DA 通知または DA 検出の頻度の変更が必要な場合があります。DA 通知および DA 検出は、次のプロパティによって制御されます。
net.slp.passiveDADetection - slpd が請求されていない DA 通知を受信するかどうかを制御する
net.slp.DAActiveDiscoveryInterval - slpd が新しい DA を探す能動的 DA 検出を定期的に行う頻度を制御する
デフォルトの DA 通知および DA 検出の構成の変更理由は次のとおりです。
すべての SA および UA が、検出を通じてではなく静的に DA 構成情報を取得するようにしたい場合は、DA 検出を無効にするようプロパティを構成できる
ネットワークが頻繁にパーティション分割を行う場合、あるいは UA および SA クライアントがダイアルアップネットワークで DA にアクセスしている場合は、期間を延長または短縮するよう受動的な通知および定期的な能動的検出の頻度を構成できる
ネットワークが非常に混雑している場合は、マルチキャストの制限が必要な場合がある
UA および SA が slp.conf ファイル内の静的な構成情報から DA アドレスのみを取得するように制限することが必要な場合もあります。これは、slpd の受動的および能動的な DA 検出を無効にすることによって達成できます。
net.slp.passiveDADetection プロパティを False に設定することにより、受動的検出を無効にします。これにより、slpd は請求されていない DA 通知を無視します。
net.slp.DAActiveDiscoveryInterval を -1 に設定することにより、初期および定期の能動的検出を無効にします。これにより、slpd は初期の能動的 DA 検出および新規の DA に対する定期的なポーリングを行わなくなります。
これらの構成は、静的な構成を使用するよう制限されている UA および SA を実行しているホスト上でのみ行います。前述のように構成すると、slpd は DA 情報を slp.conf ファイル内の net.slp.DAAddresses プロパティからのみ入手するようになります。
ネットワーク媒体および全体的なネットワークトポロジの特定の組み合わせに対して、受動的 DA 通知および定期的な能動的検出要求のタイミングの変更が必要な場合があります。この節では、これらの例を示します。
ネットワークが頻繁にパーティション分割を行う場合、あるいは SA が長い時間継続してオペレーションを行う傾向がある場合は、受動的 DA 通知の頻度を高くすることができます。
ダイアルアップ接続の片方に DA があり、もう一方にその DA を使用する UA または SA がある場合には、DA のハートビートの頻度および能動的検出の頻度の両方を低くし、ダイアルアップ回線が起動される回数を削減できます。
スコープをサポートするすべての DA を使用して登録するには、SA が必要です。DA は、slpd が能動的検出を行なった後に現れることがあります。DA が slpd スコープをサポートする場合は、slpd はスコープのサービス通知の設定に矛盾がないようにするために、DA を使用してホスト上のすべての通知を登録します。
slpd が DA を発見する 1 つの方法は、起動時に DA が送り出す初期の請求されていない通知によるものです。slpd は定期的な請求されていない通知 (ハートビート) を使用して、DA がまだアクティブであるかどうかを判断し、ハートビートが現れない場合は使用する DA を削除し、UA に申し出ます。
最後に、DA にシャットダウン要求が出された場合、DA はサービスから抜け出すことを受信している SA サービスに知らせる、特別な DA 通知を転送します。slpd はまた、非動作中の DA をキャッシュから削除するためにもこの通知を使用します。
ネットワークが頻繁にパーティション分割を行い、SA の期限が長い場合は、ハートビートの通知を受けなければ、分割中に DA をキャッシュから削除できます。ハートビートの頻度を減らすことにより、使用中止になった DA がパーティションの修正後にキャッシュに復元される遅延を削減できます。
net.slp.DAHeartBeat プロパティは、DA が請求されていない DA 通知をマルチキャストする頻度を制御します。デフォルトでは、DA のハートビート期間は 3 時間 (10800 秒) に設定されています。次のエントリは、DA のハートビートの値を 1 時間に削減します。
net.slp.DAHeartBeat=3600 |
UA または SA がダイアルアップネットワークによって DA から切り離されている場合は、検出要求および DA 通知の数を削減または削除するよう DA 検出を構成することができます。ダイアルアップネットワークは通常起動時に課金されるので、余分な通話を最小限に抑えることにより、ダイアルアップネットワークの使用コストを削減できます。
「UA および SA を静的に構成された DA に制限する」で説明している方法で、DA 検出を完全に無効にできます。DA 検出を完全に無効にする場合は、正しい DA にアクセスするには、net.slp.DAAddresses プロパティを UA および SA を実行しているホスト上の slp.conf に設定してください。
DA のハートビートの期間および能動的検出の期間を長くすることにより、請求されていない DA 通知および能動的検出を削減できます。次の例では、能動的検出の間隔および DA のハートビートの両方が約 18 時間に設定されています。最初の行は、DA を実行しているホストの設定を示します。
net.slp.DAHeartBeat=65535 |
UA および SA を実行しているホスト上では、能動的検出の間隔は次のように構成されます。
net.slp.DAActiveDiscoveryInterval=65535 |
プロパティはどちらも秒単位で測定されます。
ネットワークが非常に混雑している場合、マルチキャストの量を制限したいことがあります。ネットワークに DA を配置していない場合は、DA を配置すると SLP 関連のマルチキャストの量を大幅に削減できます。
ただし、DA の配置後でも DA 検出のためのマルチキャストは必要です。DA 検出に必要なマルチキャストの量は、「ダイアルアップネットワークに対する DA 検出の構成」で説明している方法で削減できます。「UA および SA を静的に構成された DA に制限する」で説明している方法で、DA 検出のためのマルチキャストを完全になくすことができます。