集計の概要

集計は、一連の設備、機器または計量コンポーネント(あるいはそれらすべて)からの測定を要約したものを表す測定です。たとえば、集計は、電力会社のサービス地域内で特定の郵便番号に含まれるすべての個人顧客の電気消費量の合計に基づくことができます。測定が要約される関連計量コンポーネントのグループは、構成要素計量コンポーネントと呼ばれます。

すべてのタイプの集計には、1つ以上のディメンションがあります。たとえば、集計は、次の3つのディメンションを使用して定義されます。

  • 変電所
  • 供給設備
  • 変圧器

集計は、総計計量コンポーネントで定義されます。各総計計量コンポーネントは、指定タイプの集計についてディメンションの個々の組合せごとに定義する必要があります。たとえば、前述した変圧器の集計では、電気サービス・ポイント全体で検出された変電所/供給設備/変圧器の個々の組合せごとに、総計計量コンポーネントが必要です。

集計をさらに集計することもできます。たとえば、変電所/供給設備/変圧器の各組合せに対する総計計量コンポーネントを使用して、変電所/供給設備の各組合せでの消費量を集計できます。この場合、個々の総計計量コンポーネントは、変電所/供給設備の一意の組合せごとに定義する必要があります。同様に、変電所/供給設備の各組合せに対する総計計量コンポーネントを使用して、各変電所での消費量を集計できます(この場合、個々の総計計量コンポーネントは一意の変電所ごとに定義されます)。最後に、各変電所に対する総計計量コンポーネントを使用して、すべての変電所の合計消費量を集計できます(総計計量コンポーネントはサービス領域全体を表すように定義されます)。

集計計算

システムでは、総計計量コンポーネントの遅延モニターを使用して、定期的にバッチ・プロセスを介して消費量が集計されます。また、ユーザーは、バッチ・プロセスを待つことができない場合、またはデータが正しくないため元の集計を再計算する必要がある場合に、リアルタイムでデータを再集計できます。ユーザーは実行中にアドホック集計を作成することもでき、これらは他の集計と同じようにデータベースに保持されます。

集計期間の理解

集計計算の開始日時と終了日時は、次に基づきます。

  • 集計範囲
  • 集計タイムラグ
  • 集計締め時間

総計計量コンポーネントの集計が実行される場合は常に、その集計範囲内のすべての日の消費量が集計されます。集計範囲は、総計計量コンポーネントに関連付けられている1つ以上の計量コンポーネントの測定データに潜在的な変更がある日数です。

集計計算は、通常、検証のアップロードと実行および最終測定の作成にシステム時間が割かれるため、現在の日付より数日遅れます。遅延時間は集計タイムラグとも呼ばれ、集計計算が実行される日付と集計期間の終了日の間の日数です。これにより、集計計算日から、すべての測定が到着する集計範囲の終了までの期間が定義されます。これは、集計期間の開始日と終了日を決定するために集計範囲とともに使用されます。たとえば、集計範囲が5で、集計タイムラグが2の場合、1月9日に実行される集計計算の集計期間は、1月3日から1月7日になります。その次の日(1月10日)の場合、集計期間は1月4日から1月8日に移ります。

集計期間の理解

集計期間の理解

集計は常に、集計計算の実際の時間ではなく、特定の期限時間(12:00 AMなど)を期限として実行されます。この時間は集計締め時間とも呼ばれます。たとえば、集計タイムラグが2で、集計締め時間が10:00 PMの集計計算の停止時間は常に、計算が実行される日付の2日前の10:00 PMになります。前述の例では、1月9日に実行される集計の終了日時は1月7日の10:00 PMで、1月10日に実行される集計の終了日時は1月8日の10:00 PMになります。

集計と再集計

集計範囲を使用するということは、数日間の集計の合計が、その期間が集計範囲の対象外になるまで再集計されることを意味します。たとえば、集計範囲が5日間で、集計タイムラグが2日間で、1月9日の夜の場合、集計期間は、1月3日から1月7日になります(前述の例と同様です)。

