超高パフォーマンス・ボリュームのためのアタッチメントの構成
超高パフォーマンス・レベルで構成されたボリュームをアタッチして、最適なパフォーマンスを実現するには、ボリューム・アタッチメントをマルチパス対応にする必要があります。
ブロック・ボリューム・サービスでは、ボリュームをアタッチする際に、アタッチメントがマルチパス対応になるよう試行します。満たしていない前提条件があると、ボリューム・アタッチメントはマルチパス対応になりません。
ボリューム・アタッチメントがマルチバス対応であるかどうかを確認するには、「ボリューム・アタッチメントがマルチバス対応であるかどうかのチェック」に関する項を参照してください。
このトピックでは前提条件と、ボリューム・アタッチメントがマルチパス対応であることを確認するために実行できるステップについて説明します。
iSCSIアタッチメントについては、「マルチパス対応のiSCSIアタッチメント」を参照してください。iSCSIアタッチメントがマルチパス対応であることを確認したら、ボリュームへの接続と操作で行うステップは、「マルチパス対応のiSCSIでアタッチされたボリュームの作業」を参照してください。
準仮想化アタッチメントについては、「マルチパス対応の準仮想化アタッチメント」を参照してください。
マルチパス対応のiSCSIアタッチメント
この項では、マルチパス対応のiSCSIボリューム・アタッチメントを構成するために必要な前提条件とステップについて説明します。
前提条件
次に、マルチパス対応のiSCSIアタッチメントの前提条件と要件のリストを示します。
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インスタンスは、サポートされているシェイプをベースとしている必要があります。詳細は、「マルチパス対応のiSCSIアタッチメントでサポートされるコンピュート・シェイプ」を参照してください。
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インスタンスでサポートされているイメージが実行されている必要があります(詳細は、「マルチパス対応のiSCSIアタッチメントでサポートされているイメージ」を参照してください)。
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超高パフォーマンス・ブロック・ボリューム・アタッチメントの最大数は32です。
- Oracle Cloud Agentバージョン1.39以降のインスタンスでは、複数の超高パフォーマンス・ボリュームがサポートされています。次のいずれかのコマンドを使用して、バージョンを確認します。
Oracle Linux:
yum info oracle-cloud-agent
Ubuntu:
snap info oracle-cloud-agent
- 複数の超高パフォーマンス・ボリューム機能を使用する前に超高パフォーマンス・ボリュームがすでにアタッチされている場合は、最高のパフォーマンスを実現するためにボリュームを再アタッチすることをお薦めします。ボリュームを再アタッチしないと、最高のパフォーマンスが得られません。
- 超高パフォーマンス・ボリュームがインスタンスにアタッチされ、Oracle Cloud Agentが初めてバージョン1.39以降にアップグレードされた場合は、最適なパフォーマンスを実現するためにインスタンスを再起動することをお薦めします。インスタンスを再起動しない場合、インスタンス当たりの最高のパフォーマンスは得られません。
- Oracle Cloud Agentバージョン1.39以降のインスタンスでは、複数の超高パフォーマンス・ボリュームがサポートされています。次のいずれかのコマンドを使用して、バージョンを確認します。
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インスタンスでブロック・ボリューム管理プラグインが有効になっている必要があります。詳細は、「ブロック・ボリューム管理プラグインの有効化」を参照してください。
- Oracleサービスに接続するには、コンピュート・インスタンスにブロック・ボリューム管理プラグインのパブリックIPアドレスまたはサービス・ゲートウェイが必要です(「サービス・ゲートウェイまたはパブリックIPアドレス」を参照してください)。
- ブロック・ボリューム管理プラグインが、マルチパス対応iSCSIアタッチメントのiSCSI設定の結果をレポートできるよう、権限を構成する必要があります(「権限の構成」を参照してください)。
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ボリューム・アタッチメントは、一貫性のあるデバイス・パスを使用するよう構成する必要があります。詳細は、「一貫性のあるデバイス・パスを使用したボリュームへの接続」を参照してください。
iSCSIでアタッチされたボリュームを構成および操作する場合は、oci-utils
またはoci-iscsi-config
を使用できますが、両方を同時に使用しないでください。これらのツールのいずれかを使用してボリュームの操作を開始した場合は、そのボリュームで同じツールを引き続き使用し、もう一方のツールの使用に切り替えることはできません。両方を使用すると、「ボリューム・アタッチメントがマルチパス対応として誤って報告される」で説明されている動作が発生する可能性があります。
