONDSです。

    DATE_DIFF(<Date1>, <Date2>, <Type>)

    例: DATE_DIFF('TODAY', {Preparer End Date}, 'DAYS')またはDATE_DIFF({Preparer End Date}, 'NOW', 'HOURS')

  • : 日付の日の値を整数として返します

    DAY(<DATE>)

  • テキストの抽出: 値内の指定した位置からの部分文字列を戻します。「テキストの抽出」/「テキストの場所」は、最初の文字に値1を使用します。

    SUBSTRING(<Value>, <Location>, <Length>)

    例: SUBSTRING( {Name} , 5, 10)

  • If Then Else: 条件付きの計算をスクリプト計算に挿入できるようになります。IF_THEN_ELSE計算式は、ネストしてELSE IFタイプの計算式に対応することもできます。

    IF_THEN_ELSE(<Condition>, <Value1>, <Value2>)

    例:

    IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Low', 'Good',
    IF_THEN_ELSE( {Risk Rating} = 'Medium', 'Better',
    IF_THEN_ELSE({Risk Rating} = 'High', 'Best','Bad')))
    
  • Instring: 値内の部分文字列の索引を戻します。

    INSTRING(<Value1>, <Value to Search>)

    例: INSTRING({Name}, 'a')

  • 長さ: テキスト値をパラメータとして取得し、テキスト内の文字数である整数を返します。

    LENGTH('Value')では5が返され、LENGTH({Name})ではオブジェクトの名前の文字数が返されます。値が空/nullの場合は、計算で0が返されます。

    SUBSTRINGを含む計算を使用して、テキスト値の最後の4文字を抽出します。

    例: SUBSTRING( {MyString}, LENGTH ({MyString}) - 4

  • 小文字: 値を小文字で戻します。

    LOWERCASE(<Value>)

    例: LOWERCASE( {Description} )

  • 最大: 属性リストの最大値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

    MAX(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

    例: MAX( TRANSLATE( {Source System Balance (Entered)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Functional)}, 'USD', 'Accounting'), TRANSLATE( {Source System Balance (Reporting)}, 'USD', 'Accounting') )

  • 過去最大: 過去X期間の最大値を戻します。

    MAX_PRIOR (<Value>, <Number of Periods>, <To Currency*>, <Rate Type*>, <Rate Period*>)

    例: MAX_PRIOR( {Source System Balance (Functional)}, '6', 'CAD', 'REC', 'CURRENT')

    Note:

    アスタリスク(*)の付いたパラメータは、「ソース・システム」など、値が残高タイプ属性の場合に必須です。値が通常の値(数値属性など)の場合、*パラメータは省略する必要があります。

    Note:

    「レート・タイプ」は、システムで有効なレート・タイプであるか、照合に割り当てられたレート・タイプを使用することを意味する値'REC'である必要があります。「レート期間」パラメータは、通貨を換算するときに現在の期間または前の期間のレート・タイプを使用することを意味する'CURRENT'または'PRIOR'である必要があります。
  • 最小: 属性リストの最小値を戻します。任意の数のパラメータを含めることができます。

    MIN(<Value1>, <Value2>,<ValueN>)

    例: MIN( TRANSLATE( {Source System Balance (Entered)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Source System Balance (Functional)}, 'CAD', 'REC'), TRANSLATE( {Source System Balance (Reporting)}, 'CAD', 'REC') )

  • 過去最小: 過去X期間の最小値を戻します。

    MIN_PRIOR (<Value>, <Number of Periods>, <To Currency*>, <Rate Type*>, <Rate Period*>)

    例: MIN_PRIOR( {Source System Balance (Functional)}, '6', 'EUR', 'Simplified')

    Note:

    アスタリスク(*)の付いたパラメータは、「ソース・システム」など、値が残高タイプ属性の場合に必須です。値が通常の値(数値属性など)の場合、*パラメータは省略する必要があります。

    Note:

    「レート・タイプ」は、システムで有効なレート・タイプであるか、照合に割り当てられたレート・タイプを使用することを意味する値'REC'である必要があります。「レート期間」パラメータは、通貨を換算するときに現在の期間または前の期間のレート・タイプを使用することを意味する'CURRENT'または'PRIOR'である必要があります。
  • : 日付の月の値を整数(1から12)として返します

    MONTH (<DATE>)

  • 累乗: 一方の数字を他方の数字の回数掛け合せます。

    POWER(x,y) (x=底、y=指数)で、xとyは数値であるかぎり属性または計算にすることができます。

    例: POWER(3,4)=81

    Note:

    分数値では、べき根になります。たとえば、POWER(27, 1/3) = 3 で、立方根です。

    Note:

    負の値では、指数計算の逆数になります。たとえば、POWER(2, -2) = 1 / (2^2) = 1 / 4 = .25です。
  • 前: 指定された前期間の値を戻します。前の期間数が省略されている場合は、値1が想定されます。

    PRIOR(<Value>, <Number of Periods Prior*>, <To Currency*>, <Rate Type*>, <Rate Period*>)

    例: PRIOR( {Source System Balance (Entered)}, '1', 'EUR', 'rec', 'prior')

    Note:

    アスタリスク(*)の付いたパラメータは、「ソース・システム」など、値が残高タイプ属性の場合に必須です。値が通常の値(数値属性など)の場合、*パラメータは省略する必要があります。

    Note:

    「レート・タイプ」は、システムで有効なレート・タイプであるか、照合に割り当てられたレート・タイプを使用することを意味する値'REC'である必要があります。「レート期間」パラメータは、通貨を換算するときに現在の期間または前の期間のレート・タイプを使用することを意味する'CURRENT'または'PRIOR'である必要があります。
  • 丸め処理: 指定された小数点以下の桁数で丸めた値を戻します。

    ROUND(<Value>, <Decimal Places>)

    例: ROUND( ({Scripted Translate} /7), 4)

  • 過去の合計: 過去X期間の合計値を戻します。

    SUM_PRIOR(<Value>, <Number of Periods>, <To Currency*>, <Rate Type*>, <Rate Period*>)

    例: SUM_PRIOR( {Source System Balance (Reporting)}, '3', 'EUR', 'REC')

    Note:

    アスタリスク(*)の付いたパラメータは、「ソース・システム」など、値が残高タイプ属性の場合に必須です。値が通常の値(数値属性など)の場合、*パラメータは省略する必要があります。

    Note:

    「レート・タイプ」は、システムで有効なレート・タイプであるか、照合に割り当てられたレート・タイプを使用することを意味する値'REC'である必要があります。「レート期間」パラメータは、通貨を換算するときに現在の期間または前の期間のレート・タイプを使用することを意味する'CURRENT'または'PRIOR'である必要があります。
  • テキストの場所: 値内の部分文字列の索引(1が最初の位置)を戻します。

    INSTRING(<Value>, <Value To Search>)

    例: INSTRING( UPPERCASE( {Name} ), 'TAX' )

  • 換算: 指定されたレート・タイプを使用して、通貨属性を数値属性に変換します。

    TRANSLATE(<Value>, <To Currency>, <Rate Type>)

    例: TRANSLATE( {Source System Balance (Entered)}, 'EUR', 'Accounting')

    Note:

    「レート・タイプ」は、システムで有効なレート・タイプであるか、照合に割り当てられたレート・タイプを使用することを意味する値'REC'である必要があります。
  • 大文字: 値を大文字で戻します。

    UPPERCASE(<Value>)

    例: UPPERCASE( {Name} )

  • : 日付の年の値を整数として返します。

    YEAR (<DATE>)