1月10日の夜になると、範囲が1日ずれます(これも前述と同様に1月4日から1月8日になります)。これは次のことを意味します。

  • 1月9日に計算された1月3日の合計は処理されません(この場合、1月3日は集計範囲外です)
  • 1月4日から1月7日までは、訂正が発生した可能性があるため、(また、これらは引き続き集計範囲内であるため)その合計が再導出されます
  • 1月8日の合計が初めて計算されます(集計範囲内になったため)。

手動検針と集計タイムラグ

手動検針を含む集計は、多くの場合、自動検針の集計よりも集計タイムラグが大幅に長くなります。こうすることで、手動検針をシステムにインポートして集計で使用するために、より長い時間が確保されます。

たとえば、検針の日付から、手動検針が到着するまでに約1か月かかる状況を考えてみます。この場合、1月6日からの消費量を含む前回の手動検針が存在するのは、2月7日の検針のアップロード以降になります。1月6日のすべての消費量が存在するようになるまでその日付の集計を実行しないため、32日間の集計タイムラグによって、2月7日の集計実行時にシステム内に1月6日のデータが確保されます。

手動検針と集計タイムラグ

総計計量コンポーネントに手動計量コンポーネントとAMI計量コンポーネントの両方が含まれる場合

前の項では、総計計量コンポーネントに手動検針とAMI計量コンポーネントの両方が含まれる場合に、総計計量コンポーネントの遅延時間が、その前の例で示したような短時間ではなく、長時間にすることが推奨されています。

これは1つの有効なアプローチで、別の方法では、ユーザーがAMIチャネルの集計を適宜確認でき、手動チャネルのみ遅延が発生します。これを行うには、次のようにシステムを構成します。

  • 手動計量コンポーネント・タイプのみを集計する総計計量コンポーネントを作成します(範囲: 5日間、タイムラグ: 31日間)
  • インターバル計量コンポーネント・タイプのみを集計する個別の総計計量コンポーネントを作成します: 5日間タイプ(範囲: 5日間、タイムラグ: 2日間)
  • 前述の総計計量コンポーネント・タイプを集計する3つ目の総計計量コンポーネントを作成します(範囲: 5日間、タイムラグ: 31日間)

定期的な集計範囲の拡張

30日程度の集計タイムラグでも、推定消費量が数か月あるアカウントで、実際の検針が到着したときに、目盛盤の検針が推定検針よりも小さい場合(または遡及的データが大幅に変更された場合)、その消費量が無効になる可能性があります。その他の同様の状況として、集計範囲の移行後にユーザーが手動で消費量を訂正した場合があげられます。

このような状況に対処するために、ユーザー指定の集計範囲とともにアドホック集計を使用することで、可能なかぎり多くの遡及的変更を取得するように、長い集計範囲(最大で90日間)で定期的(月に1回や週に1回など)に集計する概念がサポートされます。

定期的な集計範囲の拡張

発効日が指定されていないディメンションの使用に関する注意事項

集計が実行される場合に常にその日付時点に存在するマスター・データが使用されることに注意してください。たとえば、発効日が指定されていないマスター・データ属性を使用して集計が実行されて(計量コンポーネント・タイプによって集計する場合など)、計量コンポーネントのタイプが変更された場合、計量コンポーネント・タイプの関係は発効日が指定されていないため、ユーザーが変更を行ったタイミングに関係なく、集計範囲内のすべての日で変更が反映されます。

この影響は、変更の性質に応じて異なります。

  • マスター・データが誤っていた場合は、マスター・データが適切に反映されるようにデータを再集計できます。
  • 特定の日付時点で有効な変更が発生した場合(ただし、発効日が指定されていない属性がある場合)、正しくない集計値になる可能性があります。

そのため、可能な場合は集計で使用されるディメンションに発効日を指定することをお薦めします。