ブート・ボリューム・バックアップの概要
Oracle Cloud Infrastructure Block Volumeサービスのバックアップ機能を使用すると、アプリケーションの中断やダウンタイムを発生させることなく、ブート・ボリュームのポイントインタイム・スナップショットであるクラッシュ・コンシステントなバックアップを作成できます。実行中のインスタンスにアタッチされている間にブート・ボリュームのバックアップを作成することも、インスタンスからデタッチされている間にブート・ボリュームのバックアップを作成することもできます。ブート・ボリューム・バックアップ機能は、ブロック・ボリューム・バックアップ機能と同じです。詳細は、ブロック・ボリューム・バックアップの概要を参照してください。
ブート・ボリューム・バックアップを開始する方法は、ブロック・ボリューム・バックアップの場合と同じく2通りあります。1つはバックアップを手動で開始する方法で、もう1つはバックアップ・スケジュールの設定を定義するポリシーを割り当てる方法です。詳細は、手動バックアップおよびポリシーベースのバックアップを参照してください。
ブート・ボリューム・バックアップ・タイプ
ブロック・ボリューム・サービスでサポートされるブート・ボリュームのバックアップ・タイプは、ブロック・ボリュームの場合と同じです:
- 増分: このバックアップ・タイプでは、前回のバックアップ以降の変更のみが含められます。
- 完全: このバックアップ・タイプでは、ボリュームが作成されてからのすべての変更が含められます。
ブート・ボリュームは、増分または完全ブート・ボリューム・バックアップのいずれかからリストアできます。両方のバックアップ・タイプを使用して、バックアップ時に完全なブート・ボリューム・コンテンツをブート・ボリュームのポイントインタイム・スナップショットにリストアできます。最初の完全バックアップまたは後続の増分バックアップをバックアップ・チェーンに保持してそれらを順番にリストアする必要はなく、必要な回数取得したバックアップを保持するだけで十分です。
ブート・ボリュームのサイズ変更が完了したら、サイズ変更したブート・ボリュームに対する最初のバックアップが完全バックアップになります。ボリュームのサイズ変更の詳細は、ボリュームのサイズ変更を参照してください。
タグ
ブート・ボリューム・バックアップが作成されると、ソース・ブート・ボリュームのタグがブート・ボリューム・バックアップに自動的に含まれます。これには、スケジュールに従ってバックアップを作成するためにカスタム・バックアップ・ポリシーが適用されたブート・ボリュームも含まれます。ソース・ブート・ボリューム・タグは、作成時にすべてのバックアップに自動的に割り当てられます。必要に応じて、追加のタグをボリューム・バックアップに適用することもできます。
ブート・ボリューム・バックアップからインスタンスを作成すると、ソース・ブート・ボリュームのタグを含むインスタンスが作成されます。
ブート・ボリュームのバックアップ
ブート・ボリューム・バックアップは、コンソールまたはREST APIコマンドライン・インタフェース(CLI)を使用して作成できます。詳細は、ブート・ボリュームのバックアップおよびBootVolumeBackup APIを参照してください。
ブート・ボリューム・バックアップ・サイズ
ブート・ボリューム・バックアップ・サイズは、ソース・ブート・ボリューム・サイズよりも大きくなる場合があります。これについては、次のような理由が考えられます:
-
書き込まれたブート・ボリュームの一部は初期化済とみなされるため、常にブート・ボリューム・バックアップの一部となります。
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多くのオペレーティング・システムでは、コンテンツに書き込むかこれをゼロにすると、これらのブロックが使用済とマークされます。ブロック・ボリューム・サービスは、更新されたブロックを考慮し、これらのブロックをボリューム・バックアップに含めます。
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ブート・ボリューム・バックアップには、追加データ内の最大1GBのメタデータも含まれます。たとえば、256GBのWindowsブート・ディスクの完全バックアップでは、追加の1GBのメタデータを含む257GBのバックアップ・サイズが表示される場合があります。
ブート・ボリュームのリストア
ブート・ボリューム・バックアップは、使用する前にリストアする必要があります。ステップについては、ブート・ボリュームのリストアを参照してください。
インスタンスの実行中にブート・ボリューム・バックアップを作成すると、クラッシュ・コンシステントなバックアップが作成されます。つまり、データは、バックアップが作成されたときと同じ状態になります。これは、電源喪失やハード・クラッシュが発生した場合の状態と同じです。ほとんどの場合は、ブート・ボリューム・バックアップをリストアし、それを使用してインスタンスを作成できます。あるいは、それをデータ・ボリュームとしてインスタンスにアタッチして修復したり、データをリカバリすることもできます(ブロック・ボリュームのインスタンスへのアタッチを参照してください)。ブート可能イメージを確保するには、インスタンスからカスタム・イメージを作成する必要があります。カスタム・イメージの作成の詳細は、カスタム・イメージの管理を参照してください。
リージョン間でのブート・ボリューム・バックアップのコピー
コンソール、コマンドライン・インタフェース(CLI)、SDKまたはREST APIを使用して、ブート・ボリューム・バックアップをリージョン間でコピーできます。ステップについては、リージョン間でのブート・ボリューム・バックアップのコピーを参照してください。この機能により、次のシナリオが拡張されます:
- ディザスタ・リカバリおよびビジネス継続性: ブート・ボリューム・バックアップをリージョン間で定期的にコピーすると、ソース・リージョンでリージョン全体にわたる障害が発生した場合に、宛先リージョンでインスタンスをリストアすることが容易になります。
- 移行と拡張: インスタンスを別のリージョンに移行および拡張することが容易になります。
ブート・ボリューム・バックアップをリージョン間でコピーするには、ソース・リージョンでブート・ボリューム・バックアップを読み取ってコピーする権限と、宛先リージョンでブート・ボリューム・バックアップを作成する権限が必要です。詳細は、必要なIAMポリシーを参照してください。
ブート・ボリューム・バックアップを新しいリージョンにコピーした後は、ブート・ボリュームのリストアに示されたステップを使用してバックアップから新しいボリュームを作成することにより、そのバックアップからリストアを実行できます。
ブート・ボリュームのバックアップとクローンの違い
ボリュームのバックアップかクローンのどちらを作成するか決定する際には、次の基準を考慮してください。
ボリューム・バックアップ | ボリューム・クローン | |
---|---|---|
説明 | ボリューム上のデータのポイントインタイム・バックアップが作成されます。将来、そのバックアップから複数の新しいボリュームをリストアできます。 | バックアップとリストアのプロセスを実行しなくても、ボリュームの単一のポイントインタイム・コピーが作成されます。 |
ユース・ケース |
後で環境を複製したり、将来使用するデータを保持できるように、データのバックアップをボリューム内に保存します。 バックアップ内のデータは時間が経っても変わらないため、コンプライアンスおよび規制の要件を満たします。 ビジネス継続性の要件をサポートします。 経時的な停止やデータ変異のリスクを軽減します。 |
既存の環境をすばやく複製します。たとえば、クローンを使用して、本番環境に影響を与えずに構成の変更をテストできます。 |
速度 | 低速(分または時間) | 高速(秒) |
コスト | 低コスト | 高コスト |
ストレージの場所 | オブジェクト・ストレージ | ブロック・ボリューム |
保持ポリシー | ポリシーベースのバックアップには有効期限がありますが、手動バックアップには有効期限がありません。 | 有効期限なし |
ボリューム・グループ | サポートされています。ボリューム・グループをバックアップできます。 | サポートされています。ボリューム・グループをクローニングできます。 |