Foundation 1.1.2

java.util
クラス HashMap

java.lang.Object
  上位を拡張 java.util.AbstractMap
      上位を拡張 java.util.HashMap
すべての実装されたインタフェース:
Serializable, Cloneable, Map
直系の既知のサブクラス:
LinkedHashMap

public class HashMap
extends AbstractMap
implements Map, Cloneable, Serializable

Map インタフェースのハッシュテーブルに基づく実装です。この実装は、マップに関連するオプションのオペレーションをすべてサポートし、null 値および null キーを使用できます。HashMap クラスは Hashtable と同じとみなしてもかまいませんが、HashMap の方は同期がとられず、null の場合もあります。このクラスはマップの順序を保証しません。特に、その順序を常に一定に保つことを保証しません。

この実装は、ハッシュ関数が複数のバケットで要素を適切に分散させることを想定し、基本オペレーション (get および put) で一定時間の性能を提供します。コレクションビューの繰り返し処理では、HashMap のインスタンスの「容量」(バケット数) とそのサイズ (キーと値のマッピングの数) の合計に比例した時間が必要です。したがって、繰り返し処理の性能が重要な場合は、初期容量をあまり高く (負荷係数をあまり低く) 設定しないことが非常に重要です。

HashMap のインスタンスには、パフォーマンスに影響を及ぼすパラメータが 2 つあります。「初期容量」と「負荷係数」です。「容量」はハッシュテーブルのバケット数であり、初期容量は単純にハッシュテーブルが作成された時点での容量です。「負荷係数」は、ハッシュテーブルの容量が自動的に増加する前にハッシュテーブルがどの程度いっぱいになるかの基準です。ハッシュテーブルのエントリ数が負荷係数と現在の容量との積を超えた場合は、rehash メソッドを呼び出して容量を約 2 倍にすることができます。

ほとんどの場合、デフォルトの負荷係数 (.75) では、時間コストとスペースコストの釣り合いを取ります。この値を大きくすると、スペースのオーバーヘッドが減少しますが、参照コストが増加し、get および put を含む HashMap クラスのほとんどのオペレーションが影響を受けます。初期容量を設定するときは、rehash オペレーションの回数を最小限に抑えるために、マップのエントリ予定数および負荷係数を考慮する必要があります。初期容量が、エントリの最大数を負荷係数で割った値より大きい場合、rehash オペレーションは起こりません。

HashMap のインスタンスに多くのマッピングが格納される場合は、このテーブルの作成時に十分な大きさの容量を設定すると、必要に応じてハッシュを自動的にやり直してテーブルを大きくするよりも、マッピングをより効率的に格納できます。

この実装は同期化されません。複数のスレッドが並行してこのマップにアクセスし、それらのスレッドの少なくとも 1 つが構造的にこのマップを変更する場合には、外部で同期をとる必要があります。構造的な変更とは、1 つ以上のマッピングを追加または削除するオペレーションのことです。すでにインスタンスに格納されているキーに関連付けられた値を変更することは構造的な変更ではありません。通常、構造的な変更は、マップを自然にカプセル化する特定のオブジェクトで同期をとることによって達成されます。この種のオブジェクトがない場合には、Collections.synchronizedMap メソッドを使用してマップを「ラップ」する必要があります。マップへの偶発的な非同期アクセスを防ぐために、作成時に行うのが最適です。

 Map m = Collections.synchronizedMap(new HashMap(...));
 

このクラスの「コレクションビューメソッド」によって返される反復子は「フェイルファスト」です。反復子の作成後に、反復子自体の remove または add メソッド以外の方法でマップが構造的に変更されると、反復子は ConcurrentModificationException をスローします。このように、並行して変更が行われると、反復子は、将来の予測できない時点において予測できない動作が発生する危険を回避するために、ただちにかつ手際よく例外をスローします。

通常、非同期の並行変更がある場合、確かな保証を行うことは不可能なので、反復子のフェイルファストの動作を保証することはできません。フェイルファスト反復子は最善努力原則に基づき、ConcurrentModificationException をスローします。したがって、正確を期すためにこの例外に依存するプログラムを書くことは誤りです。反復子のフェイルファストの動作はバグを検出するためにのみ使用するべきです。

このクラスは、Java Collections Framework のメンバーです。

導入されたバージョン:
1.2
関連項目:
Object.hashCode(), Collection, Map, TreeMap, Hashtable, 直列化された形式

