4 LinuxプラットフォームでのJDKのインストール

このトピックでは、LinuxプラットフォームでのJDKのインストール手順とシステム要件について説明します。

Linuxプラットフォームでのアーカイブ・ファイルからのJDKのインストールに関する一般的なノート

このトピックでは、LinuxプラットフォームにJDK 11をインストールする場合の一般的な情報を提供します。

JDKをインストールすると、jdk–feature.interim.update.patchという名前のディレクトリが自動的に作成されますここで、feature (11)、interim、updateおよびpatchは、対応するバージョン情報の値を表します。

ルート・アクセス権

JDKを特定の場所(/optなど)にインストールする場合は、ルート資格証明でログインして必要な権限を取得する必要があります。ルート・アクセス権がない場合、ホーム・ディレクトリまたは書込み権限のあるサブ・ディレクトリに、JDKをインストールします。

ファイルの上書き

ソフトウェアをインストールするディレクトリにjdk–11.interim.update.patchという名前のサブ・ディレクトリがある場合、新しいソフトウェアによって、そのディレクトリにある同じ名前のファイルが上書きされます。保持しておきたいファイルがある場合は、古いディレクトリの名前を変更します。

システム・プリファレンス

アーカイブ・ファイルからのJDKのインストールでは、JavaプリファレンスAPI (java.util.prefs Javaパッケージ)のシステム・ノードのバッキング・ストアは構成されません。JDKのこの機能が必要な場合は、/etc/.java/.systemPrefsディレクトリまたはjdk–11.interim.update.patch/.systemPrefsディレクトリが存在するようにして、手動で構成する必要があります。

LinuxプラットフォームでのRPMパッケージからのJDKのインストールに関する一般的なノート

このトピックでは、LinuxプラットフォームにRPMパッケージからJDK 11をインストールする場合の一般的な情報を提供します。

同じ機能リリースのJDKバージョンは1つのみインストールできます。古いバージョンが存在している間に、同じ機能リリースの新しいバージョンをインストールしようとすると、インストーラによって古いバージョンがアンインストールされ、新しいバージョンがインストールされます。たとえば、jdk-11jdk-11.0.1を同時にインストールすることはできません。jdk-11のインストール後にjdk-11.0.1をインストールしようとすると、インストーラによってjdk-11がアンインストールされ、jdk-11.0.1がインストールされます。

同じ機能リリースのすべてのバージョンのJDKが、/usr/lib/jvm/jdk-11-oracle-<ARCH>ディレクトリにインストールされます。ここで、<ARCH>x64またはaarch64です。さらに、インストール・ディレクトリを指すシンボリック・リンク/usr/java/jdk-11が下位互換性のために作成されます。

ノート:

同じ機能ファミリの新しいバージョンがすでに存在しているときに古いバージョンのJDKをインストールすると、エラーが表示され、古いバージョンをインストールする必要があれば新しいJDKバージョンをアンインストールするように求められます。

ルート・アクセス権

JDKをインストールまたは更新するには、ルート資格証明でログインする必要があります。

システム・プリファレンス

デフォルトでは、インストール・スクリプトによって、JavaプリファレンスAPI (java.util.prefs Javaパッケージ)のシステム・ノードのバッキング・ストアが/etc/.java/.systemPrefsディレクトリに構成されるように、システムが構成されます。

システムの統合

JDKインストールはalternativesフレームワークに統合されます。インストール後、alternativesフレームワークが更新され、最近インストールしたJDKのバイナリが反映されます。javajavacjavadocjavapなどのJavaコマンドをコマンド行から呼び出すことができます。

java -versionコマンドを使用して、デフォルトの(最近インストールされた)JDKバージョンを確認できます。

さらに、javaファイルを提供する特定のRPMパッケージを確認することもできます:
$ rpm -q --whatprovides java

LinuxプラットフォームにJDKをインストールする場合のシステム要件

サポートされているプラットフォーム、オペレーティング・システムおよびブラウザの詳細は、Oracle JDKの動作保証済システム構成を参照してください。

Linuxでのアーカイブ・ファイル、Debianパッケージ、RPMパッケージおよびOracle LinuxリポジトリからのJDKのインストール

アーカイブ・ファイル、Debianパッケージ、ダウンロード可能なRed Hat Package Manager (RPM)パッケージ・ファイル、またはOracle Linux (OL)リポジトリのRPMパッケージから、LinuxプラットフォームにJDKをインストールできます。

次のいずれかの手順を使用してインストールを実行できます。

  • アーカイブ・ファイルから(.tar.gz): この方法では、他のJDKインストールに影響を与えることなく、現在のユーザーのJDKのプライベート・バージョンを任意の場所にインストールできます。ただし、一部の機能を使用できるようにするため手動のステップが必要になることがあります。アーカイブ・ファイルを使用してJDKのダウンロードとインストールを実施する場合に使用できるオプションについては、次の表を参照してください。バンドルは、Linux x64およびLinux aarch64 (64ビットARM)システムで使用できます。必要なバンドルをインストールします。

