原典情報: $ORACLE_HOME/md/doc/README.txt
目次
Oracle Spatialのインストール手順については、次のマニュアルを参照してください。
『Oracle Spatialユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』
SYSTEM AS SYSDBAとして接続し、MDSYSユーザーを作成します。
$ORACLE_HOME/md/admin/mdprivs.sqlファイルを実行します。
SYSTEM AS SYSDBAとして接続し、catmd.sqlスクリプトを実行します。このスクリプトは$ORACLE_HOME/md/adminにあります。
これにより、Oracle Spatial製品がインストールされます。
Oracle Spatial 11gリリース2(11.2)には次の新機能があります。
Spatial Web Feature Service(WFS)またはCatalog Services for the Web(CSW)のサポートを使用する場合、および1つ以上のSYS.XMLTABLEINDEX索引を使用して索引付けされた以前のリリースからのデータがある場合、アップグレードする前に関連する索引を削除して、アップグレード後にそれらを再作成する必要があります。
詳細は、A.2項を参照してください。
新しいSpatialの集計関数
次の新しいspatial集計関数が追加されました(spatial集計関数については第20章に説明があります)。
* SDO_AGGR_SET_UNION
次の新しいサブプログラムがSDO_GEOMパッケージに追加されました。これについては、第24章に説明があります。
* SDO_GEOM.SDO_ALPHA_SHAPE
* SDO_GEOM.SDO_CONCAVEHULL
* SDO_GEOM.SDO_CONCAVEHULL_BOUNDARY
* SDO_GEOM.SDO_TRIANGULATE
次の新しいサブプログラムがSDO_UTILパッケージに追加されました。これについては、第32章に説明があります。
* SDO_UTIL.INTERIOR_POINT
* SDO_UTIL.FROM_KMLGEOMETRY
* SDO_UTIL.TO_KMLGEOMETRY
次の新しいサブプログラムがSDO_WFS_LOCKパッケージに追加されました。これについては、第33章に説明があります。
* SDO_WFS_LOCK.EnableDBTxns
FIRST_ROWSオプティマイザ・ヒントを指定した際にパフォーマンスが向上するようにSDO_NN_DISTANCE補助演算子が変更されました。FIRST_ROWSヒントを使用した例については、第19章のSDO_NN_DISTANCEリファレンスに関する項を参照してください。
Oracle SpatialアプリケーションによるGoogle Mapsのサポートが強化されました。SDO_CS.TRANSFORM関数またはSDO_CS.TRANSFORM_LAYERプロシージャによってUSE_SPHERICALというユースケース名を指定して、Spatialで投影に楕円数学ではなく、(Google Mapsで使用される)球面数学を使用できるようになりました。詳細は、Google Mapsの考慮事項に関する項を参照してください。
WFSトランザクション(WFS-T)によって、データベース・トランザクションとOracle Workspace Managerワークスペースのメンテナンス操作を同じセッションで実行できます。
以前のリリースでは、つ以上のワークスペースからのWFSクエリーのみがサポートされていました。Workspace ManagerとWFSの使用方法の詳細は、15.5項を参照してください。
SDO_UTIL.INITIALIZE_INDEXES_FOR_TTSプロシージャ(第32章を参照)の場合は、spatial索引を含むトランスポータブル表領域がエンディアン形式のプラットフォーム全体(ビッグ・エンディアンからリトル・エンディアン、またはリトル・エンディアンからビッグ・エンディアン)でサポートされるようになりました。これらは、以前のリリースではサポートされていませんでした。
1,048,576より大きい縦座標のジオメトリをサポートする必要がある場合、新しいスクリプトを利用できます。ただし、このスクリプトを使用するには、多くの追加作業とデータベースのダウンタイム、およびいくつかの考慮事項と制限があります。詳細は、A.3項を参照してください。
Oracle Database Release 11.2からは、SDO_UTIL.PREPARE_FOR_TTSプロシージャは非推奨になりました。トランスポータブル表領域のエクスポート操作を実行する前に、このプロシージャを呼び出す必要はありません。
