柔軟なアプリケーション構成に対応できるように、各ディメンションにはメンバーがシードされます。シード済メンバーは、FCCS_IncomeStatement
またはFCCS_TotalAssets
など、FCCS
という接頭辞付きで作成されます。
システムには、組込みの計算も含まれます。組込みの計算を参照してください。
シード・メンバーのガイドライン
変更または削除できない特定のプロパティがあります:
シード済メンバーは削除できません。
シード済メンバー名は変更できません。
メンバー・プロパティは変更できません。
組込みのメンバー式は変更できません。
次のプロパティを変更できます:
メンバーの別名を変更できます。
必要に応じて、勘定科目ディメンションのシード済メンバーの勘定科目タイプを変更してカスタマイズできます。
勘定科目における為替レート・タイプは変更できます。
シード済ベース・メンバーへの子の追加
勘定科目、データ・ソース、増減およびMultiGAAP (使用する場合)の各ディメンションには、FCCS_seededメンバーがあります。
これらのメンバーで「データ・ストレージ」のプロパティが「動的」の場合、それに子を追加できます。
「データ・ストレージ」のプロパティが「保管」または「共有しない」の場合、子は追加できません。
ディメンションにおけるシード・メンバーの移動
シード・メンバーのすべては使用する必要がない場合、適宜ユーザー固有のメンバーを作成する必要があります。シード・メンバーに対して追加の親を作成する場合、代替階層を作成できます。シード・メンバーを新しい親メンバーに移動できます。
親メンバーの下でシード・メンバーの順序を変更できます。たとえば、次の例はFCCS_Operating Incomeのデフォルト順序で、次のシード・メンバーしかありません。
Other Operating Income
勘定科目を追加する場合は、2つのシード・メンバー間に配置できます。
シード勘定科目メンバーの再配置
Financial Consolidation and Closeには、(親と基本の両方の)約60の勘定科目で成り立つ、シード済の貸借対照表および損益計算書構造があります。要件に応じてシード済階層の構造を変更し、他の親メンバーおよび基本メンバーを追加できます。
次のガイドラインが適用されます。
シード済勘定科目のメンバー名は変更できませんが、別名は変更できます。別個の勘定科目の説明のために、追加の別名テーブルを追加できます。データは、別名およびメンバー名で(メンバー・セレクタで)ロード、表示および検索できます。
様々なレポートのニーズに応じて、複数の代替階層を作成できます。これらの代替階層には、プライマリ階層内のすべての基本メンバーを含める必要がありますが、その編成は変更できます。
シード済勘定科目階層が無視されると、様々なシステム計算やシードされた計算が喪失することに注意してください。多くの計算は、勘定科目構造に依存するシステムに組み込まれています。少なくとも次の計算はシード済勘定科目メンバーに依存し、適用されます。
繰越利益剰余金期首残高への前期の利益剰余金期末残高の年度末振替
FCCS_REC OBFXCTA期首残高への損益計算書期末残高の期末振替
FCCS_OR_OBFXCICTAへのその他包括利益(収益/費用)の期末振替
貸借対照表の残高(無効化できます)
累積換算調整(CTA)または包括利益累積換算調整(CICTA)への外国為替(FX)の転送
シード済連結ルール(デプロイ解除/無効化できます)
FCCS_REC OBFXCTAやFCCS_Retained Earnings Priorなど、シード済取得時換算勘定の為替レート・タイプを変更すると、一貫性のない動作が発生することがあります。
注:
構造をレポートのために使用するかどうかに関係なく、シード済勘定科目構造にすべての基本勘定科目が含まれていることを確認してください。
