Financial Reportingレポートの相違

Financial Reportingからレポートにレポート・アーティファクトを移行すると、元のレポート・アーティファクトから可能なかぎり多くの要素がレポートの同等の要素に変換されます。ただし、Financial Reportingレポートには相違があり、すべての要素が両方に存在するわけではありません。移行されたレポート・アーティファクトはFinancial Reportingレポートに変換するための出発点と考えて、元のレポート・アーティファクトと同等のレポートを作成するために、レポート・アーティファクトの移行後に特定の要素を変更する必要があります。このトピックは、移行されたレポート・アーティファクトを必要に応じて変更できるように、Financial Reportingレポートとの相違を理解するのに役立ちます。

Financial Reportingの関数およびその同等のレポートの関数

次の項では、Financial Reportingで使用可能な関数と、レポートで使用可能な場合のその同等の関数について説明します。

注:

2つの製品では、テキスト関数の構文が異なります。Financial Reportingには、関数を囲む<<および>>のブラケットが必要です(例: <<MemberName()>>)。レポートではブラケットは不要です。

表B-1 Financial Reportingの関数および同等のレポートの関数

Financial Reportingの関数 同等のレポート
Annotation  
CalcStatus  
CellText CellText
Data source  
Date DateTime
GetCell CellValue
GetHeading HeadingValue
GridDimension  
HFMCurrency  
LabeledCellText  
ListOfCellDocuments  
MemberName MemberName
MemberAlias MemberAlias
MemberDescription MemberProperty
MemberProperty MemberProperty
MemberQualifiedName MemberName
Page PageNumber
PageIndex PageNumber
PageCount PageCount
PlanningAnnotations  
ProcessManagementStatus  
ReportAuthor ReportAuthor
ReportCreated ReportCreateOn
ReportDesc ReportDescription
ReportFolder ReportLocation
ReportModified ReportModifiedOn
ReportModifiedBy ReportModifiedBy
ReportName ReportName
ReportRunBy ReportRunBy

注:

レポートのテキスト関数DateTimeには、日付と時間の2つのパラメータがあり、Financial ReportingのDate関数には1つのパラメータ書式文字列のみがあります。移行するFinancial ReportingのレポートでDate関数を使用し、時間も指定している場合は、レポートに移行された関数を変更して、パラメータnoneを追加する必要があり、そのようにしないと、時間の結果が繰り返されます。たとえば、移行されたDateTime("dd-MMM-yy h:mm:ss a")というテキスト関数は、手動でDateTime("dd-MMM-yy h:mm:ss a", none)に変更する必要があります

Financial Reportingでは、テキスト関数にcurcurrまたはcurrentを使用して、現在の行、列またはグリッドを示すことができます。レポートではcurrがサポートされていません。かわりに、currが使用されていた場所に、オプションのパラメータを使用できます。

たとえば、Financial Reportingの関数<<MemberName("curr", "curr", "Product", "curr")>>で、"curr"要素はグリッド名、行、列またはページを表しますが、"curr"要素はレポートには必要ありません。レポートでは、MemberName("Product")が同等になります。グリッドは、関数が挿入されているグリッドにデフォルト設定されます(または、テキスト関数がテキスト・オブジェクト内にあり、グリッドが単一の場合は、その唯一のグリッド)。複数のグリッドがあり、テキスト関数がテキスト・オブジェクト内にある場合は、gridnameパラメータが必要です。

視点(POV)の相違

Financial Reportingレポートでは、POVを管理する方法に相違があります。

  • Financial Reportingでは、デフォルトでグリッドPOVには"ユーザー視点"の値があります。レポートでは、デフォルト値は"デフォルト"です。

  • Financial Reportingでは、グリッドとユーザーPOVの両方に選択リストがあります。レポートでは、このリストは"提案リスト"と呼ばれます。視点の設定を参照してください。

