JavaTM 2 SDK ツールの変更点

SDK ツール

このドキュメントでは、Java 2 SDK, Standard Edition バージョン 1.3 のツールに対して加えられたいくつかの変更点について説明します。

• javac コンパイラは、Java 2 SDK バージョン 1.3 で完全に再実装されました。SDK の以前のリリースのコンパイラ実装は、oldjavac として現在でも利用できます。新しい javac は、以前の java よりも速度が向上しています。

  接頭辞「-X」が付く非標準のオプションは、現在はサポートされていません。特に -Xdepend オプションは使用できませんので注意してください。

  クラスパスまたはソースパスを検索する際、新しいコンパイラではシンボリックリンクを参照しません。したがってバージョン 1.3 では、クラスパスおよびソースパスに表示されるディレクトリ、およびそのサブディレクトリ内でのシンボリックリンクの使用を避ける必要があります。

  新しい 1.3 コンパイラは、コンパイル中にソースファイルのエラーを検出すると、他の残りのソースファイルの解析を続けて、ほかにもエラーがないかどうか確認します。ただし、その後のコンパイルではコードの生成は完全に抑制され、エラーを含まないコンパイルユニットでもクラスファイルは生成されません。以前の 1.2 のコンパイラでは、エラーを含まないコンパイルユニットではクラスファイルを生成していました。このため、エラーのあるファイルを多く含む大きなプログラムで、コンパイルを繰り返してすべてのエラーを識別および修正する必要がある場合に、余分な作業を減らすことができました。将来、この動作の改善が望まれます。しかし、実質上、新しいコンパイラは全般的に動作速度が向上しており、この問題は相殺されます。

• Win32 プラットフォーム上の Java アプリケーション起動ツール (java.exe) 用に予約されたスタックサイズは、1 MB から 256 KB に削減されました。このように予約されたスタックサイズを削減することにより、メモリ不足によるエラーが起こる前に、以前の 4 倍のスレッドが実行時に同時に存在できます。

• idltojava コンパイラは、新しい idlj コンパイラに置き換えられました。

• Javadoc ツールは、新規 @docRoot タグを認識します。 また、出力を MIF 形式で生成する新規ドックレットが利用可能になっています。いくつかの重要な Javadoc のバグも Javadoc 1.3 では修正されています。詳細は、「Javadoc 1.3 の新機能」 を参照してください。

• Jar ツールには、Jar ファイルのインデックスが作成され、Jar ファイルの内容にすばやく簡単にアクセスすることができます。新機能は、Jar ツールの新規 -i オプションを使って呼び出されます。詳細は、[Win32 | Solaris] 用のページを参照してください。

• jarsigner および keytool ユーティリティは、新たに -provider オプションを保持します。 このオプションは、暗号化サービスプロバイダがセキュリティプロパティファイルにリストされていない場合、サービスプロバイダのマスタークラスファイル名の指定に使用されます。jarsigner [Win32 | Solaris] および keytool [Win32 | Solaris] 用のページを参照してください。Jarsigner は、Netscape により署名された Jar ファイルを検証できるようになりました。

• rmic ツール (Java RMI スタブコンパイラ) は、次の新規オプションをサポートします。
  • -bootclasspath オプションは、ブートストラップクラスファイルの位置をオーバーライドします。
  • -extdirs オプションは、インストールされた拡張機能の位置をオーバーライドします。
  • -idl オプションは、IDL を作成します。
  • -iiop オプションは、IIOP 用のスタブを作成します。
  • -sourcepath オプションは、ユーザソースファイルの位置を指定します。
  rmic は、-d オプションが使用されない場合に、生成先ディレクトリに対して「-d .」が指定されたものとみなします。詳細は、[Win32 | Solaris] 用の rmic ページを参照してください。

• rmid ツール (Java RMI 起動デーモン) は現在、デフォルトでセキュリティポリシーファイルを要求します。詳細は、[ Win32 | Solaris ] 用の rmid ページを参照してください。

• Java 2 SDK バージョン 1.3 には、アプリケーションおよびアプレットを実行するデフォルトの Virtual Machine として、Java HotSpot^TM テクノロジが実装された新規 Java 2 Client Virtual Machine が含まれます。以前のバージョンの SDK の Virtual Machine 実装 (Classic VM) も、Win32 プラットフォーム用の Java 2 SDK に含まれています。Java 2 Runtime Environment や Solaris オペレーティング環境用の Java 2 SDK には、以前のバージョンの SDK の Virtual Machine 実装は含まれません。Win32 SDK では、アプリケーションおよびアプレットの起動時に、-classic オプションを使って Classic VM を呼び出すことができます。次に例を示します。

  java -classic MyApp appletviewer -classic MyApplet.html

  -classic オプションを使用する場合、これをコマンドの最初のオプションとして指定する必要があります。他の SDK ツールを使って Classic VM を呼び出す場合にも、-classic オプションを使用できます。

• Java アプリケーション起動ツールのバージョンに関連したオプションは、このリリースで変更されました。-version オプションを使用すると、次の形式で出力が行われます。

  java version "<java.version>"
  <java.runtime.name> (build <java.runtime.version>)
  <java.vm.name> (build <java.vm.version>, <java.vm.info>)
  

  <java.version> などの山カッコの部分は、指定されたシステムプロパティの値を示します。新規オプション -showversion は、バージョン情報の表示後にも動作が継続するためにアプリケーションの起動時に使用できることを除けば、-version と同様です。

  java -showversion MyApp
  

• javaw アプリケーション起動ツールは、通常、Win32 プラットフォームのアプリケーションを、java アプリケーション起動ツールのようにコンソールウィンドウを表示することなく、起動します。javaw 起動ツールは修正され、アプリケーションが起動に失敗するとエラーメッセージ付きのウィンドウが表示されるようになりました。これまで、javaw はアプリケーションの起動失敗時にエラーダイアログボックスを表示しなかったため、問題の原因を特定するのが困難でした。

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