サービス管理者は、カスタム属性を使用して照合ポリシーに準拠するソリューションを実装できます。
このトピックでは、計算済属性を作成し、その属性をルールで使用する一般的な例をいくつか示します。
例: トランザクションのドロップ・オフ
クローズ日が経過すると、照合をドロップ・オフするために、策定者は残高の説明または調整を行う必要があります。この例では、計算済属性を作成し、属性計算がゼロを超えるとドランザクションをドロップ・オフするルールに対して適用します。
トランザクションにクローズ日が入力されている場合は、「日付差異」および「月の追加」計算機能を使用することで、属性Close Date Drop Offを作成できます。この属性は、クローズ日を1か月前倒し、新しい属性と現在の期間の終了日との日付の差を日数で計算します。その後、この属性は「前の照合からトランザクションをコピー」ルールに適用され、クローズ日がある期間に調整が繰り越されないようにします。
計算済属性Close Date Drop Offには、次の設定があります:
DATE_DIFF(EDATE({Close Date}, -1), {Period End Date}, 'DAYS')
次に、この属性をどの役割にも表示アクセス権がないフォーマットで「トランザクションの詳細」に適用できます。
その後、日数差の計算属性が0より大きい場合にトランザクションをドロップ・オフするように、「前の照合からトランザクションをコピー」ルールを作成できます。
例: 自動照合の停止
サービス管理者は、照合が2か月連続して自動照合された場合に、自動照合が実行されないように停止する必要があります。これは、カスタム属性を作成して必要なルールに適用することで実装できます。
次の設定を使用してAutoRecCheckという名前の計算済属性を作成します:
SUM_PRIOR(IF_THEN_ELSE({Auto Reconciled} = 'Yes', 1, IF_THEN_ELSE({Auto Submitted} = 'Yes', 1, 0)),2)
次に、要件を満たす基準があるルールにこの計算済属性を適用します。この例では、次のスクリーンショットに示すように、ルールのフィルタ基準で計算済属性が使用されます。
例: 期間差異の計算および説明の要求
サービス管理者は、2つの期間の差異が指定のパーセンテージを超えて変動した場合に、策定者に説明の入力を求める必要があります。
この例では、数値タイプのカスタム属性と、2つの期間の差異を計算する計算済属性を作成します。この例では差異分析を使用しますが、勘定科目分析方法でも値を受渡しできます。
次の設定を使用してVariance %という計算済属性を作成します:
(TRANSLATE({Source System Balance (Functional)}, 'USD', 'Accounting') - TRANSLATE({Variance Period Balance (Functional)}, 'USD', 'Accounting'))/TRANSLATE({Source System Balance (Functional)}, 'USD', 'Accounting')
次に、「タイプ」を「テキスト」に設定して、Variance Descriptionという名前のカスタム属性を作成します。
計算済属性とテキスト属性の両方を使用してルールを作成します。「フィルタ定義」で、次のスクリーンショットに示すようにフィルタ基準を設定します。
例: RAGスコアの追跡
この例では、トランザクションのRAG (赤色、黄色、緑色)スコアに基づいて照合のRAGスコアを変更するルールを作成します。
テキスト・タイプの2つのカスタム属性(LineRAGとRecRAG)を作成します。LineRAGはフォーマット・トランザクションに配置する必要があり、RecRAGはフォーマット属性タブに配置する必要があります。
次に、トランザクションLineRAGに基づいてRecRAGを設定するために、次の順序でルールを組み込みます。ルールでの色の順序は重要です。一連のアイテムのいずれかのトランザクションが赤色の場合に、RecRAGが赤色になるように、赤色は最後のルールにする必要があります。たとえば、3つのトランザクションがあり、すべてのLineRAGが緑色の場合、RecRAGは緑色になります。ただし、2つのLineRAGが緑色で1つのLineRAGが赤色の場合、3番目のルールが最後に実行され、これらのトランザクションの1つに赤色のLineRAGがあるため、RecRAGは赤色になります。
次の例を使用して、RecRAGを緑色、黄色または赤色に設定するルールを作成します。緑色、黄色および赤色の3つのルールを作成する必要があります。
照合の最新情報でRecRAGが更新されるようにするには、1日にルールを定期的に実行する必要があります。これは、手動で実行するか、EPM自動化のimportReconciliationAttributes
コマンド(Rules = SET_ATTR_VALを指定)を使用して実行できます。
EPM自動化の操作のimportReconciliationAttributesを参照してください。
例: ソース・システムとサブシステムのアクティビティがない場合の照合の自動送信および承認
サービス管理者は、ソース・システム・アクティビティまたはサブシステム・アクティビティがない場合に照合を自動送信するルールを設定する必要があります。
これを実装するには、2つの期間のサブシステム残高の変化を計算する計算済属性を作成します。Subsystem Activityという名前の計算済属性には、次の設定があります:
TRANSLATE({Subsystem Balance (Functional)}, 'USD', 'REC') - PRIOR( {Subsystem Balance (Functional)}, 1, 'USD', 'REC', 'PRIOR')
次に、要件を満たす基準があるルールにこの計算済属性を適用します。次のスクリーンショットは、計算済属性をルールのフィルタ基準に適用しています。
例: 四半期の現在の月の計算
サービス管理者は、照合に四半期の現在の月(M1、M2、M3など)が表示されるようにする必要があります。
次の設定を使用してPeriod Numberという名前の計算済属性を作成します:
IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=1, 'M1', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=2, 'M2', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=3, 'M3', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=4, 'M1', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=5, 'M2', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=6, 'M3', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=7, 'M1', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=8, 'M2', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=9, 'M3', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=10, 'M1', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=11, 'M2', (IF_THEN_ELSE(MONTH ({Period End Date})=12, 'M3', 'recon not found')))))))))))))))))))))))
例: トランザクションが90日を超えて経過した場合のアクション・プランの要求
サービス管理者は、トランザクションが90日を超えて経過している場合に、策定者にアクション・プランを作成してもらう必要があります。ルールでは、次のスクリーンショットに示すようにフィルタ基準を作成します。
例: 将来期間のトランザクション日の入力の防止
サービス管理者は、策定者に現在の期間の(残高説明などの)トランザクション日のみを入力してもらう必要があります。トランザクションの経過期間を確認するフォーマットにルールを作成します。
アクション・プランが使用されている場合は、アクション・プランの日付によって経過期間の計算が異なるため、前述の例は機能しません。アクション・プランが使用されている場合は、次の設定を使用してTransaction Ageという名前のカスタム属性を作成します:
DATE_DIFF({Transaction Date}, {Period End Date}, ‘DAYS’)
次に、この計算済属性を「トランザクションの詳細」に追加した後、ルールに適用します。