  • Debianパッケージ(.deb)から: この方法では、DebianベースのLinuxプラットフォームで、システム全体のJDKインストールを実行できます。ルート・アクセスが必要です。
  • ダウンロード可能なRPMパッケージ (.rpm)から: この方法では、RPMベースのLinuxプラットフォームで、すべてのユーザーのためにシステム全体のJDKインストールを実行できます。ルート・アクセスが必要です。Linux x64およびLinux aarch64 (64ビットARM) RPMパッケージを使用してJDKのダウンロードとインストールを実施する場合に使用できるオプションについては、次の表を参照してください。

  • Oracle Linuxリポジトリから: この方法では、OL7以降のOLプラットフォームで、すべてのユーザーに対してシステム全体のJDKインストールを実行できます。ルート・アクセスが必要です。Oracle Linux RPMリポジトリのJDK RPMパッケージは、x64およびaarch64 (64-bit ARM) OLプラットフォームに対応しています。JDK RPMパッケージの明示的なダウンロードは必要ありません。パッケージ・マネージャによって自動的に行われます。

汎用LinuxプラットフォームとOracle LinuxプラットフォームのJDK RPMパッケージは違います。次の表に違いを示します。

表4-1 汎用LinuxプラットフォームとOLプラットフォームの違い

機能 汎用Linuxプラットフォーム用のダウンロード可能なJDK RPMパッケージ Oracle Linuxプラットフォーム用のJDK RPMパッケージ
サポートされているLinuxプラットフォーム RPMベースのLinuxプラットフォーム。たとえば、Red Hat、SuSE OL7以降のOLプラットフォーム
パッケージ名 JDKイメージは、jdk-11という名前の1つのパッケージにパックされています

JDKイメージは、JDK-11-headlessJDK-11-headfulという2つのパッケージに分かれています。

  • jdk-11-headlessは、GUI以外のアプリケーションを実行するためのヘッドレスJavaランタイムです。
  • jdk-11-headfulは、すべてのタイプのアプリケーションを開発および実行するためのヘッドフルJavaランタイムおよび開発ツールです。

jdk-11-headfulパッケージにはjdk-11-headlessパッケージが必要です。これらのパッケージを一緒にインストールすると、汎用Linuxプラットフォーム用のjdk-11パッケージと同じ機能が提供されます。

インストール・ディレクトリ名 /usr/lib/jvm/jdk-11-oracle-<ARCH> /usr/lib/jvm/jdk-11-oracle-<ARCH>
Java SEダウンロードからダウンロードできるかどうか 不可。このパッケージはOracle Linux RPMリポジトリでホストされています。
代替フレームワークとの統合 jdk-11パッケージは、javaおよびjavacグループを代替フレームワークに登録します。

jdk-11-headlessパッケージは、javaグループを代替フレームワークに登録します。

jdk-11-headfulパッケージは、javacグループを代替フレームワークに登録します。

必要なサード・パーティ・パッケージが自動的にインストールされるか いいえ。必要なパッケージは手動でインストールする必要があります。 はい。必要なすべてのパッケージが自動的にインストールされます。

JDKインストーラのダウンロード

Java SEダウンロード・ページにアクセスし、「ライセンス契約に同意する」をクリックします。「ダウンロード」メニューで、要件に対応する「ダウンロード」リンクをクリックします。

次の表は、LinuxプラットフォームでのJDK 11リリースのダウンロードおよびインストールのオプションおよび手順を示しています。

ダウンロード・ファイル 手順 アーキテクチャ(CPUタイプ) インストールを実行できるユーザー
Linux x64システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-x64.tar.gz Linuxプラットフォームでの64ビットJDK のインストール Intel - 64ビット すべてのユーザー
Linux aarch64 (64ビットARM)システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-aarch64.tar.gz Linuxプラットフォームでの64ビットJDK のインストール ARM - 64ビット すべてのユーザー
Linux x64システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-x64.deb DebianベースのLinuxプラットフォームでの64ビットJDKパッケージのインストール Intel - 64ビットRPMベースのLinux Root
Linux x64システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-x64.rpm RPMベースのLinuxプラットフォームでの64ビットJDKのインストール Intel - 64ビットRPMベースのLinux Root
Linux aarch64 (64ビットARM) システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-aarch64.rpm RPMベースのLinuxプラットフォームでの64ビットJDKのインストール ARM - 64ビットRPMベースのLinux Root

Linuxプラットフォームでの64ビットJDK のインストール

64ビットLinux用のJDKをアーカーブ・ファイル(.tar.gz)からインストールできます。.tar.gzアーカイブ・ファイル(tarボールとも呼ばれる)は、1ステップで解凍し展開できるファイルです。

Linuxプラットフォームに64ビットJDKをインストールするには:
  1. 必要なファイルをダウンロードします:
    • Linux x64システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-x64_bin.tar.gzたとえば、jdk-11_linux-x64_bin.tar.gz
    • Linux aarch64 (64ビットARM)システム: jdk-11.interim.update.patch_linux-aarch64_bin.tar.gzたとえば、jdk-11_linux-aarch64_bin.tar.gz

    ファイルをダウンロードする前に、ライセンス契約に同意する必要があります。アーカイブ・ファイルは、(rootユーザーだけでなく)誰もが、書込みアクセス権を持つ任意の場所にインストールできます。

