ブート・ボリュームのクローニング
バックアップおよびリストア・プロセスを繰り返さずに既存のブート・ボリュームからクローンを作成する方法について学習します。
Oracle Cloud Infrastructure Block Volumeサービスを使用して、ブート・ボリュームからクローンを作成できます。クローニングを行うと、バックアップとリストアのプロセスを実行しなくても、既存のブート・ボリュームのコピーを作成できます。ブロック・ボリューム・サービスの詳細は、ブロック・ボリュームの概要およびブロック・ボリュームに関するFAQを参照してください。
ブート・ボリューム・クローンは、ソース・ブート・ボリュームのポイントインタイムの直接ディスク間ディープ・コピーであるため、クローンの作成時にソース・ブート・ボリュームに含まれていたすべてのデータがブート・ボリューム・クローンにコピーされます。それ以降にソース・ブート・ボリュームのデータに行われた変更は、ブート・ボリューム・クローンにコピーされません。クローンはソース・ブート・ボリュームのコピーであるため、クローンの作成時にそれより大きいボリューム・サイズを指定しないかぎり、ソース・ブート・ボリュームと同じサイズになります。
クローン操作はただちに開始され、状態が使用可能に変わったらすぐに、クローニングされたブート・ボリュームを使用できます。
ソース・ブート・ボリュームのクローニング中は、それに対する単一のポイントインタイム参照が存在するため、関連付けられたインスタンスの実行中にブート・ボリュームをクローニングする場合は、追加のクローンを作成する前に、ソースの最初のクローン操作が完了するのを待つ必要があります。また、バックアップ操作が完了するのを待つ必要もあります。
ブート・ボリュームのクローンは、同じリージョン、可用性ドメインおよびテナント内にのみ作成できます。この操作に必要なアクセス権を持っていれば、コンパートメント間でブート・ボリュームのクローンを作成できます。
ブート・ボリュームのバックアップとクローンの違い
ボリュームのバックアップかクローンのどちらを作成するか決定する際には、次の基準を考慮してください。
ボリューム・バックアップ | ボリューム・クローン | |
---|---|---|
説明 | ボリューム上のデータのポイントインタイム・バックアップが作成されます。将来、そのバックアップから複数の新しいボリュームをリストアできます。 | バックアップとリストアのプロセスを実行しなくても、ボリュームの単一のポイントインタイム・コピーが作成されます。 |
ユース・ケース |
後で環境を複製したり、将来使用するデータを保持できるように、データのバックアップをボリューム内に保存します。 バックアップ内のデータは時間が経っても変わらないため、コンプライアンスおよび規制の要件を満たします。 ビジネス継続性の要件をサポートします。 経時的な停止やデータ変異のリスクを軽減します。 |
既存の環境をすばやく複製します。たとえば、クローンを使用して、本番環境に影響を与えずに構成の変更をテストできます。 |
速度 | 低速(分または時間) | 高速(秒) |
コスト | 低コスト | 高コスト |
ストレージの場所 | オブジェクトストレージ | ブロック・ボリューム |
保持ポリシー | ポリシーベースのバックアップには有効期限がありますが、手動バックアップには有効期限がありません。 | 有効期限なし |
ボリューム・グループ | サポートされています。ボリューム・グループをバックアップできます。 | サポートされています。ボリューム・グループをクローニングできます。 |
ブート・ボリューム・バックアップの詳細は、ブート・ボリューム・バックアップの概要およびブート・ボリュームのバックアップを参照してください。
- ナビゲーション・メニューを開き、「記憶域」を選択します。「ブロック・ストレージ」で、「ブロック・ボリューム」を選択します。サイドバーの「ブロック・ストレージ」メニューで、「ブート・ボリューム」を選択します。
- 「ブート・ボリューム」リストで、クローニングするブート・ボリュームを選択します。
- 「リソース」で、「ブート・ボリューム・クローン」を選択します。
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「クローンの作成」を選択します。
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クローンの名前を指定します。機密情報を入力しないでください。
- (オプション)ブート・ボリュームをクローニングするクラスタ配置グループを選択します。 ノート
「クラスタ配置グループ」コントロールは、テナンシに対してクラスタ配置グループが有効になっている場合にのみコンソールに表示され、ボリューム・リソースに対して機能が追加されたクラスタ配置グループを作成してアクティブ化しました。ブロック・ボリュームのクラスタ配置グループを参照してください。 -
ブート・ボリュームをより大きなサイズのボリュームにクローニングするには、「カスタム・ブート・ボリューム・サイズ(GB)」を選択し、新しいサイズを指定します。ボリュームのサイズは増加のみ可能で、サイズを減少させることができません。ブート・ボリュームをより大きなサイズのボリュームにクローニングする場合は、ボリュームのパーティションを拡張する必要があります。詳細は、ブート・ボリュームのパーティションの拡張を参照してください。
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「クローンの作成」を選択します。
「ブート・ボリューム」リストで対応するアイコンに「使用可能」と表示されたら、ブート・ボリュームは使用可能になっています。
oci bv boot-volume create --source-boot-volume-id
コマンドを使用し、--source-boot-volume-id
パラメータを指定してそのブート・ボリュームをクローニングします。oci bv boot-volume create --source-boot-volume-id volume_id
CLIコマンドのパラメータおよび値の完全なリストは、CLIコマンド・リファレンスを参照してください。
CreateBootVolume
操作を実行し、CreateBootVolumeDetails
リソースのBootVolumeSourceFromBootVolumeDetails
属性を指定します。
次のステップ
ブート・ボリューム・バックアップをクローニングした後は、次のことを実行できます:
-
ブート・ボリュームを使用して、インスタンスを作成します。詳細は、インスタンスの作成を参照してください。
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ブート・ボリュームをデータ・ボリュームとしてインスタンスにアタッチします。詳細は、ブート・ボリュームのアタッチに関する項を参照してください。
インスタンスの実行中にブート・ボリューム・クローンを作成すると、クラッシュ・コンシステントなクローンが作成されます。つまり、データは、クローンが作成されたときと同じ状態になります。これは、電源喪失やハード・クラッシュが発生した場合の状態と同じです。ほとんどの場合、クローニングしたブート・ボリュームを使用してインスタンスを作成できますが、ブート可能イメージを確保するには、インスタンスからカスタム・イメージを作成する必要があります。カスタム・イメージの作成の詳細は、カスタム・イメージの管理を参照してください。