2 Advanced Management Consoleのインストールの計画
「Advanced Management Consoleインストールの計画」では、Advanced Management Consoleのコア・コンポーネント、ソフトウェア要件およびインストール・ステップについて説明します。
インストールを開始する前に、この項で説明しているソフトウェア要件およびAMCの様々なコンポーネントについても確認してください。
Advanced Management Console インストールの計画には、次の項が含まれます。
Advanced Management Consoleの概要
Java Advanced Management Console (AMC)を使用すると、システム管理者は、企業内のデスクトップおよびJavaベースのアプリケーションやソリューションを使用するISVに対してJavaのバージョンの互換性とセキュリティ更新を管理する際に、より細かく簡単に制御を行うことができます。AMCを使用すると、システム管理者は、企業で使用されているJavaアプリケーションおよびJavaランタイム(Java Runtime Environment (JRE)およびJava Development Kit (JDK))をモニターできます。
AMCは、Enterprise Archive (EAR)ファイルとしてパッケージ化されています。このファイルには、AMCサーバー、エージェント、ブラウザベースのユーザー・インタフェースなどのAMCコンポーネントが含まれます。AMCで使用するWebLogic Server、データベースおよびJavaランタイムを用意する必要があります。
図2-1に、AMCのアーキテクチャ、コンポーネント、データ・フローおよびインストール順序を示します。AMCサーバーおよびAMCエージェントのコア・コンポーネント。
図2-1 図2-1 Advanced Management Consoleのコンポーネントとインストール・ステップ
「図2-1 図2-1 Advanced Management Consoleのコンポーネントとインストール・ステップ」の説明
次のトピックで、AMCのコア・コンポーネントとその他の要素について説明します:
Advanced Management Console サーバー
Advanced Management Console サーバーは、MySQLまたはOracleデータベースを使用してその内部データを格納し、Javaセキュリティ・ベースラインをOracleエクストラネットから定期的にダウンロードします。AMCサーバーは、AMCエージェントによって報告された、Windows、macOSおよびLinuxデスクトップ上のJava SEランタイムのJava使用状況トラッキング・レコードを収集します。
図2-1に示すように、AMCサーバーは、Oracle WebLogic Serverにデプロイする必要があるJava Platform, Enterprise Edition (Java EE)アプリケーションです。
Advanced Management Console エージェント
Advanced Management Consoleエージェントはもう1つのコア・コンポーネントであり、Microsoft Windows、LinuxおよびmacOSデスクトップにデプロイされます。
エージェントは、インストールされたJava SEランタイムでJava使用状況トラッカを自動的に有効にします。エージェントは、データ(オペレーティング・システムのファミリ、バージョンおよびインストールされたJava Runtime Environment)をAdvanced Management Consoleサーバーに定期的に報告します。エージェントは、インストールされたJava Runtime Environment (JRE)にデプロイメント・ルール・セットをダウンロードして適用します。
ノート:
適切なOSおよびJavaバージョンが使用されている場合、AMCエージェントのCPU、メモリー、ディスク領域およびネットワーク容量要件は無視できます。
AMCエージェントは、Windows、macOSおよびsystemd
またはupstart
サービス管理フレームワークを含むLinuxディストリビューション上で実行されているデスクトップでサポートされます。サポートされていないディストリビューションの場合は、Java Usage Trackerを手動で構成する必要があります。
管理と監視
Advanced Management Console には、監視および管理用のブラウザベースのユーザー・インタフェースが含まれています。
このインタフェースでは、次の機能が提供されます。
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AMCは、どのJavaアプリケーションがどのJavaバージョンによって起動されたかに関する情報を収集し、アプリケーション互換性インベントリを作成します。使用状況トラッキングは、AMCエージェントを介して自動的に構成することも、構成プロパティを使用して構成することもできます。
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デプロイメント・ルール・セット機能を使用すると、アプレットおよびWeb Startアプリケーションごとに、クライアントにインストールされている様々なバージョンのJavaを使用できます。これは、組織で古いバージョンのJavaを使用する必要がある場合や、様々な理由で多数の異なるJavaバージョンを必要とする場合に便利です。
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システム管理者は、Java Install Customizerツールを使用してMSIを再パッケージ化し、管理対象システムにJavaをインストールする方法を制御できます。
Advanced Management Console コンポーネントのソフトウェアの前提条件とシステム要件
Advanced Management Consoleを設定する前に、システム要件を確認してください。
コンポーネント | 要件 | サポートされているプラットフォーム |
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Advanced Management Console サーバー |
ソフトウェア:
最小ハードウェア構成:
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WebLogic Server 14cおよび12c R2のサポートされる構成については、次を参照してください: Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成 ノート: AMCは、JDK 11以上で実行されているOracle WebLogic Server 14cと互換性がありません。 |
Advanced Management Console データベース |
次のいずれかのデータベース:
120Kデスクトップを管理する専用Oracleサーバーには最低12GBのメモリーが必要で、OracleサーバーがWebLogic Serverと共存する場合は16GBのメモリーが必要です。Oracle Databaseに20GB以上の空き記憶領域があることを確認します。また、データベース内のデータは一定期間にわたって増加し続ける可能性があるため、データベースを定期的にメンテナンスします。 ノート: 次のデータベース・バージョンのサポート終了日は次のとおりです:
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サポートされているプラットフォームのリスト:
次のリンクを参照してください:
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Advanced Management Console エージェント |
サポートされているプラットフォームのリスト:
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Advanced Management Console UI |
次のいずれかのブラウザ:
Advanced Management Console によって起動される、Java Web Startアプリケーションを実行するには、Java Runtime Environment (JRE) 8u131以上が必要となります。最新のJavaセキュリティ更新の使用をお薦めします。64ビットのシステムで32ビットのブラウザを使用する場合、32ビットのJREが必要です。 |
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ノート:
Advanced Management ConsoleデータベースをOracle 12cに、WebLogic ServerをWebLogic Server 12c R2以上にアップグレードすることを検討することをお薦めします。Advanced Management Console はJava Usage Trackerによって取集されたJava使用状況データを使用します。Java Usage Trackerでは、システムでOracle Java Runtime Environmentがどのように使用されているかを追跡し、JREバージョン、ベンダー、実行中のアプリケーションおよびその他の詳細を取得します。また、AMCでは、Java Usage Trackerで取得されていないJavaランタイム(使用されていないランタイムや、Java Usage Tracker機能がないランタイムなど)を検出するためにファイル・スキャンが定期的に実行されます。OpenJDKバイナリは、ファイルのスキャンを通じてAMCによって検出されますが、Java Usage Tracker機能を持たないので、使用状況が関連付けられません。
Java Usage Trackerは、Java 7以降のすべてのリリース、および次の古いJavaリリースで使用できます:
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6u25以降の更新
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5.0u33以降の更新
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1.4.2_35以降の更新
Advanced Management Consoleのインストールおよび構成
Advanced Management Console のインストールと構成のステップは次のとおりです。プロセスの各ステップを完了してから次のステップに進んでください。
Advanced Management Console の最新バージョンへの移行
Advanced Management Consoleの既存のユーザーは、入手可能な最新バージョンのAMCサーバー、データベースおよびエージェントに更新できます。移行プロセスには、手動ステップと自動ステップの両方が含まれています。
「Advanced Management Consoleの移行」では、移行プロセスを説明しています。