  • Financial Reportingでは、レポート設計者は、グリッドPOVで使用する初期メンバーを選択できます。グリッドPOVのディメンションに選択がある場合、この選択は、レポートが実行されるたびに、グリッドPOVのそのディメンションの初期メンバーとして機能します。レポートでは、レポート設計者は、レポートの実行時にローカルPOVで使用する初期メンバーを選択できません。提案リストが定義されている場合、レポート実行時にローカルPOVには、ディメンションに最後に選択されたグローバルPOVメンバーが初期メンバーとして使用されます。ただし、提案リストが単一メンバー選択として定義されている場合、POVディメンションは、レポート実行時にそのメンバーを初期メンバーとして使用し、提案が表示されてもオプションは選択されません。

  • 「ユーザー視点」が選択されたFinancial ReportingのグリッドPOVディメンションを移行して、レポートでグローバルPOVを使用します。このレポートに複数のデータ・ソースが含まれている場合は、最初のデータ・ソースのディメンションのみがグローバルPOVに移行されます。Financial Reportingの他のすべてのグリッドPOVディメンションは、レポートのローカルPOVに移行されます。

  • Financial Reportingでは、グリッドにページ軸を使用できます。レポートでは、ページ軸の機能は、POVのディメンションの「すべての選択の印刷」オプションを介してサポートされます。メンバー選択にプロンプトが含まれている場合は、レポートのグローバルPOVディメンションとして移行されます。

  • Financial Reportingでは、グリッド・エディタに、グリッドPOVのディメンションに対するユーザーPOVの値が表示されます。レポートでは、デフォルトまたは提案リストのメンバーのみが表示されます。

グリッド・オブジェクトの相違

グリッド・オブジェクトを操作する際は、次の点を考慮してください。

  • レポートでは、グリッド・ヘッダーはデフォルトで固定されています。

  • レポートでは、エンティティ短縮名の見出しタイプはサポートされていません。

  • レポートには「グリッドの非表示」プロパティはありません。非表示のグリッドはすべて、「非表示のシート」で管理されます。Financial Reportingの非表示のグリッドは、レポートでは「非表示のシート」に移動され、ここで編集および管理が可能です。「非表示のシート」に含まれるグリッドはすべて、レポート出力には表示されません。

  • レポートでは、上端の前に改ページを配置する行/列プロパティはサポートされていません。行/列の改ページは、常に次のページの同じ位置に表示されます。

  • Financial Reportingでは、行レベルで「サポート詳細の表示」単項演算子が設定されます。レポートでは、グリッド・レベルで設定されます。Financial Reportingレポートで、別の行の「サポート詳細の表示」に異なるプロパティ値が設定されている場合は、移行エラーが表示されます。

  • グリッド・オブジェクトのページ軸メンバー選択が現在の視点に設定されている場合は、選択がディメンション名メンバーで置換されます。ページ軸メンバー選択がグリッドPOVディメンションの提案リストに移行されるため、この条件はレポートでは無効になります。移行のログには、「グリッド・オブジェクト"Grid1"で、ページ軸のメンバー選択に有効でない"現在の視点"参照があります。」が表示されます。

  • Financial Reportingのページ軸メンバー選択に複数のプロンプトが含まれている場合、レポートでは、メンバー選択が単一のプロンプトに移行されます。

  • レポートの場合、単一グリッドでは複数のデータ・ソースを参照できません。Financial Reportingのグリッドが複数のデータ・ソースを参照している場合は、移行エラーが表示されます。

  • レポートのグリッドにはページ軸がないため、Financial Reportingのグリッドにページ軸でのソートが含まれていると、移行ログに移行エラーが表示されます。

  • セルのシェード付けがデフォルトで白色(FFFFFF)に設定されるFinancial Reportingのレポートを移行した場合は、行バンディングのグリッド・プロパティを使用するために、レポートのセルのシェード付けを透過に設定する必要があります。そうではない場合、セルのシェード付けに既存の書式が適用されたと認識され、行バンディングが適用されません。

  • レポートでは、Financial Reportingの「セルのフォーマット」、「配置」、「世代ごとのインデントの幅」の条件付き書式がサポートされていません。「世代別にインデント」は、インポート後にセル・プロパティとして適用できます。