マルチパス対応のiSCSIアタッチメントでサポートされるイメージ
マルチパス対応アタッチメントの場合、アタッチされたインスタンスはLinuxベースのイメージを実行している必要があります。
マルチパス対応アタッチメントは、WindowsインスタンスまたはOracle Autonomous Linuxインスタンスではサポートされません。
マルチパス対応のiSCSIアタッチメントのサポートに必要なカスタム・イメージ構成
カスタム・イメージでマルチパス対応のiSCSIアタッチメントをサポートするには、Unbreakable Enterprise Kernel (UEK)のバージョンがUEK6U1以上であることが必要です。UEK6U1 UEKは、2020年11月にリリースされたカーネルのメジャー・リリース・バージョン5.4.17-2036に関連付けられています。
カスタム・イメージのUEKバージョンでマルチパス対応アタッチメントがサポートされていることを確認したら、そのイメージのStorage.Iscsi.MultipathDeviceSupported
プロパティをtrue
に更新する必要があります。詳細は、「カスタム・イメージのイメージ機能の構成」を参照してください。
マルチパス対応のiSCSIアタッチメントでサポートされるコンピュート・シェイプ
この項では、マルチパス対応のiSCSIアタッチメントをサポートするコンピュート・シェイプを示します。パフォーマンス特性やアタッチメントの最大数などの詳細は、「シェイプのパフォーマンス詳細」を参照してください。
16コア以上で構成された現在のVMシェイプでは、マルチパス対応アタッチメントがサポートされています。iSCSIアタッチメントを持つVMにアタッチされたボリュームのパフォーマンス特性は、iSCSIおよび疑似仮想化アタッチ済ボリュームのVMシェイプを参照してください。シェイプでマルチパス対応アタッチメントがサポートされていることを確認するには、VMシェイプ表の「超高パフォーマンス(UHP)のサポート」列に「あり」という値があるかどうかを確認してください。
現在のいずれのベア・メタル・シェイプでも、マルチパス対応のiSCSIアタッチメントがサポートされています。ベア・メタル・インスタンスにアタッチされたブロック・ボリュームのパフォーマンス特性の詳細は、「ベア・メタル・シェイプ」を参照してください。
マルチパス対応の準仮想化アタッチメント
この項では、マルチパス対応の準仮想化ボリューム・アタッチメントを構成するために必要な前提条件とステップについて説明します。
前提条件
次に、マルチパス対応の準仮想化アタッチメントの前提条件と要件のリストを示します。
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インスタンスは、サポートされているシェイプをベースとしている必要があります。詳細は、「マルチパス対応の準仮想化アタッチメントでサポートされるコンピュート・シェイプ」を参照してください。
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サポートされているイメージが、インスタンスで実行されている必要があります(詳細は、「マルチパス対応の準仮想化アタッチメントでサポートされているイメージ」を参照してください)。
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超高パフォーマンス・ブロック・ボリューム・アタッチメントの最大数は32ですが、ブロック・ボリュームの機能および制限に記載されている例外もあります。
超高パフォーマンス・ボリュームがすでにアタッチされている場合は、最高のパフォーマンスを実現するためにボリュームを再アタッチすることをお薦めします。ボリュームを再アタッチしないと、インスタンスごとに最高のパフォーマンスが得られません。
マルチパス対応の準仮想化アタッチメントでサポートされているイメージ
マルチパス対応アタッチメントの場合、アタッチされたインスタンスで次のいずれかのイメージ、または次のいずれかのイメージをベースとするカスタム・イメージが実行されている必要があります:
- Oracle Linux
- Ubuntu
- CentOS
- Windows
マルチパス対応アタッチメントは、Oracle Autonomous Linuxインスタンスではサポートされません。
マルチパス対応の準仮想化アタッチメントでサポートされるコンピュート・シェイプ
16コア以上で構成された現在のVMシェイプでは、マルチパス対応アタッチメントがサポートされています。準仮想化アタッチメントを持つVMにアタッチされたボリュームのパフォーマンス特性は、iSCSIおよび準仮想化アタッチ・ボリュームのVMシェイプを参照してください。シェイプでマルチパス対応アタッチメントがサポートされていることを確認するには、VMシェイプ表の「超高パフォーマンス(UHP)のサポート」列に「あり」という値があるかどうかを確認してください。
ベア・メタル・インスタンスへのマルチパス対応アタッチメントでサポートされるのは、iSCSIアタッチメントのみです。
パフォーマンス特性やアタッチメントの最大数などの詳細は、「シェイプのパフォーマンス詳細」を参照してください。
