シナリオの操作

シナリオ・モデリングを有効にした後で、シナリオ・セルを#Missingに設定する、シナリオ値をベース値に戻す、シナリオ・データを集計するなど、シナリオ・データを操作できます。

基本メンバー・データの表示

Essbase Webインタフェースから、シナリオの基本データが表示されたExcelシートを起動できます。

  1. Essbase Webインタフェースで、「シナリオ」をクリックします。
  2. 表示するシナリオの「アクション」メニューをクリックして、「基本データの表示」をクリックします。
  3. ダウンロードしたリンクをクリックしてSmart Viewを起動します。
起動されたExcelシートにキューブの基本データが表示されます。サンドボックス・データは表示されません。

シナリオ値とベース値の比較

指定されたシナリオの所有者、承認者または参加者である場合は、シナリオおよびベース値をスプレッドシートまたはEssbase Webインタフェースに表示して、モデルを比較できます。

Excelでの値の比較

  1. Essbase Webインタフェースで、「シナリオ」をクリックします

  2. 「アクション」メニューから「Excelに変更内容を表示」を選択します。

  3. ダウンロード・リンクをクリックしてSmart Viewリンクを開きます。

  4. シナリオとベースの両方のメンバーの値をスプレッドシートで確認できます。
    ベースとシナリオの値を表示しているExcelスプレッドシートのイメージ。

    • 列Gのsb10はシナリオ(またはサンドボックス)メンバーです。

    • 列FのBaseにはベース値が表示されています。

    • シナリオでは、行2から6のsb10の値が変更され、行7で集計結果を確認できます。

Webユーザー・インタフェースでの値の比較

  1. Essbase Webインタフェースで、「シナリオ」をクリックします

  2. 「アクション」メニユーから「変更内容の表示」を選択します。

    データの変更がなかった場合、「データの変更」ダイアログ・ボックスは空です。

次のステップを決定するために、シナリオとベースを比較します。たとえば、この情報に基づいて、シナリオのステータスを承認済に変更することを選択できます。

シナリオ・セルの#Missingへの設定

対応するベース・セルに値が存在しても、シナリオ・セルを#Missingに設定できます。

シナリオ・セルを#Missingに設定するには:
  1. セルに「#Missing」と入力するか、セルの内容を削除します。
  2. 「Smart View」リボンの「データの送信」を選択します。
  1. 当初、sb1の値はベース値の正確なミラーです。
    sb1とBaseの両方とも678の値が表示されているグリッドのイメージ。

  2. sb1に「#Missing」と入力(またはセルの内容を削除)し、データを送信します。
    sb1に#Missingが表示されているグリッドのイメージ。

  3. シートをリフレッシュします。sb1が#Missingであることを確認します。
    sb1に#Missingが表示されているグリッドのイメージ。

シナリオ値から元のベース値への復元

変更したセルに#Revertと入力し、シートをキューブに発行し、「Smart View」リボンで「データの送信」をクリックすることで、シナリオ値を元のベースに戻すことができます。

当初、シナリオ値は保存されていない状態で、ベース値の正確なミラーです。Excelでシナリオ値を変更してキューブに変更を発行すると、シナリオ値が保存され、ベースとは異なる値になりますが、依然としてベース値に戻すことができます。
シナリオ値を元のベースに戻すには:
  1. Excelで、元のベースに戻すシナリオ・セルに#Revertと入力します。
  2. 「Smart View」リボンの「データの送信」をクリックします。
選択したシナリオ値がベース値に更新されます。

  1. 当初、sb1の値はベース値の正確なミラーです。
    基本メンバーとシナリオ・メンバーに同じ値が表示されているグリッドのイメージ。

  2. 新しい値100をsb1に送信します。
    シナリオ・メンバーに100の値が表示されているグリッドのイメージ。

  3. #Revertをsb1に送信します。
    sb1セルに#Revertが表示されているグリッドのイメージ。

  4. シートをリフレッシュします。sb1にベース値678が再び反映されたことを確認します。
    基本メンバーとシナリオ・メンバーに同じ値が表示されているグリッドのイメージ。

