シナリオ・ワークフロー

オプションの承認ワークフローを使用してシナリオをレビューできます。または、シナリオを操作しているときにシナリオのデータ値を変更し、そのデータ変更を承認プロセスなしでキューブにコミット(または拒否)できます。

シナリオ・ステータス変更およびワークフローは、指定されたシナリオの関係者および承認者の数の影響を受けます。関係者はいるが承認者がいない場合、関係者が承認のためにシナリオを送信したり、シナリオを承認または拒否することはできません。関係者も承認者もいない場合、シナリオ所有者がシナリオを変更および適用します。同様に、承認プロセスはありません。

  • 関係者はいるが承認者がいないシナリオ:
    1. シナリオ所有者がシナリオを作成します(ステータス = 進行中)
    2. シナリオ所有者および関係者がSmart ViewまたはWebインタフェースで変更を行います
    3. シナリオ所有者が変更を基本に適用します(ステータス = 適用済)
  • 承認者も関係者もいないシナリオ
    1. シナリオ所有者がシナリオを作成します(ステータス = 進行中)
    2. シナリオ所有者がSmart ViewまたはWebインタフェースで変更を行います
    3. シナリオ所有者が変更を基本に適用します(ステータス = 適用済)
  • 関係者も承認者もいるシナリオ
    1. シナリオが所有者によって作成されます(ステータス = 進行中)
    2. シナリオ所有者、関係者および承認者がSmart ViewまたはWebインタフェースで変更を実行できます
    3. シナリオ所有者が承認のためにシナリオを送信します(ステータス = 送信済)
    4. シナリオがすべての承認者に承認されるか、1人以上の承認者に拒否されます(ステータス = 承認済またはステータス=拒否済)

      すべての関係者が承認済ステータスに到達するために変更を加えることができるという点で、「拒否済」ステータスは、「進行中」ステータスと同じです。

    5. シナリオが承認済ステータス(すべての承認者がシナリオを承認済)に到達すると、シナリオ所有者が基本に変更を適用します(ステータス=適用済)。

シナリオ・ステータス変更に関する電子メール通知の有効化

システム管理者がEssbaseからの送信電子メールを有効にした場合は、適切なシナリオ関係者がシナリオ変更に関する電子メール通知を受信します。

SMTP電子メール通知を設定するには:

  1. Essbaseにシステム管理者としてログインします。
  2. 「コンソール」をクリックします。
  3. 「電子メールの構成」をクリックします。
  4. 「SMTP構成」タブをクリックします。

    SMTPは送信電子メールを制御します

  5. 会社のSMTPホストとポートを入力します。
  6. 通知電子メールの送信者の会社の電子メール・アドレスとパスワードを入力します。
  7. 「保存」をクリックします。

SMTPメールが設定されると、シナリオ関係者は、シナリオのステータス、所有権、優先度または期限日が変更されたときに電子メールを受信するようになります。

ユーザーがシステムに追加されたとき、電子メールはオプション・フィールドです。このフィールドが入力されていない場合、そのユーザーはシナリオに参加していても電子メールを受信できません。

シナリオの状態 電子メールの宛先 電子メールのCC 電子メールの件名
シナリオの作成 関係者、承認者 所有者 シナリオ<シナリオ名>への参加に招待されました
送信 承認者 所有者、関係者 シナリオ<シナリオ名>は承認用に送信されました
承認 所有者 関係者、承認者 シナリオ<シナリオ名>が承認されました
拒否 所有者 関係者、承認者 シナリオ<シナリオ名>は<ユーザー>によって拒否されました
適用 関係者 所有者、承認者 シナリオ<シナリオ名>が更新されました
削除 関係者、承認者、所有者 削除したユーザー シナリオ<シナリオ名>が削除されました
更新アクション

所有権、優先度または期限日を変更できます。

関係者、承認者 所有者 シナリオ<シナリオ名>が更新されました

既存のシナリオを更新して、所有者、優先度または期限日を変更できます(表の更新アクションを参照)。たとえば、シナリオの期限日が変更された場合、関係者は新しい期限日を示す電子メールを受信します。シナリオのどの情報が更新されたかを明確にするために、古い期限日は取消し線付きのテキストで表示されます。

