2 Java管理サービスに移行する利点
Java管理サービス(JMS)は、Java SE (オンプレミスまたはクラウド)の使用を監視および管理するための、Oracle Cloud Infrastructureプラットフォーム・サービスと統合されたレポートと管理のインフラストラクチャです。
Javaのスチュワードとして、オラクルは専門知識を独自に活用し、企業がJMSを通じてJavaアプリケーションの動作、コンプライアンスおよびパフォーマンスに関する重要なインサイトを獲得できるよう支援します。これらのインサイトを得ることで、システム管理者は次のことを実現できます:
- 企業全体のワークロードの最適化: JMSから得たインサイトを使用して、デスクトップ、サーバーおよびクラウド環境にまたがる様々なJavaデプロイメントのワークロードを最適化します。
- Java SEへの投資の保護: 古くなったJavaインストール、認可されていないアプリケーション、Javaランタイムとアプリケーションの不一致を識別して、Java SEへの投資を保護します。
JMSの詳細は、Java管理サービスに関する項を参照してください。
JMSの追加機能
AMCとJMSは両方ともJava Usage Trackerとエージェントを利用してJavaの使用状況をレポートおよびモニターしますが、JMSが際立っているのは、システム管理者の能力を高める高度な機能が多数用意されていることです。
JMSの管理者は、Oracle Java SE SubscriptionやJava SE Desktop Subscriptionの対象となるデスクトップ、サーバーまたはクラウド・デプロイメントにまたがる様々なデプロイメント・シナリオ、あるいは基礎となるオペレーティング・システムへのアクセス権を付与するOracle Cloud Infrastructureサービスで実行する場合に、JMSの可能性を最大限に引き出すことができます。管理者は次のことを実行できます:
- 高度な使用状況追跡を使用したJavaライブラリのスキャンによる、アプリケーションで使用されるサード・パーティJavaライブラリに関連する潜在的な脆弱性(CVE)の特定とレポート
- パフォーマンス分析からのJVMチューニング推奨事項を使用した、Javaワークロードのパフォーマンスの最適化
- Java移行分析を使用した、Javaアプリケーションを新しいJDKバージョンに移行する作業と実現可能性の評価
- 暗号イベント分析を使用した、Oracle JREおよびJDK暗号ロードマップの変更がアプリケーションに与える影響の評価
- 高度な使用状況追跡を使用したJavaサーバーのスキャンによる、アプリケーション・サーバーでのJavaサービスの使用状況およびデプロイメントの分析
- JDK Flight Recorderの実行によるアプリケーション・インサイトの収集
- Javaランタイム・ライフサイクル管理操作を使用したJavaランタイムのダウンロードおよびインストール
- Javaランタイム・ライフサイクル管理操作を使用したJavaランタイムの削除
- JDK Javaインストール後アクションの構成
JMSによる操作効率の向上
JMSに移行すると、次のような利点があります:
- インフラストラクチャ・メンテナンスが不要: AMCのオンプレミス・デプロイメントとは異なり、JMSはクラウド内でシームレスに動作します。このため、個別のインフラストラクチャ・メンテナンスは不要になり、複雑さと運用時のオーバーヘッドを軽減できます。
- 新しい機能への即時アクセス: クラウド・サービスであるJMSを使用すると、管理者は使用可能になったばかりの新機能にすばやくアクセスできます。このため、新しい機能がリリースされるたびに、それにアクセスするための手動操作を行う必要がなくなります。
- 最小停止時間: JMSに移行すると、アップグレードおよびメンテナンスのアクティビティ中の停止時間が最小限に抑えられます。このように可用性が中断しないことで、ユーザー・エクスペリエンスと運用の継続性が向上します。
- 柔軟性とスケーラビリティ: クラウドベースのJMSには、固有の柔軟性とスケーラビリティが備わっているため、オンプレミス・インフラストラクチャの制約なしで、変化するビジネス・ニーズに適応できます。この弾力性により、最適なリソース使用を実現できます。
- 追加の機能: JMSには、管理者がインサイトを深め、パフォーマンスを最適化し、Javaワークロードをプロアクティブに分析できるようにする高度な機能が用意されています。
- オラクルによる継続的な機能強化: オラクルのJMSに対するコミットメントにより、将来的に追加の機能が導入されます。これによって常に、進化するベスト・プラクティスおよび技術の進歩に環境を適応させることができます。
- 他のOCIサービスの活用: JMSにアップグレードすると、Java管理プラクティスを最適化できるだけでなく、他のOCIサービスの可能性を引き出すこともできます。