動的計算の親を持つディメンションの勘定科目構造を変更すると履歴データに不要な変更が生じる可能性があることを認識している場合は、構造を変更しないでください。ただし、集約/計算を変更して新しい階層を反映する必要がある場合は、エンティティをロック解除し、再連結して、再ロックする必要があります。履歴はそのまま変更せずに、今後のデータに対して新しい集約/計算を使用する場合は、代替階層を作成して両方のバリエーションを用意し、必要に応じてそれぞれのルールを変更(時間指定)し、再連結する必要があります(該当する場合)。
シード済勘定科目の属性の変更の詳細は、次のチュートリアルをご覧ください。
更新後におけるカスタマイズした変更の保持
シード済勘定科目階層に変更を加えた場合、つまりシード・メンバーの順序を変更した場合、コンテンツ更新を実行すると、それらの変更はリセットされます。
ただし、更新または「機能を使用可能にする」プロセスの後に毎回、シード・メンバーの順序を手動で変更しなくても済むように、変更を保持できます。カスタマイズしたディメンション順序を保持するには、isExportDimEnabled
という名前の代替変数を追加し、値をTrueに設定する必要があります。
メタデータ・アウトラインの復元
ディメンション・メンバーの順序を変更すると、一部のメンバーの順序の修正が必要になる場合があります。たとえば、追加の子メンバーが許可されないメンバーの下に子メンバーを移動した場合です。復元機能を使用して、アウトラインを復元できます。
メタデータ・アウトラインを復元するには:
「ディメンション」ドロップダウン・リストから、変更するディメンションを選択します。
移動するメンバー(1つまたは複数)を選択します。
関連するディメンション・メンバーの右側にある「プロパティ」チェック・ボックスを選択します。
「復元」ボタンをクリックします。
メンバーが正しく移動されていることを確認します。
必須の基本貸借対照表メンバー
拡張ディメンション・アプリケーションを作成している場合は、アプリケーションの作成時に「基本」勘定科目レポート・オプションを選択できます。このオプションでは、有効にした機能およびシード・フォームの最小セットに基づいて、勘定科目および増減ディメンション・メンバーの必須の最小セットについて単純化された階層を提供します。
初期の必須貸借対照表勘定科目メンバー
複数通貨を有効にした貸借対照表勘定科目メンバー
複数通貨オプションを有効にすると、通貨関連の次の階層が追加されます。
累積換算調整(CTA)を有効にした貸借対照表勘定科目
包括利益累積換算調整(CICTA)を有効にした勘定科目
比率を有効にした貸借対照表勘定科目
比率オプションを有効にすると、選択されている比率のオプションに応じて、比率階層および関連するソース勘定科目が追加されます。
会社間データ(追跡あり)および出資比率の管理を有効にした貸借対照表勘定科目
会社間データ(追跡あり)オプションを有効にすると、「出資比率の管理」などの追加オプションが使用可能になります。出資比率の管理を有効にすると、出資比率の管理勘定科目が追加され、CTA/CICTA勘定科目が追加されていない場合は追加され、ドライバ勘定科目が追加されます。
基本勘定科目レポート - 「間接キャッシュフロー」オプション
基本勘定科目レポート・オプションの「間接キャッシュフロー」オプションを有効にすると、キャッシュ・フロー勘定科目および追加のキャッシュ・フロー階層が追加されます。
初期の必須増減メンバー
期首残高階層に加えて、2つの基本(レベル0)増減が作成されることに注意してください。必要に応じて追加の基本増減を追加できます。
複数通貨を有効にした増減メンバー
複数通貨オプションを有効にすると、外国為替関連メンバーが追加されます。
会社間データ(追跡あり)および出資比率の管理を有効にした増減メンバー
会社間データ(追跡あり)オプションを有効にすると、「出資比率の管理」などの追加オプションが使用可能になります。出資比率の管理を有効にすると、追加のメンバー(FCCS_Mvmts_Acquisitions、FCCS_Mvmts_Disposals)を必要とする期首残高出資比率の変更システム・ルールが有効になります。出資比率の管理の有効化によって、FCCS_Mvmts_Acquisitions_InputおよびFCCS_Mvmts_Disposals_Inputを使用する構成可能な標準連結ルールもシードされます。間接キャッシュ・フローを有効にした増減メンバー
