連結の影響および列挙とデータの連結

共通データおよびノード・データ

連結ディメンション・メンバーは、共通データまたはノード・データとして分類できます。

共通データは、エンティティ連結、エンティティ比率調整、エンティティ消去調整、エンティティ調整合計、エンティティ入力、換算通貨入力およびエンティティ合計で構成されます。共通データには、エンティティ通貨と、複数通貨アプリケーションの場合は親通貨の両方が含まれます。アプリケーションに共有エンティティがある場合、共有エンティティの1つのインスタンスの共通データは、共有エンティティの他のすべてのインスタンスの共通データと同じです。共有エンティティの1つのインスタンスにデータが移入されると、そのデータはその共有エンティティの他のすべてのインスタンスに伝播されます。「期間別拡張組織」が有効になっていない場合は、複数通貨アプリケーションのエンティティ通貨データのみが新しい共有インスタンスにコピーされます。「期間別拡張組織」が有効で、かつ共有インスタンスの親通貨が別のインスタンスの親通貨と同じである場合は、親通貨がコピーされます。親通貨が同じインスタンスがない場合、新しい共有インスタンスの親通貨データは、換算プロセスを介して換算されます。

ノード・データは、親入力、親合計、比例、消去、コントリビューション、コントリビューション入力およびコントリビューション合計で構成されます。ノード・データは、各エンティティのエンティティ / 親関係に固有です。共有エンティティの1つのインスタンスのノード・データは、同じ共有エンティティの他のインスタンスのノード・データとは異なる別のものとなり、インスタンス間で伝播されません。

親入力、コントリビューション入力および換算通貨入力は、オプションの連結ディメンション・メンバーであることに注意してください。

「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、エンティティの共通データとノード・データは、連結ディメンション・メンバーに関連するすべての計算を含む単一の計算単位として扱われます。計算は、エンティティ連結からコントリビューション合計まで連結ディメンション階層で上に向かって処理されます。また、各エンティティの共通データとノード・データの結果の両方のステータスを記録および表示する単一の計算ステータス・レコード(計算ステータス)もあります。

EOBPが有効になっていない共通データ

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、エンティティの共通データとノード・データは連結中に必ずしも同時に処理されず、別々の計算単位になります。共通データとノード・データの結果のステータスをそれぞれ記録および表示する2つの計算ステータス・レコード(計算ステータスとノード・ステータス)があります。

共通データ関連の計算は最初にエンティティ連結からエンティティ合計まで上方向に処理され、続いて通常はノード・データ計算が親入力からコントリビューション合計まで上方向に処理されます。

EOBPが有効になっている共通データ

ただし、エンティティに非アクティブ連結メソッドが割り当てられている場合は、共通データとノード・データの間にブレークポイントがあります。

共通データのブレークポイント

計算ステータスが「影響」または「システム変更」の非アクティブ・エンティティの共通データは、非アクティブ・エンティティから呼び出される連結プロセスのスコープ内に含まれ、非アクティブ・エンティティのアクティブな子孫の「影響」または「システム変更」の共通データとノード・データも含まれます。

ノード・ステータスが「影響」または「システム変更」のノード・データは、非アクティブ・エンティティのアクティブな祖先から呼び出される連結のスコープ内に含まれます。

データへの影響

新しいデータが導入されるか、既存のデータが変更されると、他のデータ・ポイントが影響を受けます。影響を受けるデータ・ポイントの計算ステータスは、必要に応じて現在のステータスを反映するように変更されます。

新しいデータがエンティティのエンティティ入力に導入されると、エンティティ、エンティティの各インスタンスおよびそのアクティブなすべての祖先の計算ステータスが「影響」ステータスに変更されます。影響を受けるデータは、新しい連結プロセスが実行された後に変更されることが予想されるデータです。また、次の期間のデータ・ポイントも影響を受け、再連結時にその後続期間の期首残高も変更されることが予想されます。次の期間のデータ・ポイントが影響を受けると、その変更は影響を受けるエンティティのアクティブな祖先にも影響します。

「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、すべての祖先がアクティブとみなされ、いずれかの連結メンバーの新しいデータまたはデータへの変更が計算ステータス・システム勘定科目に記録されます。連結ディメンション・メンバーに関係なく、エンティティ内のすべてのデータのステータスは同じになります。

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、2つの計算ステータス(共通データを表す計算ステータスとノード・データを表すノード・ステータス)の勘定科目があります。新しい共通データが導入され、計算ステータスが「影響」の場合、同じエンティティのノード・ステータスも「影響」です。これは、変更されたデータ・セットから実行される比例および他の連結ルールによって、ノード・データ(少なくとも比率データ)も変更されることが予想されるためです。共通データの変更、またはノード・データ連結ディメンション・メンバーの新しいデータまたは変更されたデータによりエンティティのノード・ステータスが「影響」の場合、親エンティティの計算ステータスも「影響」です。影響を受けるフローは、同じエンティティの計算ステータスからノード・ステータス、次に親の計算ステータス、次に親のノード・ステータス、次に親の親の計算ステータスなど、エンティティ階層を上に進みます。

