問合せログに含まれる強力な診断情報を使用すると、管理者は、問合せのパフォーマンス、エラー・シナリオ、正しくない結果に関連する問題を分析したりトラブルシューティングしたりすることができます。Oracle Analyticsで問合せログを有効にすると、解析、最適化、実行計画、物理問合せ、サマリー統計などに関する情報が問合せログに書き込まれます。
問合せログへのアクセス
注:
ワークブックの作成者は、問合せの情報(ワークブック内のビジュアライゼーション・コンポーネントに関する問合せ時間、サーバー時間、ストリーミング時間など)にアクセスすることもできます。このトピックの最期にあるワークブックに関する問合せログへのアクセスを参照してください。問合せログ・レベル
ログ・レベルによって、生成されるログの詳細と量が決まります。
セマンティック・モデル(RPD)のグローバル・ログ・レベルの定義は、「システム・ロギング・レベル」プロパティ(「ツール」、「オプション」、「リポジトリ」の下)を使用するか、セッション変数を使用して行うことができます。
レポートの「詳細」タブにあるLOGLEVEL
変数をPrefixプロパティに追加して、レポートのログ・レベルをオーバーライドできます。
キャッシュ・ヒットを回避して完全なログを取得するためには、変数DISABLE_CACHE_HIT=1
をLOGLEVEL
と一緒に含めます。
LOGLEVEL
)の値の範囲は0-7です。
LOGLEVEL=0
は、ロギングが無効であることを意味します。LOGLEVEL=7
は、主にOracle開発チームによって使用される最高のロギング・レベルです。LOGLEVEL=2
は、パフォーマンスのチューニングや基本的な理解のために適しています。LOGLEVEL=3
は、行レベルのデータ・セキュリティ・フィルタのトラブルシューティングに必要です。問合せログには、ログ・レベルに応じて、問合せに関する情報(論理リクエスト、ナビゲーションおよび実行計画、生成される物理問合せ、実行時間、様々な実行ノードで取得される行数とバイト数、キャッシュ関連情報など)が含まれます。
管理者は、コンソールの「SQLの発行」ページで、適切なLOGLEVEL
と変数を設定した問合せを実行することで、問合せログを抽出できます。
問合せログの読取り
「セッションおよび問合せログ」ページに、現在アクティブなすべての問合せとセッションがリスト表示されます。管理者はコンソールからこのページにアクセスできます。
このページの各エントリから、設定されたレベル(つまりセマンティック・モデル、セッションまたはレポート・レベル)の、特定の問合せの問合せログにアクセスできます。
各リクエストにはOracle Analyticsで一意のrequestid
があります。
論理SQL問合せ
次にOracle Analyticsのサンプルの論理SQL問合せを示します。
これらは論理SQLリクエストで使用される共通の変数の一部です:
QUERY_SRC_CD
: 問合せ元: 「プロンプト」、「レポート」、「DV」、「SQLの発行」など。SAW_SRC_PATH
: カタログの問合せへのパス(問合せが保存される場合)。SAW_DASHBOARD
: カタログのダッシュボードへのパス(問合せがダッシュボードに組み込まれる場合)。SAW_DASHBOARD_PG
: ダッシュボード・ページの名前。論理リクエスト
論理リクエストは、セキュリティ・フィルタ(ある場合)の追加後に、問合せをプレゼンテーション・レイヤーからビジネス・モデルとマッピング・レイヤーに変換したものです。
Oracle Analyticsは、論理リクエストに基づいて、問合せが既存のキャッシュでヒットするかどうかを判断します。ヒットしない場合は、データベースから取得する必要があります。
実行計画
実行計画とは、実際の論理リクエストを実行用に最適化された計画に変換するものです。これには各操作の送信計画と、それがデータベースとOracle Analyticsのどちらで実行されるかが含まれます。操作がOracle Analyticsで処理されるとき、問合せログに[for database 0:0,0]
と示されます。
問合せの実行時に、Oracle Analyticsはこのツリーを正確にトラバースします。詳細ログには、処理された行に関する情報が実行ツリーのノードごとにあります。
物理リクエストすなわちデータベース・リクエスト
Oracle Analyticsは、実行計画に基づいて、指定されたデータベースで実行するために物理SQLを生成します。1つ以上のリクエストが1つ以上のデータベースに送信される場合があります。
データベースに送信される物理リクエストごとに、取得された行数とバイト数のログがあります。
複数の問合せがあるとき、問合せID (この例には1914627
)を使用して、セクション「Sending query to the database」
のロギングされた正確な問合せと照合します。複数のデータベース・リクエストがあるとき、こうすることで、問合せと取得した行をマップできます。
レポートの構造とセマンティック・モデルの定義によっては、1つのレポートが、複数の問合せを1つ以上のデータベースに送信できます。たとえば、この問合せログでは、3つの物理問合せがデータベースに送信されました。
ログによって、実行計画のすべてのノードについて処理された行に関する類似した情報が提供されます。最後に、クライアントに送信された行がロギングされます。
ログには、完全な実行時間を含む統計の最終的なサマリーも含まれます。この時間を相関付けて、パフォーマンスの問題を分析および調査できます。
サマリー統計
問合せログに関する考慮事項
シングル・スレッド・アクティビティ。問題がある状況では、ログ・レベルを2より大きくするとパフォーマンスのボトル・ネックが発生する可能性があります。
表示および計算される時刻は、エントリがログに書き込まれる時点のもので、これはほとんどの場合、イベント(つまり、ログ・エントリを開始したアクティビティ)が発生した時刻です。そうでない場合は、ロギングに影響する他のボトルネックがあります。
問合せロギングは診断用であり、使用状況情報を収集するためのものではありません。使用状況トラッキングの詳細は、使用状況のトラッキングを参照してください。
ワークブックに関する問合せログへのアクセス
管理者のみが、コンソールの「セッションおよび問合せログ」ページを使用してログにアクセスできます。ただし、コンテンツ作成者は、「開発者」メニューを使用してワークブックのビジュアライゼーション問合せのログ情報にアクセスできます。これは、問合せのパフォーマンスをトラブルシューティングする作成者にとって役立つツールです。ワークブックのパフォーマンス・ツール(「開発者」メニュー・オプション)にアクセスするには、ユーザーが「開発者オプションの有効化」をオンにする必要があります。これは、「マイ・プロファイル」の「詳細」メニューにあります。
有効になると、「開発者」メニュー・オプションがワークブックのメニューに表示されます。
「開発者」オプションを使用すると、ユーザーが臨機応変に、キャンバス上の任意のビジュアライゼーションに対して様々なログを表示して分析できるようになります。キャンバスの下に、情報の種類ごとに異なるタブを含む別のフレームが表示されます。デフォルトでは、ビジュアライゼーションの実行時にログに値が入力されたりリフレッシュされたりすることはありません。
分析しようとするビジュアライゼーションを選択し、「リフレッシュ」をクリックしてログを生成します。リフレッシュされると、ビジュアライゼーションに関連する様々な情報が表示されます。特定のビジュアライゼーションのログ情報を分析できます。複数のビジュアライゼーションを分析するには、それらを個々にリフレッシュして1つずつ分析する必要があります。
注:
「開発者」メニューはワークブックのみで使用できます。従来の分析とダッシュボードの場合は、「セッションおよび問合せログ」ページで問合せログにアクセスします。