シナリオの作成

シナリオを作成するには、シナリオに関する一般情報を指定します。これには、シナリオ名の作成、期限日の選択、アプリケーションおよびキューブの選択、および計算値を使用するかどうかの選択が含まれます。次に、ユーザーを追加し、各ユーザーが関係者または承認者のいずれであるかを定義します。

シナリオを作成するには、次が必要です:
  • アプリケーションに対してプロビジョニングされたユーザーであるか、アプリケーションの所有者である。
  • データベースの更新権限を持っている。
  • シナリオが使用可能なキューブを持っている。シナリオのモデリングの有効化を参照してください。
  1. Essbaseで、データベースの更新(以上)の権限を持つユーザーとして、1つ以上のアプリケーションにログインします。
  2. 「シナリオ」をクリックします。
  3. 「シナリオの作成」をクリックします。
  4. 「一般情報」タブでシナリオ名を入力し、「優先度」(オプション)、「期限日」「アプリケーション」および「データベース」(キューブ)を選択します。データベースの更新以上の権限を持っているアプリケーションのみが表示されます。
  5. シナリオでの計算スクリプトの実行時に計算値をベース値にマージする場合は、「計算値の使用」をオンにします。
  6. 説明を入力します。(オプション)
  7. 「ユーザー」タブで、ユーザーのリストの「追加」 「ユーザーの追加」アイコンのイメージ。 をクリックします。
  8. 必要なユーザーを追加します。
  9. 「ユーザーの追加」ダイアログ・ボックスを閉じます。
  10. ユーザーごとに、デフォルト(「関係者」)を保持するか、または「承認者」を選択します。
    シナリオのユーザー・ロールによってシナリオのワークフローが決定します。
  11. 変更内容を保存します。

データのモデリング

シナリオのユーザーとして、独自のシナリオでデータ・スライスをモデリングできます。

  1. Essbase Webインタフェースの「アプリケーション」ページで、「シナリオ」をクリックします。
  2. シナリオ・ページで、データをモデリングするシナリオを探します。
    • 「検索」フィールドでは、シナリオを名前で検索できます。
    • 「すべてのアプリケーション」ドロップダウン・リストからアプリケーションを選択し、そのアプリケーション内で検索できます。
    • アプリケーションを選択した後、「すべてのデータベース」ドロップダウン・リストからデータベース(キューブ)を選択して、検索をさらに絞り込むことができます。
  3. シナリオ名の前にある「Excel」Smart ViewのExcelアイコンの変更内容の表示のイメージ。アイコンをクリックしてSmart Viewを起動します。
  4. Smart Viewでデータの変更を行い、what-if分析を実行します。

    値を変更して発行した後で、値をベース値に戻すことを決定した場合は、変更したセルに「#Revert」と入力し、Smart Viewの「Essbase」リボンで「データの送信」を選択することで、元のベースに戻すことができます。

    ベースのセルに値があり、シナリオの対応するセルを#Missingにする場合、#Missingをシナリオに送信するか、Smart Viewの値を削除してSmart Viewの「Essbase」リボンで「データの送信」を選択できます。

  5. このプロセスを続行し、承認を得るための送信に向けデータを準備します。
サンドボックスで計算が実行され、変更を許容できない場合は、アプリケーション・デザイナから計算スクリプトをリクエストして、変更を元に戻すか、新規サンドボックスをリクエストします。

承認のためのシナリオの送信

承認のためにシナリオを送信すると、他のユーザーはそのシナリオへの書込みができなくなります。

  1. Essbase Webインタフェースで、アプリケーション所有者またはシナリオ所有者としてログインします。
  2. 「シナリオ」をクリックします。
  3. 「アクション」で、「送信」シナリオ送信矢印のイメージ。をクリックします。
  4. (オプション)コメントを入力します。
  5. 「OK」をクリックします。
シナリオが承認のために送信されると、シナリオ承認者はデータ変更を承認または拒否できます。

シナリオ変更の承認または拒否

シナリオの所有者が承認のためにシナリオを送信すると、承認者はシナリオ変更を承認または拒否でき、シナリオ所有者にそのアクションが通知されます。シナリオを承認または拒否するには、承認者としてログインする必要があります。