  • ユーザーがFinancial Reportingで見出しセルとデータ・セルをマージした場合に、このレポートをレポートにインポートすると、インポートにより、マージされたセルがマージされた見出しセルとマージされたデータ・セルに分割されます。これにより、レポートの外観と動作が変わるため、ユーザーはレポートを変更する必要があります。

  • レポートでは、グリッド内の空の式行または列がサポートされておらず、空の式行または列を含むFinancial Reporting (FR)レポートをインポートすると、警告メッセージが表示されます。レポート設計者は、何も表示する必要がない場合、レポートのグリッド式を編集して、式を設定し「0」と入力するか、式行または列をセパレータ行または列で置き換える必要があります。

  • 隣接する見出しセルへの浮動見出しセル値はサポートされていません。Financial Reportingレポートの視点でルック・アンド・フィールのために、セルのマージなど、手動によるすべての調整が必要な可能性があります。

  • Financial Reportingでは、グリッド・レベルのプロパティ・シートを使用すると、ユーザーは"欠落/エラー/ゼロの抑制"を有効化できました。ただし、このプロパティをグリッド・レベルで有効化すると、グリッドのすべての行および列のプロパティが有効化されました。

    プロパティの有効化はグリッドに適用されたのではなく、すべての行を選択してプロパティを有効にしてから、すべての列を選択してプロパティを有効にすることのショートカットでした。

  • レポートでは、グリッド・レベルのプロパティを使用すると、ユーザーは"データなし/エラー/ゼロの抑制"プロパティを有効化でき、これらのプロパティはグリッド・レベルで設定および保存されます。1つ以上の行/列を選択して、グリッド・レベルの設定にデフォルト設定するのではなく、それらの行/列に対する抑制プロパティを有効化/無効化することもできます。これが、行/列のレベルで抑制プロパティが3つのオプション: "グリッド設定"、TrueおよびFalseを持つ理由です。グリッド設定プロパティ値は、グリッド・レベルでのプロパティ設定に従います。Financial Reportingにはこの機能がありませんでした。

    これらの相違のために、Financial Reporting (FR)レポートをレポートに移行すると、Financial Reporting (FR)レポートのすべての行および列で抑制プロパティが有効化されていないかぎり、Financial Reporting (FR)レポートの行および列レベルのプロパティのみがレポートに移行されます。グリッド・レベルのプロパティは、すべての行および列で同じ抑制プロパティが有効化されていない場合は、デフォルト(False)のまま保持されます。

    さらに、Financial Reporting (FR)では基本抑制および条件付き抑制に丸められた値/スケールされた値が常に使用されますが、レポートではデフォルトで使用されません。「条件式」「スケールされた値/丸められた値の使用」の下にグリッド一般プロパティがあり、デフォルトで「False」に設定されています。Financial Reporting (FR)とレポートに適用された抑制に相違がある場合、このプロパティを「True」に設定できます。

  • Financial Reportingでは、相対的な世代が単一の設計時の行からのすべてのメンバー組合せに対するものとなるように、セグメントごとに"相対的な世代別にインデント"が計算されました。レポートでは、"相対的な世代別にインデント"は軸全体に基づいて計算されます。つまり、相対的なインデントの計算時にすべての行メンバーの組合せの相対的な世代が使用されます。

    以前Financial Reportingで使用可能であった結果をレポートで達成するには、特定の世代(世代3など)に条件付き書式設定の式を設定し、書式設定は特定の金額によってインデントします。次に、別の特定の世代(世代4など)に別の条件付き書式設定を定義し、書式設定で別の金額によるインデントを行います。

  • レポートで、「繰り返しの見出し」グリッド、行および列プロパティが「非表示」に設定されている場合、同じ値を持つ隣接する行または列のセルは繰返し値の対象になります。Financial Reportingでは、行および列見出しの最も内側のレイヤーは繰返し値に関して考慮されません。この結果、行および列の最も内側のレイヤーに対して、レポートFinancial Reportingの間で繰返し値の処理およびレンダリングが異なります。

