既存のOracle DatabaseのエクスポートとAutonomous Databaseへのインポート
Autonomous Databaseへの移行の最初のステップとして、Oracle Data Pumpを使用して既存のOracle Databaseをエクスポートします。
Oracleでは、Oracle Data Pumpスキーマ・モードを使用してデータベースをAutonomous Databaseに移行することをお薦めします。エクスポートするスキーマは、schemas
パラメータを使用してリストできます。
移行を高速化するには、スキーマを複数のData Pumpファイルにエクスポートして、並列処理を使用します。使用するダンプ・ファイル名のフォーマットは、dumpfile
パラメータを使用して指定できます。parallel
パラメータを、少なくともデータベースにあるCPUの数に設定します。
要件に応じて、compression
などの他のData Pump Exportパラメータを使用できます。Oracle Data Pump Exportの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。
Data PumpのバージョンおよびCREDENTIAL
パラメータを含めるかどうかに応じて、Data Pumpを使用してデータをエクスポートする2つのオプションがあります。
- ローカル・データベース・ファイルへの既存のOracle Databaseのエクスポート(資格証明パラメータなしでエクスポート)
Oracle Data Pumpを使用して、既存のOracle Databaseをエクスポートし、Autonomous Databaseに移行する最初のステップとして、オプションのディレクトリ・オブジェクトおよびファイル名をdirectory-object-name:file-name
形式で指定します。 - クラウド・オブジェクト・ストレージへの既存のOracle Databaseの直接エクスポート(資格証明パラメータを使用したエクスポート)
Autonomous Databaseへの移行の最初のステップとして、Oracle Data Pumpを使用して既存のOracle Databaseをクラウド・オブジェクト・ストレージに直接エクスポートします。
既存のOracle Databaseのローカル・データベース・ファイルへのエクスポート(資格証明パラメータなしでエクスポート)
Oracle Data Pumpを使用して既存のOracle Databaseをエクスポートし、Autonomous Databaseに移行する最初のステップとして、オプションのディレクトリ・オブジェクトおよびファイル名をdirectory-object-name:file-name
形式で指定します。
Oracleでは、Autonomous Databaseへの移行を迅速かつ容易にするために、次のData Pumpパラメータを使用することをお薦めします。
exclude=cluster,indextype,db_link parallel=n schemas=schema_name dumpfile=export%l.dmp
exclude
パラメータは、これらのオブジェクト型がエクスポートされないようにします。
encryption_pwd_prompt=yes
に設定すると、Oracle Data Pumpエクスポートによって、ダンプ・ファイルを暗号化するための暗号化パスワードの入力を求められます。
次の例では、16個のCPUを持つデータベースに移行するために、ソースOracle DatabaseからSHスキーマをエクスポートします。
expdp sh/sh@orcl \ exclude=cluster,indextype,db_link \ parallel=16 \ schemas=sh \ dumpfile=export%l.dmp \ encryption_pwd_prompt=yes
ダンプ・ファイルを作成したら、ダンプ・ファイルをクラウド・オブジェクト・ストレージにアップロードします。たとえば、DBMS_CLOUD.PUT_OBJECT
を使用してダンプファイルをアップロードします。
詳細は、PUT_OBJECTプロシージャに関する項を参照してください。
Data Pumpパラメータに関するノート:
-
expdp
を使用したエクスポート中にencryption_pwd_prompt=yes
パラメータを使用する場合は、インポートでencryption_pwd_prompt=yes
も使用し、impdp
プロンプトで同じパスワードを入力してダンプ・ファイルを暗号化します(エクスポートで指定したパスワードを覚えておいてください)。暗号化パスワードの最大長は128バイトです。 -
dumpfile
パラメータでは、レガシーの%U
および%u
ワイルドカードに加えて、%L
および%l
ワイルドカードがサポートされています。たとえば、dumpfile=export%L.dmp
です。Oracle Databaseリリース12.2以降からのエクスポートには、%L
または%l
ワイルドカードを使用します。このワイルドカードは、ダンプファイルファイル名を3桁から10桁の可変幅増分整数に拡張し、100から2147483646で終わります。リリース12.2より前のOracle Databaseからのエクスポートには、レガシーの
%U
または%u
ワイルドカードを使用します。このオプションを使用し、99を超えるダンプ・ファイルが必要な場合は、複数のダンプ・ファイル名をそれぞれ%U
または%u
パラメータで指定する必要があります。
既存のOracle Databaseのクラウド・オブジェクト・ストレージへの直接エクスポート(資格証明パラメータを使用したエクスポート)
Autonomous Databaseに移行する最初のステップとして、Oracle Data Pumpを使用して既存のOracle DatabaseをCloud Object Storageに直接エクスポートします。
このオプションは、Oracle Data Pump Export 19.9以上のバージョンでサポートされています。
Oracleでは、Autonomous Databaseへの移行を迅速かつ容易にするために、次のData Pumpパラメータを使用することをお薦めします。
exclude=cluster,indextype,db_link parallel=n schemas=schema_name dumpfile=https://objectstorage.example.com/schema_name.dmp credential=credential_name
exclude
パラメータは、これらのオブジェクト型がエクスポートされないようにします。
次の例では、16個のCPUを持つデータベースに移行するために、ソースOracle DatabaseからSHスキーマをエクスポートします。
expdp sh/sh@orcl \ exclude=cluster,indextype,db_link \ parallel=16 \ schemas=sh \ dumpfile=https://objectstorage.example.com/%l.dmp \ credential=sales-dept
Data Pumpパラメータに関するノート:
-
expdp
を使用したエクスポート中にencryption_pwd_prompt=yes
パラメータを使用する場合は、インポートでencryption_pwd_prompt=yes
も使用し、impdp
プロンプトで同じパスワードを入力してダンプ・ファイルを暗号化します(エクスポートで指定したパスワードを覚えておいてください)。暗号化パスワードの最大長は128バイトです。 -
dumpfile
パラメータでは、レガシーの%U
および%u
ワイルドカードに加えて、%L
および%l
ワイルドカードがサポートされています。たとえば、dumpfile=export%L.dmp
です。Oracle Databaseリリース12.2以降からのエクスポートには、%L
または%l
ワイルドカードを使用します。このワイルドカードは、ダンプファイルファイル名を3桁から10桁の可変幅増分整数に拡張し、100から2147483646で終わります。リリース12.2より前のOracle Databaseからのエクスポートには、レガシーの
%U
または%u
ワイルドカードを使用します。このオプションを使用し、99を超えるダンプ・ファイルが必要な場合は、複数のダンプ・ファイル名をそれぞれ%U
または%u
パラメータで指定する必要があります。 -
Data Pump Exportでは、
dumpfile
パラメータにOracle Cloud Infrastructure Object Storageの事前認証済URL (PAR URL)を使用することはサポートされていません。 -
credential
パラメータには、サポートされている次の資格証明タイプのいずれかを指定できます。-
Data Pumpエクスポートは、Oracle Cloud Infrastructure認証トークン・ベースの資格証明およびOracle Cloud Infrastructure署名キー・ベースの資格証明をサポートしています。
-
Data Pumpエクスポートでは、
expdp
でのリソース・プリンシパル資格証明の使用がサポートされています。
Oracle Cloud Infrastructure Cloud Object Storageの資格証明タイプの詳細は、CREATE_CREDENTIALプロシージャを参照してください。
-