クラウド保護を使用したリカバリ・サービスへのオンプレミス・データベースの追加

クラウド保護フリート・エージェントは、保護されたデータベースを作成するために、オンプレミス・データベースをリカバリ・サービスに登録します。

SQLclで、rcv add databaseコマンドを実行して、データベース・クライアントを自動的に検出し、構成(JSON)ファイルを生成します。構成ファイルには、データベースをリカバリ・サービスに追加するために必要なパラメータが含まれています。次に、構成ファイルとともにrcv add databaseコマンドを再度実行して、データベースをリカバリ・サービスに登録し、保護されたデータベースを作成します。Oracleでは、この自動化された方法に従ってデータベースをリカバリ・サービスに追加することをお薦めします。

もう1つの方法は、すべてのデータベースに(SYSBACKUP権限で)手動で接続し、rcv add databaseコマンドを使用して各データベースを個別に追加する方法です。

ノート:

クラウド保護では、Oracle定義のブロンズ保護ポリシーがすべてのデータベースのデフォルト・ポリシーとして割り当てられます。データベースを追加する前に、構成ファイルでデフォルト・ポリシーを変更できます。

次のステップを使用して、オンプレミス・データベースをリカバリ・サービスに追加します。

  1. Oracleソフトウェア所有者ユーザー(oracle)としてデータベースにログインします。ORACLE_HOME環境変数が設定されていることを確認します。

    この例では、ORACLE_HOME環境変数が、Oracleデータベース・クライアントがインストールされているディレクトリを指しています。

    echo $ORACLE_HOME
    /u01/app/oracle/product/19.0.0.0/dbhome_1
  2. oracleユーザーとしてSQLclを起動します。
    Oracle RAC環境では、最初の計算ノードでのみSQLclを起動します。
    oracle@host$ /opt/oracle/sqlcl/bin/sql /nolog
    SQL>
  3. rcv add databaseコマンドをこれらのoptionsとともに実行して、データベースを自動的に検出して構成ファイルを生成します。
    • -auto_discover
    • -generate_config_only
    • -compartment_id <COMPARTMENT_OCID>
    • -recovery_service_subnets <SUBNET_OCID>
    SQL> rcv add database -auto_discover -generate_config_only -compartment_id <COMPARTMENT_OCID> -recovery_service_subnets <SUBNET_OCID>
    このサンプル出力では、rcv add databaseコマンドによって、保護されたデータベースの作成に必要なコンパートメントIDおよびリカバリ・サービスのサブネットID値を含むadd_database.json構成ファイルが生成されます。Bronzeポリシーはデフォルトの保護ポリシーとして割り当てられます。
    2025-08-15 09:22:16: Created config JSON /u01/app/oracle/rcv/add_database.json
    2025-08-15 09:22:16: You can onboard a database by running 'rcv add database -config /u01/app/oracle/rcv/add_database.json'
    add_database.json構成ファイルのサンプル・コンテンツ。
    
    [
        {
            "dbUniqueName": "DB1",
            "displayName": "DB1",
            "compartmentId": "ocid1.compartment.oc1..aaa...",
            "protectionPolicy": "ocid1.recoveryservicepolicy.region1..aaa...",
            "sbtLibrary": "/u01/app/oracle/product/19.24.0.0/dbhome_2/lib/libra.so",
            "oracleHome": "/u01/app/oracle/product/19.24.0.0/dbhome_2",
            "oracleSid": "DB1",
            "recoveryServiceSubnets": [
                "ocid1.subnet.oc1.phx.aaa..."
            ]
        },
        {
            "dbUniqueName": "DB2",
            "displayName": "DB2",
            "compartmentId": "ocid1.compartment.oc1..aaaaaa...",
            "protectionPolicy": "ocid1.recoveryservicepolicy.region1..aaa...",
            "sbtLibrary": "/u01/app/oracle/product/19.27.0.0/dbhome_1/lib/libra.so",
            "oracleHome": "/u01/app/oracle/product/19.27.0.0/dbhome_1",
            "oracleSid": "DB2",
            "recoveryServiceSubnets": [
                "ocid1.subnet.oc1.phx.aaa..."
            ]
        },
        {
            "dbUniqueName": "DB3",
            "displayName": "DB3",
            "compartmentId": "ocid1.compartment.oc1..aaa...",
            "protectionPolicy": "ocid1.recoveryservicepolicy.region1..aaa...",
            "sbtLibrary": "/u01/app/oracle/product/19.26.0.0/dbhome_3/lib/libra.so",
            "oracleHome": "/u01/app/oracle/product/19.26.0.0/dbhome_3",
            "oracleSid": "DB3",
            "recoveryServiceSubnets": [
                "ocid1.subnet.oc1.phx.aaa..."
            ]
        }
    ]
    SQL>
  4. (オプション)必要に応じて、構成ファイルを編集して、割り当てられた値を変更します。
    edit /u01/app/oracle/rcv/add_database.json
  5. rcv add databaseコマンドを再度実行し、構成ファイルを指定します。
    SQL> rcv add database -config <confgiration file location> 
    この例では、add_database.json構成ファイルのパスを指定します。
    SQL> rcv add database -config /u01/app/oracle/rcv/add_database.json 
    クラウド保護フリート・エージェントは、これらのステップを内部的に実行します:
    • リカバリ・サービスにデータベースを追加するための前提条件を確認します。
    • SYSBACKUPユーザーが存在しない場合は、SYSBACKUPユーザーおよびパスワードを作成します。

      ノート:

      SYSBACKUPユーザーおよびパスワードは、クラウド保護フリート・エージェントがデータベースへの名前付き接続を確立するために必要です。次のコマンドを使用して、SYSBACKUPユーザーとしてデータベースに接続します。

      /opt/oracle/sqlcl/bin/sql -name <DB_UNIQUE_NAME>_rcv_conn

      DB_UNIQUE_NAMEは、データベースのグローバルに一意の名前です。

    • VPCユーザー・アカウントのランダム・パスワードを生成します。RMANリカバリ・カタログへのデータベース・アクセスを認証するには、VPCユーザー資格証明が必要です。
    • リカバリService APIを起動して、保護されたデータベース・リソースを作成します。
    • 保護されたデータベースが「アクティブ」ライフ・サイクル状態になるまで、10分ごとにAPIを起動します。
    • 保護されたデータベース・ネットワーク接続の詳細を抽出し、構成ファイルを更新します。
    • RMANを使用したリカバリ・サービスのリカバリ・アプライアンスへのデータベースの登録
    • Cloud Protectで保護されたデータベースを構成します。
    • Cloud Protectはデータ保護を維持します。
  6. (推奨)「リアルタイム・データ保護」を有効にします。
    1. SQLclを使用して、SYSBACKUP権限を持つユーザーとしてデータベースにログインします。
      oracle@host$ /opt/oracle/sqlcl/bin/sql -name <DB_UNIQUE_NAME>_rcv_conn

      この例では、データベースc1db1に接続します。

      oracle@host$ /opt/oracle/sqlcl/bin/sql -name c1db1_rcv_conn
    2. rcv realtime_redoコマンドを実行します。
      SQL> rcv add realtime_redo
      データベースc1db1のサンプル出力を確認します。
      2025-08-15 10:33:48: Log file: /u01/app/oracle/rcv/dbs/c1db1/log/add_realtime_redo_c1db1.20250815.103348.log
      SQL>
    3. データベースを再起動して、変更を有効にします。