イメージ・オブジェクトの相違

Financial Reportingでは、イメージの伸縮オプションがサポートされています。レポートでは、伸縮やクロップはサポートされていません。かわりに、イメージのサイズは正しい縦横比になります。

テキスト・オブジェクトの相違

Financial Reportingでは、テキスト・オブジェクトにAutoSizeプロパティがあります。レポートでは、高さのサイズ・オプションは次のとおりです。

  • 固定(AutoSize=Offに相当)

  • 合せる(AutoSize=Onに相当)

  • 最小

チャート・オブジェクトの相違

Financial Reportingの次のチャート・プロパティは、レポートのチャートではサポートされていません。

注:

コンボ・チャートを含むFinancial Reportingのレポートをインポートすると、レポートのチャート線の色がFinancial Reportingの色と一致しません。

  • フォントの角度: チャートの書式設定ダイアログ・ボックスのテキストのフォント設定すべてに対するフォントの角度

  • チャートの書式設定:

    • 外観:

      • タイトル・ボックスの色

      • タイトル・ボックスの境界線の色、タイプおよび幅

      • グリッドの深さ

    • 凡例:

      • 繰返しラベルの抑制

      • 背景の境界線のタイプおよび幅

    • 軸:

      • X軸の背景色

      • X軸の境界線の色、タイプおよび幅

      • Y軸の背景色

      • Y軸の境界線の色、タイプおよび幅

      • Y軸の数値の上書き書式

      • Y2軸のタイトル・ボックス

      • Y2軸の数値の上書き書式

    • 円のオプション:

      • 円ラベルの位置

      • 円スライスの角度

位置合せおよびレイアウトの相違

  • Financial Reportingでは、オブジェクトを上/左/下および左/右/中央に位置合せできます。ただし、オブジェクトはページの適切な端に(マージンおよびヘッダー/フッターの高さを考慮して)位置合せされます。レポートでは、同じ位置合せオプションがサポートされています。ただし、オブジェクトは適切な端からの一定の距離に位置合せできます。これは、「インデント」位置合せプロパティを介してサポートされています。

  • Financial Reportingでは、ページ・サイズとマージン・サイズを比較した、オブジェクトのサイズ変更と位置合せの検証は実行されません。レポートはレイアウト関連の検証を実行します。レポートでインポートしたFinancial Reportingのレポートをオープンした後に、オブジェクトの重なりや適合しないという検証エラーが発生した場合は、オブジェクトを手動でサイズ変更するか移動して、エラーを解決します。

メンバー選択の相違

グリッド・オブジェクトを操作する際は、次の点を考慮してください。

  • 同じセグメントでメンバーの重複は許可されず、削除されます。

  • Financial ReportingANDUNIONORおよびNOTなどの拡張メンバー選択演算子は、レポートのメンバー選択関数Intersect (複数のメンバーおよび関数を結合、Financial Reportingの以前のAND演算子)およびExcept (メンバーまたは関数を別の関数から除外、Financial Reportingの以前のNOT演算子)に変換されます。Financial ReportingORおよびUNION演算子は同じ操作を実行し、メンバー選択のデフォルトであるため、この2つの演算子については、レポートに追加で何も指定する必要はありません。NOT演算子には、移行の相違が2つあります。

    • レポートのメンバー選択では、ネストされたNot文の移行はサポートされていません。たとえば、"member-selection1 and not member-selection2"は移行されますが、"member-selection1 and not not member-selection2"は移行されません。

    • レポートのメンバー選択では、最初のメンバー選択でのNot文の移行はサポートされていません。たとえば、"member-selection1 and not member-selection2"は移行されますが、"not member-selection1 and member-selection2"は移行されません。

  • Financial Reportingでは、メンバー選択でSuppressSharedMembersがサポートされています。レポートでは、共有メンバーの抑制は既存のメンバー選択のオプション(メンバー選択メニューから追加)としてサポートされています。