  1. Essbase Webインタフェースで、「シナリオ」をクリックします
  2. 送信済シナリオの横にある「アクション」で、「承認」 「シナリオの承認」アイコンのイメージ。 または「拒否」 「シナリオの拒否」アイコンのイメージ。 をクリックします。
  3. 「承認」または「拒否」ダイアログ・ボックスにコメントを入力します。

シナリオの承認後、シナリオ所有者は変更をキューブに適用できます。

データ変更の適用

データ変更を適用するには、Essbase Webインタフェース「シナリオ」ページから行うか、DATAMERGE計算コマンドを使用します。

データ変更を適用すると、シナリオ内に格納されている変更でベース・データが上書きされます。

  1. Essbase Webインタフェースで、「シナリオ」をクリックします

  2. 承認済シナリオの横にある「アクション」で、「適用」をクリックします。

  3. プロンプトが表示されたら、オプションのコメントを残して選択内容を確認します。
  • DATAMERGE計算コマンドを使用してデータ変更を適用することもできます。
  • 適用されたシナリオは、そのシナリオのサンドボックスを再利用するために削除できます。
  • データベース・マネージャおよびそれより上位のマネージャは、計算スクリプトを実行してDATAMERGEを実行できます。これを実行するために、シナリオ承認者として指定されている必要はありません。
  • 適用されたシナリオの再適用はできますが、変更はできません。

シナリオのコピー

サービス管理者ロールが割り当てられている場合、またはシナリオ・ユーザー(関係者、承認者または所有者)の場合、シナリオをコピーできます。「シナリオの削除」までのシナリオ・ワークフローの任意の時点でシナリオをコピーできます。コピーしたシナリオの承認状態は「進行中」にリセットされます。

  1. Essbase Webインタフェースで、「シナリオ」をクリックします
  2. コピーするシナリオの「アクション」メニューをクリックして、「コピー」をクリックします。
  3. シナリオ名を入力し、「承認者」「関係者」「コメント」および「データ」からコピーするシナリオ・コンポーネントを選択します。
  4. 「OK」をクリックします。

シナリオの削除

Essbase Webインタフェースでシナリオを削除できます。

キューブで使用できるサンドボックスは固定数であるため、非アクティブなシナリオからサンドボックスを解放することが必要になる場合があります。関連付けられたシナリオが削除されると、サンドボックスは空になり、使用可能なサンドボックスのプールに自動的に戻されます。

シナリオに関連付けられたサンドボックスを再利用するには、シナリオを削除する必要があります。

  1. Essbase Webインタフェースで、「シナリオ」をクリックします
  2. 削除するシナリオの「アクション」メニューをクリックして、「削除」を選択します。

シナリオのユーザー・ロールおよびワークフローの理解

オプションの承認ワークフローを使用してシナリオをレビューできます。

シナリオのユーザー・ロール割当によってシナリオのワークフローが決定します。シナリオ・ワークフローを有効にするには、1人以上の承認者が必要です。承認者がいない状態で、関係者が承認のためにシナリオを送信したり、シナリオを承認または拒否することはできません。

1人以上の承認者がいない状態でのシナリオに対する唯一のアクションは「適用」です。承認者がいない状態でも、シナリオの所有者は、承認プロセスを経由せずに、シナリオのデータ値の変更、およびキューブへのデータ変更の適用(または拒否)を行うことができます。

関係者はwhat-if分析に参加できます。データベースの更新またはデータベース・アクセスのユーザー・ロールを持っている必要があります。関係者の追加は必須ではありません。

承認者は、プロセスのモニター、およびシナリオの承認と拒否を行います。承認者はデータベース・アクセスまたはより高いロールを持っている必要があります。シナリオは複数の承認者を含むことができ、その場合、各承認者はシナリオを承認してから送信する必要があります。

データベース・アクセス・ユーザー・ロールを持つ関係者および承認者は、フィルタを介して書込みアクセス権が付与されるまで、シナリオに書き込むことはできません。

関係者および承認者は必須ではありません。シナリオの所有者は、関係者または承認者を指定せずに、シナリオのデータ値の変更、およびキューブへのデータ変更のコミット(または拒否)を行うことができます。


シナリオを操作するためのワークフローを示したフローチャートのイメージ。