計算テンプレートの使用
データ分析ツールには、ビジネス・インテリジェンス・アプリケーションで一般的に必要とされるあらゆる計算用のテンプレートが用意されています。
次の各トピックでは、ツールで計算テンプレートとして利用できる計算の種類について説明します。
- 累積集計
累積計算では、1番目の期間から始まり現在のメンバーまでを計算するか、または最後の期間から始まり現在のメンバーにさかのぼって計算します。 - 前期間および将来の期間
データ分析ツールには、前回または将来の期間に関する計算をいくつか用意されています。 - 期間累計
現在までの期間を求める関数は、現在の期間まである一連の期間(親が同じ物)に対して計算を行います。 - 平行期間
平行期間とは、現在の期間とレベルは同じであるが、前の期間の親が異なる期間のことです。たとえば、四半期レベルおよび月レベルで、現在の売上を前年の売上と比較する場合に使用します。 - 移動集計
移動集計は、現在の期間の前後の期間にわたって実行されます。 - 共有
共有を使用すると、現在のディメンション・メンバーのメジャーの値を、同じディメンションの関連メンバーの値に対する比率を計算できます。 - ランク
ランクは、選択したメジャーの値に基づいてディメンションの値をソートします。ランク計算を定義するときは、ディメンション、階層およびメジャーを選択します。
親トピック: データ分析ツール
累積集計
累積計算では、1番目の期間から現在のメンバーまでを計算するか、または最後の期間から現在のメンバーにさかのぼって計算をします。
このツールには、累積計算に関する集計方法がいくつか用意されています:
-
累積平均: 対象期間の累積平均を計算します。
-
累積最大: 対象期間の最大値を計算します。
-
累積最小: 期間全体の最小値を計算します。
-
累積合計: 対象期間の累計を計算します。
メジャー、時間ディメンション、階層を選択します。時間範囲の選択については、『Oracle OLAPユーザーズ・ガイド』の期間の範囲の選択に関する項を参照してください。
累積計算の例
次のテンプレートは、累積最小を使用して計算済メジャーを定義します。
Cumulative minimum of SALES in the TIME dimension and TIME.CALENDAR hierarchy within ancestor at level TIME.CALENDAR_YEAR. Total from beginning to current member.
この計算済メジャーに対する問合せの結果には、暦年2021年の子孫の値が表示されます。四半期の最小値はQ1-21で始まり、Q4-21で終わります。月はJan-21で始まり、Dec-21で終わります。
TIME TIME_LEVEL SALES MIN_SALES -------- -------------------- ---------- ---------- Q1.21 CALENDAR_QUARTER 32977874 32977874 Q2.21 CALENDAR_QUARTER 35797921 32977874 Q3.21 CALENDAR_QUARTER 33526203 32977874 Q4.21 CALENDAR_QUARTER 41988687 32977874 JAN-21 MONTH 11477898 11477898 FEB-21 MONTH 10982016 10982016 MAR-21 MONTH 10517960 10517960 APR-21 MONTH 11032057 10517960 MAY-21 MONTH 11432616 10517960 JUN-21 MONTH 13333248 10517960 JUL-21 MONTH 12070352 10517960 AUG-21 MONTH 11108893 10517960 SEP-21 MONTH 10346958 10346958 OCT-21 MONTH 14358605 10346958 NOV-21 MONTH 12757560 10346958 DEC-21 MONTH 14872522 10346958
親トピック: 計算テンプレートの使用
前回および将来の期間
データ分析ツールには、前回または将来の期間に関する計算がいくつか用意されています。
前または将来の期間に使用される計算を次に示します。
-
前回の期間: 前の期間のメジャーの値を戻します。
-
前期間との相違: 現在の期間の値と前の期間の間の差異を計算します。
-
前期間との相違率: 現在の期間の値と前の期間の値の相違率を計算します。
-
将来期間: 後の期間のメジャーの値を戻します。
-
将来期間との相違: 現在の期間の値と後の期間の間の差異を計算します。
-
将来期間との相違率: 現在の期間の値と後の期間の値と相違率を計算します。
前の期間または将来期間の計算を作成するときは、メジャー、時間ディメンション、階層、および現在の期間からいくつ前(または後)の期間かを選択します。
前の期間の例
次のテンプレートは、前回の期間を使用して計算済メジャーを定義します。
Prior period for measure SALES in TIME dimension and TIME.CALENDAR hierarchy 1 period ago.
