Java Platform, Standard Editionトラブルシューティング・ガイド
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ポストモーテム診断ツール

表2-2に、ポストモーテム診断用に設計されたオプションおよびツールの要約を示します。アプリケーションがクラッシュした場合、これらのオプションやツールを使って、クラッシュ発生時、またはあとでクラッシュ・ダンプからの情報を使って追加情報を取得できます。

表2-2 ポストモーテム診断ツール

ツールまたはオプション 説明および使用方法

致命的エラー・ログ

回復不能(致命的)なエラーが発生すると、エラー・ログが作成されます。このファイルには、致命的エラーの発生時に取得された情報が多数含まれています。これは多くの場合、クラッシュ発生時に最初に調べるべき項目です。付録Aを参照してください。

-XX:+HeapDumpOnOutOfMemoryErrorオプション

このコマンド行オプションは、VMでネイティブのメモリー不足エラーが検出された際にヒープ・ダンプを生成することを指定します。「-XX:HeapDumpOnOutOfMemoryErrorオプション」を参照してください。

-XX:OnErrorオプション

このコマンド行オプションは、致命的エラーの発生時にユーザー指定の一連のスクリプトまたはコマンドを実行することを指定します。たとえばWindowsの場合、このオプションでクラッシュ・ダンプを強制するコマンドを実行できます。ポストモーテム・デバッガが構成されていないシステムでは、このオプションが非常に役立ちます。「-XX:OnErrorオプション」を参照してください。

-XX:+ShowMessageBoxOnErrorオプション

このコマンド行オプションは、致命的エラーの発生時にプロセスを中断します。このオプションはユーザーの応答に応じて、ネイティブ・デバッガ(dbxgdbmsdev)を起動してVMに接続できます。「-XX:ShowMessageBoxOnErrorオプション」を参照してください。

その他の-XXオプション

トラブルシューティングに役立つ-XXコマンド行オプションは、ほかにもいくつかあります。「その他の-XX Optionsオプション」を参照してください。

Java VisualVM

(Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムでのみ使用されるポストモーテム)

このユーティリティは、コア・ダンプの可読表示をヒープ・ダンプやスレッド・ダンプの形式で、および概要情報(JVM引数、システム・プロパティなど)として提供することで、コア・ダンプを分析できます。「Java VisualVM」を参照してください。

jdbユーティリティ

デバッガ・サポートには、jdbなどのJava言語デバッガがコア・ファイルに接続することを許可する、AttachingConnectorが含まれています。これは、各スレッドがクラッシュ時に何をしていたのかを理解しようとする際に役立つ可能性があります。「jdbユーティリティ」を参照してください。

jhatユーティリティ

このユーティリティは、ヒープ・ダンプ内のオブジェクト・トポロジを参照するための便利な手段を提供します。「jhatユーティリティ」を参照してください。

jinfoユーティリティ

(Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムでのみ使用されるポストモーテム)

このユーティリティは、クラッシュから取得されたコア・ファイル、またはgcoreユーティリティを使って取得されたコア・ファイルから、構成情報を取得できます。「jinfoユーティリティ」を参照してください。

jmapユーティリティ

(Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムでのみ使用されるポストモーテム)

このユーティリティは、クラッシュから取得されたコア・ファイルから、またはgcoreユーティリティを使用して取得されたコア・ファイルから、ヒープ・ヒストグラムなどのメモリー・マップ情報を取得できます。「jmapユーティリティ」を参照してください。

jsadebugdデーモン

(Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムのみ)

Serviceability Agent Debug Daemon (jsadebugd)は、Javaプロセスまたはコア・ファイルに接続し、デバッグ・サーバーとして動作します。「jsadebugdデーモン」を参照してください。

jstackユーティリティ

このユーティリティは、JavaプロセスからJavaおよびネイティブ・スタックの情報を取得できます。Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムでは、コア・ファイルまたはリモート・デバッグ・サーバーからも情報を取得できます。「jstackユーティリティ」を参照してください。

ネイティブ・ツール

各オペレーティング・システムには、ポストモーテム診断に使用可能なネイティブ・ツールおよびユーティリティがあります。「オペレーティング・システムのネイティブ・ツール」を参照してください。


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