Oracle Enterprise Service Busフローは、Oracle JDeveloper ESB Designerのツールを使用して作成できます。 Oracle JDeveloper ESB Designerツールが提供する視覚的なアプローチによって、アプリケーション開発が簡素化され、コーディング作業が大幅に軽減されます。
Oracle Enterprise Service Busフローを作成するための基本ステップは、次のとおりです。
Oracle JDeveloper ESB DesignerのアプリケーションとESBプロジェクトを作成します。 第6.3項「Oracle Enterprise Service Busプロジェクトの作成」を参照してください。
ESBシステムとオプションのサービス・グループを作成します。 第6.4項「Oracle Enterprise Service Busシステムまたはサービス・グループの作成」を参照してください。
インバウンドおよびアウトバウンド・サービスを作成するか、外部サービスを起動します。 第6.7項「Oracle Enterprise Service BusへのSOAPサービスの追加」および第6.8項「Oracle Enterprise Service Busへのアダプタ・サービスの追加」を参照してください。
ルーティング・サービスを作成し、ルーティング・ルールを構成します。 第6.9項「Oracle Enterprise Service Busへのルーティング・サービスの追加」および第6.10項「ルーティング・ルールの指定」を参照してください。
ESBプロジェクトのサービスをESBサーバーに登録します。 第6.12項「ESBサーバーへのESBプロジェクトおよびサービスの登録」を参照してください。
Oracle Enterprise Service Busフローの作成を開始するには、アプリケーションとESBプロジェクトを作成する必要があります。 アプリケーションには1つ以上のプロジェクトが格納されます。 ESBプロジェクトは関連するファイルの集まりです。たとえば、単一のOracle Enterprise Service Busフロー内にあるすべてのOracle Enterprise Service Busシステム、サービスおよびそれらに関連するファイルの集まりです。
ESBシステムとサービス・グループは、Oracle Enterprise Service Busフローのサービスを編成する単位です。
Oracle Enterprise Service Busフローは、Oracle JDeveloperのコンポーネント・パレットから「設計」タブにサービスをドラッグ・アンド・ドロップすることで作成します。 これらのサービスには、アダプタ、SOAPおよびルーティングの各サービスがあります。
メッセージ・インスタンス・フローは、非同期実行または同期実行として指定できます。 同期実行では、非同期実行とは異なり、リクエストに対して即時にレスポンスが提供されます。 詳細は、第6.10.4項「同期または非同期実行の指定方法」を参照してください。
図6-1は、Oracle JDeveloper ESB DesignerにおけるESBシステムの「設計」タブの例です。システムのサービス・アイコンが表示されています。
Oracle JDeveloper ESB Designerを使用したOracle Enterprise Service Busフローの開発方法の詳細は、『Oracle Enterprise Service Bus開発者ガイド』の「Enterprise Service Busの開発」を参照してください。
ESBプロジェクトがESBメタデータ・サーバーに登録されると、Oracle JDeveloper ESB Designerで作成したESBアーチファクトがデザインタイム・メタデータ・サーバーに登録されます。
ESBサービス定義ファイルは変換され、データベース・リポジトリのORAESB
スキーマにリレーショナル形式で取得され、XSD、XSLおよびWSDLファイルは、ファイル・システムに書き込まれます。 データベース・リポジトリのサービス定義には、ファイル・システムのXSD、XSLおよびWSDLファイルへのポインタが設定されます。
起動時に、ESBランタイム・サーバーがデザイン・メタデータ・サーバーにアクセスし、ESBランタイム・サービスに関する完全な情報をキャッシュします。 実行時に、ESBランタイム・サーバーは、情報の更新についてメタデータ・サーバーの制御トピックをリスニングし、変更が検出された場合はデータベース・リポジトリのキャッシュをリフレッシュします。
実行時に、ESBメッセージ・フローが、インバウンド・アダプタによるイベントのポーリングまたはリスニングによって開始されます。このイベントには、インバウンド・ファイル・アダプタ用に指定したディレクトリへのファイルのコピーなどがあります。 このESBフローは、外部のSOAP/HTTPクライアントまたはプロセスによってESBサービスに関連付けられたWebサービスが起動されたときにも開始されます。
ESBでは、Oracle ESB Controlを使用して一部のメタデータを設計時に変更できます。 更新内容は、デザインタイム・メタデータ・サーバーに自動的に送信されます。
図6-2は、シングル・インスタンス環境におけるOracle Enterprise Service Busのアーキテクチャの例です。
図6-2 Oracle Enterprise Service Busのアーキテクチャ - シングル・インスタンス環境
Oracle JDeveloper ESB DesignerでESBプロジェクトおよびサービスを作成すると、ESBフローに対して複数のファイルが生成されます。 表6-1に、生成されるESBファイルのタイプとその説明、およびそのファイルが設計時または実行時に使用されるかどうかを示します。
表6-1 ESBファイル
ファイルのタイプ | 説明 | 設計時 | 実行時 |
---|---|---|---|
プロジェクト(esb) |
Oracle JDeveloper ESB DesignerでESBプロジェクトを作成すると生成されるプロジェクト・ファイル |
使用 |
非使用 |
システム(esbsys) |
Oracle JDeveloper ESB DesignerでESBシステムを作成すると生成されるシステム・ファイル |
使用 |
非使用 |
サービス・グループ(esbgrp) |
Oracle JDeveloper ESB DesignerでESBシステムを作成すると生成されるサービス・グループ・ファイル |
使用 |
非使用 |
サービス(esbsvc) |
Oracle JDeveloper ESB Designerでアダプタ、ルーティングまたはSOAPの各サービスを作成すると生成されるサービス定義ファイル |
使用 |
非使用 |
サービス(wsdl) |
サービスのWSDLファイル |
使用 |
使用 |
アタプタ・ヘッダー(wsdl) |
Oracle JDeveloper ESB Designerでアダプタ・サービスを作成すると生成される、インバウンドおよびアウトバウンドのアダプタ・ヘッダー・ファイル |
使用 |
使用 |
Toplink_mappings(xml) |
DBアダプタのマッピング・ファイル |
使用 |
使用 |
スキーマ(xsd) |
Oracle JDeveloper ESB DesignerでDBアダプタを作成すると生成されるスキーマ表ファイル |
使用 |
使用 |
データ・マッピング(xsl) |
Oracle JDeveloper ESB Designerでデータ・トランスフォーメーション・マップを作成すると生成されるトランスフォーメーション・ファイル |
使用 |
使用 |