3 AMCとJMSの比較分析
Java管理ソリューションのランドスケープを探索する間、Advanced Management Console (AMC)とJava管理サービス(JMS)がどちらも独自のテクノロジを利用した別個の製品であると認識することが不可欠です。この項では、重要なコンポーネントについて、AMCおよびJMS内でのそれぞれの実装と考慮事項を重点的に説明します。
表3-1 AMCとJMSの比較分析
コンポーネント | AMC | JMS |
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ライセンス |
AMCは、Java SE SubscriptionおよびJava SE Advancedの一部として提供されますが、本番での使用には商用ライセンスが必要です。 |
基本的なJMS機能(Java Usage Trackerおよびファイル・スキャンで使用可能なJava検出機能や使用状況追跡機能を含む)は、すべてのJavaユーザーが使用できます。 高度な機能は、Oracle Java SE Universal Subscription、従来のOracle Java SE Subscription、従来のJava SE Desktop Subscriptionの対象となるデスクトップ、サーバーまたはクラウド・デプロイメントで、あるいは基礎となるオペレーティング・システムへのアクセスを許可するOracle Cloud Infrastructureサービスで実行する場合にのみ有効になります。 |
前提条件 |
AMCは、Java Enterprise Edition (Java EE)アプリケーションであり、Enterprise Archive (EAR)ファイルとしてパッケージ化されています。AMCを使用するには、ユーザーはWebLogic ServerとOracleDBまたはMySQLデータベースをメンテナンスする必要があります。 AMCはオンプレミス環境にデプロイされ、管理サーバーおよび管理対象サーバーまたはクラスタで構成されたWebLogicドメインを必要とします。 詳細は、ソフトウェアの前提条件とシステム要件に関する項を参照してください。 |
JMSはネイティブのOracle Cloud Infrastructure (OCI)サービスであり、顧客データ・センターで実行されているOCIインスタンス上のJavaデプロイメントをモニターします。 したがって、JMSの使用を開始するにはOCIを設定する必要があります。関連項目: Java管理サービスのためのOracle Cloud Infrastructureの設定 |
エージェントの配布とインストール |
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OCIのワークロード: エージェントは事前にインストールされており、ユーザーはJMSプラグインを有効にする必要があります。 その他のワークロード: 次のステップに従います:
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エージェントの構成 |
AMC Webユーザー・インタフェースを使用して、エージェント・プロパティを構成できます。エージェントの間隔と、エージェントの更新が開始または再試行される頻度を設定できます。この頻度は、サーバーの負荷やネットワークに影響する可能性があります。 エージェント設定に関する項を参照してください。 |
JMSでは、フリートのエージェント設定を変更できます。管理エージェントはホストをスキャンして、Javaランタイム・インストールを確認し、使用状況をレポートします。 エージェント設定の変更に関する項を参照してください。 |
インスタンスのグループ化 |
AMCを使用すると、エンタープライズ管理者はデスクトップ・グループを定義し、デスクトップ・プロパティに基づいてデスクトップを1つ以上のグループに関連付けることができます。既存のデスクトップ・グループは「デスクトップ」タブでフィルタとして使用できます。 デスクトップ・グループに関する項を参照してください。 |
Java管理サービス(JMS)には、Javaデプロイメントの複数のビューが用意されています。これらのデプロイメントは、JMSによって管理されるフリートにグループ化できます。 フリート管理に関する項を参照してください。 |
レポートの表示 |
Java使用状況レポート: |
JMSは、メトリックや表形式などの様々なビューでデータを提供します。すべてのリソースに対してレポートが使用可能です: |
レポートのエクスポート |
AMCで生成されたJava使用状況レポートのデータを外部ファイルにエクスポートできます。 |
JMSフリート・データをCSVファイルにエクスポートできます。CSVファイルは、選択したオブジェクト・ストレージの場所にアップロードされます。この機能により、分析や、OCIやJMSに直接アクセスできない管理者とのコラボレーションが容易になります。 |
高度な操作 |
AMCは、Java Usage Trackerを使用して、企業で実行されているJavaアプリケーション、その実行に使用されているJREバージョン、および企業内で使用されているブラウザベース・アプレットの数に関する完全な情報を提供します。 |
JMSは、Java Usage Trackerを使用して、メトリック、インストール、Javaランタイムで実行されているアプリケーションや管理対象インスタンスの詳細など、選択したフリートでのJava使用状況に関する完全な情報を提供します。 |
管理対象デスクトップからJavaランタイムをインストール、アンインストールおよび管理できます。 |
JavaランタイムのインストールやJavaランタイムの削除などのライフサイクル管理操作を実行できます。 |
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AMCは、企業内でアクティブになっているJavaテクノロジ、古いJavaバージョンを実行しているコンピュータ、Javaランタイム・バージョンおよびデプロイメント・ルール・セットに関する完全な情報を提供します。また、AMCを使用すると、管理者はデプロイメント・ルール・セットを管理対象コンピュータにプッシュできます。 |
JMSは、特定のフリート内で実行されているJavaランタイム、アプリケーション、管理対象インスタンスおよびJavaサーバーに関する完全な情報を提供します。 |
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Javaランタイム・スキャンは、管理対象コンピュータ上のJavaランタイムを検出するために使用されます。特定のフォルダをJavaランタイム・スキャンおよび追跡に含めたり、除外することができます。 |
ファイル・スキャンは、Java Usage TrackerまたはAttach APIによって取得されないJavaランタイムを検出するために使用されます。JMSのファイル・スキャンによってOpenJDKバイナリが検出されます。 特定のファイル・システム・パスをスキャンに含めたり、除外することができます。 |
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AMCでは、管理者がデプロイメント・ルール・セット(DRS)を作成および編集できます。 |
デプロイメント・ルール・セットの作成 JMSには、デプロイメント・ルール・セットを作成する機能はありません。これらのルール・セットは、署名付きJARファイルに含まれるXMLファイルであり、特殊なツールを必要とせずに作成できます。 |
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AMCでは、管理者はデプロイメント・ルール・セットを配布できるため、デスクトップで実行されているブラウザベースのJavaアプリケーションを管理できます。 |
JMSでは、管理者はDRSファイルをフリートにアップロードできます。ファイルはアップロード前に検証されます。アップロード後は、フリートの管理対象インスタンス部分に配布できます。 |
また、JMSには、企業内のJavaワークロードに関するさらなるインサイトを得るのに役立つ高度な機能が用意されています。「JMSの追加機能」を参照してください。