基本勘定科目レポート・オプションの「間接キャッシュフロー」オプションを有効にすると、期末残高階層に間接キャッシュ・フロー階層が追加されます。期末残高入力階層
シード済の期末残高入力階層を使用すると、期末残高をロードまたは入力して、導出した期末残高と比較することができます。
期末残高データは、増減ディメンションのFCCS_ClosingBalance_Inputメンバーにロードできます。この増減メンバーへのデータ・ロードの目的は、期首残高と親の期末残高メンバーへの期間内の増減の集計と、エンティティ通貨での必要な期末残高額との間の不一致を識別することです。期末残高入力は振替または連結されません。ただし、このメンバーをデータ入力フォームでデータ入力レベルで使用して、集約された期末残高メンバーと比較したり、構成可能な計算ルールで使用して、現在の期末残高と必要な期末残高との差異をデフォルト増減メンバーに移入できます(たとえば、<デフォルト増減> = 期末残高入力 - 期末残高 + <デフォルト増減>)。期末残高入力は、FCCS_PeriodicまたはFCCS_YTD_Inputにロードできますが、最終的にはFCCS_Periodicに保存され、ここからすべての計算の値が提供されます。FCCS_ClosingBalance_Inputは時点残高増減メンバーであるため、FCCS_Periodicに保管されるどのような値も、FCCS_QTD、FCCS_HYTDおよびFCCS_YTDから取得される同じ値です。データを一定期間にわたって集計する必要がある場合は、この増減メンバーを使用しないでください。
FCCS_ClosingBalance_Varianceが親メンバーです。FCCS_ClosingBalance_Varianceの子は、FCCS_ClosingBalance_InputとFCCS_ClosingBalance(共有)です。
FCCS_ClosingBalance_Inputは、システムで計算されたデータと利益と損失勘定科目のソース・データの検証には有効になりません。
CTAおよびCICTA勘定科目
累積換算調整(CTA)勘定科目
デフォルトでは、すべての履歴勘定科目の個別のCTA勘定科目で外国為替(FX)情報を取得できます。このCTAメンバーは、合計CTA調整を表します。ソース履歴勘定科目からCTA勘定科目へのFXのリダイレクションに必要な連結スクリプトに、計算ロジックが含まれています。1つのCTA勘定科目で、FX-CTA計算のすべての結果を1つのCTA勘定科目に累積できます。CTA勘定科目は、US-GAAPレポートの目的で、貸借対照表では所有者の資産の一部です。
注:
FCCS_CTAメンバーは計算用に予約されており、これらのメンバーには仕訳を直接転記しないことをお薦めします。包括利益累積換算調整(CICTA)勘定科目
IFRSレポートのために、包括利益計算書の一環として、1つの包括利益CTA勘定科目(CICTA)でCTA調整を取得できます。この勘定科目は、貸借対照表の「その他の留保」勘定科目に集計されます。
別の勘定科目で、また財務諸表の別の項で、履歴FX調整のレポートが必要になる場合があります。これは、損益計算書の一部として提出される勘定科目であり、純利益に、さらに現在の剰余金に計上されます。シードされるFCCS_CICTA勘定科目には、オプションでCICTAリダイレクション勘定科目の設定が含まれます。デフォルトでは、CICTAが選択した方法の場合、履歴勘定科目からのFX計算は、FCCS_CICTA勘定科目に書き込まれます。FCCS_CICTAのCICTAリダイレクション勘定科目属性でこの勘定科目を入力して、別の宛先勘定科目を選択する場合は、FXからCICTAルールの宛先が指定された勘定科目になります。勘定属性の値の設定を参照してください。
アプリケーションの作成時には、FCCS_CTA勘定科目とFCCS_CICTA勘定科目の両方が作成されます。アプリケーション機能を有効にする場合は、使用する勘定科目を指定する必要があります。
注:
デフォルトでは、「CTA (貸借対照表)」オプションが選択されます。このオプションを「包括利益」に変更する場合、連結を実行してデータをCICTA勘定科目に移動する必要があります。アプリケーション機能の説明を参照してください。
純利益階層での外国為替(FX)計算
勘定科目ディメンションでシードされる純利益階層には、FCCS_REC OBFXCTA、Retained Earnings Current - Opening Balance - FX - CTAという名前のベース・メンバーが含まれます。これは純利益の強大で、現在の剰余金の子です。
このメンバーには損益計算書勘定科目の期首残高が移入され、1つのFX入力と1つのFX-to-CTA入力が、損益計算書合計の値の計算に基づいて、この勘定科目に作成されます。
損益計算書FXをCTAに転送するには、FCCS_REC OBFXCTAを取得時換算勘定として設定する必要があります。そうでない場合は、「レートなし」に設定する必要があります。
FCCS_REC OBFXCTA勘定科目は、OBFXCTAの兄弟の子孫(たとえば、損益計算書)であるすべてのレベル0勘定科目の期首残高の繰越し(OBCF)から構成されています。システムでFX差異が計算されますが、この勘定科目は取得時換算勘定であるため、OBFXCTA勘定科目のFX差異が計算された後に、FX差異はCTA (またはCICTA)勘定科目に転送されます。
期首残高の繰越しは、タイム・バランス・プロパティが「フロー」のすべてのレベル0勘定科目に適用されますが、次に例外があります:
利益剰余金合計のレベル0のすべての勘定科目: 期首残高の繰越しは、年度の最初の期間のみ前利益剰余金にリダイレクトされます。
FCCS_REC OBFXCTAの兄弟のレベル0のすべての勘定科目: 年度の最初の期間を除いて、すべての期間で期首残高の繰越しがFCCS_REC OBFXCTAにリダイレクトされます。
FCCS_OR_OBFXCTAのレベル0兄弟または兄弟のレベル0子孫の収益および費用タイプの勘定科目: すべての期間で期首残高の繰越しがFCCS_OR_OBFXCICTAにリダイレクトされます。
FX差異の計算(FX期首、FX増減)の場合、換算されない保存された仮定勘定科目を除いて、期首残高の繰越しは「フロー」タイプのすべてのレベル0勘定科目に適用されます。
CTA計算の場合:
個々の勘定科目からのFX差異の転送: 期首残高の繰越しは、「履歴」、「履歴金額オーバーライド」および「履歴レート・オーバーライド」のすべての勘定科目に適用されます。
CTAまたはCICTA勘定科目へのFX差異の転送: 期首残高の繰越しは、貸借が一致した貸借対照表階層内(つまり、合計貸借対照表-従来、合計貸借対照表-純資産または基本バージョン内)の「履歴」、「履歴金額オーバーライド」および「履歴レート・オーバーライド」のすべての勘定科目に適用されます。
その他包括利益階層での外国為替(FX)計算
勘定科目ディメンションのシードされたその他の包括利益階層には、FCCS_OR_OBFXCICTAという名前の基本メンバー、その他包括利益 - 期首残高 - FX - CICTAが含まれます。これは、その他包括利益合計の兄弟で、その他準備金の子になります。
このメンバーにはその他包括利益勘定科目の期首残高の合計が移入され、損益計算書のその他包括利益合計の値の計算に基づいて、単一のFXおよび単一のFX-to-CICTAエントリがこの勘定科目に対して入力されます。
損益計算書FXをCICTAに転送するには、FCCS_REC OBFXCICTAを取得時換算勘定として設定する必要があります。そうでない場合は、「レートなし」に設定する必要があります。
負の現金勘定科目のキャッシュ・フローの設定
キャッシュ・フロー計算書では現金を減らすが、貸借対照表の負債項目には含めるために、銀行の当座貸越のように、負の現金項目の現金勘定科目が必要になる場合があります。この場合、シード済貸借対照表階層のFCCS_Total Non Cashセクションで、勘定科目を変更することができます。
キャッシュ・フローの設定の詳細は、次のビデオをご覧ください。