この計算済メジャーに対する問合せの結果は次のとおりです。PRIOR_PERIOD
列に、Calendar階層の同じレベルで1つ前の期間におけるSalesの値が示されます。
TIME TIME_LEVEL SALES PRIOR_PERIOD -------- -------------------- ---------- ------------ 2020 CALENDAR_YEAR 136986572 144290686 2021 CALENDAR_YEAR 140138317 136986572 Q1.20 CALENDAR_QUARTER 31381338 41988687 Q2.20 CALENDAR_QUARTER 37642741 31381338 Q3.20 CALENDAR_QUARTER 32617249 37642741 Q4.20 CALENDAR_QUARTER 35345244 32617249 Q1.21 CALENDAR_QUARTER 36154815 35345244 Q2.21 CALENDAR_QUARTER 36815657 36154815 Q3.21 CALENDAR_QUARTER 32318935 36815657 Q4.21 CALENDAR_QUARTER 34848911 32318935
親トピック: 計算テンプレートの使用
現在までの期間
現在までの期間を求める関数は、現在の期間に至る一連の期間(親が同じもの)に対して計算を行います。
現在までの期間を計算する関数には次のものがあります。
-
現在までの期間: 現在の期間までの値を計算します。
-
前期間前の期間: 前の期間までのデータ値を計算します。
-
前期間前の期間間の相違: 現在の時間までのデータ値と前期間からのデータ値の差を計算します。
-
前期間からの期間間の相違率: 現在の時間までのデータ値と前期間からのデータ値の相違率を計算します。
現在までの期間の計算を作成するときは、次の集計方法のいずれかを選択します。
-
合計
-
平均
-
最大
-
最小
その他に、メジャー、時間ディメンション、階層も選択します。
現在までの期間の例
次のテンプレートは、現在までの期間を使用して計算済メジャーを定義します。
Gregorian Year to date for SALES in the TIME dimension and TIME.CALENDAR hierarchy. Aggregate using MINIMUM from the beginning of the period.
この計算済メジャーに対する問合せの結果は次のとおりです。MIN_TO_DATE
列に、該当のレベルおよび年の中で最小のSALES
の値が表示されます。
TIME TIME_LEVEL SALES MIN_TO_DATE -------- -------------------- ---------- ----------- Q1.21 CALENDAR_QUARTER 36154815 36154815 Q2.21 CALENDAR_QUARTER 36815657 36154815 Q3.21 CALENDAR_QUARTER 32318935 32318935 Q4.21 CALENDAR_QUARTER 34848911 32318935 JAN-21 MONTH 13119235 13119235 FEB-21 MONTH 11441738 11441738 MAR-21 MONTH 11593842 11441738 APR-21 MONTH 11356940 11356940 MAY-21 MONTH 13820218 11356940 JUN-21 MONTH 11638499 11356940 JUL-21 MONTH 9417316 9417316 AUG-21 MONTH 11596052 9417316 SEP-21 MONTH 11305567 9417316 OCT-21 MONTH 11780401 9417316 NOV-21 MONTH 10653184 9417316 DEC-21 MONTH 12415325 9417316
親トピック: 計算テンプレートの使用
平行期間
平行期間とは、現在の期間とレベルは同じであるが、前の期間における親が異なる期間のことです。たとえば、四半期レベルおよび月レベルで、現在の売上を前年の売上と比較する場合に使用します。
データ分析ツールには、平行期間に関する関数がいくつか用意されています:
-
平行期間: 平行期間の値を計算します。
-
平行期間との相違: 現在の期間の値と平行期間の間の値の差を計算します、
-
平行期間との相違率: 現在の期間の値と平行期間の間の値の相違率を計算します、
平行期間を指定するときは、特定のレベルと、現在の期間からいくつ前の期間かを指定します。また、2つの期間が厳密に一致しない場合(たとえば、2月(28日間)と1月(31日間)の1日の売上を比較する場合など)の処理を決めることもできます。
その他に、メジャー、時間ディメンション、階層も選択します。
平行期間の例
次のテンプレートは、平行期間を使用して計算済メジャーを定義します。
Parallel period for SALES in the TIME dimension and TIME.CALENDAR hierarchy 1 TIME.CALENDAR.QUARTER ago based on position from beginning to ending of period.
この計算済メジャーに対する問合せの結果では、次のように2つの四半期の各月が表示されます。平行関係にある月は、前の四半期と位置が同じ月です。JUL-21
の前回の期間はAPR-21
、AUG-21
の前回の期間はMAY-21
、SEP-21
の前回の期間はJUN-21
となります。
TIME PARENT SALES LAST_QTR -------- ---------- ---------- ---------- APR-21 CY2006.Q2 11356940 13119235 MAY-21 CY2006.Q2 13820218 11441738 JUN-21 CY2006.Q2 11638499 11593842 JUL-21 CY2006.Q3 9417316 11356940 AUG-21 CY2006.Q3 11596052 13820218 SEP-21 CY2006.Q3 11305567 11638499
親トピック: 計算テンプレートの使用
移動集計
移動集計は、現在の期間の前後の期間にわたって実行されます。
データ分析ツールには、移動集計に関する集計方法がいくつか用意されています:
-
移動平均: 特定の数の期間におけるメジャーの平均値を計算します。
-
移動最大: 特定の数の期間におけるメジャーの最大値を計算します。
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移動最小: 特定の数の期間におけるメジャーの最小値を計算します。
-
移動合計: 特定の数の期間におけるメジャーの合計値を戻します。
メジャー、時間ディメンション、階層を選択します。また、範囲(『Oracle OLAPユーザーズ・ガイド』の期間の範囲の選択に関する項を参照)と、計算に含める現在の期間の前後の期間数を選択できます。
移動集計の例
次のテンプレートは、移動最小を使用して計算済メジャーを定義します。
Moving minimum of SALES in the TIME dimension and TIME.CALENDAR hierarchy. Include 1 preceding and 1 following members within level.