この項では、Oracle Database 11gリリース2(11.2)のOracle Spatial GeoRasterの新機能および変更点について説明します。
GeoRasterにはJava APIが含まれています。これは、Oracle SpatialのGeoRaster機能とともに使用可能な機能をサポートする、インタフェースおよびクラスから構成されています。詳細は、1.13項を参照してください。
グラウンド制御ポイント(GCP)を使用して、GeoRasterオブジェクトを地理参照することができます。この機能のサポートには、いくつかの新しいデータ型とPL/SQLサブプログラム、一部の既存の型およびサブプログラムへの機能拡張が含まれます。詳細は、次を参照してください。
* GCPを使用した地理参照に関する項
* SDO_GEOR_SRSオブジェクト型(すべてのGCP関連情報を含む)に関する項
* SDO_GEOR_GCPオブジェクト型に関する項
* SDO_GEOR_GCP_ COLLECTIONコレクション型に関する項
* SDO_GEOR_GCPGEOREFTYPEオブジェクト型に関する項
* SDO_GEOR.deleteControlPointプロシージャ
* SDO_GEOR地理参照(GCPを使用するための新しい関数形式)
* SDO_GEOR.getControlPoint function
* SDO_GEOR.getGCPGeorefMethod関数
* SDO_GEOR.getGCPGeorefModel関数
* SDO_GEOR.getSRS関数(GCP関連情報を含む)
* SDO_GEOR.setControlPointプロシージャ
* SDO_GEOR.setGCPGeorefMethodプロシージャ
* SDO_GEOR.setGCPGeorefModelプロシージャ
* SDO_GEOR.setSRSプロシージャ(GCP関連情報を含む)
* 付録A「GeoRasterメタデータXMLスキーマ」(新しいGCP関連情報を含む)
新しいSDO_GEOR.reprojectを使用して、GeoRasterオブジェクトを異なるOracle Spatial座標系に再投影できます(第4章に説明があります)。
ブロックされているラスター・データの場合、新しいOPTIMALPADDINGキーワードを指定して、ユーザー指定のストレージ・パラメータのblockSize値を自動的に最適な値に調整し、空白埋込みを減らすことができます。詳細は、1.4.1項の表1-1「ラスター・データの storageParamキーワード」にあるblockingおよびblockSizeキーワードの説明を参照してください。
また、新しいSDO_GEOR_UTL.calcOptimizedBlockSizeプロシージャ(第6章を参照)を使用して、GeoRasterオブジェクト記憶域での空白埋込みの使用が少ない最適なblockSize値を計算し、その結果をstorageParamパラメータを持つサブプログラムで適用することもできます。
新しいSDO_GEOR.evaluateDouble関数(第4章を参照)は、指定された補完方法を使用することで、隣接するセルの値に基づいて直接の場所を評価し、その場所に指定されたバンドまたはレイヤーのラスター値(倍精度の数値)を返します。
SDO_GEOR.getRasterSubsetプロシージャおよびSDO_GEOR.subsetプロシージャ(第4章を参照)が強化されました。以前のリリースでは、クエリー・ポリゴンのMBR(長方形)のみが使用されていました。(不規則な)ポリゴン境界に沿って、クエリーの結果をクリップできるようになりました。
新しいSDO_GEOR.setModelCoordLocationプロシージャ(第4章を参照)では、セル座標系を中央から左上、または左上から中央に変更することができます。これは、地理参照されているGeoRasterオブジェクトのみに適用されます。GeoRaster SRSの関数の調整係数に変更を反映する(セル座標とモデル座標間の関係が変わらないようにする)ために自動調整されます。
SDO_GEOR.getCellValue関数(第4章を参照)が、指定された場所の複数のレイヤーまたはバンドのセル値を返すように機能拡張されました。以前のリリースでは、指定されたレイヤーまたはバンドの1つのセル値のみが返されていました。
SDO_GEOR.getGeoreferenceType関数(第4章を参照)は、本書の以前のリリースでの記載の他に、地理参照型の値として5(三次多項式)、6(二次有理多項式)または7(二次多項式)を返すことができます。