共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド

ウィンドウ管理のガイドライン

ウィンドウ境界と装飾に関する具体的な説明は 「ウィンドウ装飾」に、各種のウィンドウ管理の動作の説明は 「ウィンドウ管理アクション」にあります。

主ウィンドウのユーザに見える基本特性は、重なり、ワークスペースの配置、およびアイコン化を、他の主ウィンドウとは独立に実行できるということです。副ウィンドウの重なり、ワークスペースの配置、およびアイコン化は、それに関連付けられている主ウィンドウと連係します。

必須 

aa: 

アプリケーション・ウィンドウは、外観と動作に基づいて、主ウィンドウと副ウィンドウのどちらなのかが明確に区別できなければならない。 

ウィンドウ管理アクション

必須 

aq: 

ウィンドウは、表 10-2 に示す共通デスクトップ環境のウィンドウ管理機能の規則に従わなければならない。

主ウィンドウは、最小限の能力のセットとして、[閉じる]、[移動]、[奥へ]、および [アイコン化] を備えていなければなりません。また、必要に応じて [サイズ] と [最大表示] も実行できるべきです。副ウィンドウは、サイズと最大表示が不要であり、また不適切でもあるように設計されなければなりません。大部分の副ウィンドウは、[閉じる]、[移動]、および [奥へ] の能力だけを持つべきです。ただしまれに、副ウィンドウは [サイズ] と [最大表示] も提供することがあります。副ウィンドウは [アイコン化] の能力は持ちません。副ウィンドウは、関連する主ウィンドウと共にアイコン化されます。 

必須 

as: 

ウィンドウの形成要素に制約を持つウィンドウは、必要に応じて、最小サイズ、最大サイズ、アスペクト比、およびサイズ変更増分のウィンドウ・マネージャのヒントを設定する必要がある。 

必須 

at: 

必要ならば、ウィンドウを最大表示することにより、(オブジェクトやコントロールのサイズを拡大するのではなく) より多くの内容 (オブジェクトまたはコントロール) を表示できるようにすることができる。 

必須 

au: 

[閉じる] または [終了] の機能を持つウィンドウは、ウィンドウ・メニューが存在する場合は、[閉じる] のためのウィンドウ管理プロトコルをサポートする必要がある。ダイアログ・ボックスの場合、ウィンドウ・メニューの [閉じる] 項目は、[取消し] 機能や、ダイアログ・ボックスの消去のアクションだけを行うことに相当する。 

ウィンドウ装飾

ウィンドウ装飾は、アプリケーション・ウィンドウの枠にある、ユーザに見えるコントロールです。図 5-1 に、主ウィンドウに一般に含まれているサンプルの装飾をいくつか示します。

必須 

ab: 

特定のウィンドウ管理機能をサポートするウィンドウは、対応するウィンドウ装飾を要求しなければならない (たとえば、アイコン化できるウィンドウは、アイコン化ボタンを要求する)。 

図 5-1 主ウィンドウ装飾の例

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さらに、移動、サイズ、アイコン化、最大表示、閉じるなどのウィンドウ管理機能をサポートするウィンドウは、その機能に応じた項目を持つウィンドウ・メニューを持っていなければなりません。

必須 

ad: 

表 10-1 に示す共通デスクトップ環境のウィンドウ装飾規則に従う。

主ウィンドウは、境界、タイトル、メニュー、およびアイコン化のウィンドウ装飾を持っていなければなりません。また、必要に応じて、主ウィンドウは最大表示とサイズ変更の装飾を持つこともできます。

副ウィンドウは、サイズ変更と最大表示が不要であり、また不適切でもあるように設計されるべきです。大部分の副ウィンドウは、境界、タイトル、およびメニューの装飾しか持ちません。ただし、副ウィンドウでサイズ変更や最大表示ができる場合は、それに応じた装飾が必要です。図 5-2 に、典型的な副ウィンドウの装飾を示します。

図 5-2 副ウィンドウ装飾の例

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ウィンドウ・メニュー

ウィンドウは、ユーザがアプリケーション・ウィンドウのサイズや配置に影響を与える、さまざまな操作を実行するためのメニューを持っています。開発者は、アプリケーションの中で、次の標準ウィンドウ・メニュー項目を使用するべきです。

必須 

ae: 

共通デスクトップ環境のウィンドウ・メニューの規則に従う。ウィンドウまたはそのアイコン化されたウィンドウ・アイコンに適用される項目は、ウィンドウ・メニューに存在していなければならない。 

図 5-3 ウィンドウ・メニューのサンプル

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次に、ウィンドウ・メニューの選択肢として使用できる項目を示します (各選択肢のニーモニックをカッコ内に示します)。これらは、ここに表示されている順序でメニューに追加しなければなりません。特に指定していない限り、これらのメニュー項目の機能は、『OS/DMotif スタイル・ガイド リリース 1.2』に記されているものと同じです。

推奨 

af: 

アプリケーションは、ウィンドウ・メニューに項目を追加するべきではない。どうしてもアプリケーションのウィンドウ・メニューに項目を追加しなければならない場合は、[閉じる] とアプリケーション項目の間にセパレータを入れて、メニューの末尾に項目を追加する。 

オプション 

ag: 

ウィンドウ・メニューでは、アプリケーション・アクセラレータ、ローカリゼーションなどに対する [Alt] キーの他の用途との重複を最小限に抑えるため、[閉じる] のための [Alt] + [F4] キーを除いてアクセラレータを使用するべきではない。 

ウィンドウ・アイコン

アプリケーションは、デスクトップ上でアイコン化されたときには、アイコンを使って自分の存在を表現しなければなりません。

オプション 

ah: 

アプリケーションは、主ウィンドウのために、固有のウィンドウ・アイコンを用意しなければならない。ウィンドウ・アイコンのイメージは、関連するファイルまたはフロントパネルのアイコン・イメージと似た外観でなければならない。 

オプション 

ai: 

ウィンドウ・アイコンのラベルは、対応する主ウィンドウのタイトルと同じテキストか、その省略形を含まなければならない。ウィンドウ・タイトルのガイドラインについては、「配置」を参照すること。

オプション 

aj: 

ウィンドウ・アイコンのイメージは、関連するファイルまたはフロントパネルのアイコン・イメージと似た外見でなければならない。「設計思想と有用なヒント」を参照すること。

ウィンドウの配置

ウィンドウの配置は、ウィンドウ・マネージャかユーザの制御に任せます。

推奨 

ak: 

アプリケーションは、ウィンドウやウィンドウ・アイコンを画面上の特定の位置に配置されるのを、強制または要求してはならない。 

推奨 

al: 

副ウィンドウは、アプリケーションによって、それに関連する主ウィンドウの位置を基準に配置される。副ウィンドウは、それを表示したコンポーネントと、ダイアログ・ボックスとの対話に必要な情報を隠さない程度に近い位置に配置される。 

推奨 

an: 

関連する主ウィンドウの下に副ウィンドウを配置できる場合 (主ウィンドウの上に置くという制約がない場合)、主ウィンドウによって完全に隠されないように配置されなければならない。この推奨事項は、他の配置に関する推奨事項よりも優先される。 

推奨 

ao: 

メニューまたはダイアログ・ボックスがすでに表示されている場合、その表示を引き起こしたコマンドを再起動すると、そのウィンドウまたはメニューが、画面上の位置を変更せずに、ウィンドウの重なりの一番手前に自動的に表示される。