この計算済メジャーに対する問合せの結果には、暦年2021年の子孫の値が表示されます。それぞれの最小売上の値は、現在の値とその直前および直後の値の中で最も小さい値です。この計算は、キューブ内のレベルのすべてのメンバーに対して実行されています。
TIME TIME_LEVEL SALES MIN_SALES -------- -------------------- ---------- ---------- Q1.21 CALENDAR_QUARTER 32977874 32977874 Q2.21 CALENDAR_QUARTER 35797921 32977874 Q3.21 CALENDAR_QUARTER 33526203 33526203 Q4.21 CALENDAR_QUARTER 41988687 31381338 JAN-21 MONTH 11477898 10982016 FEB-21 MONTH 10982016 10517960 MAR-21 MONTH 10517960 10517960 APR-21 MONTH 11032057 10517960 MAY-21 MONTH 11432616 11032057 JUN-21 MONTH 13333248 11432616 JUL-21 MONTH 12070352 11108893 AUG-21 MONTH 11108893 10346958 SEP-21 MONTH 10346958 10346958 OCT-21 MONTH 14358605 10346958 NOV-21 MONTH 12757560 12757560 DEC-21 MONTH 14872522 12093518
親トピック: 計算テンプレートの使用
共有
シェアを使用すると、現在のディメンション・メンバーのメジャーの値を、同じディメンションの関連メンバーの値と比較した割合を計算できます。
関連メンバーとして次のいずれかを選択できます。
-
階層の最上位: 合計に対して各メンバーの比率を計算します。
-
メンバーの親: それぞれの親に対する各メンバーの比率を計算します。
-
レベルのメンバーの祖先: それぞれの祖先(階層内の特定の上位レベルのメンバー)に対する各メンバー比率を計算します。
シェア計算を作成するときは、メジャー、ディメンションおよび階層を選択します。また、結果に100を掛けることにより、比率をパーセンテージで表すようにすることもできます。
シェアの例
次のテンプレートは、SHARE
を使用して計算済メジャーを定義します。
Share of measure SALES in PRODUCT.PRIMARY hierarchy of the PRODUCT dimension as a ratio of top of hierarchy.
この計算済メジャーに対する問合せの結果は次のとおりです。TOTAL_SHARE
列に、選択した製品の合計に対する比率がパーセント単位で表示されます。
PRODUCT PROD_LEVEL SALES TOTAL_SHARE -------------------- --------------- ---------- ----------- Total Product TOTAL 144290686 100 Hardware CLASS 130145388 90 Desktop PCs FAMILY 78770152 55 Portable PCs FAMILY 19066575 13 CD/DVD FAMILY 16559860 11 Software/Other CLASS 14145298 10 Accessories FAMILY 6475353 4 Operating Systems FAMILY 5738775 4 Memory FAMILY 5430466 4 Modems/Fax FAMILY 5844185 4 Monitors FAMILY 4474150 3 Documentation FAMILY 1931170 1
親トピック: 計算テンプレートの使用
ランク
ランクでは、選択したメジャーの値に基づいてディメンションの値をソートします。ランク計算を定義するときは、ディメンション、階層およびメジャーを選択します。
同一値を処理するメソッドを選択できます。
-
ランク: 同じ値には同じランクを割り当てるため、メンバーよりもランク数が少なくなることがあります。たとえば、5つのディメンション・メンバーに対して1、
1
、2
、3
、3
、4
が返されることがあります。 -
稠密ランク: 同一の値に同じ最小順位を割り当てます。たとえば、5つのディメンション・メンバーに対して1、
1
、2
、3
、3
、5
が返されることがあります。 -
平均ランク: 同じ値に同じ平均ランクを割り当てます。たとえば、5つのディメンション・メンバーに対して1、
1
、2
、3.5
、3.5
、5
が返されることがあります。
ディメンション・メンバーを順位付けするグループを選択することもできます。
-
メンバーのレベル: 同じレベルのメンバーを順位付けします。
-
メンバーの親: 同じ親を持つメンバーを順位付けします。
-
レベルのメンバーの祖先: 階層内の特定の上位レベルに同じ祖先を持つメンバーを順位付けします。
ランクの例
次のテンプレートは、ランクを使用して計算済メジャーを定義します。
Rank members of the PRODUCT dimension and PRODUCT.PRIMARY hierarchy based on measure SALES. Calculate rank using RANK method with member's parent in order lowest to highest. Rank NA (null) values nulls last.
この計算済メジャーに対する問合せの結果は、次のように製品がRANK
で順位付けられた形で表示されます。
PRODUCT SALES RANK -------------------- ---------- ---------- Monitors 4474150 1 Memory 5430466 2 Modems/Fax 5844185 3 CD/DVD 16559860 4 Portable PCs 19066575 5 Desktop PCs 78770152 6
親トピック: 計算テンプレートの使用