Oracle Integration 3の複数のアイデンティティ・ストライプの構成
Oracle Integration 3では、プライマリ(初期)ストライプは事前構成済グループを使用して自動的にフェデレートされます。ただし、単一のクラウド・サービスまたはアプリケーションに対して個別の環境を作成できます(たとえば、開発と本番にそれぞれ1つの環境を作成できます)。この場合、各環境のアイデンティティ要件およびセキュリティ要件は異なります。1つ以上のセカンダリ・ストライプを実装すると、Oracle Identity Cloud Serviceの複数のインスタンスを作成および管理して、アプリケーションおよびOracle Cloudサービスを保護できます。
プロビジョニング後は、Oracle Identity Cloud Serviceストライプを変更したり、Oracle Integrationインスタンスの別のIAMドメインへの関連付けを変更することはできません。
このトピックは、アイデンティティ・ドメインを使用しないテナンシのみに適用されます。「アイデンティティ・ドメインの有無によるテナンシの違い」を参照してください。
複数のOracle Identity Cloud Serviceストライプが同じテナンシに関連付けられているSAML IDPフェデレーションを使用して、1つ以上のセカンダリ・ストライプをOracle Cloud Infrastructureに手動でフェデレートできます。アカウント所有者はプライマリ・ストライプとセカンダリ・ストライプの両方を管理しますが、ストライプ内のアイデンティティは相互に分離されます。
複数のOracle Identity Cloud Serviceインスタンスを使用する利点については、複数のインスタンスについてを参照してください。
次のステップに従って、テナンシのセカンダリ・ストライプを手動でフェデレートします。テナンシの所有者である必要があります。
- ストライプの命名規則の定義
- セカンダリ・ストライプ・ユーザーのIDCSグループの作成
- セカンダリ・ストライプでのOAuthクライアントの作成
- セカンダリ・ストライプ・ユーザーのOracle Cloud Infrastructureグループの作成
- フェデレーションとそのグループ・マッピングの作成
- フェデレーテッド・ユーザーがインスタンスを作成するためのOracle Cloud Infrastructureポリシーの作成
- セカンダリ・ストライプ・ユーザーのためのOracle Cloud Infrastructureコンソール・グループのフェデレーテッド・ストライプへのアクセス権の付与
- セカンダリ・ストライプ・コンパートメントでのOracle Integrationインスタンスの作成
ストライプの命名規則の定義
ベスト・プラクティスとして、作成する、ストライプに固有のすべてのエンティティに対して<stripename>
を定義します。ストライプに関連付けられた構成を一意に識別することは、特に複数のストライプが構成されている場合に重要になります。
後続の項では、次のエンティティでstripename
を使用します:
エンティティ | 命名規則 |
---|---|
IDCSグループ |
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OCIグループ |
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コンパートメント |
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アイデンティティ・プロバイダ |
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ポリシー |
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ポリシー・ステートメント |
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セカンダリ・ストライプでのOAuthクライアントの作成
OAuthクライアント資格証明を使用し、IDCSドメイン管理者ロールが割り当てられたIDCS機密アプリケーションを作成します。セカンダリ・ストライプごとに機密アプリケーションを作成する必要があります。
セカンダリ・ストライプ・ユーザーのOracle Cloud Infrastructureグループの作成
フェデレーテッドIDP (IDCS)からユーザーをフェデレートするにはOracle Cloud Infrastructure SAML IDPフェデレーションにグループ・マッピングが必要であり、フェデレーテッド・ユーザーにOracle Cloud Infrastructure権限(ポリシー)を定義して付与するにはOCIネイティブ・グループ・メンバーシップが必要であるため、このグループが必要です。
フェデレーションとそのグループ・マッピングの作成
IDCSおよびOracle Cloud Infrastructureグループを作成し、必要なクライアント情報を取得したら、IDCSアイデンティティ・プロバイダを作成し、グループをマップします。
フェデレーテッド・ユーザーがインスタンスを作成するためのOracle Cloud Infrastructureポリシーの作成
フェデレーションが完了したら、セカンダリIDCSストライプのフェデレーテッド・ユーザーがOracle Integrationインスタンスを作成できるようにするOracle Cloud Infrastructureポリシーを設定します。ポリシーは、共通パターンとしてコンパートメントにスコープ指定されます。
セカンダリ・ストライプ・ユーザーのためのOracle Cloud Infrastructureコンソール・グループのフェデレーテッド・ストライプへのアクセス権の付与
追加のステップを実行して、セカンダリ・ストライプ管理者および他のすべてのセカンダリ・ストライプ・ユーザーがフェデレーションに含まれるストライプを表示できるようにします。
前述のOracle Identity Cloud Serviceグループにユーザーとしてサインインすると、Oracle Cloud Infrastructureコンソールでユーザーおよびグループを作成し、プライマリ・ストライプの場合と同様に権限を割り当てることができます。
where句に関する追加情報
管理動詞とwhere句を使用して特定のアイデンティティ・プロバイダ(ocid)に制限するグループのポリシーを定義するとします(次の例を参照)。
ポリシーの例:
allow group OCISecStripeAdmin to manage identity-providers in tenancy where target.identity-provider.id='ocid1.saml2idp.oc1..aaaaaaaa...’
グループのユーザーがOracle Cloud Infrastructureコンソールにログインして「フェデレーション」ページに移動すると、表内に次のメッセージが表示されます: 認可に失敗したか、リクエストされたリソースが見つかりません。
次の追加ポリシーを追加すると、グループ内のユーザーは同じページに移動し、アイデンティティ・プロバイダを表示できます。ユーザーは両方を検査できますが、許可されたアイデンティティ・プロバイダのグループ・マッピングのみを表示(読取り)できます:
追加ポリシーの例: allow group OCISecStripeAdmin to inspect identity-providers in tenancy