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、エンティティ階層の祖先を介した依存計算ステータスの勘定科目の上方向の影響の例外が発生するのは、エンティティに「非アクティブ」連結メソッドが割り当てられている場合です。データへの影響については、非アクティブ・メソッドの割当により、エンティティの共通データとノード・データの間にブレークポイントが作成されます。この場合、計算ステータスは影響を受けますが、共通データに基づくノード・データの比例および他の計算は非アクティブ・エンティティに対して実行されないため、ノード・ステータスは影響を受けません。非アクティブ・エンティティのノード・ステータスが影響を受けるのは、ノード・データ連結ディメンション・メンバーの1つに含まれる新しいデータまたは変更されたデータ、または前の期間の同じ視点のノード・ステータスの影響によってのみです。シード済の「非アクティブ」メソッド以外の連結メソッド(シード済またはユーザー作成済)が割り当てられたすべてのエンティティは、アクティブとみなされます。

ある視点の計算ステータスの影響は、常に次の期間の計算ステータスに影響し、次の期間ではエンティティ・ディメンション内のアクティブなエンティティ全体に影響が伝播します。

連結のスコープの列挙

連結は、シナリオ、年、期間およびエンティティを含む視点から呼び出されます。連結が呼び出されると、連結プロセスに含まれる他のすべての視点が列挙されます。

計算ステータスが「影響」のエンティティから連結が呼び出されると、「影響」の他の視点のみが列挙に含まれ、現在の年の前の期間の「影響」の視点が含まれます。計算ステータスが「システム変更」の視点から連結が呼び出されると、「システム変更」および「影響」の視点が列挙に含まれますが、前の期間の「システム変更」の視点は列挙に含まれません。

「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、連結が呼び出された選択した視点の計算ステータスから「影響」ステータスまたは「システム変更」ステータスがチェックされます。検出された場合は、その視点のすべての子の計算ステータスがチェックされます。「影響」または「システム変更」のすべての視点が列挙に追加されます。同じロジックが、列挙に追加された各視点に適用されます。この下方向の列挙は、「OK」計算ステータスが検出されたとき、またはプロセスがレベル0のエンティティに到達したときに終了します。

「期間別拡張組織」が有効になっている場合、連結が呼び出された選択した視点のノード・ステータスから「影響」ステータスまたは「システム変更」ステータスがチェックされます。検出された場合は、選択した視点の計算ステータスがチェックされ、続いてその視点のすべての子のノード・ステータスがチェックされます。「影響」または「システム変更」のすべての視点が列挙に追加されます。同じロジックがノード・ステータスに適用され、列挙に追加された視点の各子の計算ステータスに適用されます。この下方向の列挙は、「OK」計算ステータスが検出されたとき、非アクティブ・エンティティが検出されたときまたはプロセスがレベル0のエンティティに到達したときに終了します。下方向の列挙は、非アクティブ・エンティティのノード・ステータスで終了します

連結が非アクティブ・エンティティから呼び出されると、列挙プロセスはそのエンティティのノード・ステータスではなく計算ステータスから開始されます。その結果、非アクティブ・エンティティのノード・データは、非アクティブ・エンティティの祖先から連結を呼び出すことによってのみ連結できます。

データの連結

連結においてスコープ内視点が列挙された後、各エンティティ(最下位レベルのエンティティから開始)の連結プロセス・フローが開始されます。前の期間の視点がスコープ内である場合、連結プロセスは最も早い期間から開始され、連結が呼び出された期間まで期間別に進みます。各視点が完了すると、計算ステータスの設定が「OK」(計算ステータス、および期間別拡張組織アプリケーションの場合は計算ステータスとノード・ステータス)に更新されます。

連結のスコープ内に共有エンティティのインスタンスが1つ以上ある場合、連結のスコープ内かどうかに関係なく、共有エンティティのすべてのインスタンスが更新されます。「期間別拡張組織」が有効になっていない場合、共通データとノード・データの両方に対するすべての更新がすべてのインスタンスに適用されます。「期間別拡張組織」が有効になっている場合、共通データと計算ステータスは、すべてのインスタンスに対して更新されます。共通データと計算ステータスは、共有エンティティのすべてのインスタンスで同じである必要があります。ノード・データとノード・ステータスは、共有エンティティのスコープ内インスタンスに対してのみ更新されます。