サポートされているIPSecパラメータ

このトピックでは、サイト間VPNでサポートされているフェーズ1 (ISAKMP)およびフェーズ2 (IPSec)の構成パラメータを示します。Oracleでは、これらの値を選択してセキュリティを最大化し、広い範囲にわたってCPEデバイスをカバーします。CPEデバイスが検証済デバイスのリストにない場合は、ここの情報を使用してデバイスを構成してください。

CPE構成ヘルパーを使用して、CPEデバイスの構成時にネットワーク・エンジニアが使用する情報を収集することもできます。

重要

Oracleでは、IPSec接続を構成する複数のトンネル間で非対称ルーティングが使用されます。あるトンネルをプライマリとして、別のトンネルをバックアップとして構成した場合でも、VCNからオンプレミス・ネットワークへのトラフィックは、デバイス上で稼働している任意のトンネルを使用できます。適切にファイアウォールを構成してください。そうしないと、接続間でのpingテストまたはアプリケーション・トラフィックが確実に動作しません。

サポートされている暗号化ドメインまたはプロキシID

暗号化ドメインの値(プロキシID、セキュリティ・パラメータ・インデックス(SPI)またはトラフィック・セレクタとも呼ばれます)は、CPEがルートベース・トンネルとポリシーベース・トンネルのどちらをサポートしているかによって異なります。使用する適切な暗号化ドメイン値の詳細は、サポートされている暗号化ドメインまたはプロキシIDを参照してください。

カスタムのIKEおよびIPSecパラメータ

カスタムのInternet Key Exchange (IKE)またはIPSecパラメータを使用する際に、カスタム・フェーズ1の提案を選択した場合、CPEは正確な提案を受け入れるように構成する必要があります。一致しない場合、IKEはIPSecトンネル・フェーズ1のセキュリティ・アソシエーションを設定できません。

カスタム・フェーズ2のIPSec提案では、次の動作が想定されます:

  • Oracleが新しいフェーズ2 IPSecセキュリティ・アソシエーションを開始すると、IKEはカスタム値のみを提案します。
  • CPEが新しいフェーズ2 IPSecセキュリティ・アソシエーションを開始すると、Oracleがパラメータをサポートしているかぎり、フェーズ2セキュリティ・アソシエーションが確立されます。

Oracle IKE開始およびIPフラグメント

Oracle IKEパラメータ提案のデフォルト・セットは大きすぎて単一のUDPパケットに収まらないため、IPSec接続のOracle終端によって開始リクエストが断片化されます。新しいIKEセキュリティ・アソシエーションを正常に開始するには、Oracle VPNパブリックIPとCPE間のファイアウォールまたはセキュリティ・リストでIPフラグメントを許可する必要があります。

商用クラウドでサポートされているパラメータ

この項では、サイト間VPNが商用クラウド向けの場合にサポートされるパラメータを示します。商用クラウド・リージョンのリストは、リージョンと可用性ドメインを参照してください。

一部のパラメータでは、Oracleが複数の値をサポートしており、推奨値が示されています。

Oracleでは、IKEv1またはIKEv2の次のパラメータがサポートされています。特定のCPEについてドキュメントを調査し、IKEv1またはIKEv2に対してCPEがどのパラメータをサポートしているかを確認してください。

フェーズ1 (ISAKMP)

パラメータ オプション
ISAKMPプロトコル

バージョン1

交換タイプ

メイン・モード

認証方式

事前共有キー *

暗号化アルゴリズム

AES-256-CBC (推奨)

AES-192-CBC

AES-128-CBC

認証アルゴリズム

SHA-2 384 (推奨)

SHA-2 256

SHA-1 (SHAまたはSHA1-96とも呼ばれる) **

Diffie-Hellmanグループ

グループ2 (MODP 1024ビット)

グループ5 (MODP 1536ビット)

グループ14 (MODP 2048ビット)

グループ19 (ECP 256ビット・ランダム)

グループ20 (ECP 384ビット・ランダム) (推奨)

IKEセッション・キー存続期間

28800秒(8時間)

* 事前共有キーには、数字、文字およびスペースのみを使用できます。

** Oracleでは、SHA-1を使用しないことを強くお薦めします。NISTは、2011年にSHA-1の使用を正式に非推奨とし、2013年にデジタル署名での使用を禁止しました。

フェーズ2 (IPSec)

