管理階層の承認の理解

管理階層承認方法を使用すると、要求送信者の管理階層に基づいて承認者を招待できます。

承認ポリシーを作成する場合は、管理階層を含むユーザー・アプリケーションから階層ノード・セットを選択します。その後、要求が送信されると、要求送信者の親が要求の承認に招待されます。そのユーザーが要求を承認すると、ポリシーは、履行されるまで管理階層を上に進み続けます。

考慮事項

  • 管理階層方法は承認ポリシーでのみ構成できます。コミット・ポリシーまたは通知ポリシーでは方法を構成できません。
  • 管理階層に選択するノード・セットは、次の条件を満たしている必要があります:
    • ユーザー・アプリケーションからのものである必要があります。(ユーザー・アプリケーションの操作を参照してください)
    • リスト・ノード・セットではなく、階層ノード・セットである必要があります(つまり、ノード・セットには、階層セットが関連付けられている必要があります)。
    • 共有ノードはサポートできません。
  • 要求を承認できるようにするには、管理階層内のユーザーに、ポリシーに関連付けられているビューポイントに対して少なくとも参加者(読取り)権限が割り当てられている必要があります。ビューおよびビューポイントのセキュリティを参照してください。

    Note:

    所有権承認方法を使用するポリシーのノード所有者とは異なり、少なくともビューポイントへの参加者(読取り)権限がないユーザーは、要求インスペクタ経由で要求を承認できません。かわりに、管理階層内のユーザーに適切な権限がない場合は、要求がエスカレーションされます。ポリシーのリマインダおよびエスカレーションを参照してください。
  • 「履行タイプ」設定を使用して、管理階層ポリシーの履行方法を決定します:

    • 固定: 指定された数の承認レベルを満たすとポリシーが履行されます。
    • 可変: 指定された履行式がTrueの値を返すとポリシーが履行されます。式のノード・コンテキストはユーザー・タイプです。

    たとえば、2の固定設定を使用して、階層内での要求送信者の親および次の上位の祖先が要求を承認したときにポリシーが履行されるように指定できます。あるいは、可変設定を使用して、階層ノードのCoreStats.Levelプロパティが2より大きい承認を受け取ったときにポリシーが履行されるように指定できます。

要求の処理

管理階層ポリシーの場合、招待者およびポリシー履行は、管理階層ノード・セットのノード構造に基づいて計算されます。管理階層ポリシーを含む要求が承認ステージに達すると、次のようになります:

  1. 管理階層ノード・セットが評価され、要求所有者に関連付けられているノードが特定されます。
  2. 要求所有者ノードの親ノードに関連付けられているユーザーは、要求を承認するように招待されます。
  3. 各招待者が要求を承認すると、履行についてポリシーが評価されます:
    • 履行タイプが固定の場合は、履行レベルの設定で指定された承認数を満たすとポリシーが履行されます。
    • 履行タイプが可変の場合は、履行式が評価され、式がTrueを返すとポリシーが履行されます。
  4. ポリシーが履行されると、要求は次のステージに進みます。ポリシーが履行されない場合は、ノード・セット内の次の上位の祖先が、要求の承認に招待されます。

要求のエスカレーション

次のいずれかの条件に該当する場合は、要求がエスカレーションされます:

  • ポリシーに関連付けられている有効なユーザー・タイプ階層ノード・セットがありません。
  • 管理階層内で要求所有者が見つかりません。
  • 招待者はOracle Enterprise Data Management Cloudの有効なユーザーではありません(つまり、ユーザーのEDM UserプロパティがTrueではありません。ユーザー・アプリケーションの事前定義済プロパティを参照してください)。
  • 招待者には、ポリシーに関連付けられているビューポイントに対して少なくとも参加者(読取り)権限がありません。
  • 最上位ノード招待者が要求を承認しましたが、ポリシーが履行されていません。たとえば、ポリシーには5つの承認レベルが必要ですが、階層チェーンにあるのは4つのレベルのみです。
  • 招待者が不在か、電子メール・アドレスが構成されていません。