サブジェクト領域と列は分析の構築ブロックです。
サブジェクト領域には、組織のビジネス分野に関する情報や組織のユーザーのグループを表すフォルダ、メジャー列、属性列、階層列および階層レベルが含まれます。サブジェクト領域には、通常、サブジェクト領域に含まれる情報の種類に対応する名前(マーケティング契約、サービス・リクエスト、注文など)が付けられています。
サブジェクト領域は、Oracle BIメタデータ・リポジトリのプレゼンテーション・レイヤーに相当します。リポジトリで、サブジェクト領域は、プレゼンテーション・レイヤーの最上位のオブジェクトで、分析の作成や編集時にエンド・ユーザーに表示されるデータのビューを表します。
関連サブジェクト領域は、分析内のプライマリ・サブジェクト領域に接続されている外部データ・ソースです。
メタデータ・リポジトリの設計や構築の担当者(ビジネス・インテリジェンス・ストラテジスト、メタデータ・プロバイダ、ETL開発者など)が、Oracle BI管理ツールを使用してサブジェクト領域を作成します。通常、企業のデータに対して1つの大きなサブジェクト領域を作成するのではなく、比較的小さい複数のサブジェクト領域を作成します。これによって、特定のユーザーのグループまたは企業の特定の部署に、最も重要なデータを1つの小規模なサブジェクト領域で提供し、同じビジネス・モデル・レイヤーから作成された1つ以上の関連サブジェクト領域で、より重要度の低いデータを提供できます。このような小規模なサブジェクト領域を持つことによって、ユーザーは、必要なデータを簡単に見つけることができます。これによって、データの保守も簡単になります。詳細は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイドのサブジェクト領域の作成を参照してください。
注意:
メタデータ・リポジトリを設計および作成するユーザーは、サブジェクト領域、フォルダ(およびその子)、または列(属性と階層の両方)を非表示にするように指定できます。非表示のサブジェクト領域、フォルダまたは列は、「サブジェクト領域」ペインには表示されませんが、分析や保存済フィルタ・コンテンツなど、他の部分には表示されます。(他の場所では引き続きオブジェクトが表示されるので、この方法でサブジェクト領域、フォルダまたは列を非表示にしても、セキュリティやアクセス制御に対する解決策にはなりません。)後で非表示になるサブジェクト領域、フォルダまたは列が既存の分析の基準に含まれている場合、分析には引き続きアクセスできますが、分析エディタ: 「基準」タブの「サブジェクト領域」ペインには、サブジェクト領域、フォルダまたは列が表示されなくなります。
列には、分析によって返された個々のデータが含まれています。列には、通常、列に含まれる情報のタイプを示す名前(アカウント、連絡先など)が付けられています。列とフィルタや選択ステップとの組合せによって、分析に含まれるデータが決まります。
分析、フィルタまたはダッシュボード・プロンプトを作成する場合、使用するサブジェクト領域をまず選択します。これはプライマリ・サブジェクト領域と呼ばれ、「サブジェクト領域」ペインに表示されます。作業時、データがさらに必要になった場合、選択したプライマリ・サブジェクト領域に関連したサブジェクト領域を追加できます。(関連サブジェクト領域は、プライマリ・サブジェクト領域で使用可能な場合、およびアクセス権を持つ場合にのみ追加できます。)
注意:
分析に独自のデータを追加することもできます。詳細は、分析への外部データの追加を参照してください。通常、単一のサブジェクト領域を問い合せる場合、そのサブジェクト領域で公開されているすべてのメジャー列は、同じサブジェクト領域で公開されているすべての属性列および階層列と互換性があります。ただし、複数のサブジェクト領域の列を結合する場合は、メジャー列と属性列および階層列の互換性のない組合せを含めていないことを確認する必要があります。
たとえば、あるサブジェクト領域のメジャー列は、プロジェクト属性列と関連付けられていない場合があります。別のサブジェクト領域のプロジェクト属性列と関連付けられているメジャー列が、プロジェクトと関連付けられていない列とともに分析に追加された場合は、問合せに失敗して結果が返されないか、BIサーバー・エラー「リクエストされた詳細レベルXXXXにはファクト表が存在しません。」が発生する可能性があります。
分析からデータが返されるようにするには、分析に含める列を1つ以上選択する必要があります。
サブジェクト領域には、次のタイプの列が含まれています:
属性列 - メンバーとも呼ばれる値のフラット・リストが含まれています。これらのメンバー間に、階層列のメンバーのような階層関係はありません。属性列は、以前のリリース(11gより前)では、プレゼンテーション列と呼ばれていました。
製品IDや市などがこの例です。
階層列 - 名前付きレベルと親子関係の両方を使用して編成されたデータ値が含まれています。この列は、ツリーのような構造を使用して表示されます。個々のメンバーは略示されます。階層を使用して下位のデータにドリルし、詳細な情報を表示できます。時間や地域などがこの例です。この図は、「サブジェクト領域」ペインで展開された時間フォルダ、時間階層および会計期間階層を示します。
階層列には、次の種類があります:
レベル・ベースの階層 - 複数のレベルが順序付けられたセットです。たとえば、時間階層には、年、四半期および月の3つのレベルがあります。レベル・ベースの階層には、親子関係も含まれます。
親子階層 - 階層が親子関係で定義される値で構成され、名前付きレベルは含まれません。たとえば、従業員階層にはレベルがありませんが、かわりに他の従業員によって管理される従業員の名前が含まれます。従業員には、副社長などの役職があります。副社長が他の副社長の監督下にあったり、異なる副社長が階層内の異なる深さにあることもあります。
レベル・ベースと親子以外に、階層列は次のいずれかの場合があります:
不規則 - すべての最下位レベルのメンバーの階層が同じ深さでない階層。たとえば、時間階層の場合、現在の月には日レベルのデータがあり、前月には月レベルの、過去5年間には四半期レベルのデータがあります。この種の階層は、非バランス型階層とも呼ばれます。
レベルのスキップ - 特定のメンバーが特定の上位レベルの値を持たない階層。たとえば、米国で、コロンビア特別区のワシントン市は州に属していません。州がなくても、国レベル(米国)からワシントン以下にユーザーが移動できることが期待されます。
メジャー列 - データ値の単純なリストが含まれています。これはOracle BI EEリポジトリ内(通常、ファクト表内)の列であり、レコードに応じて変わり、任意の方法で合計したり集計できます。収益や売上数量などがこの例です。
このガイド全体を通して、列という用語は、単独では3つのタイプすべてを指します。必要な場合は、列の特定のタイプの名前が含まれます。