13 高速分析処理に対するハイブリッド・モード

Oracle Essbaseハイブリッド・モードの計算および問合せプロセッサにより、手続き型計算と読取りおよび書込みモデリングを使用したリアルタイム分析を実行できます。ハイブリッド・モードは、ブロック・ストレージ問合せの動的依存性分析用のデフォルト・エンジンです。計算スクリプトのデフォルトではありません(有効化は可能です)。

Essbase 11gオンプレミスを使用したことがあれば馴染みがあると思いますが、キューブ設計モードにはいくつかの種類があり、様々な目的に合せて作成されています。

  • ブロック・ストレージ: 大規模な疎ディメンションがある場合に最適です。このモードのキューブは、問合せのパフォーマンスを向上させるために、格納および事前集約されます。分析用の計算関数が豊富です。
  • 集約ストレージ: ディメンションと上位レベル集約の数が多いキューブに最適です。メンバー式はMDXを使用して指定できます。
  • ハイブリッド・モード: 集約ストレージの長所で拡張されたブロック・ストレージ・モードです。

ハイブリッド・モードは、Essbase 21cEssbase 19cおよびOracle Analytics Cloud - Essbaseでのブロック・ストレージ・キューブに対する問合せの動的依存性分析のデフォルトの問合せエンジンです。ハイブリッド・モードは、依存性分析が強力で集約は高速です。動的メンバーに対する依存性を持つメンバーの複雑な問合せの処理に優れています。

分析アプリケーションでは、動的な依存性(疎集約を含む)を使用することをお薦めします。Essbase 11g On-Premiseの場合と同様に、動的計算を選択的に疎ディメンションに実装することだけに限定されません。特に、動的な疎集約の使用が可能で、推奨されており、パフォーマンス・チューニングのガイドラインやテストの対象になります。

ハイブリッド・モードは、ブロック・ストレージ・キューブのデフォルトの問合せプロセッサですが、計算スクリプトを実行する際のデフォルトではありません。計算スクリプトに動的な依存性が多く含まれる場合は、計算スクリプトでもハイブリッド・モードを有効にすることをお薦めします。これを実行するには、アプリケーション構成プロパティでHYBRIDBSOINCALCSCRIPT構成設定をオンにします(または、計算ごとに制御するには、SET HYBRIDBSOINCALCSCRIPT計算コマンドを使用します)。

ほとんどのEssbase計算関数は、ハイブリッド・モードで動作します。ハイブリッド・モードでサポートされるすべての計算関数のリストおよび構文と、いくつかの例外を確認するには、ハイブリッド・モードでサポートされる関数に関する項を参照してください。ハイブリッド・モードでは、FIXPARALLELを使用した並列計算がサポートされていますが、CALCPARALLELを使用した並列計算はサポートされていません。

デフォルト設定以外のハイブリッド・モードを構成する場合は、「ASODYNAMICAGGINBSO」で構文を確認してください。

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