ボリューム・アタッチメントがマルチパス対応であるかどうかのチェック
ボリュームにアタッチされたリソースがマルチパス対応かどうかを確認する方法について学習します。
- ナビゲーション・メニューを開き、「記憶域」を選択します。「ブロック・ストレージ」で、「ブロック・ボリューム」を選択します。
- 「リスト範囲」の「コンパートメント」リストで、ブロック・ボリュームが作成されたコンパートメントの名前を選択します。
- 「ブロック・ボリューム」リストで、ボリュームの名前を選択します。
「ボリューム詳細」ページから
- ナビゲーション・メニューを開き、「記憶域」を選択します。「ブロック・ストレージ」で、「ブロック・ボリューム」を選択します。
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ボリューム・アタッチメントを確認するブロック・ボリュームをクリックします。
- 「リソース」セクションの「アタッチされたインスタンス」をクリックします。
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「マルチパス」列に表示される値を確認します。
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はい: ボリュームは超高パフォーマンス・レベルで構成されていて、ボリューム・アタッチメントはマルチパス対応です。これ以外のアクションは必要ありません。
- いいえ: ボリュームは超高パフォーマンス・レベルで構成されていないため、ボリュームをマルチパス対応にする必要はありません。これ以外のアクションは必要ありません。
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いいえ(警告のアイコン付き): ボリュームは超高パフォーマンス・レベルで構成されていますが、ボリューム・アタッチメントはマルチパス対応ではありません。最適なパフォーマンスを実現するには、ボリュームがサポートされているインスタンス・シェイプにアタッチされていることと、必要な前提条件が構成されていることを確認する必要があります。
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次の画像には、コンソールの「マルチパス」列が表示されています。
「インスタンスの詳細」ページから
- ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」を選択します。「コンピュート」で、「インスタンス」を選択します。
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ボリューム・アタッチメントを確認するインスタンスをクリックします。
- 「リソース」セクションの「アタッチされたブロック・ボリューム」をクリックします。
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「マルチパス」列に表示される値を確認します。
- はい: ボリュームは超高パフォーマンス・レベルで構成されていて、ボリューム・アタッチメントはマルチパス対応です。これ以外のアクションは必要ありません。
- いいえ: ボリュームは超高パフォーマンス・レベルで構成されていないため、ボリュームをマルチパス対応にする必要はありません。これ以外のアクションは必要ありません。
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いいえ(警告のアイコン付き): ボリュームは超高パフォーマンス・レベルで構成されていますが、ボリューム・アタッチメントはマルチパス対応ではありません。最適なパフォーマンスを実現するには、ボリュームがサポートされているインスタンス・シェイプにアタッチされていることと、必要な前提条件が構成されていることを確認する必要があります。
次の画像には、コンソールの「マルチパス」列が表示されています。
oci compute volume-attachment get
コマンドを使用し、--volume-attachment-id
パラメータを指定して、ボリュームのマルチパス有効化を確認します。oci compute volume-attachment get --volume-attachment-id <volume_group_id>
例:
oci compute volume-attachment get --volume-attachment-id ocid1.volumeattachment.oc1.phx.<unique_ID>
is-multipath
プロパティは、マルチ パス対応アタッチメントの場合はtrue
になり、マルチ パス対応ではないアタッチメントの場合はfalse
になります。CLIコマンドのパラメータおよび値の完全なリストは、CLIコマンド・リファレンスを参照してください。
GetVolumeAttachment
操作を実行し、volumeAttachmentId
を指定してボリューム・アタッチメントの情報を取得します。is-multipath
プロパティは、マルチ パス対応アタッチメントの場合はtrue
になり、マルチ パス対応ではないアタッチメントの場合はfalse
になります。