jjsコマンド行ツールは、Nashornエンジンを起動する場合に使用します。
形式
jjs [options] script-files [-- arguments]
optionsこれは、jjsコマンドの1つ以上のオプションを空白で区切ったものです。「jjsコマンドのオプション」を参照してください。
script-filesこれは、Nashornエンジンを使用して解析する1つ以上のスクリプト・ファイルを空白で区切ったものです。ファイルを指定しない場合は、対話型シェルが起動されます。
arguments二重ハイフンのマーカー(--)の後ろにある値はすべて、引数としてスクリプトまたは対話型シェルに渡されます。これらの値には、argumentsプロパティを使用することでアクセスできます。
説明
jjsコマンド行ツールは、Nashornエンジンを起動するために使用されます。このツールを使用すると、1つまたは複数のスクリプト・ファイルを解析したり、対話型シェルを実行したりできます。
jjsコマンドのオプション
jjsコマンドのオプションによって、Nashornエンジンでスクリプトが解析される条件が制御されます。
-Dname=valueプロパティ名に値を割り当てることで、スクリプトに渡されるシステム・プロパティを設定します。次の例は、Nashornエンジンを対話型モードで起動し、myKeyという名前のプロパティにmyValueを割り当てる方法を示しています。
>> jjs -DmyKey=myValue
jjs> java.lang.System.getProperty("myKey")
myValue
jjs>
このオプションを繰り返すと、複数のプロパティを設定できます。
--add-modules modulesrootユーザーJavaモジュールを指定します。
-cp pathまたは-classpath path サポートするクラス・ファイルへのパスを指定します。複数のパスを設定するには、このオプションを繰り返すか、または各パスを次の文字で区切ります。
Oracle Solaris、LinuxおよびOS X: コロン(:)
Windows: セミコロン(;)
-doe=[true|false] or  -dump-on-error=[true|false]エラーが発生したときに完全なスタック・トレースを提供します。デフォルトでは、簡単なエラー・メッセージのみが出力されます。デフォルト・パラメータはfalseです。
-fv=[true|false]  or -fullversion=[true|false]完全なNashornバージョン文字列を出力します。デフォルト・パラメータはfalseです。
-fx=[true|false] スクリプトをJavaFXアプリケーションとして起動します。デフォルト・パラメータはfalseです。
-h または-helpオプションとその説明のリストを出力します。
--language=[es5|es6]ECMAScript言語バージョンを指定します。デフォルトのバージョンはES5です。
--module-path pathユーザーJavaモジュールの検索場所を指定します。
-ot=[true|false]または-optimistic-types=[true|false]再コンパイルの最適化を解除してオプティミスティック・タイプ仮定を有効または無効にします。これにより、コンパイラは、コンパイル時にタイプが証明できないプログラム・シンボルに対して、可能なかぎり狭くプリミティブにタイプ付けしようとします。シンボルのタイプが狭すぎるためにランタイムでエラーが発生した場合は、安定したステージに達するまでより広いメソッドが生成されます。これは、可能なかぎり最適なJavaバイトコードが生成される一方で、誤ったタイプ推測によってウォームアップが長くなります。現在、オプティミスティック・タイプ付けはデフォルトで有効になっていますが、起動時のパフォーマンスを向上させるために無効にすることができます。デフォルト・パラメータはtrueです。
-scripting=[true|false]シェルのスクリプト機能を有効にします。デフォルト・パラメータはtrueです。
-strict=[true|false]一般的なコーディング・エラーを簡単に検出できるように、より厳しく標準(ECMAScript Edition 5.1)に準拠させる厳密モードを有効にします。デフォルト・パラメータはfalseです。
-t=zoneまたは-timezone=zoneスクリプトの実行用に指定したタイムゾーンを設定します。OSに設定され、Dateオブジェクトで使用されているタイムゾーンはオーバーライドされます。デフォルトのゾーンはAmerica/Los_Angelesです。
-v=[true|false]または-version=[true|false]Nashornバージョン文字列を出力します。デフォルト・パラメータはfalseです。
Nashornを使用してスクリプトを実行する例
jjs script.js
Nashornを対話型モードで実行する例
>> jjs jjs> println("Hello, World!") Hello, World! jjs> quit() >>
Nashornに引数を渡す例
>> jjs -- a b c jjs> arguments.join(", ") a, b, c jjs>