  • レポートでは、Financial Reportingでサポートされているような、ユーザー定義のユーザー・メンバー・リストはサポートされていません。

  • Financial Reportingの次のメンバー選択関数は、レポートではサポートされていません。

    • MatchEX

    • TopOfHierarchy

    • LSiblings

    • RSiblings

    • Top

    • AllMembers

  • Financial Reportingでは、system-member-listは名前付きラベルまたは名前付き世代のいずれかです。基礎となるデータ・ソースでは、デフォルトでLev<n>,<dimension name>またはGen<n>,<dimension name>の形式でこれらの名前を提供します。ただし、データ・ソース管理者がレベルまたは世代にユーザー指定の名前を指定することもできます(たとえば、SKUや国)。system-member-listがデフォルト名の1つである場合は、LevelMembersまたはGenerationMembersメンバー選択関数に変換されます。system-member-listにデフォルト以外の名前が指定されている場合は、データ・ソースに接続しないと使用可能な名前のリストを判断できません。そのため、移行エラーが表示され、メンバー選択がディメンション親メンバーに変換されます。

  • メンバーの移行時には、$ (代替変数を意味する)のプリフィクスが付いたFinancial Reportingのメンバー名が、代替変数に変換され、レポートでは&のプリフィクスが付きます。

  • Financial Reporting Web Studioでは、グリッド内の重複したプロンプト・ラベルが許可されています。レポートでは、重複したプロンプト・ラベルは許可されていません。複数の場所におけるプロンプト定義の再利用が必要である場合、プロンプトに対して保存済選択を作成する必要があり、複数の場所から「保存済選択」を選択します。Financial Reporting Web Studioレポートに重複したプロンプト・ラベルが含まれ、あるプロンプト定義において複数のメンバーの選択が許可されており、同じラベルを持つ別のプロンプト定義がメンバー選択関数で単一の選択(子(プロンプト)など)として使用されている場合、レポートへの移行時に、レポート設計者は、検証エラーが発生した重複するプロンプト・ラベルを手動で調整する必要があります。
  • Financial Reporting Web Studioでは、プロパティ・メンバー選択関数は、メンバー名、メンバーの別名、属性メンバーおよびUDAに対して機能します。レポートでは、メンバー名および別名の使用はサポートされていません

条件付き書式と抑制の違い

Financial Reporting Web Studioでは、条件付き書式設定と抑制条件により、#missingデータ値がゼロであるかのように評価されます。

たとえば、条件式'value == 0'の場合、これはゼロ値と#missing値の両方に対してtrueになります。

レポートでは、条件は#missingデータ値のみをデータなしとして評価します。

たとえば、条件式'value == 0'の場合、これはゼロ値に対してのみtrueで、#missing値に対してtrueではありません。

したがって、レポートでは、ゼロまたは#missingのいずれかをチェックするときは、個別の条件を定義する必要があります。

グループ化および自動計算の相違

Financial Reportingの自動計算(Auto-Calc)は、同等のレポート・グループに移行され、次の考慮事項および相違があります。

  • Financial Reportingでは、Auto-Calc式は固定で、ダイアログ・ボックスで定義されました。これらは、同等の式行または式列に移行されます。

  • Financial ReportingのAuto-Calcが指定されたディメンション・レイヤーは、レポートのグループ化されたディメンション・レイヤーと異なります。

    • Financial Reportingのレイヤー0は、計算の総計タイプと見なされていました。これは、単にすべてのAuto-Calcディメンション組合せの合計であるため、実際の値は追加されません。レポートでは、これは、グループ化された行または列を参照する、グループ化されていない行/列と同等です。このようにして、レイヤー0 Auto-Calcが移行されます。

    • レイヤー1+ Auto-Calcは、レポートでは、Financial Reportingのレイヤー– 1のグループに移行されます。したがって、レイヤー1のAuto-Calcはグループ・レイヤー0のようになります。

  • Financial Reportingでは、「自動計算の後に改ページを許可」プロパティが、該当するディメンションのグリッド・レベルの「グループ改ページ」プロパティに移行されます。ただし、Financial Reportingでは、このプロパティは各Auto-Calcで指定でき、グリッド内で変更できました。これは、レポートのグリッド・レベルのプロパティで、グリッド内の特定ディメンションのすべてのグループに適用されます。