コンストラクタの概要
HashMap()
          デフォルトの初期容量 (16) とデフォルトの負荷係数 (0.75) で空の HashMap を作成します。
HashMap(int initialCapacity)
          指定された初期容量とデフォルトの負荷係数 (0.75) で空の HashMap を作成します。
HashMap(int initialCapacity, float loadFactor)
          指定された初期容量と負荷係数で空の HashMap を作成します。
HashMap(Map m)
          指定された Map と同じマッピングで新規 HashMap を作成します。
 
メソッドの概要
 void clear()
          すべてのマッピングをマップから削除します。
 Object clone()
          HashMap のインスタンスのシャローコピーを返します。
 boolean containsKey(Object key)
          マップが指定のキーのマッピングを保持する場合に true を返します。
 boolean containsValue(Object value)
          マップが 1 つまたは複数のキーと指定された値をマップしている場合に true を返します。
 Set entrySet()
          マップ内に保持されているマッピングのコレクションビューを返します。
 Object get(Object key)
          このアイデンティティーハッシュマップの指定されたキーに対応する値か、このマップにこのキーに対応するマッピングが存在しない場合は null を返します。
 boolean isEmpty()
          マップがキーと値のマッピングを保持しない場合に true を返します。
 Set keySet()
          マップに含まれているキーのセットビューを返します。
 Object put(Object key, Object value)
          指定された値と指定されたキーをこのマップに関連付けます。
 void putAll(Map m)
          指定のマップからすべてのマッピングをマップにコピーします。
 Object remove(Object key)
          キーに対するマッピングがあれば、そのキーをマップから削除します。
 int size()
          マップ内のキー値マッピングの数を返します。
 Collection values()
          マップ内に保持されている値のコレクションビューを返します。
 
クラス java.util.AbstractMap から継承されたメソッド
equals, hashCode, toString
 
クラス java.lang.Object から継承されたメソッド
finalize, getClass, notify, notifyAll, wait, wait, wait
 
インタフェース java.util.Map から継承されたメソッド
equals, hashCode
 

コンストラクタの詳細

HashMap

public HashMap(int initialCapacity,
               float loadFactor)
指定された初期容量と負荷係数で空の HashMap を作成します。

パラメータ:
initialCapacity - 初期容量
loadFactor - 負荷係数
例外:
IllegalArgumentException - 初期容量が負であるか負荷係数が正でない場合

HashMap

public HashMap(int initialCapacity)
指定された初期容量とデフォルトの負荷係数 (0.75) で空の HashMap を作成します。

パラメータ:
initialCapacity - 初期容量
例外:
IllegalArgumentException - 初期容量が負の場合

HashMap

public HashMap()
デフォルトの初期容量 (16) とデフォルトの負荷係数 (0.75) で空の HashMap を作成します。


HashMap

public HashMap(Map m)
指定された Map と同じマッピングで新規 HashMap を作成します。デフォルトの負荷係数 (0.75)、および指定された Map のマッピングを保持するのに十分な初期容量で、HashMap は作成されます。

パラメータ:
m - マッピングがこのマップに配置されるマップ
例外:
NullPointerException - 指定されたマップが null の場合
メソッドの詳細

size

public int size()
マップ内のキー値マッピングの数を返します。

定義:
インタフェース Map 内の size
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の size
戻り値:
マップ内のキー値マッピングの数

isEmpty

public boolean isEmpty()
マップがキーと値のマッピングを保持しない場合に true を返します。

定義:
インタフェース Map 内の isEmpty
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の isEmpty
戻り値:
マップがキーと値のマッピングを保持しない場合は true

get

public Object get(Object key)
このアイデンティティーハッシュマップの指定されたキーに対応する値か、このマップにこのキーに対応するマッピングが存在しない場合は null を返します。戻り値の null は、マップがキーのマッピングを保持していないことを示すとは限りません。つまり、マップが明示的にキーを null にマップすることもあります。containsKey オペレーションを使うと、こうした 2 つの場合を見分けることができます。

定義:
インタフェース Map 内の get
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の get
パラメータ:
key - 関連付けられた値が返されるキー
戻り値:
マップが、指定されたキーにマップしている値。 このキーに対するマッピングがマップにない場合は null
関連項目:
put(Object, Object)

containsKey

public boolean containsKey(Object key)
マップが指定のキーのマッピングを保持する場合に true を返します。

定義:
インタフェース Map 内の containsKey
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の containsKey
パラメータ:
key - マップにあるかどうかが判定されるキー
戻り値:
マップが指定されたキーのマッピングを保持する場合は true

put

public Object put(Object key,
                  Object value)
指定された値と指定されたキーをこのマップに関連付けます。マップが以前にこのキーのマッピングを保持していた場合、古い値が置き換えられます。