サンドボックス・ディメンションの集計時期の理解

シナリオでモデリングする際、各サンドボックス内で計算するかどうかを決定する必要があります。

データ変更をサンドボックスに送信し、ユーザーが作業を検証できるだけの可能なかぎり少ない数の他のデータを計算します。これにより、サンドボックス設計のストレージの効率が保持されます。

たとえば、キューブの上位レベル・メンバーがすべて動的計算の場合、計算スクリプトの形での集計は不要です。

上位レベル・メンバーを保管した場合、サンドボックスの計算のスコープを、ユーザーが作業を行うために必要な最小に制限します。

例: 動的上位レベル・メンバーがあるシナリオの計算

動的階層(密と疎の両方)は自動的に集約され、サンドボックスで変更を加えているユーザーはその変更を即時に確認できます。

Sample_Scenario.Basicブロック・ストレージ・デモ・アプリケーションから例を見てみましょう。

ProductおよびMarketはデータがレベル・ゼロにのみ保管された動的階層であり、シナリオはサンドボックス・ディメンション・メンバーsb0を使用して作成されているとします。

サンドボックスを新しく作成すると、sb0の値はBaseの値と同じになります。これは、サンドボックス・メンバーが仮想であり、ユーザーが変更を送信するまで基本値を反映するためです。


サンドボックス・ディメンションのBaseおよびsb0メンバーの値を表示するExcelスプレッドシートのイメージ。両方のメンバーの値は同じです。

メンバーsb0のSales->Budget->Jan->Colaデータを変更すると、Baseとsb0の保管済メンバーの組合せを使用することによって、動的サンドボックス・メンバーWest (D10)が即時に正しい合計に集約されることがわかります。

Oregon、UtahおよびNevadaの値は基本サンドボックス・メンバーに保管されています。CaliforniaおよびWashingtonの値はシナリオ関係者によって送信され、sb0サンドボックス・メンバーに保管されます。これらの保管された値を使用して、West->Cola->sb0の合計が動的に集約されます。


サンドボックス・ディメンションのBaseおよびsb0メンバーの値を表示するExcelスプレッドシートのイメージ。変更されたCaliforniaおよびWashingtonを除いて値は同じです。

サンドボックスで計算スクリプトを使用することもできます。OregonはCaliforniaの80%に予算計上されることになっているとします。次の計算スクリプトでこれを実行できます。

FIX("Jan", "Budget", "Cola", "Sales")
"Oregon"="California"*.8;
ENDFIX

シナリオ関係者がWebインタフェースからExcelワークシートを起動してこの計算を実行するとき、sb0は計算されるデフォルトのサンドボックス・メンバーであり、メンバーOregonの値が更新されます。


サンドボックス・ディメンションのBaseおよびsb0メンバーの値を表示するExcelスプレッドシートのイメージ。変更されたCalifornia、WashingtonおよびOregonを除いて値は同じです。Oregonの値は720であり、計算スクリプトの結果を反映しています。

このビューはシナリオ起動シートからではなく、Smart Viewのプライベート・ビューからであり、Baseとsb0の両方をシートに表示できます。

例: 保管済上位レベル・メンバーがあるシナリオの計算

場合によっては、疎または密階層で上位メンバーを保管済で、レベル・ベースまたは世代ベースの計算の集約が必要になることがあります。

前の例の最後のグリッドから続行して、今度はMarketディメンションの上位レベル・メンバーが動的ではなく、保管されているとします。

Oregonの値を250に変更した場合、正しい結果を表示するにはWestメンバーを再計算する必要があります。


サンドボックス・ディメンションのBaseおよびsb0メンバーの値を表示するExcelスプレッドシートのイメージ。変更されたCalifornia、WashingtonおよびOregonを除いて値は同じです。Oregonの値は250です。West領域のsb0の合計値は2070です。

次の計算スクリプトを使用すると、シナリオ起動Excelシートから実行されたときにサンドボックスのMarketディメンションを集約できます。

AGG("Market");
サンドボックス・ディメンションのBaseおよびsb0メンバーの値を表示するExcelスプレッドシートのイメージ。変更されたCalifornia、WashingtonおよびOregonを除いて値は同じです。Oregonの値は250です。West領域のsb0の合計値は1600です。