  • Financial Reportingでは、「改ページの挿入の許可」プロパティがグリッド・レベルの「グループ内の改ページなし」プロパティに移行されます。これは、レポートのグリッド・レベルのプロパティで、グリッド内の特定ディメンションのすべてのグループに適用されます。

  • Financial Reportingでは、Auto-Calcの非データ・セグメントの書式設定は条件付き書式設定を使用して実行されました。レポートでは、グループ内の非データ・セグメントはグリッドに含まれ、直接書式設定できるため、これは不要です。Financial Reportingレポートの条件付き書式設定は、レポートの同等のセグメントに移行されます。

レポートで使用できない機能

Financial Reportingの次の機能は、レポートではサポートされていません。

  • プランニング・ユニットの注釈

  • 注釈

    Narrative Reportingのノート機能では、基礎となるフレームワークおよび機能としてFinancial Reportingの注釈の場合とは異なるものが利用されているため、注釈はNarrative Reportingのノートに移行されません。

  • 行/列のテンプレート

  • FRExecuteを使用してMicrosoft WordにFinancial Reportingレポートを埋め込んでいるブックのMicrosoft Word文書

フォントの相違

Financial Reportingのフォントがカスタム・フォントとしてアップロードされている場合を除き、Financial Reportingの次のデフォルト・フォントは同等のレポートのフォントに変換されます。

表B-2 Financial Reportingのフォントおよび同等のレポートのフォント

Financial Reportingのデフォルト・フォント 同等のレポートのフォント

Microsoft Sans Serif

Liberation Serif

Arial

Liberation Sans

Times New Roman

Liberation Serif

Courier

Liberation Mono

注:

Financial Reporting Web Studioには、追加のロケール(レポートでは表示されなかった特定のフォント)が含まれます。

Narrative Reportingでフォントをアップロードするには、Narrative Reportingの管理追加フォントのアップロードを参照してください。

EPM Cloudプラットフォームでフォントをアップロードするには:

その他の相違

レポートの移行時には、次の点を考慮してください。

  • コンテンツへのドリルを使用して、Oracle Essbaseのリンク・レポート・オブジェクトまたはNarrative Reportingのセル・ファイル添付をソースとするセル・ファイル添付にドリルできません。

  • リンクされたローカル・オブジェクトは、グリッドやチャートなどのレポート・オブジェクトであり、リポジトリに保存されてレポートに挿入されますが、レポートではサポートされていません。移行対象のFinancial Reportingのレポートにリンクされたオブジェクトが見つかった場合は、移行エラーが表示されます。

  • 勘定科目タイプによる条件付き書式設定または抑制(たとえば、勘定科目タイプが収益の行を抑制)を使用してEPM Cloudのレポート(たとえば、Planningモジュール)を移行する場合は、正しく適用されるために条件式を更新する必要があります。これは、Financial Reportingでは、タイプが費用または費用外の場合にのみ勘定科目タイプの条件式がチェックされ、レポートでは、勘定科目タイプが資産、負債、資本、収益、費用または費用外であるかどうかがチェックされます。結果的に、実際の勘定科目タイプを確認するために条件式を更新する必要があります。たとえば、レポートの移行後に収益の実際の勘定科目タイプを抑制するために、収益勘定科目タイプ(Financial Reportingでは費用外とみなされる)を抑制する式を更新する必要があります。

  • レポートでは、カスタム用紙フォーマットのサイズがサポートされていません。移行で、このサイズはレターに変換されます。

  • レポートでは、スーパーA3用紙フォーマットのサイズがサポートされていません。移行で、このサイズはレターに変換されます。

  • Financial Reportingでは、ユーザーはMemberOverrideをCellText関数に追加できます。レポートでは、これは現在サポートされていません。

  • Financial Reportingのライブラリ・フォルダへの関連コンテンツのリンクは、レポートへのインポート中に削除されます。