パラメータ オプション
IPSecプロトコル

ESP、トンネル・モード

暗号化アルゴリズム

AES-256-GCM (推奨)

AES-192-GCM

AES-128-GCM

AES-256-CBC

AES-192-CBC

AES-128-CBC

認証アルゴリズム

GCMを使用する場合、GCM暗号化に認証が含まれているため、認証アルゴリズムは必要ありません。

GCMを使用しない場合は、次のオプションがサポートされています:

HMAC-SHA-256-128 (推奨)

HMAC-SHA1-128 *

IPSecセッション・キー存続期間

3600秒(1時間)

前方秘匿性(PFS)

有効、グループ5 (デフォルト、推奨)

グループ2、5、14、19、20、24に対して無効と有効をサポートします。

* Oracleでは、SHA-1を使用しないことを強くお薦めします。NISTは、2011年にSHA-1の使用を正式に非推奨とし、2013年にデジタル署名での使用を禁止しました。

Government Cloudでサポートされているパラメータ

この項では、サイト間VPNGovernment Cloud向けの場合にサポートされるパラメータを示します。詳細は、すべての米国Government Cloudのお客様を参照してください。

一部のパラメータでは、Oracleが複数の値をサポートしており、推奨値は太字テキストで強調表示されています。

Oracleでは、IKEv1またはIKEv2の次のパラメータがサポートされています。特定のCPEについてドキュメントを調査し、IKEv1またはIKEv2に対してCPEがどのパラメータをサポートしているかを確認してください。

フェーズ1 (ISAKMP)

パラメータ オプション
ISAKMPプロトコル

バージョン1

交換タイプ

メイン・モード

認証方式

事前共有キー *

暗号化アルゴリズム

AES-256-CBC (推奨)

AES-192-CBC

AES-128-CBC

認証アルゴリズム

SHA-2 384 (推奨)

SHA-2 256

SHA-1 (SHAまたはSHA1-96とも呼ばれる)

Diffie-Hellmanグループ

グループ14 (MODP 2048)

グループ19 (ECP 256)

グループ20 (ECP 384) (推奨)

IKEセッション・キー存続期間

28800秒(8時間)

* 事前共有キーには、数字、文字およびスペースのみを使用できます。

フェーズ2 (IPSec)

パラメータ オプション
IPSecプロトコル

ESP、トンネル・モード

暗号化アルゴリズム

AES-256-GCM (推奨)

AES-192-GCM

AES-128-GCM

AES-256-CBC

AES-192-CBC

AES-128-CBC

認証アルゴリズム

GCM (Galois/Counter Mode)を使用する場合、GCM暗号化に認証が含まれるため、認証アルゴリズムは必要ありません。

GCMを使用しない場合、HMAC-SHA-256-128を使用します。

IPSecセッション・キー存続期間

3600秒(1時間)

前方秘匿性(PFS)

有効、グループ14(デフォルト、推奨)

グループ2、5、14、19、20、24に対して無効と有効をサポートします。

リファレンス

前述のパラメータをまだよく理解していない場合のために、次の表に関連する標準へのリンクを示します。

オプション 関連する標準
Advanced Encryption Standard (AES) FIPS PUB 197標準
暗号ブロック連鎖(CBC) SP 800-38A標準
セキュア・ハッシュ・アルゴリズム(SHA) FIPS PUB 180-4標準
Diffie-Hellman (DH)グループ

RFC 2631: Diffie-Hellmanキー共有方法

RFC 3526: Internet Key Exchange (IKE)のためのより多くのモジュラ指数(MODP) Diffie-Hellmanグループ

RFC 4306: Internet Key Exchange (IKEv2)プロトコル

DHグループ・タイプ: モジュラ指数(MODP)または楕円曲線プライム(ECP)

MODP RFC 3526: Internet Key Exchange (IKE)のためのより多くのモジュラ指数(MODP) Diffie-Hellmanグループ

ECP RFC 5114: IETF標準で使用するための追加のDiffie-Hellmanグループ

ガロア・カウンタ・モード(GCM) RFC 5288: TLSのためのAESガロア・カウンタ・モード(GCM)暗号スイート
前方秘匿性(PFS) RFC 2412: OAKLEYキー決定プロトコル