定義:
インタフェース Map 内の put
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の put
パラメータ:
key - 指定の値が関連付けられるキー
value - 指定のキーに関連付けられる値
戻り値:
指定されたキーと関連付けられていた以前の値。キーのマッピングがなかった場合は null。戻り値 null は、HashMap が以前に null と指定されたキーを関連付けていたことを示す場合もある

putAll

public void putAll(Map m)
指定のマップからすべてのマッピングをマップにコピーします。これにより、マップが指定のマップ内に現在あるキーのすべてに対して持っていたマッピングが置き換えられます。

定義:
インタフェース Map 内の putAll
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の putAll
パラメータ:
m - マップに格納されるマッピング
例外:
NullPointerException - 指定されたマップが null の場合

remove

public Object remove(Object key)
キーに対するマッピングがあれば、そのキーをマップから削除します。

定義:
インタフェース Map 内の remove
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の remove
パラメータ:
key - マッピングがマップから削除されるキー
戻り値:
指定されたキーと関連付けられていた以前の値。キーのマッピングがなかった場合は null。戻り値 null は、マップが以前に null と指定されたキーを関連付けていたことを示す場合もある

clear

public void clear()
すべてのマッピングをマップから削除します。

定義:
インタフェース Map 内の clear
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の clear

containsValue

public boolean containsValue(Object value)
マップが 1 つまたは複数のキーと指定された値をマップしている場合に true を返します。

定義:
インタフェース Map 内の containsValue
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の containsValue
パラメータ:
value - マップにあるかどうかを判定される値
戻り値:
このマップが 1 つ以上のキーを指定された値にマップしている場合は true

clone

public Object clone()
HashMap のインスタンスのシャローコピーを返します。キーと値は、それ自体は複製されません。

オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の clone
戻り値:
このマップのシャローコピー
関連項目:
Cloneable

keySet

public Set keySet()
マップに含まれているキーのセットビューを返します。セットはマップと連動しているので、マップに対する変更はセットに反映され、また、セットに対する変更はマップに反映されます。セットは要素の削除をサポートしており、対応するマッピングをこのマップから削除できます。削除は、Iterator.removeSet.removeremoveAllretainAll、および clear の各オペレーションを通して行います。Set は、add オペレーションや addAll オペレーションはサポートしていません。

定義:
インタフェース Map 内の keySet
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の keySet
戻り値:
マップに含まれているキーのセットビュー

values

public Collection values()
マップ内に保持されている値のコレクションビューを返します。コレクションはマップと連動しているので、マップに対する変更はコレクションに反映され、またコレクションに対する変更はマップに反映されます。コレクションは要素の削除をサポートしており、対応するマッピングをこのマップから削除できます。削除は、Iterator.removeCollection.removeremoveAllretainAll、および clear の各オペレーションを通して行います。Set は、add オペレーションや addAll オペレーションはサポートしていません。

定義:
インタフェース Map 内の values
オーバーライド:
クラス AbstractMap 内の values
戻り値:
マップ内に保持されている値のコレクションビュー

entrySet

public Set entrySet()
マップ内に保持されているマッピングのコレクションビューを返します。返されるコレクションの各要素は Map.Entry です。コレクションはマップと連動しているので、マップに対する変更はコレクションに反映され、またコレクションに対する変更はマップに反映されます。コレクションは要素の削除をサポートしており、対応するマッピングをマップから削除できます。削除は、Iterator.removeCollection.removeremoveAllretainAll、および clear の各オペレーションを通して行います。Set は、add オペレーションや addAll オペレーションはサポートしていません。

定義:
インタフェース Map 内の entrySet
定義:
クラス AbstractMap 内の entrySet
戻り値:
マップ内に保持されているマッピングのコレクションビュー
関連項目:
Map.Entry

Foundation 1.1.2

バグの報告と機能のリクエスト
さらに詳しい API リファレンスおよび開発者ドキュメントについては、Java SE 開発者用ドキュメントを参照してください。開発者向けの詳細な解説、概念の概要、用語の定義、バグの回避策、およびコード実例が含まれています。

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