組込みの計算

  • 期首残高

    期首残高は、前期の期末残高から計算されます。年度で最初の期間の期首残高は、前年同期末残高の最後の期間から取得されます。

    期首残高調整は、期首残高が繰り越された期末残高と同じ実効レートで換算されます。取得時換算勘定の期末残高は、実質的に、過去のすべての増減に適用されたレートの加重平均です。

    実効レートは、前期の親通貨の期末残高を前期のエンティティ通貨の期末残高で除算したものです。比率が異なるため、この実効レートは勘定科目ごとに計算する必要があることに注意してください。

    この換算はすべての取得時換算勘定、上書きレートが入力されていない履歴レート・オーバーライド勘定、および上書き金額が入力されていない履歴金額オーバーライド勘定に適用されます。

    換算計算のメソッドは、フロー・タイプのデフォルト換算設定として設定されたメソッド(フローまたは残高)に基づきます。このメソッドは、期別または年次累計です。デフォルトの換算メソッドが期別の場合、換算計算は実効レートに対する期別エンティティ通貨金額に適用され、期別の換算済セルに書き込まれます。デフォルトの換算メソッドが年次累計の場合、換算は前年の最後の期間の実効レートに対する年次累計エンティティ通貨金額に適用され、前期の年次累計換算金額が減算されて、結果が期別の換算済セルに書き込まれます。年次累計換算では、期別のエンティティ通貨値がない場合、換算がスキップされます。

    実効レートの計算元となった前の期間では、期首残高の繰越しオーバーライドも考慮されます。現行年度の予算シナリオの期首残高が実績シナリオから繰り越される場合、実効レートは実績シナリオから計算されます。

    計算された実効レートに基づく期首残高調整の換算では、エンティティ通貨と親通貨の期末残高データが前期に存在している必要があります。エンティティ通貨と親通貨の期末残高データが前期に存在しない場合、前期の期末レートが使用されます。期末残高データも期末レート・データも存在しない場合、換算は実行されません。

    履歴レート・オーバーライド勘定または履歴金額オーバーライド勘定では、オーバーライドが入力された場合、実効レート、次に期末レートに戻す前に上書きレートが使用され、その次に換算なしとなります。

    一部の換算計算は累積する性質があるため、エンティティのエンティティ通貨でも親通貨でもないレポート通貨に対する換算は、年度の最初の期間から実行することをお薦めします。

  • 期間ビューの期首残高

    年度の最初の期間については、期首(換算済)は前年度の最後の期間の期末(換算済)です。

    それ以降の期間については、期首(換算済)は現行年度の前期の期末(換算済)です。

  • YTDビューの期首残高

    期首(換算済)は、前年度の最終期間の期末(換算済)です。

    期首合計(換算済)は、前年度の最終期間の期末(換算済)に、年次累計の現行年度の期首残高調整を加えた額です。

  • 前利益剰余金の期首残高

    前利益剰余金の期首残高は、年度の最初の期間、年度の各期間のYTDメンバーおよび第1四半期のQTDメンバーについて、前年度末からの利益剰余金合計の期末残高です。

    他のビューおよび期間については、期末残高は期別の前期間およびQTDの四半期の前利益剰余金の期末残高から取得されます。

    たとえば、期間ビューの場合:

    • 1月の期首残高は、前年度の最終期間の期末残高です

    • 2月から12月の期首残高は、今年度の前期間の期末残高です

    損益計算書勘定では、年度末の期末残高は前利益剰余金勘定に換算されます。これは、利益剰余金(合計)の期末残高を前利益剰余金に繰り越すことによって行われます。

    年度をまたがない期間ごとに、期末残高は次の期間の期首残高に繰り越されます。ただし、損益計算書親勘定の期末残高は、Retained Earnings Current - Opening Balance - FX - CTA (FCCS_REC OBFXCTA)勘定に繰り越されます。

  • 期末残高

    期末残高は常に集計合計で、期末残高=期首残高合計+増減小計+FX差異とCTA調整です。

  • 増減

    増減の詳細は、必要に応じて別個のメンバーとして保存され、すべての増減はメソッドとレート勘定のグローバル換算デフォルト設定に基づいて換算されます。

  • FX差異の計算

    為替差異は、期末レートでの期首残高および増減ソース・データの換算を計算し、換算された実際の期首残高および増減の値と比較することによって計算されます。

    注:

    純利益のレベル0のメンバーでは、FX計算を実行しないでください。
  • 取得時換算勘定

    上書き金額または上書きレートが取得時換算勘定に対して入力された場合、上書きエントリが換算に適用されます。それ以外の場合、勘定科目はアプリケーションのデフォルトのメソッドおよびレートを使用して換算されます。

  • FCCS_Days Sales In ReceivablesおよびFCCS_Days Sales In Inventory

    次の表に、FCCS_Days Sales In ReceivablesおよびFCCS_Days Sales In Inventoryのデータの格納場所を示します。これらのシード済の計算はどちらも次のPOVで計算されます。表には計算のPOVが含まれていることに注意してください。他の列はレポートのオプションを示しています。「なし」のメンバーでは、会社間ディメンションおよびカスタム・ディメンションが表示される必要があります。

    表11-12 FCCS_Days Sales In ReceivablesおよびFCCS_Days Sales In Inventoryのシード済の計算

    ディメンション 計算済POV オプションPOV
    シナリオ すべて  
    すべて  
    期間 すべて  
    表示 すべて  
    エンティティ データが存在するすべての場所  
    連結 エンティティ入力、エンティティ連結 エンティティ合計
    通貨 エンティティ通貨、親通貨、レポート通貨  
    勘定科目

    FCCS_Days Sales In Receivables

    FCCS_Days Sales In Inventory

     
    会社間 会社間なし  
    増減 増減なし 増減合計
    データ・ソース データ・ソースなし 合計データ・ソース
    複数GAAP ローカルGAAP、FCCS_Adjustments IFRS (他の親メンバー)
    カスタム カスタムなし