MySQLサーバーのバージョン

2023年7月現在の新しいMySQLバージョニング・モデルでは、アプリケーションおよび環境のニーズに応じて、イノベーションまたは長期サポート(LTS)/バグ修正の2つのリリース・トラックを柔軟に選択できます。どちらのリリース・トラックも本番レベルの品質で、HeatWaveサービスでサポートされます。

サポートされるMySQLサーバーのバージョン

MySQLサーバーのバージョンは、イノベーション・トラックとLTS/バグ修正トラックに分かれています。

イノベーション・トラック

最新の機能や改善点を確認したり、最新のテクノロジを把握したりする場合は、MySQLイノベーション・トラックが最適です。これは、アップグレード・サイクルを早めるために、高度な自動テストと最新の継続的統合技術を搭載した、変化のペースが速い環境で作業する開発者およびデータベース管理者に適しています。たとえば、MySQL 8.1.0は最初のイノベーション・リリースです。MySQLデータベースの最新の機能と改善点に加えて、すべてのバグ修正も必要な場合は、イノベーション・リリース・トラック8.1.x、8.2.x、8.3.xなどを使用してください。

LTS/バグ修正トラック

LTS/バグ修正トラックに含まれているのは必要な修正のみであるため、環境に求められるのが、データベース・ソフトウェアの動作が確立していることである場合に適した選択肢です。機能の削除や追加が行われる可能性があるのは、LTSリリースの最初のバージョン(8.4.0 LTSなど)のみで、同じLTSリリースの後続のバージョン(8.4.1 LTSや8.4.2 LTSなど)では行われません。MySQL 8.0の場合、8.0.34は最初のバグ修正バージョンで、8.0リリースの後続のバージョン(8.0.35や8.0.36など)では、機能の削除や追加は行われません。

MySQL HeatWaveサービスでのバージョンの非推奨および削除ポリシー

古いMySQLバージョンは、HeatWaveサービスで使用できなくなる約3か月前に非推奨とマークされます。非推奨のバージョンが実行されているDBシステムは、使用不可の日付より後の次のメンテナンス・ウィンドウで自動的にアップグレードされます。

HeatWave Serviceは、Generally Available (GA)としてリリースされるとすぐに、新しい MySQL Serverバージョンのサポートを開始します。

お客様には、DBシステムを最新のGAバージョンに定期的に更新することをお薦めします。これは、イノベーション・トラックまたはLTS/バグ修正トラックから実行できます。定期的に更新することで、最新の機能、バグ修正およびセキュリティ・パッチを確実に利用できます。DBシステムのMySQLサーバーのバージョンを更新するには、「DBシステムの編集」を参照してください。

LTS/バグ修正トラックの各MySQLバージョンはGA日付の約1年後に非推奨になり、イノベーション・トラックの各MySQLバージョンはGA日付の約3か月後に非推奨になります。MySQLサーバーの非推奨のバージョンを実行していると、DBシステムの詳細に通知バナーが表示されます。MySQLサーバーのバージョンが非推奨になった場合は、DBシステムの更新とテストを強くお薦めします。

非推奨の日付の約3か月後には、そのMySQLサーバーのバージョンは使用できなくなります。使用できないバージョンを実行し続けているDBシステムは、次のメンテナンス・ウィンドウで自動的にアップグレードされます。

MySQL HeatWaveサービスのバージョン・サポート・スケジュール

MySQLの各バージョンは、一般提供日にリリースされ、使用できなくなる前に非推奨になります。

ノート

年と月のみで示されている日付は暫定的なものであり、確認が取れるとすぐに特定の日付に更新されます。前述の日付は、クラウド・サービスのバージョンに限られたものです。MySQL Community、EnterpriseおよびCGEエディションの詳細は、MySQLリリース・ノートのドキュメントを参照してください。

表5-6 MySQL 8.0 HeatWaveサービスのリリース・スケジュール

バージョン 一般提供(GA)の日付 非推奨の日付 使用不可の日付
8.0.31 2022年10月28日 2023年10月25日 2024年1月16日
8.0.32 2023年2月8日 2024年1月16日 2024年4月16日
8.0.33 2023年4月25日 2024年4月30日 2024年7月
8.0.34 バグ修正 2023年7月25日 2024年7月 2024年10月
8.0.35 バグ修正 2023年10月25日 2024年10月 2025年1月
8.0.36 バグ修正 2024年1月16日 2025年1月 2025年4月
8.0.37 バグ修正 2024年4月30日 2025年4月 2025年7月
8.0.38 バグ修正 2024年7月 2025年7月 2025年10月

表5-7 HeatWaveサービスのMySQL 8.1から8.4リリース・スケジュール

バージョン 一般提供(GA)の日付 非推奨の日付 使用不可の日付
8.1.0 Innovation 2023年7月25日 2023年10月25日 2024年1月16日
8.2.0 Innovation 2023年10月25日 2024年1月16日 2024年4月16日
8.3.0 Innovation 2024年1月16日 2024年4月30日 2024年7月
8.4.0 LTS 2024年4月30日 2025年4月 2025年7月
8.4.1 LTS 2024年7月 2025年7月 2025年10月

MySQLサーバーのバージョンの取得

コンソール、CLIまたはSQLコマンドを使用して、DBシステムのMySQLサーバーのバージョンを取得できます。

DBシステムのMySQLのバージョン番号は、コンソールの「DBシステムの詳細」ページから表示できます。コンソールの使用を参照してください。CLIコマンドを実行してDBシステムの詳細を取得することでも、同じ情報を確認できます。CLIの使用を参照してください。DBシステムのMySQLの完全なバージョン情報を表示する場合は、DBシステムに接続してSQLコマンドを実行する必要があります。

コマンドライン・クライアントの使用

MySQLクライアントやMySQLシェルなどのコマンドライン・クライアントを使用して、MySQLサーバーのバージョンを取得します。

  1. お好みのコマンドライン・クライアントを使用してDBシステムに接続します。
  2. 次のコマンドを実行します:
    SELECT @@version;
次のようなレスポンスが返されます:
 SELECT @@version;
+-----------------+
| @@version       |
+-----------------+
| 8.0.34-u1-cloud |
+-----------------+
1 row in set (0.1687 sec)

8.0.34-u1-cloudが、MySQLサーバーのバージョンです。

  • 1つ目の数字: 8などのメジャー・リリース番号を示します。
  • 2つ目の数字: 0などのマイナー・リリース番号を示します。メジャー番号とマイナー番号の組合せがリリースのシリーズ番号になります。シリーズ番号は、安定した機能セットを示します。
  • 3つ目の数字: 34など、リリース・シリーズ内のパッチ番号を示します。これは、新しいバグ修正がリリースされるたびに大きくなります。
  • u*: HeatWaveサービスに固有の更新番号(u1など)を示します。Oracle Cloud InfrastructureバージョンのMySQL Serverの修正および機能開発は、オンプレミス・バージョンとは別のスケジュールに従って提供されます。
  • cloud: このバージョンのMySQLサーバーは、HeatWaveサービスのみで使用するために構築されたことを示します。