  2. JDKをインストールする場所にディレクトリを変更し、.tar.gzアーカイブ・ファイルを現在のディレクトリに移動します。
  3. tarボールを解凍し、ダウンロードしたJDKをインストールします:

    $ tar zxvf jdk-11_linux-x64_bin.tar.gz

    または

    $ tar zxvf jdk-11_linux-aarch64_bin.tar.gz

    Java Development Kitファイルは、jdk-11.interim.update.patchという名前のディレクトリにインストールされます。

  4. ディスク領域を節約する場合は、.tar.gzファイルを削除します。

DebianベースのLinuxプラットフォームでの64ビットJDKパッケージのインストール

(.deb)ファイルから64ビットLinux用のJDK Debianパッケージをインストールできます。

Linuxプラットフォームに64ビットJDK Debianパッケージをインストールするには:
  1. 必要なファイルをダウンロードします:
    jdk-11.interim.update.patch_linux-x64_bin.deb。たとえば、jdk-11_linux-x64_bin.deb

    ファイルをダウンロードする前に、ライセンス契約に同意する必要があります。アーカイブ・ファイルは、(rootユーザーだけでなく)誰もが、書込みアクセス権を持つ任意の場所にインストールできます。

  2. 次のコマンドを使用して、パッケージをインストールします。

    $ sudo dpkg -i jdk-11_linux-x64_bin.deb

    Java Development Kitファイルは、/usr/lib/jvm/jdk-<FEATURE>-oracle-<ARCH>ディレクトリにインストールされます。たとえば、x64用のJDK 11リリースは/usr/lib/jvm/jdk-11-oracle-x64ディレクトリにインストールされます。

  3. ディスク領域を節約する場合は、.debファイルを削除します。

RPMベースのLinuxプラットフォームでの64ビットJDKのインストール

システムの場所にあるダウンロード可能なRPMパッケージ・ファイル(.rpm)を使用して、Red HatやSuSEなどの64ビットRPMベースのLinuxプラットフォームにJDKをインストールできます。

ノート:

OLシステムにもダウンロード可能なRPMパッケージを使用してJDKをインストールできますが、OLシステムにJDKをインストールする推奨の方法はOracle Linux RPMリポジトリの使用です。
rootユーザー・アクセス権があることを確認します。これを行うには、コマンドsuを実行し、スーパーユーザー・パスワードを入力します。
RPMベースのLinuxプラットフォームに64ビットJDKをインストールするには:
  1. 必要なファイルをダウンロードします:
    • x64システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-x64_bin.rpmたとえば、jdk-11_linux-x64_bin.rpm
    • aarch64 (64ビットARM)システムの場合: jdk-11.interim.update.patch_linux-aarch64_bin.rpmたとえば、jdk-11_linux-aarch64_bin.rpm

    ファイルをダウンロードする前に、ライセンス契約に同意する必要があります。

  2. 次のコマンドを使用して、必要なパッケージをインストールします:

    $ sudo rpm -ivh jdk-11_linux-x64_bin.rpm

    または

    $ sudo rpm -ivh jdk-11_linux-aarch64_bin.rpm

    次のコマンドを使用して、必要なパッケージをアップグレードします。

    $ sudo rpm -Uvh jdk-11_linux-x64_bin.rpm

    または

    $ sudo rpm -Uvh jdk-11_linux-aarch64_bin.rpm

    ノート:

    JDK 11は、JDKの他の機能リリースと共存できます。機能リリースごとに別のディレクトリが作成されます。デフォルト・ディレクトリは/usr/lib/jvm/jdk-<FEATURE>-oracle-<ARCH>です。たとえば、x64用のJDK 11リリースは/usr/lib/jvm/jdk-11-oracle-x64ディレクトリにインストールされます。
  3. ディスク領域を節約する場合は、.rpmファイルを削除します。
    再起動は不要です。

Oracle Linuxプラットフォームでの64ビットJDKのインストール

OL固有のJDK RPMパッケージにはjdk-11-headlessjdk-11-headfulの2つがあります。これらのパッケージが一緒にインストールされると、完全なJDK機能が提供されます。

GUI以外のアプリケーションを実行するためのヘッドレスJavaランタイムのみが必要な場合には、jdk-11-headlessパッケージをインストールします。

Javaアプリケーションの実行や開発のために完全なJDK機能が必要な場合には、jdk-11-headfulパッケージをインストールします。

ノート:

jdk-11-headfulパッケージはjdk-11-headlessに依存します。このため、jdk-11-headfulパッケージをインストールすると、jdk-11-headlessがまだインストールされていない場合は自動的にインストールされます。
Oracle Linuxプラットフォームに64ビットJDKヘッドレスをインストールするには、dnfまたはyumコマンドを使用します:

sudo dnf install jdk-11-headless

または

sudo yum install jdk-11-headless

Oracle Linuxプラットフォームに64ビットJDKヘッドフルをインストールするには、次のコマンドを使用します:

sudo dnf install jdk-11-headful

または

sudo yum install jdk-11-headful