消費量同期の概要

従来のインターバル・メーターおよびスマート・メーターは、通常、消費量データの2つのチャネル(インターバルとスカラー)を使用して構成されます。ユーティリティでメーターがこのような方法で構成されるのには、次のような理由があります。

  • 2つのチャネルにより、障害時の予備の検針が提供されます。
  • 2つのチャネルにより、検針を個別にチェックでき、メーターが適切に機能していることを確認できます。
  • 通常、顧客は、ビジネス・プロセスのために両方のタイプのデータが必要です。

関連する計量コンポーネントを使用してスマート・メーターの使用を取得および格納する場合、考えられる1つの課題は、関連するスカラー・チャネルとインターバル・チャネルからの測定の同期の確保です。同じ設備に対するインターバル・チャネルとスカラー・チャネルの測定は、次のような様々な多くの理由から、整合性がなくなる場合があります。

  1. 一部のメーターでは、インターバル検針と検針指針の記録に異なるテクノロジが使用されるため、物理検針が異なる可能性があります
  2. 測定時間が異なるため、検針が異なる可能性があります
  3. 推定プロセスがチャネルごとに異なる可能性があり、異なる結果が生成される場合があります
  4. 実際の測定と推定された測定が混在する可能性があります

消費量データに2つのソースが存在すると、ユーティリティに関する多くの問題が発生する可能性があります。残念ながら、通常、ユーティリティには、ビジネス要件を満たすためにスカラーとインターバルの両方のデータが必要です。たとえば、スカラー検針指針は請求に使用できますが、インターバル・データは顧客セルフサービス・ポータルで使用されます。

関連する2つの計量コンポーネント間で測定データを整合した状態に保持するには、いくつかの方法があります。

  • IMDの初期ロードでは、VEEルールにより、関連する計量コンポーネント(使用可能な場合)からの測定データを使用して、欠落した測定が推定されます。詳細は、「初期測定データ推定の概要」を参照してください。
  • 測定データがいずれかまたは両方の関連計量コンポーネントで欠落している場合、定期推定プロセスにより、推定IMDが生成されます。これにより、1つの計量コンポーネントが推定された後、2番目の計量コンポーネントのデータが最初の計量コンポーネントのデータと同期化されるように、2番目の計量コンポーネントが推定されます。詳細は、「定期推定の概要」を参照してください。
  • いずれかの計量コンポーネントに対してのみ、より正確な新しい測定データが受信された場合は、消費量同期プロセスが開始され、以前に推定されたデータが新しく受信されたデータと整合されます。注意: この項では、このプロセスに焦点を当てています。

消費量同期は、関連する計量コンポーネントの測定データが受信された場合に既存の測定を再推定することにより、関連する計量コンポーネントの測定データの同期を維持するプロセスです。

たとえば、次のシナリオを考えてみます。

  • メーターにスカラーとインターバルの両方のチャネルが存在し、スカラー指針チャネルが主またはより信頼性の高いチャネルとみなされています。各チャネルの合計消費量は、その他のチャネルの消費量と一致している必要があります。
  • ある特定の日に、スカラー指針からの検針が受信される前に、補助(インターバル)チャネルの日次検針が受信されました。この検針には、2つの欠落したインターバルが含まれており、これらはVEEで推定されます。
  • インターバル検針が最終処理された後、同日のスカラー検針指針が受信されます。この検針の合計は、欠落したインターバルを推定していることから、インターバル検針の合計とは少し異なります。
  • 消費量同期プロセスでは、2つの推定インターバルの再推定をトリガーし、インターバル検針の合計がスカラー検針指針の合計と一致するように調整できます。

消費量同期プロセス使用して解決できる状況のその他の例には、次のものがあります。

  • 開始/停止時間がインターバル境界と整合していない検針指針
  • 複数日の推定検針が作成された中断されたメーター
  • どちらのチャネルにも推定測定が含まれていない場合でも、両方のチャネルからの検針が正確に一致するという要件

主計量コンポーネントと補助計量コンポーネント

計量コンポーネントが関連する場合、いずれかが主計量コンポーネントとみなされ、もう一方が補助計量コンポーネントとみなされます。特定のメーターについて消費量同期プロセスがどのように機能するかは、主に、どちらの計量コンポーネントが主とみなされ、どちらの計量コンポーネントが補助とみなされるかに基づきます。

主/補助計量コンポーネントに関する重要な原則は、次のとおりです。

  1. 主計量コンポーネントにはより信頼性の高いデータが含まれます。
  2. 補助計量コンポーネントでは、その消費量が主計量コンポーネントと整合していることを検証する必要があります。
  3. 補助計量コンポーネントを推定する必要がある場合、主計量コンポーネントからの使用可能なデータを使用して推定する必要があります。
  4. 可能な場合には、主計量コンポーネントの初期測定を補助計量コンポーネントの初期測定より前に処理する必要があります(注意: D1-IMDバッチ・プロセスでは、初期測定がこの順序で処理されます)。補助計量コンポーネントが主計量コンポーネントより頻繁に検針される一部のシナリオでは、測定データのより小規模なロードをより頻繁に実行できることを優先して、この原則に違反することが有益な場合があります。

  5. 定期推定は、最初に主計量コンポーネントで実行してから、補助計量コンポーネントで実行する必要があります。

消費量同期処理の理解

この項では、関連する計量コンポーネントの消費量の同期の維持をサポートするプロセスの概要を示します。

次に示すプロセスは説明のために簡素化されており、このプロセスで実行されるすべてのステップを表しているわけではないことに注意してください。

  1. 初期測定は、設備構成で消費量同期が有効になっている計量コンポーネントについて(初期ロードまたは手動により)受信されます。
  2. 消費量同期プロセスでは、関連する消費量参照計量コンポーネントを評価して、初期測定の期間を対象としたすべての測定を消費量同期に適格(通常は推定済)であるか識別します。

    適格な測定が検出されると、消費量同期活動が作成されます。注意: この活動はすぐに処理されるのではなく、バックグラウンド・プロセスが実行されるまで初期ステータスのままとなります。

  3. 消費量同期バックグラウンド・プロセスが実行されると、活動により、同期化する必要がある各測定の推定初期測定が作成され、再推定プロセスが開始されます。
    • スカラー計量コンポーネントの場合、この初期測定には測定値が含まれません。
    • インターバル計量コンポーネントの場合、この初期測定には、(既存の最終測定に基づく)通常測定と、(ステップ2の消費量同期に定義された範囲内に該当する条件コードを含む測定に対応し、これらの測定に基づく)推定が必要な測定の組合せを含めることができます。
  4. 作成された各推定初期測定により、推定VEEグループ・ルールが実行され、同期に適格な測定が再計算されます。