2 JDK Mission Control

JDK Mission Control (JMC)は、本番時のプロファイリングおよび診断ツールです。わずかなパフォーマンス・オーバーヘッドでJavaアプリケーションをモニターおよび管理するためのツールが含まれています。

JMCのわずかなパフォーマンス・オーバーヘッドは、HotSpot VMとの緊密な統合によるものです。JMCの機能は常にオンデマンドで使用可能で、ツールの実行中にのみわずかなパフォーマンス・オーバーヘッドが発生します。また、このアプローチでは、モニタリング・ツールがシステムの実行特性を変更する場合に発生するオブザーバ効果の問題もなくなります。JMCを使用すると、問題をトラブルシューティングし、根本的な原因とボトルネックを特定できます。このような特性のため、JMCツールは本番環境で実行されるアプリケーションに最適です。

JMCは、次のクライアント・アプリケーションおよびプラグインで構成されます:
  • JVMブラウザには、実行しているJavaアプリケーションとそのJVMが表示されます。
  • JMXコンソールは、JVMをモニターおよび管理するためのメカニズムです。実行中のJVMに接続し、その特性をリアル・タイムで収集して表示し、マネージドBean (MBean)を通じて一部のランタイム・プロパティを変更できます。特定のイベントでトリガーされるルールも作成できます(たとえば、アプリケーションのCPU使用率が90%に達した場合に電子メールを送信するなど)。

  • フライト・レコーダ(JFR)は、実行中のJavaアプリケーションに関する診断およびプロファイリングのデータを収集するツールです。JVMに統合されており、パフォーマンス・オーバーヘッドはわずかなため、本番環境で使用できます。JFRは、実行中のアプリケーションに関する大量のデータを継続的に保存します。このプロファイリング情報には、スレッド・サンプル、ロック・プロファイル、ガベージ・コレクションの詳細などが含まれます。JFRは、論理的にグループ化された表およびチャートに診断情報を示します。これを使用すると、問題に焦点を当てるために必要となる期間および詳細レベルを選択できます。Oracleサポートに連絡する際には、JFRによって収集されたデータが、Javaアプリケーションの問題を診断しやすくするうえで不可欠となる可能性があります。

  • jcmdユーティリティまたは診断コマンドは、診断コマンド・リクエストをJVMに送信する際に使用されます。これらのリクエストは、フライト・レコーダからの記録の管理、JVMおよびJavaアプリケーションのトラブルシューティングと診断に役立ちます。
  • プラグインは、ヒープ・ダンプ分析およびDTrace記録に役立ちます。「プラグインの詳細」を参照してください。JMCプラグインは、Java Management Extensions (JMX)エージェントを使用してJVMに接続します。JMXの詳細は、JMXテクノロジのホーム・ページを参照してください。